京都 洛北の時計師 修理日記

時計修理工房「ヌーベル・パスティーシュ」京都の洛北に展開する時計修理物語。
夜久野高原で営業再開しました。

時計師の京都時間「京のグダグダ時間」

2018-03-24 09:50:33 | 時計修理

3月24日土曜日。先負。
朝から快晴のお天気に恵まれながらグダグダと時間が過ぎていきます。
パーフェクションのストーブを掃除して片付けた後、工房にある26台の機械式掛け時計のゼンマイ巻き上げた。
土曜日は大掃除の日なのです。
24日なので新聞紙やたまった段ボールを表に出してやっとお茶の時間になる。
月末近くになるとメーカーから修理品の代引きラッシュ。
工房では電池液漏れ事故の修理に追われる。

今朝のNHK連ドラ。ボーっと見ていると表札をとるシーンで一瞬違和感があった。
表札を欠けていた釘がプラスネジだ。これは昭和時代にはありえない。
五寸釘で遊んだ世代の私。時計師の私。戦前は良くてマイナスネジ、普通はカナズチで打ち込むタイプです。
カナズチには片方が二股ネジの抜きで反対に打ち込むフラットなものでした。

今では五寸釘が世の中から消えてしまいました。しょうがないね~と思う。
五寸釘を地面に打ち込んで遊ぶ子供もいない。また土の地面も無い。

高級時計の世界はすべてマイナスネジです。ドライバーを垂直にもてないと失格の世界。安物中国製はプラスネジなのでその技術は必要ないのだ。
簡単に誰でも固定できるがトルクが強すぎて初めから折れているものもある。

もう一つ、アメリカ製品に対して抵抗がないのが平成人類。
昭和世代はアメリカ製のプラモデルにひどい目に遭った世代です。輸入物に泣かされた世代。ミズーリ、ムスタングなどアメリカ製のプラモデルはポンコツでした。雄雌がいい加減に作られているので作り始める前の段階で精度を高めるヤスリ掛け作業をやる。田宮製作所のプラモデルと比較すると雲泥の差でした。
今でもアメリカ製には信用できないところがある。

Cartier、ブルガリのモニター電池がなんとアメリカ製なのです。メーカーからするとモニター電池なので時計の料金には入らないサービス品なので取りあえず動けばいいのです。
そこで時計が止まったらすぐに交換しないと電池の液漏れが始まっても泣き寝入り。
市場経済原理主義の世の中で高価なセイコーマクセルを使ってくれ!とは言えないがスイス製の時計なのだからせめてスイス製のレナータ社のものを使ってほしものです。
 分解掃除になった場合ユーザーの自己責任で4万円ほどの費用が掛かる。
リテイラーへのメーカーから部品の供給が無いので泣く泣く送ることになります。

今朝もカルティエの液漏れが来た。アメリカ製の電池から盛大に漏れていました。運がいいことに端子を磨くとなんとか動き出しました。
電池交換の千円で収まったのでやれやれです。
こんなグダグダ作業はやりたくないのでとにかく購入後2年ほどのモデルは動いていても電池交換をしましょうね~!
明日25日は天神市。
京都特有の炒り番茶を買いに行く予定です。北野天満宮の東門に出ている宇治のお茶屋さんのが一番のお気に入り。
最近炒り番茶もあらかじめパック詰めしているものもあるがやはり格闘しながら押し込んで使うもののほうがいい。

時計用の電池は国産、お茶は宇治茶、お花見の日本酒はキンシ政宗。
京都で一番おいしものはカルティエの修理後に飲むエビスビールの一杯なのじゃよ~!




コメント
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