八国山だより

ノーサイレントマジョリティ!ごまめの歯ぎしりといえど、おかしいと思うことはおかしいと自分の意思を発信しなければ

アメリカのユニラテラリズム

2006-03-18 06:41:02 | ニュース・時事
アメリカ大リーグ機構(MLB)と選手会が中心になって運営、開催されている野球のWBCは、まさにアメリカのユニラテラリズムそのものである。サッカーのFIFAのようなしっかりした組織が、たとえば、自国チームの試合の審判には相手国の審判も入れず第三国の審判で構成するように規定しているのと比べても。


米国対日本の試合で日本の勝ち越し点を取り消した「疑惑の審判」デビッドソンが、16日の米国対メキシコ戦でも「誤審」を犯した。ボールが右翼ポールに当たり、ルール上はホームランなのに二塁打とした。自国に都合良くルールを曲げる。

『拒否できない日本』(関岡 英之著)にもこんな記述がある。
<以下引用>
こんにちアメリカは、国内や途上国の貧困や格差といった問題を無頓着に放置し、他方では自国の主張を他国や国際社会に一方的に押しっけるユニラテラリズムや、他国を厳しく批判しながら自国に都合良くルールを曲げるダブル・スタンダードを批判されながら少しも改めようともしない。そして「勝った、勝った」とひとり熱狂する。こうした自己中心的な行動パターンには、アングロ・サクソン特有の個人主義の思想的伝統がおおいに関係しているように思う。
<引用終わり>

昨日の日経でアメリカの新しい安保戦略の記事が掲載されていた。
<以下引用>
米新安保戦略、専制体制の武力警戒

 【ワシントン=加藤秀央】ブッシュ米政権は16日の「2006年国家安全保障戦略」報告で、国際的な協調体制の重要性を訴える一方で、先制攻撃の選択肢は維持すると明確に示した。テロに加えてイランと北朝鮮に代表される「大量破壊兵器と圧政体制の結びつき」を新たな脅威として警戒、圧政の終結を最終目標に民主化運動を支援する方針を強調した。

 「国家安保戦略」の改訂は、米同時テロから1年後の2002年9月に「ブッシュ・ドクトリン」としてまとめて以来。前回は敵対国やテロ組織に対する先制攻撃や単独軍事行動を辞さないと明記し、冷戦期以来の安保戦略を大きく転換した。政権内で力を持っていた新保守主義派(ネオコン)の主張を反映すると同時に、近づいていたイラク戦争を意識した内容になっていた。 (07:01)
<引用終わり>

実際には、イランは核兵器を開発する試みを行っておらず、、IAEAはこれまでに何回か「査察したが、イランが核兵器を開発しているという証拠は見つかっていない」という主旨の報告書を発表している。

実際には存在しない大量破壊兵器があると嘘をついてイラクを攻撃したアメリカ。民主主義やテロとの戦いを表向きの理由に挙げながら実は石油の利権がらみだった。戦争後の復興事業でも、ハリバートン社やベクテル社、カーライル・グループといった、ブッシュ政権と強いつながりを持つ企業が荒稼ぎをした。また、米国防省は戦争が始まる前から秘密裡にハリバートン社にイラク石油産業運営を指名していた(戦争の不当利益)。

イラクのフセイン政権は言われたとおりに大量破壊兵器を全廃して、その結果アメリカにつぶされた。イラクの悲劇を見て、イランもアメリカに言いがかりを付けられてつぶされるのが落ちだと思っていることだろう。

この新安保戦略でアメリカはまた同じようなことをしでかす可能性が高い。都合のいいようにに解釈し、ありもしない事実をでっちあげ、先制攻撃して戦争を始めるのではないか。そして軍需産業、ブッシュ政権がらみの企業でしこたま儲けようとするのだろう。

今や世界で最も危険な国家はアメリカと言えるのではないか。アメリカと言うべきかブッシュと言うべきか。誰かこの危険人物・国家を止めるものはいないのだろうか。