京都 洛北の時計師 修理日記

時計修理工房「ヌーベル・パスティーシュ」京都の洛北に展開する時計修理物語。
夜久野高原で営業再開しました。

時計師の京都時間「京の無慈悲な時間」

2020-03-15 09:15:30 | 時計修理

3月15日日曜日快晴!
工房に入るのがつらい気持のいいお天気。そのままお出かけしたくなります。
スキットルボトルにアードペッグを入れて御所の梅園日和でしょう。

15日は百万遍手造り市の開催日。絶好のお天気に恵まれたと思いきや新型コロナで中止。がっくり!
こんなひどいことが起きるのだ。

写真はGUCCIのベルト交換1100円で20分。
GUCCIの16ミリの純正ベルトは3万円ほどかかる。そこで市販の2000円程度のベルトで代用します。
中央部をカットして仕上げる難作業。仕上げ後に3万円のベルトと比較される。
チェロの演奏で私がヨーヨーマと比較されるのと同じ120%のお客様は満足感がないお仕事です。

絶対やりたくないお仕事。これはカットする際にセンターが必ずズレるので時計師は嫌がる。
お客は完成したベルトに不満爆発するので本来販売したお店が無料でやるのがお約束です。
顧客満足感が低いので無料サービス作業は仕方ないのだ。
昔、技術者の皆さんにベルトのカット方法を指導していたが市販の駅員のキップきりのような工具もある。
これを使うと革を深く切りすぎてへんてこりんになるので手仕事が一番良い仕上げになる。

最近、あまりに苦情が多いので最近は販売店が断ることが多いのかやたらと工房にやってくる。
尾錠もオリジナルを残して仕上げます。
写真のように仕上げてもお客様に渡すときはハラハラドキドキの瞬間になります。

「買ったお店でやってっもらうと無料なのに!どうして穴開けだけで1100円もかかるの?」
ベルトのサイズ調整にしても「よその店ではタダやで~!550円もかかるンか!お前の店はぼったくりや!」(実話)
本気で怒ってくるジジイがいるのが悲しい。

今日は消えた「手造り市」に黙祷!丹精込めて作った時間に黙祷!
明日は下弦の月。
居酒屋に行けない私はモチベーション下がりっぱなしです。
おとなしく月を見ながら帰りましょうね~。

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