イラク駐留米軍:戦闘部隊撤退 米国防長官「開戦の前提が正しくない」
毎日新聞 2010年9月2日 東京朝刊
【カイロ和田浩明】イラク駐留米軍は1日、バグダッドで、戦闘任務をイラク治安部隊の支援任務に変更する式典を行った。司令官はオディエルノ陸軍大将からオースティン大将に交代、作戦名も「イラクの自由」から「新たな夜明け」になった。バイデン米副大統領、ゲーツ国防長官らが参加した。
これに先立ち、ゲーツ長官は駐留米軍兵との対話集会で、「この戦争の問題は、開戦を正当化した前提が正しくなかったことだ」と述べ、大量破壊兵器保持を理由に開戦に踏み切ったことを問題視した。長官は「(戦争の評価は)歴史家の視点が必要だ」と述べた。
完全撤退期限以降も米軍が駐留する可能性については「イラク政府が提案するなら、検討したい」と述べた。
自国兵士の死者4,000人、イラク人の死者10数万人という犠牲者を出しながらいまだにイラクには平和の道筋すら見えない。さんざん引っかき回しておいていう台詞がこれだ。いったいアメリカはイラクで何をしたのか。
口実だった大量破壊兵器なるものが発見できないと、フセインの圧政から民衆を解放しイラクに民主主義をもたらすためと言い直したが、前FRBB議長のグリーンスパン氏によればイラク戦争は石油が目的とのこと。
オバマはこれによって浮いた資源(兵力)をアフガンに振り向けるとのことだが、 「開戦の前提が正しくない」はアフガンにも当てはまることである。戦争を始めたのはブッシュではあるが。
911同時多発テロに対する戦いと称してブッシュはこの戦争を始めているが、前提である911テロが自作自演であり、ブッシュの狙いはエネルギー権益であることが指摘されている(「エネルギー権益からみたアフガン戦争」など)。
目的のためなら手段を選ばず言いがかりをつけて奪おうとするヤクザ国家アメリカ。こうなればアメリカこそがテロ国家である。
そのような正当性にない、テロとも言えるイラクやアフガンへの出撃拠点のひとつとして普天間基地も使用されている。普天間をそんなことに使わせていいのか。イラクやアフガンでの戦争でアメリカ軍は非人道的な劣化ウラン弾を使用し、それにより写真のような奇形児が生まれている(写真は「情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)」さんから拝借)(サマワに派遣された自衛隊の隊員にも劣化ウラン弾の放射能を被爆しているものがいると聞く)。日本にもこのようなアメリカのテロや奇形児に対して責任の一端があるのではないか。
アメリカは将来アフガンから撤退する際も同じ言葉を繰り返すのだろうか。