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picnic on a frozen river

山登りの記録

2011.07.27 Chamonix 10日目 - Lac Blanc から Col du Belvedere

2011-07-29 00:43:32 | ハイキング
Chamonix入りしてから10日が経ってしまったけれど相変わらず天気は悪い。ここまで悪天が続くのも珍しいらしい。この日も午後から雨の予報だったけれど、大雨ではなさそうだし翌日の出発もないしでハイキングコースを歩いてくることに。こちらで購入したガイドブックで、Lac BlancからRouges針峰群のコルに出られるコースがあったので、天気が崩れたらLac Blancまでと思って行って来た。




【行程】La Flegere(08:35)-(09:52)Lac Blanc-(12:14)Col du Belvedere(12:30)-(13:31)Lac Blanc-(14:40)La Flegere
Chamonix Sudを7:46発のバスでles Praz de Chamonixまで。ケーブルは既に運行していた。切符を購入してから料金の比較なぞしていたら一本乗り過ごしてしまい、15分程の待ちになってしまった。
La Flegereからの登山開始は毎度の如く道迷いから始まる。ちょっとだけl'Indexに向かう道を上がってしまってから、la Chavanneに向かう下りの道に方向修正。


(ケーブルの駅から少し下る)


(道は明瞭)



団体さんを追い抜いてトコトコ行くと、1時間ちょっとでLac Blancに到着。既に軽く雨がパラついて来た。この湖は上下に別れていて、上の方に行ってみたらアメリカの高校生だか中学生だかがこの寒さの中で水泳していた。飛び込んでいる猛者もいたりして、一体どんだけアメリカ人なんだか。でも「寒すぎーっ」とか叫んでいるのもいてちょっと安心。




(寒いってばさ)

見上げるとコルは時々ガスに隠れてしまい、ガイドブックには「間違ったルートもあるが目視できるコルに向かって進む」とあったので諦めることに。時間が早いので、右手の黄色いペンキの目印と踏み跡を追ってみることに。小さな池で登山道は終わっていたけれど、右手の岩場をちょっと上がってみたらCol du Belvedereが近付いていた。


(静かな池に到着)

眼下にはLac Blancが見え、これなら道迷いの恐れはなさそうなのでコルまで上がることにする。ガレをトラバースしてから雪に乗る。踝まで潜りながら進むと、ひょっこりとトレースに合流した。それを追ってCol du Belvedereに到着。
反対側になにか見えないか期待したけれど、ガスってますからね、しょうがない。


(トレースに合流)


(針峰群の反対側)


(Lac Blancに下降)

大休止してからLac Blancに下る。Lac Blancは下の湖を西岸から小さく巻いた。La Flegereに向かう道は大賑わいだった。ケーブル、バスとも接続良くChamonixに帰幕。

一つ西側のColからは簡単なバリエーションルートがあるというのを帰ってから知りました。この日は雨だったからどうせ登らなかっただろうけれど、1日だけ晴れの時にロープ持って遊びに来ても良いかも。
Lac Blanc自体が、天気が良ければ逆さモンブランの見られる景勝地ってのも下山してから教えてもらいました。

2011.07.22 Chamonix 5日目 - Mer de Glace のハイキング

2011-07-26 16:33:47 | ハイキング



今日は珍しく晴れの予報。雪の状態が良くないのでMont Blancに向かうことは出来ないが、どこか歩いて来よう。1/25,000図の水平距離と標高差から、Mer de Glaceとその脇の山肌を巡るルートに行ってみることにする。

【行程】 Chamonix(08:30)-鉄道-Montenvers(09:00)-右岸登山道取り付き(12:42)-(14:02)Couvercle小屋(14:26)-道迷い-(19:28)Montenvers-(21:50)Chamonix

ChamonixからMontenversまでは山岳鉄道で。駅からは登山道を暫く進み、岸には露出感のある梯子でガンガン降りることになる。


(駅からのドリュー)


(無理矢理降りる)

ザレ場をなんとなくの踏跡を辿って氷河に取り付く。氷というか締まった雪に小石が乗っていて、フリクションが良いのでアイゼン無しでもOK。上流に向かって歩いてゆくと直ぐにクレバス帯となる。5mくらいの深さのクレバスの側壁を使って、アイゼンアックスの歩行訓練をしているグループが幾つもいた。足首を器用に使って素早く動いていてカッコイイ。自分も小さい壁を見つけてはわざと通過してみたりで進む。


