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PHP総研ブログ『番町Cafe』

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9月18日

2009-09-18 14:46:45 | 前田宏子
今日、中国のニュースをチェックしていて気が付いた。
そうか、今日は“9.18”・・・。

“9.11”ではなくて“9.18”。9月18日に中国で起こった事件で、中国人ならば誰でも知っている日である。日本でも知っている人はもちろんいるが、中国のように皆が知っているわけでも、意識されているわけでもない。これは何かというと、1931年に満州事変が勃発した日である。

9.18に関して、中国留学中に遭遇した面白い出来事がある。私は2003年9月に中国へ留学したのだが、北京大学で学んでいた中国人の友人に、中国語家庭教師を探してもらうようお願いした。彼女は二つ返事で引き受けてくれて、早速、北京大の学生達が使うネット掲示板に、「日本人留学生、中国語家庭教師を望む。時給は40元。関心のある方は××××までお電話を」という書き込みをしてくれたのだった。

するとしばらくして、その友人が血相変えて私のところへやってきた。「大変なことになった。ついうっかりしていて・・・」と言うので、どうしたのかと尋ねてみたら、彼女が掲示板に家庭教師募集のメッセージを書き込んだのが9月18日だったのである。つまり、日本による中国侵略が始まった日に、そのようなメッセージを載せるなどケシカランということで、「売国奴」「屈辱的」などという非難が大量に寄せられたのだった。
私の部屋の電話番号も記載されているから、嫌がらせの電話がかかってくるかもしれないとその友人は警告してくれた。私とルームメイトは戦々恐々としていたのだけれど、果たして、その日電話は鳴りやまず、ついにその日の夜、我々は電話のコードを引っこ抜くことになった。ただし、かかってきたのは嫌がらせなどではなく、すべて「家庭教師に応募したい」という電話だったのである。中国に到着してすぐ、中国の現実を垣間見た一件だった。

ところで、今年の「九一八」に関する中国の報道はというと、極めて淡白で、「9月18日に起こった事件」として誰それが亡くなった、とか、何とか化石が発見された、とか色々な(大して重要とも思えない)出来事と並列して報じられている。いま日中関係にさざ波を立てるようなことはしたくない、という姿勢が顕著だ。6年前とはずいぶん変わったものである。

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