picnic on a frozen river

山登りの記録

2009.03.15 八ヶ岳・権現岳

2009-03-28 17:07:19 | 雪山
3/15(日)は土曜日の悪天予報にメゲて日曜日帰りで権現岳に行ってきました。暫く歩いていなかったので、翌週の山行に向けての足慣らしとプチ歩荷が目的。
単独の予定が、結局は同じく日帰り転進組が合わさって6名の大所帯に。


(今回はカメラ操作がゾンザイで水滴ボケばかりで写真少なめ)


甲斐大泉の前夜泊は先客ありだったのでテント張って宴会。ん、飲みすぎた。度を越して飲みすぎた。翌日は二日酔いで登山開始。空はこんなに青いのにアタマは一向に晴れないよ。この行程、それなりに時間が掛かるのと、二日酔いには矢張り運動が効くのでペースは上げ気味に。
先頭集団を僕、まるおさん、まるこさんで形成して進む。前三ツ頭手前の急な登りで、技術的な問題により僕が脱落。まるおさん、まるこさんに先に行ってもらう。前三ツ頭で後続を待つと、「八ツのバリは行者小屋までが核心」のつっちーさん、日帰り権現に何故か60Lザックのゆかたけさん、暫く歩いていないひらりんさんが到着。どうせピストンだからと、後は各自適当に進めるところまで、駐車場集合として先行を追う。


(みんな寝不足の前三ツ頭)

前日に降った雪で、ちょっとだけ冬山に戻った尾根を進む。展望良し。しかし、眠い。三ツ頭への登りをこなしてちょっと下った樹林帯で耐えられずに昼寝。今思い返すと、カナーり遭難者な雰囲気だったと思う。春眠暁お覚えずだったら凍死だよ。何故かまるこさんの声で「もう...が無くなっちゃうよー」と聞こえた気がする。5分程の安眠でした。
なんとか元気も出てきて権現岳を目指す。ガチトレースでサクサク進んで、山頂直下でまるおさん、まるこさんとすれ違い。持ってきた苺を渡して僕はピークを踏んでくる。
一緒に下山も、やっぱり技術的な問題で僕は遅れるのでお二人には先に進んでもらった。


(迷い込んだテン場跡で)

途中、ショートカットかなーと思って入って行ったトレースで幕営跡に迷い込み、随分と時間をロスした。前三ツ頭でまるおさんまるこさんが待っていて下さって一緒に下山。僕だけアイゼンで黙々と下るが、後ろでは壷足で滑りやすい雪道を下りながら「8.1mmと8.5mmのロープで懸垂下降するときの結束」についての夫婦の会話が聞こえる。天ノ河原で待っていた三ツ頭往復のつっちーさん、ひらりんさんと合流。途中で追い抜いたゆかたけさん合流であとは一緒に下山。

歩荷トレっていうか、何時もの二日酔い状態で登るトレになってしまった。まぁそういう状況ばかりだから重要なんだけどね。

2009.02.20-21 八ヶ岳・石尊稜

2009-03-06 12:20:33 | 雪山
去年はまるっきり連れて行って貰った状態の石尊稜。今年はグレ子さんが行ってみたいとのことでワタクシがリーダーで山行を計画した。でも全ピッチリードはお任せ、リーダーっていうかシェルパだね。
登攀日は天気良かったんで写真大き目で行って見ましょう。

(2/20) 美濃戸(13:14)-(16:52)行者小屋
(2/21) 行者小屋(07:47)-(08:11)登山道からの分岐-(10時頃)石尊稜取付-(15:04)中間部雪稜-(16:05)山頂-(17:48)行者小屋(18:50)-(21時頃)美濃戸

(2/20) 朝から雪予報だったので前夜泊は道の駅でテントでなく、JR小淵沢駅にしてみた。雪の中、車を走らせて美濃戸口に着くとなんと雨! びしょ濡れになって凍ったら最悪ってことで、一度小淵沢まで引き返し、それでも昼には美濃戸に車で入ってのんびりと行者小屋まで歩いた。取り付きの偵察でもと思ったけれど、テン場着が遅かったのであっさり中止。悪天の平日でテントは我々のみ。風が強いので小屋脇に張らせて貰い、張り綱を柱で固定した。翌日の予報は晴天だが風が強いらしい。
(2/21) 携帯で調べた天気予報では午後に遅くなるほど風は収まる。まぁそもそも早出が苦手ってのもあって、出発は8時近くになってしまった。あんまり風が強ければ南沢小滝でアイスをと考えていたけれど、そこまで酷くはなさそう。テントを畳んで登攀に不要なものは残置し、稜線で吹かれたら引き返すことにして出発する。
鉱泉に向かう途中で、すれ違ったガイドさんから前日に石尊の取り付きを誤ったパーティーがあったことを聞く。大丈夫かなー、なにしろ去年は焦っていて何にも憶えてないんだよなー。
中山乗越からの九十九折れを降りきり、樹林帯から抜けると橋が見え、そこから沢筋にトレースが伸びていた。これに違いない、とトレースを追う。しばらくすると潅木がうるさくなってきて、また左手の小同心が随分と近づいてきた。
こりゃ違うかな? グレ子さんには待ってもらい、一度空身で登山道まで引き返し他のルートを探るも、中山尾根があるばかりで他に詰めて行く沢は無い。再びトレースを追うと尾根の先端に到着、トレースは左に向かっていた。


(まずはここを右)

(石尊稜のピークが)