(歩行訓練中)




(出合まで詰め過ぎ)

途中でクレバスは見られなくなってひたすら平らな雪の上を歩き、Tacul氷河とLeschaux氷河の出合でまた起伏が出てくる。ここは左俣に入って斜面に取り付くのだけれど、自分は出合まで進みすぎたらしく、クレバスに乗ったザレが酷くて身動きが取れなくなってしまう。少し戻って少しはマシなザレ場から右岸を目指す。氷から逃れた後はガレ場にケルンを追って行くと、梯子に取り付いている3人パーティーが見つかった。時計は12時半。登山電車の終電が気になったけれど、最悪STBでも良いと思ってCouvercle小屋まで登ることにする。


(ガレ場のケルン)


(中央のクラックの右から上がる)


(ルートっつうか何つうか)

前のパーティーはロープを出している様子で、自分も念のためにハーネスとカウテールでセルフを取れるようにする。梯子と人工の足場が設置された最初の登りを過ぎると、日本の登山道のような道になった。



先行の3人は追い越したものの、しかし体がだるくて思うように標高が上がらない。横切る沢で水を飲みながら、小屋に着いたのは14時過ぎ。


(小屋からジョラス)

テラスにはグランドジョラス北壁の撮影で小屋に滞在されている日本人の方がいらして、暫くお話をする。3人Pも上がってきて、こちらも日本人だった。小屋に泊まる4人と別れて下山開始。しかし適当にコンパスの方向で進んで、ケルンを拾って行ったら小屋から声が掛かった。先ほどの撮影の方がルートミスを指摘して下さって、本来のルートはもっと下らしい。下ってゆくと来た道と合流してしまうし、一度小屋に戻って階段のある側から小屋の上のケルンを追ってゆくことに。ちっとも登山道っぽくないガレ場だけど、点線ルートだしこんなもんかと思ってケルンを拾う。するとまた下のほうから声が掛かる。どうやら本来の登山道と平行して上がってしまったようで、Druに向かうルートの一部らし。今度は正しい方角に進む登山道が下に見え、なんとか復帰。ここで50分くらいのロス。しかし小屋からの登山道が見つけられないとは...情けない。


(Couvercleの小屋 - ルートミスしているところから)

登山道の踏跡は概ね明瞭。黄色いペンキの目印を追ってトラバースで巻いてゆく。そして唐突に、梯子と人工の足場に出くわす。数10m梯子で下ってまたすぐに登るみたいな強引なルートで、ルートの時間が読めない。また、谷が切れ込んでいるところはルートも回り込むことになる。Aig du Midiに掛かっていた黒い雲が次第に流れてきて、小雨が降ってきた。登山鉄道はもう諦めだね。



沢を幾つか渡り、遠くに見えた駅舎が近付いて来る。登山道が九十九折に高度を下げて梯子の登場。梯子はともかく、岸に下りてからのザレ、ガレが疲れた。沢を登っているとこのあたりの筋肉が鍛えられるのだけど、今シーズンは一回も行っていなかったのを思い出した。
対岸に渡って梯子を上り、登山鉄道駅の下に着いたのは19時半。大休止の後に登山道をChamonixに向かう。
脚が大分弱っていて、休み休み降りて街に着いたのは22時ちょっと前。スーパーは既に閉まっている時間だったので、贅沢してケバブとビールを買ってテントに戻った。


(マーモット - 微妙な距離で逃げる)

最近ちっとも歩いていないツケを払わされたなぁ。本番まで時間が掛かりそうなんで、あちこちハイキングに出かけよう。

2011.04.30 西沢渓谷で撮影ハイク

2011-05-01 09:50:29 | ハイキング
すっかり山から遠ざかっております。デスマーチな仕事が続いていて、自由な時間がすべて持ってかれていて山どころかジムにすらいけていません。でも翌週からの海外での収監の前に3日だけ休みが取れたので土曜日は外出してきました。金曜日にヤケ買いしたレンズを持って。

前日も結局機材の引き上げで会社に寄ってしまい、日曜は朝寝坊。出発は11時を過ぎてしまった。取り敢えず中央道に乗って、まぁ遭難しなさそうなところで写真が撮れるってところで西沢渓谷に向かった。前日に購入したレンズは山用のズームレンズを付けたD200を持って出発。時刻は14時を回っている。
このレンズの記念すべき最初の一枚はこちら。



名車RZV500R、駐車場で見つけたのを普通に平たく撮ってしまった。山とはマーッタク関係ないですが、これは放っておけません!!

