当初は別の沢に5人で行く筈が、出張の日程変更で泣く泣くキャンセル。独りでも行けそうなところで初級の沢に行ってきました。
【日程】2008/07/20-21
【行程】
(7/20) 西沢渓谷駐車場(06:35)->(08:16)山ノ神->(10:10)魚止滝->(11:03)両門ノ滝->(11:50)広河原上部
(7/21) 広河原上部(06:36)->ミズシ沢->ミズシ沢出合(07:59)->(09:09)甲武信ヶ岳(09:25)->(12:16)西沢渓谷駐車場
【メンバー】Gil(単独)
(7/20) 土曜日の夕方、成田からの帰りに高度計を買ったりして帰宅、とりあえず仮眠。時差ボケのまま適当にパッキングして西沢渓谷の駐車場へ移動したら再び睡魔に襲われ、また運転席で仮眠。朝6時に眠いカラダに鞭打って準備をしたらスパッツとグローブを忘れている。まぁ今日は良いでしょう、とりあえず歩き始める。釜ノ沢は去年の6月に西俣に連れて行ってもらう予定が、雨のため山ノ神手前で撤退したところ。ホラの貝のゴルジュの巻き道などはなんとなく覚えている。しかし一箇所、右からのルンゼを2m程上がってからザレ場を河原まで降り切るところで、途中で新しい藪漕ぎ跡があったのでそちらを追ってみたら間違いだった。正規登山道に復帰したら程なくして山ノ神。やっと遡行らしくなってきた。
梅雨明けしたばかりの夏の空は暑そうだが沢にいれば快適。左右から立派なナメ滝が幾つか流れ込み、次第に自分の歩くルートも美しいナメ床になる。
(西のナメ沢かな?)
(ナメナメ~)
直進と右折の二つの沢の出合いに差し掛かり、ここが金山沢との出合いと思い右に行くと5分もせずに魚止滝が見えてきた。
今月号の岳人の西俣遡行の記事では「荷物を背負っていれば最初の一歩が出ない」と書かれていたけれど、スタンスやカチホールドは豊富でスメアも必要なくてクリア。
(魚止滝を登りながら)
そして千畳のナメでは狙ったように太陽が出てきてくれ、キラキラと輝く川床が美しい。
(千畳のナメ - 紅葉の時に来たい)
ナメの終わりにちょっと傾斜のあるナメ滝があった。水流から右に先行者の濡れた足跡が途中まで着いていて、試しに追ってみたら同じように行き詰ってしまった。仕方なく降りたら滑ってしまい、腰に下げていたビニールの地図ケースが溶けてしまう。結構止まらないもんだな。右に軽く巻いてやり過ごす。
両門の滝は釜に飛び込みたくなる誘惑に駆られたが、濡れると股ずれを起こし易いので遠慮しておく。流れからあまり離れずに右側から登る。
(両門ノ滝を登りながら)
そして程なくしてヤゲンの滝。「右のカンテを登る」とあったのを顕著な岩角を期待したら樹林に埋もれた稜、スタンスは豊富。丁寧に残置スリングが掛かっている。その上の6m滝も越えたら沢はゴーロ状、左岸には林の中に幾つもの幕営適地が見つかった。まだ昼前で今日中に甲武信小屋までは確実に抜けられるし、下手したら下山も可能、でも沢中泊も目的なのでもう少し遡行することに。詰めすぎないようにペースを落とし、右岸に焚き火の跡、そして2人用テントがちょうど張れる砂地を見つけて行動終了。