ここで石尊の山頂が雲間から見えた。間違いない、ここを右だ。そこからは新雪ラッセルとなり、酷いところでは腰まで潜った。更にその先に石尊稜の先端が現れ、また右に。左手が石尊稜なら確か1ピッチ目の取り付きまでもいやな登りだったような。あの草付きも確認できない。もっと先に詰めるのかなぁと思って、そのままルンゼを登って行った。足下の新雪が崩れ、露岩が現れる辺りで、こんなに高度を上げたはずはないと気づき、左を見るとなんとなく記憶に残る1ピッチ目を切った木が見える。「んーあれだよなー」と思ってもトラバースするより安定したところまで直上が良さそう。


(上がりすぎだよね~)

ここでグレ子さんに先頭を交代してルートを探って貰った。人が行くと行けそうな気になるもので、それでも小暮さんがガリガリと登ったところより雪の多いところにステップを切り直し、立派な木の支点で合流。後で調べたら、このルンゼを詰めるのも一つのルートらしい。ただし途中で支点は全く取れないのでフリーで登ることになる(ええ、そうなりました)。


(先頭交替 - 右側の雪は踏むと全部沈んで落ちそうなんだよ)

この時点で11時。1ピッチ目と2ピッチ目を終えた換算だから、時間は大丈夫と思った。下を見ると後続が見え、そのうち4人はルンゼに入らずに(下から見て)左の稜線に上がり、通常の1ピッチ目取り付きに向かったよう。
さて、去年は1ピッチ目の印象ばかりが強くてこのあたりは覚えていない。そもそもロープ出したっけ? しかしリードのグレ子さんは大分悩んで登っていった。そしてフォローすると雪も氷も無く、アックスを打ち込むことが全く出来ずに悪い。去年、日和田でまるおさんから教わったドライツーリングの要領で、ピックはちょこんと乗せるだけ。なんとも神経質なピッチになった。終了点は立派なペツルが打ってあったが、去年はピッチの開始からしてもっと左から上がったかもしれない。


(1ピッチ目、傾斜は無いけれどホールドも...結構スタンスは取れた)

(2ピッチ目もこの有様)

2ピッチ目もグレ子さんがリード。壁の状態は相変わらず。上部は見えないけれど30mのあたりでロープが出たり戻ったりし、その度に土屑と雪がパラパラと落ちてくる。暫くしてからビレイ解除のコールが聞こえた。追って行くと立った岩壁から一段下でビレイしているグレ子さん。この岩壁を直登し、クライムダウンを繰り返したそう。そのままビレイして貰って僕が安定したビレイ点を探しに上がり、左にトラバースして木に支点を取る。なんとなく記憶が戻ってきた。ここは左からだ。小暮さんを迎えていると左から上がってきた1パーティのリードに抜かれてしまった。あぁやっぱ左なのね。グレ子さんのリードは順調にロープが伸び、「あと5m」のコールも届かなかったようでロープ一杯になってしまった。こりゃ詰まったなーってことで、セルフを解いて簡単なところを3mほど登り始めると、ロープが少し出てから流れが止まった。どうやらビレイはされているようなので簡単なピッチを詰める。ビレイ点より少し先の平らなところまでロープを伸ばし、ビレイ解除。


(3ピッチ目は木登り混じりで簡単)

ここからは雪稜なのでロープを一旦仕舞う。風が予想より穏やかでこれなら上まで抜けられるだろう。空は青黒いくらいで、樹氷とのコントラストが鮮やか。




(目指すピークへは左側の稜線から上部岸壁に入る)

快適な稜線を歩き、先頭のグレ子さんはそのまま上部岸壁に突っ込んで行った。丸いホールドやスタンスはしっかりしているが、落ちたら怪我で済まないかもしれない。ダブルアックスで処理した下部と違い、アックスは離して手で掴むことが多くなる。緊張してグレ子さんを追って行くと、ピナクルにスリングを掛けてくれていた。ちょっと立っている所だったので、ハーネスに連結してセルフを掛け替えるかたちで登った。そうだ、去年はロープを出したっけ。


(今年もヘロヘロ!)

(もう結構な時間 - 気がかりは「美濃戸口第一スラブ」)

最後は幅が広くて傾斜の緩い草付きを登り、石尊の山頂に出た。雲ひとつない快晴。既に16時を回っており、低気圧は去って行った模様。風はとても穏やか。
水分補給だけで下山開始。途中、何度もルートミスをしながら地蔵尾根まで辿り着く。真っ赤な小同心、大同心が美しい。行者小屋に着けばもう安心。小原さんにヘッ電下山になることを連絡し、ゆっくりとパッキングして、道の明瞭な赤岳鉱泉経由で美濃戸に向かう。月の見えない夜空は星で溢れ、時々ヘッ電を手で隠して見上げる。

車のドアは凍っていたり林道の凍結箇所はツルツルだったりしたけれど、最後の核心、美濃戸口手前の坂も無事に登り切り、風呂も打ち上げも無しに日付が変わる頃に帰宅した。

抜いて行ったパーティーに依ると今回の状況は雪が多く悪いとのこと。自分の去年の経験と比較すれば、下部は新雪が多く、立ったところでは雪や凍結が全く無く悪い。少なくとも取り付きは違っているわけで、自分たちがロープを出した1ピッチ目、2ピッチ目は難しいルート取りで、それに後続を引き入れてしまったのかも。
取り付きは自分でトレースをつけたので、多分次回は大丈夫でしょう。