さて、東沢はともかく、西沢渓谷は初めて。遊歩道を歩いてゆくと、こんな山を舐めた時間帯にも関わらず沢山の人が歩いている。しかも手ぶらで。三脚を広げるのも憚れるので、登りは撮影場所の目星だけ付けて手持ちだけにして、終点から往路を戻る作戦に出た。なので写真はそういう順序。







新緑にはまだ早かったことと終始曇天だったってのを言い訳にさせてもらおうかな。しかし余程の宴会山行でないと三脚までは持ち上げたくないなと思った。フリーのゲレンデには持ってゆくかな、結構日陰のルートがあるしね。

さて、明日からまた海外出張。山は無理でも出来ればジムの写真の一枚くらい撮って来たいもんだ。

2010.09.19-21 池山吊尾根-白峰三山

2010-09-29 23:14:01 | ハイキング
半ば強制的に取らされた有給休暇で10連休。当初は海外出張に絡めて先に現地入りして、ボルダーでぶらぶらしてようかなぁと企んでいたんだけど、直前に出張自体が中止になってしまった。慌てて立てた計画が正月山行の候補に考えていた池山吊尾根の偵察。


(池山吊り尾根 - 最後の楽なとこだけね)


(9/19) 夜叉神登山口(5:25)-(06:31)鷲ノ住山登山口-(07:56)野呂川発電所-(08:50)あるき沢橋-(12:24)池山避難小屋(12:52)-城峰(13:36)
(9/20) 城峰(06:59)-(07:47)2,665m森林限界-(08:30)ボーコン沢ノ頭-(10:39)北岳山頂(11:19)-(13:43)間ノ岳-(14:35)農鳥小屋
(9/21) 農鳥小屋(05:10)-(06:39)農鳥岳-(07:12)大門沢下降点分岐-(09:12)大門沢小屋-(12:10)第一発電所

(9/18)三連休の初日を勿体なくもアプローチに使う。23時に夜叉神の駐車場に到着し、4台分くらいしかなかった空きの一つを確保。車中で仮眠はあまり良く寝られなかった。
(9/19)いつものように登攀具の無いときは歩荷。初日行程に水場が期待できないこと、当初計画は3泊だったことなどもあり、水、氷、酒で9Lを超えた。でも冬のザックはもっと重いはず。
ゲートの管理人に行き先を告げ、ヘッ電灯して夜叉神トンネルに入る。暗闇でバスに抜かれるのがちょっと怖い。1時間ほどの歩きで鷲ノ住山登山口に到着。


(すぐ手前の広い慰霊碑から、歩行開始から最初の切り通しに入る道、で分かるでしょう)

地形的にもバス停の標識からも間違えることはなさそうなところ。登山道もしっかりと踏み跡と赤テープが付いている。僅かな登りで山頂らしき平坦地に到着して休憩。ここから広い尾根の下りに踏み跡は不明瞭、目印の間隔も広がって一度道を間違えて急なところを降りてしまう。土と落ち葉でグズグズの斜面を登り返し、尾根の若干右側に踏み跡を見つけて修正する。最後の50m程が外傾したジグザグの細い道で、土が流れて嫌だった。標高1,300mでは年末に積雪していないかもしれず、半端に濡れていると気を遣いそうだ。
野呂川の吊り橋を渡ってから車道へは野呂川隧道の先への道が見つからず、目印を追い、強引に隧道手前から上がった。ここからまたヘッ電でトンネルを3っつ潜り、あるき沢橋手前の登山道標識に到着。


(野呂川からトンネル3っつ。最初の橋の手前。迷わないでしょう)

大休止してから山登り再開。取り付きこそ急坂だったけれど、次第にジグザグトラバース。1,500mくらいの尾根が広がったところで登山道を見失い、少し戻る。その先、目印と踏み跡が薄くなるところではガラス瓶のゴミを追う。1,700m付近、古い目印はあるがザレた急斜面を3mほどの登りで疑問符が湧いたが、つま先を砂利混じりの土に蹴り込んで強引に上がった。こんなところ下りたくないなぁ。その先で立派なトラックに合流したので、おそらくルートミスだと信じたい。


(んー、良く分からん。積雪期はもっとよく分からん。)

