時計師の京都時間「京の後姿時間」

10月14日土曜日。鉄道の日。これは東京・新橋あたりの御祭りなのでピンとこない。

明日は百万遍の手作り市です。日切りの御祭りが日曜日に重なる珍しい日。
上賀茂神社付近の御園橋通りでは「やおい８０１祭り」もある。
京都産業大学の皆さんがバックアップしている丸一日楽しめる盛大なお祭りでもある。ところが私は日曜日の御祭りには縁がない。明日も工房でお仕事なのだ。

写真はフランクミューラーの後姿です。
革ベルト1本7万円が常識の高級時計の世界。肌に密着する部分でその理由がわかります。
ウラブタに傷をつけるとケースまるごとの交換になるので貧乏時計師にとって緊張する瞬間です。見事なカーブのラインを傷一つつけないで修理を終えてほっとする瞬間。

一度、ベルトメーカー・サドル社のベルトをクレドールに使って時計が生まれ変わったように見えた。これで憧れに変わりました。
ただし一日使ったら翌日は休ませてほしい。当時ぼんくらだった私は出張時にずーっと使っていたところ一年持たないで革がはがれてしまった。
それでお客様には失敗をしないようにベルトを休ませるようお願いしています。
特にカルティエ、ショパール、パティックフィリップとフランク・ミューラーの革ベルトをお使いの皆様は気を付けましょう。

時計と車はよく比較されます。
マセラティ、ベントレーのホイール一本だけでも100万円以上するという。これは暴利だと思う！
ところがパティックの金属ベルト一本が200万円するといってもふつうに眉一つ動かない。
　高級時計の世界では億単位の時計も普通に見かける。車は10年ほどで価値は急に低くなるが時計は10年経過したくらいから威力を発揮します。
高い時計を買ってしまった後悔はそのうち自慢になります。所有する満足感では高級時計の勝ちだと思う。

プレステェージ分野では京おんなが有名。これは後姿を見てほしい。京都は無料で高級ゾーンを歩く楽しみがあります。
背筋はきりっとして歩く形がなんとも美しい。
引き戸の開け閉めは必ず一度座って引かないと戸はすーっと開かない。開ける瞬間は身体もすーっと背筋が伸びます。その後立ち上がる振る舞いを見るために数十万円の費用も惜しくないという。
うずくまる、立ち上がるの繰り返しの舞のような姿は一日二日の練習でできるものではない。貧乏仲間も座敷通いにjはお金をかける。今月は19日木曜日にお誘いがあった。

ちなみにその土地、場所になじむなら3時間ほど寝ることだそうです。
京都に観光で来るなら京都に泊まることです。片どまりという方法もあるのでこの秋は京都人になってみるのもおすすめです。
高級ゾーンを嫌わないで楽しみましょう。

時計師の京都時間「京の13日金曜日」

10月13日の金曜日・友引。「うらみはらさで～おくべきか～！」みんな引き連れて地獄行じゃ～の日。
貧乏だからって言って祟り神になってはいけませんね～。
ヌーベル・パスティーシュ時計修理工房は11年目に入りました。つまり10年貧乏なのだ。
　工房の表から私の姿を恐る恐る覗いて「あの貧乏おじさんのようになってはいけませんよ！」と母親はとっさに子供を隠します。

世の中銭がすべてなのだ。薄っぺらい正義など吹き飛んでしまう。そんなむなしい衆議員選挙の週末。おまけに13日の金曜日。
会社員時代から今までこの日には様々な呪いが降りかかった。

写真はCartierマスト・タンク。
Cartierの呪い！
マストシリーズなのでシルバーをベースに金メッキをかけています。ただCartierのロゴだけなら18金無垢なので強めに磨いてもよい。
マストシリーズのケースを磨きすぎるといぶし銀カラーが出てきてお客様から怒られる！ケース交換で10万円の被害。

パンテェールなど金属のベルトのバックル部分にカルティエのロゴが張り付けてあります。このロゴをうっかりとひっかけて外れてしまう。15000円の弁償になる。
電池交換の事故もある。
二本のプラス電極を折ってしまう。42000円の失敗！

五列ベルトのサイズ調整でバラバラになって組み立てができなくなって本部に電話が入る。夕方の新幹線に飛び乗り現地に向かう。ところがあわてて帰りの乗車券料金がない！やれやれ～の想い出です。

