8/11は山の日ですね。白神山地の奥深くにある小岳登山の機会をいただいたので、参加しました。
心配されていた台風の影響もなく、早朝にサッと雨が降ったくらいで天気は晴れ。午前7時頃の気温も25℃前後と気持ちのいい朝でした。
藤里館前を7:30頃出発し、小岳登山口までクルマで約2時間の道のりです。そこから片道2時間の登山となります。
今回は、秋田白神ガイド協会の佐藤浩二さんがメインガイドを務めました。申込定員15名に佐藤さん以外のガイドさん3名と報道2社などの20名前後です。さらに、山頂ではふるさとCM大賞の撮影メンバーが待っているそうです。
クルマ4台に分乗して登山口に向かいましたが、道中からハプニング続きでした。大きなくぼみに前の車がハマってしまい、タイヤが浮いてしまいました。
先日降った大雨が影響しているようです。
登山口に到着です。
入念にストレッチを行い、山登りの始まりです。上りは新登山道、下りは旧登山道ルートとのこと。
トトロに出てきそうな木々のトンネルなどをくぐりました。
よく見るとヤマブドウがたくさん!
途中、休憩したところの看板にはクマによる痕跡がクッキリと。
大きなキノコがありましたが、アカヤマドリというそうです。
新登山道の見どころの一つ、多数のクマの爪痕が残っているブナ
第3回 山の日記念~小岳登山~①
白神山地の中でも、これほど爪痕の多い木もないんだとか。ガイドさんの話からは、頭上に枝に折られた跡がないことから、エサを食べるためではなく、樹上で休むためではないかとのことでした。
今回の最年少は小学6年生の二人でした。藤里町から三鷹に転向してしまった友人が遊びに来るから一緒に登山しようと参加したそうです。エゾゼミを見つけていました。
至る所にクマの痕跡がありました。
看板が激しく損傷していましたが、これもクマによるものだそうです。裏側には獣毛が付着していました。
小岳に向かうカウンターを通過します。
ここからは急な山道に変わりました。登山口から2時間が経過していました。山頂までラストスパートのようです。
樹高の低い植物が目立つようになり、見通しも良くなりました。風も感じられるようになり気持ちよかったです。
振り返ってみると、本当に森の奥の奥です。
ブルーベリーの仲間のスノキの実だそうです。
山頂近くには、所々に大きな岩石がありました。先端が二つに割れていて、二ッ森の稜線に似ているかも?
出発から約2時間半、山頂に到着しました!
天気は少し雲がかかっていましたが、暑すぎずに登りやすい天候になったのだと思います。
ここでしばしの昼食タイム。大パノラマの中でみんなで食べるご飯は、特別美味しかったです。
食後は、秋田白神ガイド協会会長である斎藤栄作美さんによる、白神山地のブナ林についての話を聞きました。
小岳を挟んで西側は世界遺産に認定されたけれど、東側は認定されなかったそうです。違いは人の手が入っていたかどうかだったそうです。
東側の森にはブロッコリー状の集まりが少なく、それは人の手が入ったためで
一方、西側の森は
一面がブロッコリー状だそうです。人の手が全く入っていないから、どこまで眺めても人工物もないそうです。
西側(正面奥に見えるのが二ッ森)は青秋林道の開通が計画されたことがあったそうです。ですが、このまま開通してしまうと道路に沿ってブナ林が伐採されてしまい、藤里町民の生活のための水資源確保にも支障をきたしてしまう恐れがあったことから反対運動が活発になったそうです。
その後、植物や動物等の有識者による現地調査の結果、白神山地は世界的にも貴重な森であることが確認され林道建設は消滅、平成5年、屋久島と共に日本初の自然遺産登録となったそうです。
そんな白神山地を一望できる小岳の中でもベストスポットがここからなんだとか。
参加者が山頂付近でご飯を食べているとき、ガイドさんはここから山並みを眺めながらご飯を食べていたようです。ズルイ!(笑)
山頂で登頂の記念写真を撮影し、山を下ることとなりました。
ドローンで上空から撮影されていたようで、みんなで手を振りながらの道のりでした。
遠くに岩木山の裾野が見えました。雲がかかっていて山頂が見えないのが残念。
帰りは斎藤栄作美さんの後ろに小学生が続き、いろんな話を聞きながら下ることができました。
実は小岳はもっと高い山だったようですが、山崩れがあって谷を埋めてしまったようです。結果、谷が二つになったそうです。
また、白神山地には駒ヶ岳を除き火山がなく、しかしその駒ヶ岳についても火口がどこにあるのかは不明だそうです。
森林限界についても話を聞くことができました。小岳は標高がそんなに高い山ではないのですが、厳しい環境のためか、本来は標高の高い場所で見られるハイマツを確認することができる貴重な場所とのこと。山頂は本州最低標高のハイマツ群落だそうです。
帰りの旧登山道の見どころ、千手ブナ
この辺りは風が強いため、ブナの枝はなだらかに伸びるのではなく折れ曲がった形状をするそうです。
また、朽ちて幹が大きく裂けたブナもありました。
林間ギャップといい、折れた幹によって葉っぱのない空間が生じ、そこに向かって若いブナが我先にと枝を伸ばすそうです。
第3回 山の日記念~小岳登山~②
山ベコの話などもきくことができました。
旧登山道は新登山道に比べると起伏が激しいとのこと。膝が笑いながらも何とか無事に下山することができました。
小岳登山は白神山地の中でも人気コースのようで、10月と11月にも紅葉、落葉後の景色を眺めながらの登山が計画されているようです。一面が金色になった世界などぜひ見てみたいですね!
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