樹林の中の踏み跡を追って高度を稼ぐと干上がった池の跡に出た。ここだけ明るく気持ちが良い。避難小屋はガラス窓にヒビが入っていたが特に問題はなさそう。


(池跡は明るい別天地)

計画書では初日の行動はここまでにしていたけれど、正午過ぎでは時間が早いのでもう少し進んでおきたい。しかし寝不足なのか酒の飲みすぎなのか、今日はどうにも力が入らない。ゆっくり休んでから笹薮の中に付いた踏み跡を進む。
池までとは一転して快適な道を小一時間で城峰に到着。小さいピークにはテント一張り分のスペースがあり心を惹かれる。出来れば森林限界を越えた景色の良いところに張りたいのだけれど、目の前にはコルから先のバカ登りが伸びており、あと200mと思っていてもすっかりやる気を削がれる。結局ここに張ることにした。ダラダラした独り宴会は、酒をマグに注ぐときの100g単位の軽量化が嬉しい。


(酒は景虎2升、ツマミそれなりに充実。メインは賞味期限1年切れたパスタでやる気なし。)

(9/20) 目覚ましをセットしなかったら起床は5:45。そそくさと支度をして7時に出発。昨日とは打って変わって調子が良く、急登もむしろ標高を稼げて嬉しい。ここからの樹林帯は冬に1張なら可能な箇所がいくつも見つかる。
森林限界を超えると岩稜歩きとなるが、それほど難しいところはない。高曇りだけれども周辺の山々は見渡せ、鳳凰の白い稜線が美しい。もうこの辺りは冬には張り放題な平坦地がいくつもある。ところどころ這松の中を軽く薮漕ぎしてボーコン沢ノ頭に到着。バットレスが大分近くなってきた。


(森林限界を超えれば幕営適地は豊富)


(這松の中をボーコン沢ノ頭へ)


(吊り尾根の極楽部分を振り返る)

パラついていた雨粒が大きくなってきたので観念して、手袋と、雨具の上だけを着る。幸いにして涼しいので汗ばむこともない。暫くはバットレスの撮影ポイントで時間を取られながらの稜線漫歩を楽しむ。コールも良く聞こえ、四尾根のマッチ箱の上のクライマーも見える。本当は、今日、ここを登りたかったんだけどね。


(バットレス四尾根どまんなか。良い撮影ポイント。)

八本歯のコルの直前で2箇所程のクライムダウン。冬はどうなんだろう、一箇所は支点にフィックスロープがあり、懸垂ならこの支点は掘り出せそう。


(冬は懸垂?)

そして一気に登山者が増えた道を北岳山頂に向かう。冬の核心はどこかなーとか思いながら岩と梯子の登りで北岳山荘への道との分岐に到着。その先は簡単な - でも、以前、10月末に来た時は一気に強い風に晒された - 登山道で山頂到着。
入ったり入らなかったりのAUで遊んで40分くらい休憩。さて、最初の計画は水場の都合で肩ノ小屋、翌日は両俣小屋で次の日は仙丈。しかし間ノ岳からの下りと仙塩尾根の登りを見ていると正直萎えた。農鳥から奈良田に降りても良いし、とりあえず間ノ岳に行って、余力があれば両俣まで今日中に下っても良いかなと考えた。


(仙塩尾根 - 両俣のテン場はさらに河原に降りるんだ...)

ちょっとガスが増えてきた稜線を北岳山荘に進む。当初の目的は果たしたのでモチ下がりで、仙丈ヶ岳は雪の時期に来ることもあろうけれど、農鳥はそれほど機会も無いし白峰三山っていう響きも良い、そして森林限界上の稜線に幕営したかったりで、間ノ岳に到着する前にほぼ心は決まった。ガスガスの山頂から農鳥小屋に下る。


(間ノ岳への途中。紅葉が始まっていた。)

小屋手前のテン場に荷物を置いて受付に行くと、農鳥岳方面にもテン場があるとのこと。そちらを見に行くと混んでいるので、トイレに時間が掛かろうとも敢えて移動は避けた。水場の往復20分は長く感じられたけれど、水量豊富なのと小屋から水平方向に離れているので安心。会に計画変更のメイルを送って、たった一張りのテントで宴会。


(最後の晩餐はボロニアソーセージとパンの残り。)