修理技術者を100人以上抱えていた時計量販店にいたころ13日の金曜日は肝試しのような一日でした。
「なんで素人にカルティエを触らせるの！」と怒ってみても後の祭り。電池交換の利益など簡単に吹き飛ぶ瞬間です。

Cartierとは京都銀行の次に長いお付き合い。
私が簡単に修理している姿を見て自分でもできると思い込む初心者さんが多い。
機械式モデルは名門ジャガールクルト製のキャリバーなので繊細な造りだ。
自動巻モデルで毎日手巻きを優先すると巻き上げ機構が金属疲労でヘタります。軽く振ってあげるだけで動き出す。巻き上げる人は気を付けたい。
また防水機能が優れているのでアウトドア・ユースで使う人が多い。水入り事故であちこちに打痕が残ったケースをみると悲しくなります。これは幼児虐待に近い思いがある。

今日も工房には止まって動かないカルティエがやって来るでしょう。私にとって毎日が13日の金曜日みたいなものです。
持ち込まれる中に若手の時計技術者さんが試みて失敗したモデルが多い。
それでも失敗から逃げないで一日頑張りましょうね～。

時計師の京都時間「京の二択」

１０且12日木曜日。芭蕉忌。
選挙後の夢は枯野を駆け抜ける。安倍晋三の句ということにしましょう。惨敗予測ではあるがどこまで負けるかが劇場型選挙の楽しみ。
今回はオトコ枝野！一番人気で盛り上がりますね～。

選挙権が届きました。
自宅での選挙区では共産党VS自民党の二択選挙の構造は変わらないようです。自民党の伊吹文明さんは女性とお坊ちゃまに足を引っ張られてどこまで踏ん張れるかが楽しみ。まぁ～落選することはないでしょう。

「男性、女性で怖いのはどっち！」5秒以内で答えよ。
時計師の私は仕事柄とっさに女性と答えます。
部品が小さく組み立てが難しいわりに満足度やら評価が低い。「え～。ロレックスの分解掃除に3万円もかかるの！8000円くらいだと思っていたのに～」が現実です。
なぜこんなに小さく作らないといけないのか？昔から疑問に思っていました。ロレックスなら女性用の修理料金のほうを高く取りたいがそうはいかない。

またベルトのサイズ調整も厄介だ。マニュアル通り腕周りプラス二センチで調整してもお客様は不満。エルメス、ブルガリなど高価な時計は緩く他人に見られてもいい。安い時計はぴったりセッチングするのがコツ！
もう一度やり直すは外すより足すほうが時間がかかる。何度もやり直していると周囲の店員の目が冷たくなる瞬間がある。
「このおやじ、サイズ調整も満足にできんのか！」

リューズの事故も女性が多い。リューズを引くおりに力を入れすぎてリューズを引き抜いてしまいます。写真のエベルはよく起きる事故です。
一度抜いてしまうと一般の人には元には戻せないので技術レベルが高いお店に持って行くことです。

京都では男性より女性が怖い！堀川今出川の歩道で女性達が歩いているとさっさとよけることです。白足袋族といって京都の文化レベルトップクラスの先生たち。この人たちにバツ印をつけられると平和な老後は送れません。「あそこのご主人は横着やで～！」と言われると終わりだ。
軽く会釈してつつがなくやりすごすことです。
やはり京都では女性が勝ち！

今日はとにかく芭蕉忌。
「選挙後のつわものどもの夢のあと」
魚の目にも涙。安倍お坊ちゃまの涙も見てみたいね～！

時計師の京都時間「京美人の時間」

10月10日今日が本物の仏滅さんりんぼうの日でした。朝、家を出たとたんスピードを上げた自転車にひかれるところでした。京都くわばら～くわばれろ～！くわばれた～。

いつの間にか上七軒の寿会も12日まで残りわずかになりました。
京都に来るなら京美人にどうしても会いたい！
てっとり早く京美人に会うのなら8000円を用意して北野天満宮横の歌舞練場を目指しましょう。

それにしても最近よそさんが増えたのか、化粧方法が変わったのか京美人を見かけなくなりました。
私が思う京美人はカッターで切ったような細い目。むしろ眉だけ見えるようなしもぶくれの顔です。Cartierマストシリーズのメッキのような厚いお化粧が魅力なのだ。（錆びたらコクヨの消しゴムでこするともとの金色が出ます。）