テントを張って蒔を集めて火を熾し、まずはお茶を淹れる - 今から酒を始めたら夜には尽きてしまうだろう。沢で体を洗ったり、もっと蒔を集めたりしてヒマを潰していると2人Pが上がってきた。「大分、様子が変わっていますね」僕は初めてなので分らないが、倒木が多く荒れてしまったらしい。そういえば岳人の記事に書いてあったっけ。遡行を続ける彼らを見送り、ますますヒマなので食事の準備を始めてしまう。ところが米を炊き始めて20分ほどしたら雨が降ってきてしまった。慌ててテントに逃げると雨脚はどんどん強まり、ビリー缶を回収する気が起きないくらい。雨が上がるのを待って飯の具合を見に行ったらなんとか炊けていた。火を熾しているとまた雨になりテントの中で食事とする。ガスを使うと暑くて敵わないな。雨は降ったり止んだりだが、増水はしていないようだった。
(7/21) 時差ボケだもの、3時前に目が覚める。焚き火を熾してゆっくりとスパゲティの朝食を摂り、びしょ濡れのテントを畳んで6時半に出発。単調なゴーロを黙々とこなす。
暫く歩くと後続4人(或いは単独+3人P?)が追いついて来て、僕が流れから離れて倒木の処理に手を焼いている時に先頭の人が抜いていった。ただ着いて行くだけだとルート読みの手間が無く引っ張られるカタチでペースが上がる。離れた後続を先頭の人が待つような様子なので、また独り先頭を進む。高度計1,880m付近で直進と右からの流入に別れ、ぱっと見て流量は1:1かなぁ。地形図で顕著に屈曲しているところは標高1,950mあたりだから、ここは直進してみる。引き返せるかどうかを意識しながら高度計1,960mまで上がるもコンパスは地形図2,396mのミズシに詰めるミズシ沢に入ったことを示していた。
(ミズシ沢 - こちらからも詰められたらしい)
引き返して30分程のロスをして、右の沢を暫く進むと間違えた沢より流量は多かった。穏やかなナメ沢は恐怖感も無く快適、水流の中を積極的に歩くと滑らない。長くて大きいナメ滝はちょっとやだなと思ったら、左岸の樹林の中に明瞭な踏み跡があり全部バイパスしてしまう。
(最後の詰め。右に明確な踏み跡あり)
3人Pを抜いて、流れの消えかけた沢を詰めると水槽があり、これがポンプ小屋と分る。昨日の昼にお会いしたお二人が沢装備を解いていた。僕はそのまま甲武信ヶ岳の山頂まで歩き、そこで靴を履き替える。
朝イチでお会いした方が独りで上がってきて(やっぱり単独+3人Pだった?)、僕のミスコースを見ていて尚且つ山頂で全装備を持っているものだからそのまま詰めたのかと思ったそうだ。そういうことにしておけばカッコ付けられたかも。
ガスで展望の無い山頂を後にして、あとは急な戸渡尾根を下山する。長くて退屈で急ぐくらいしか楽しみが無い、水の流れが恋しい。
登る技術の不安や怖さを感じるところは無く、前週の小草平ノ沢とは比較にならないくらい易しい。ただ、ゴーロ歩きにしてみても慣れない自分には矢張り疲れる。双六谷を見据えて軽量化は敢えて考慮しなかったら案の定二日目の下山路では結構膝が疲れた。半面、ルートを選べば宴会の沢山行もソコソコいけるじゃんと思ってみたりする。身の周りに釣師が居ないから、独りで岩魚メインの気楽な計画でも立ててみようかな。
(甲武信ヶ岳山頂にはシャクナゲが残っていた)
今日の食糧山岳会
ご飯を炊いてみた。ビリー缶に一合の米を入れ、米の上2cmまで水を入れて吸水に30分。
焚き火に蒔を組んで軽く直火があたるところを作り、ビリー缶を乗せて放置。標高は1,400mくらい、沸点降下の対策は特に取らず。
最初が弱火だったので炊けるまで30分くらいかかるかなと思っていたら雨に降られ、1時間ほども放置。火は炊き始めから30分も経たずに鎮火したと思う。
水が多すぎたか弱火で長く煮過ぎたのか若干クタっとした飯になった。芯メシやアルファ化米よりマトモ、ムラなし焦げなしで60点くらいは更なる練習が必要。
(二日目の朝はスパゲティでした)