(9/21)晩に降られ、また強い風にテントを煽られて良く眠れなかった。3時起床。煮炊きがし辛いのと食欲が無かったのでスープとカロリーメイトで朝食を済ます。無雪期はもう朝食ラーメンは遠慮だなぁ、カロリーメイトで良いなぁ。テントの四隅が浮くけれど、自分の体重だけで抑えられるので歩くのは問題なさそう。テント以外のパッキングを済ませてから様子を見て、念のためヘッ電が要らなくなるくらいまで待って撤収、ポールを抜き、テントとフライを連結したまま丸めてザックに突っ込んで行動開始。
広河原行き13:20のバスにはCT的に丁度。一面のガスの中、風に吹かれて真っ白の農鳥岳を通過。


(農鳥岳からの下りしなに少しだけ晴れた。その先の大山塊はガスの中。)


(殺伐とした風景も好き)


(ここから1,800m下っておしまい)

そこからは東側にオフセットして付いているので一気に風が収まる。荒涼とした雰囲気も良かった。大門沢小屋までガツガツと下って、その先、最初の枝沢を通過したあたりでミスコース。沢に降りすぎたのをザレザレの斜面を強引に上がって登山道に復帰。樹林帯の中を黙々とバス停まで下山。テントを干してバスを待ち、広河原経由で夜叉神登山口に戻った。

しかし年末年始山行まで単独になったら好き勝手やりたいなぁ。いやマジで単独だろうし、どこ行こうかなー。

2010.07.17-19 白馬から栂海新道

2010-07-30 01:43:18 | ハイキング
海の日は海へ。最近あまり重たい荷物を背負って長い行程を歩いていなかったので、お盆前の訓練がてら栂海新道に行ってきた。当初は3連休+有休で3泊4日のお気楽宴会山行で計画。しかし場当たり的に2泊に短縮して、それなりにキツい山行になった。

(07/17) 猿倉(06:59)-(10:57)白馬頂上宿舎
(07/18) 白馬頂上宿舎(04:00)-(04:25)白馬岳山頂(04:40)-雪倉岳-水平道経由-(11:10)朝日岳-(11:50)吹上のコル-(14:46)黒岩山-(17時半頃)栂海山荘
(07/19) 栂海山荘(04:35)-(05:50)黄蓮の水場-(07:39)白鳥山-(12:53)栂海新道登山口

(7/17) 金曜日に急遽計画書を提出し、帰宅後から準備開始。登攀具の入っていないザックは軽く、とてもお盆の訓練にはならない。ワインを増量して大体25kgくらいに調整する。当然ながら電車の切符なんて取れなかったので八方まで自走となる。0:30発で駐車場着は4時過ぎ。9時頃まで仮眠するつもりが良く眠れず、6:25のバスで出発することにした。


(連休渋滞の大雪渓、ちゃっちゃと抜けましょう)

夏の猿倉は大混雑。大雪渓は危険なので軽アイゼンで脇から抜かせて貰って葱平まで一息に。小雪渓のトラバースはステップが切られていたので靴のまま。11時前にテン場に到着した。
実に半端な時間だ。前回は雪倉の避難小屋まで伸ばした。しかしながらあの避難小屋は緊急時以外には使うなとの警告があったので今回は計画に入れず、かといって朝日小屋までは遠い。あっさりとテントの受付を済ませ、一番搾り500ml@700円を購入してしまった。設営してビールを空ける頃にはガスが上がってきたのを良いことに、店を広げて宴会となる。ペットボトル900ml+500mlの氷はまだ少し残っており、生食材を無事に安全圏に持ち上げることが出来た。3時くらいにパラパラと降ってきたのでテントの中に入り、そうしたら睡眠不足もあって眠りに落ちてしまった。
7時前に目を覚ましてから炊飯、レトルトの麻婆豆腐で簡単な夕食を摂る。二本目のワインの封を切って9時過ぎまで飲んだくれる。100張程で埋まったテン場は混んでいたけれど、皆さん消灯のお行儀は大変に宜しいようで(普段の自分たちが酷すぎ?)。


(宴会のツマミたち - 定番のトースト、チーズとワイン)


(7/18) 今日も楽勝コースの予定だけれど、一応、御来光を狙って3時に起きる。朝食はスピード重視で昨日の行動食の残りのアップルパイと紅茶で済ます。4時発で山頂は4時半前、ジリジリと赤く染まる東の空に間に合った。こんなに整った御来光を見るのはどれくらい振りだろう。目玉焼きの逆回しスロー再生を線香花火の末期の色で見ているようだ。早起きも良いもんだ。