　源氏物語に描かれている女性を思い出してくだされ～。あれです。街中でそんな女性を見かけると源氏物語を思い出します。
　歌舞練場で京美人が傘を持ってくるくると愛らしく舞う姿は一度見ると病みつきななります。
今日は仏滅10日の支払日。
今月は長崎への介護ツアーやら出張が重なって懐は早くも木枯らしぴゅう～ぴゅう～状態です。
朝から銀行まわりで忙しい。
支払いを終ってみると寿会の8000円観劇費用が出ない！
仏滅さんりんぼう決定の秋の一日です。一句、時計師や～その日暮らしのつるべおち。

ということで私のような貧乏人が京美人を見たい場合おすすめの場所があります。
場所は西陣織会館。堀川一条通りあがるところで定期的に着物ショーが開かれています。
外人観光客はさすがに目ざとい。無料で楽しめる観光名所になっていてびっくりです。
楽しむコツは出来るだけステージ近くに場所をとる事です。きれいな京美人やら愛らしい京人形のような童女が目前で見学できます。

明日は水曜日ブログはお休み。所要もなくいつもののどかな「け」の日が返ってきた。
明日は10時から5時まで営業します。
京の不動産屋さんや飲食店の皆さんは主に水曜日がお休みなので夕方五時過ぎると明日のための仕込みがある関係で暇になることから五時までの営業になるのです。
京時間のからくりをご利用くだされ～。

時計師の京都時間「京の体育時間」

10月10日体育の日。
気を付けたいのが今日は仏滅さんりんぼう。今日は10月ではもっとも危険な日。
靴ひもセンサーもこの日の危険予知かと思ったくらい。ぶちっときれた日から早くも五日目。今日は無事な一日を願います。
今日は体育の日。運動会で大切なものは時計です。
競技の出番に備えて時計は必要ですが競技中はこれほど邪魔なものはない。
また、その辺に転がしていては盗難の危険があるので置き場所にも困る。厄介なものです。
そんな時にはG-SHOCKがお勧め！旅行と運動会には特におすすめ。

写真はカシオG-SHOCKフロッグマン。
電池交換1000円。ところがこのモデルはチタンケースとステンレスモデルの二種類がやってくる。
チタンケースは簡単に受け付けますがステンレスケースは途中断念でお断りする場合が多い。
原因は錆付きでウラブタが開かないことです。
「ステンレスは錆びないのでは？」ステンは錆び、レスは否定。錆びない金属だと思い込んでいる人が多い。ホコリなど付着し空気から遮断されると簡単に錆びます。
ステンレスフロッグマンのほとんどがさび付いた状態で持ち込まれるので裏蓋を開ける工具が壊れるのです。その点チタンモデルは安心して受け付け出来ます。

ステンレスケースの時計をお持ちの人は時折からぶきしてあげることです。
今日も運動会の後は優しく汗を拭いてください。
ちなみに販売まで裏蓋が傷つかないようにシールを貼っているモデルもあります。シールの周辺に錆がでますのでシールは剥がしてお使いください。
ロレックスについているシールは強力な接着剤で張り付いているので空気が入る隙間はありませんのでそのまま使っても大丈夫です。

空にはそろそろPM２，５が危ない季節です。運動会にマスク姿でもしょうがない。見た目は悪いが許してくだされ～。
希望の党は「花粉症ゼロ」を目指すという。嬉しいことです。
昨夜嫁さんが先日アレルギーでひどい目に遭ったケーキをもう一度食べろという。
本当にこれがアレルゲンなのか試すのでもう一度食べてみろ！と出された。
食物アレルギーのひどさを知らない人はこんなものだ。あの苦しみは当事者でないと決してわからない。
花粉症も同じ苦しみです。主に3月は決まっておバカになる。薬を飲まないとボーっとして仕事どころか生活が危ない。薬が切れた時の不安さが付きまといます。薬中の気持ちがわかる。

それにしても「花粉症ゼロ！」対策に取り込むとはいいところに目を付けました。
人の弱みに付け込むのか？本当に対策を立ててくれるのか。
明日は総選挙の公示日。
選挙当日まで北のミサイルが飛ぶとアベノお坊ちゃまの勝ち！PM２，５が飛ぶとおばちゃんの勝ち。どちらも飛ばないで静かにしてほしいね～。
明日からうるさくなるのでしばらく耳栓して頑張ります！