(御来光)


(槍穂)


(剱)

山頂から一歩三国境側に踏み出せば一転して喧騒から逃れることが出来る。少し下ると朝食の準備をしている小屋泊の小さいザックのお兄さんに会った。挨拶をしてお互いに栂海新道ですね~となったが、あちらは今日中に栂海山荘まで行くとのこと。「CT15時間を7割で行ければ充分可能」とのこと。こっちは楽勝日程だったのでCT計算すらしていなかった。あー、でもそれで行ければ...1)海の日に海に入れる。2)ETC一律1,000円のうちに帰れる。3)余った火曜日はインドアに行ける。4)ブログのネタ的には行くだろう。なぁんてことをもう一人の自分が囁く。「行ってみて考えます」と
途中4箇所の雪田のトラバースにはステップが無く、短いからとアイゼン出さずに行ったらちょっと緊張した。


(白馬山頂までの喧騒から離脱)


(ウルップ草 - 早いのか遅いのか?)


(トラバースでは雪田を渡る)

そこに時間を取られたけれど、雪倉の避難小屋に到着した時には行けるんじゃないのと思い始めた。前回、ここを出発したのは5時頃で、栂海山荘には14時前には着いていたのでは無かったっけ?(= 実際は04:15発、14:06着) でもあの時は1Lくらいしか酒を積んでいないが、今回の2.8Lでは如何なものか。冷静な自分が分析する。

「ここで飲んで軽くしてから行くか」

いやいやいやいや重要なビバーク装備を削るのはいかんでしょう。水だけ補給して先に進む。雪倉岳へは単調な登り、そこから暫くザレ気味の道を下ってからトラバース。
ところが朝日岳は順調に近づいて来たと思ったらアクシデント発生。手持ちの夏靴が崩壊寸前だったのでそれよりはマシな冬靴を引退したヤツを履いてきたのだけれど、右足のソールが剥がれて来てしまった。あらら、今まで他人事だと思っていたよ。とりあえず朝日岳への直登と水平道への分岐に行って考えるか。
水場で補給して小桜平を示す標識は覚えている。分岐には道標がある筈で、9時には到着できる見通しだった。しかし予定を15分過ぎてもそれは現れない。ここまで数パーティーとすれ違って来たのに雪田に足跡が無いことで分岐を行過ぎたことに気が付いた。靴底に気を取られて見落としてしまったか。

モチ激下がり。

自分を落ち着かせるためにも、靴の応急修理をすることにした。テーピング用の伸縮性テープを持っていたので、まずはそれでグルグルと巻いてみた。
朝日平まで向かって、ダメなら翌日に蓮華温泉に下山だな。歩き始めて5分も掛からずに靴底側は剥がれてきた。それでもパカパカすることは無くなったのでそのまま歩く。歩いているうちに予備の靴紐を持っていることに気付き、あれで縛ればなんとかなりそうと思うと、おお、モチ回復。10時半に小屋との分岐に到着した時には少し後ろ髪を引かれた。明日の天気予報は良いので景色の良いところを晴れが見込める朝のうちに歩くなら朝日小屋泊なんだが、この時間から飲み始めたらそりゃユル過ぎだろう。
というわけで朝日岳へ。山頂で大休止していると長野側からガスが上がって来てしまった。吹上のコルではもう悩むことなく長栂山を目指す。


(朝日岳への登り - チングルマと剱)


(さて、海に行きますか)

穏やかな道を辿り山頂直下の平坦地で大休止。栂海山荘から来た数パーティーとすれ違う。


(長栂山周辺の木道整備も進んでいる)


(池塘に浮かぶ(ように見える)岩)

アヤメ平を過ぎ、軽装単独の女性とすれ違った。テントで来ていて栂海新道の入り口だけ空身往復とのことで、なるほどそういうのもありだなと思う。黒岩平までは御伽話の世界。さすがに疲れてきたのと、時間的に目処がたったので池塘の脇の雪田の上でワイン休止。極楽々々。


(ちちんぷいぷい、軽くなってしまえ)







そんな楽しみも黒岩山で終了。あとは蒸し暑い尾根道を延々と歩く。北俣のおいしい水場では3.5L補給。ここから犬ヶ岳まで長いのだ。エアリアの表記はおかしいだろ。


(犬ヶ岳は遠い)


(犬から朝日)

ボロボロになって明るいうちに栂海山荘に到着。下草刈りのさわがに山岳会の方の他にテントも幾つも張られていて、予想しなかった程の大賑わい。ヘリポート周辺で皆宴会していた。とりあえず水が冷たいうちに水割りで乾杯。あ、雪田も残っていたのでビールを持ち上げても良いかも。
テントを設営している時、ここに一日で来るきっかけを作ってくれた小屋泊の人も出てきて一緒に宴会。そして新潟山岳会の大パーティに混ぜて貰って周りに叱られるまで宴会。
(7/19) 3時起床。混雑を避けて御来光のちょっと前に出発。


(テント組は早めに出発)


(この尾根を降りてゆく)


(振り返れば朝日岳)

黄蓮の水場をチェックしに行くと普通の沢水が流れていた。ここでガブ飲み。もう義務的に足を進めるだけで白鳥小屋に到着。登山道整備に入っていたさわがに山岳会の方から紫蘇お握りとトマトを頂いた。疲れた体においしい。樹林の中をシキ割の水場まで下り、金時坂に備えて大休止。そして300mを一気に下らされて坂田峠の舗装路に降りた。


(左は「海」)


(もう直ぐなんだが...)

尻高山への登りで例の単独小屋泊の方が追いついてきた。ここで大事に使ってきた膝がついに終了してしまう。左膝は曲げることが出来ず一気にペースダウン。100m下る毎に休憩を入れる始末で、14:22の電車が怪しくなってきた。翌日も休みだし最悪16時台でもOK、海の家でビール飲んでゆっくりしようと覚悟を決める。よろよろと国道18号に降り立ち、ザックを置いて財布とカメラと携帯だけ持って海岸へ向かう。



(登山客のみ!の日本海)

あれ、海の家、無いっス。

酒を取りにザックまで戻ると、ほぼ一緒に下山した二人連れの方からタクシー相乗りのお申し出を頂き、これに便乗させていただいた。糸魚川まで5,500円ほどのところ、1,000円しか受け取ってくださらない。すっかりご好意に甘えさせていただいた。白馬駅から最後の頑張りの八方までがまた長かった。望郷の湯でサッパリして、中央道のPAで仮眠を取って明け方に帰宅。翌日の余った休日は - マトモに歩けずで自宅待機。

水場
残雪が多い年の梅雨明け直後ということで水場には困らなかった。まー、ガブガブと飲んだ山行だった。
  • 雪倉から朝日岳 - ツバメ岩から先で登山道を横切る沢が幾つかある。冷たい水はおいしい。
  • 朝日平から朝日岳 - 登山道を横切る沢がある。パイプが通してあるので朝日小屋はここから取水しているのかな?
  • 吹上のコル付近 - 雪田の下に隠れているのか、直ぐには見つからなかったので確認せず。
  • 黒岩平 - 登山道を横切っている沢。ちょっと濁っていたように見えたのでその場で飲むだけにした。
  • 北俣の水場 - 明確な看板がから沢筋を追って行くと金属の樋から冷たい水がジャバジャバ出ている。おいしい。前回9月でも確認出来た。
  • 白鳥小屋手前の水場 - 登山道から踏み跡があったが確認せず。
  • 黄蓮の水場 - 明確な看板がから踏み跡を追って降りる。フィックスロープあり。普通の沢の源頭っぽい。
  • シキ割 - 登山道脇にパイプから出ている。ガラスのコップが置いてあった。前回9月でも確認出来た。


靴の修理
最初はテーピングテープで爪先をグルグル巻きにしたが、これは5分も持たずに剥がれてきた。完全に粘着しなくなったものを解き、絞って80cmくらいの紐にしてソールとアッパーを縛ったら具合が良い。このとき、外れてもなくならないように靴紐に通しておいた。また、紐はなるべくソールの溝に嵌るようにした。


(粘着に任せて巻いてもダメ)


(紐状にして縛ると効いた)

この方法でも5時間も歩くと切れてしまったので新品のテープに換える。今回はこの紐を3本使って乗り切ることが出来た。ちなみに予備の靴紐は使わず。なぜなら左の靴の紐が風前のトモシビになっていることに気が付いたから。
AKUの重登山靴、5年持たなかったなぁ。内装も剥がれているし防水も効かないしで未練は無いよ。