12月20日は、唐招提寺(とうしょうだいじ)を開いた鑑真(がんじん)和尚が苦難の末、ようやく来日した日(753年)だが、実業家ファイアストーンの誕生日でもある。
ハーベイ・サミュエル・ファイアストーンは、1868年米国オハイオ州コロンビアで生まれた。ドイツ系移民の家系で、ハーベイは高校を出た後、馬車会社に勤務し、その後、独立してゴム製品を作る会社を興した。
彼の会社は、はじめ馬車用のタイヤを作っていたが、やがて自動車用タイヤを作るようになり、大成功をおさめた。
フォードの自動車が大成功して、全国に自動車が普及していくと、フォード社と契約していたファイアストーン社のタイヤもそれといっしょになって全国に行き渡ったのである。
1920年代には、トーマス・エジソン、ヘンリー・フォード、そしてハーベイ・ファイアストーンの3人は、アメリカの実業界をリードするビッグ・スリーと目され、彼ら3人は「百万長者クラブ」と呼ばれた。
それで、彼らは仲良く、いっしょに働いたり、いっしょに休暇をとったりした。
アメリカンドリームをなし遂げた、この移民の子孫ファイアストーンは1938年2月、フロリダ州マイアミの別荘で没した。69歳だった。
はじめて「ファイアストーン」の名を聞いたのは、米国のリコール問題のニュースだった。2000年ごろ、日本のタイヤ・メーカー、ブリジストン社の米国の子会社であるファイアストーン社が、大量のリコールを抱えて苦しんでいた。これは、フォード社のクルマに装着しているファイアストーン社のタイヤの接地面がはがれて事故が起きるケースがたび重なったことによるもので、事故について、フォード社側とファイアストーン社側とで罪のなすりあいもあった。
ファイアストーンの一族は、ドイツから移民してきた、もともとユダヤ人の家系である。
英語名のファイアストーン(Firestone)は、ドイツ語で「フォイエルシャタイン(Feuerstein)」だった。「火の石」という意味である。
「一個の石」の意味の「アインシュタイン」も、もちろんユダヤ人だった。
ファイアストーン家は、米国に移住して、その名前を英語風に改めた。これを社名としたファイアストーン社は世界的な大企業となった。
創業者ハーベイ・ファイアストーンがまだ生きていたころ、ファイアストーン社は、日本のブリジストン社を、社名をまねしたとして訴えたことがあったら。裁判では、社長の名「石橋」を英訳したにすぎないとしてファイアストーン側の訴えは退けられた。
ファイアストーン社は、創業者ハーベイの死後、事業を広げてゆき、アメリカ軍のミサイルを受注するまでになったが、やがて自社のタイヤ製品が原因となった事故で、多くの訴訟を抱え、しだいに業績がかたむき、ついに1988年、日本の後発のタイヤ会社ブリジストン社に買収されるという羽目におちいった。盛者必衰、長くやっていると人生も会社もいろいろなことがある。
(2016年12月20日)
●おすすめの電子書籍!
『ビッグショッツ』(ぱぴろう)
伝記読み物。ビジネス界の大物たち「ビッグショッツ」の人生から、生き方や成功のヒントを学ぶ。タイヤのハーベイ・ファイアストーン、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ、ソフトバンクの孫正義から、デュポン財閥のエルテール・デュポン、ファッション・ブランドのココ・シャネル、金融のJ・P・モルガンまで、古今東西のビッグショッツ30人を収録。大物たちのドラマティックな生きざまが躍動する。
●電子書籍は明鏡舎。
http://www.meikyosha.com
ハーベイ・サミュエル・ファイアストーンは、1868年米国オハイオ州コロンビアで生まれた。ドイツ系移民の家系で、ハーベイは高校を出た後、馬車会社に勤務し、その後、独立してゴム製品を作る会社を興した。
彼の会社は、はじめ馬車用のタイヤを作っていたが、やがて自動車用タイヤを作るようになり、大成功をおさめた。
フォードの自動車が大成功して、全国に自動車が普及していくと、フォード社と契約していたファイアストーン社のタイヤもそれといっしょになって全国に行き渡ったのである。
1920年代には、トーマス・エジソン、ヘンリー・フォード、そしてハーベイ・ファイアストーンの3人は、アメリカの実業界をリードするビッグ・スリーと目され、彼ら3人は「百万長者クラブ」と呼ばれた。
それで、彼らは仲良く、いっしょに働いたり、いっしょに休暇をとったりした。
アメリカンドリームをなし遂げた、この移民の子孫ファイアストーンは1938年2月、フロリダ州マイアミの別荘で没した。69歳だった。
はじめて「ファイアストーン」の名を聞いたのは、米国のリコール問題のニュースだった。2000年ごろ、日本のタイヤ・メーカー、ブリジストン社の米国の子会社であるファイアストーン社が、大量のリコールを抱えて苦しんでいた。これは、フォード社のクルマに装着しているファイアストーン社のタイヤの接地面がはがれて事故が起きるケースがたび重なったことによるもので、事故について、フォード社側とファイアストーン社側とで罪のなすりあいもあった。
ファイアストーンの一族は、ドイツから移民してきた、もともとユダヤ人の家系である。
英語名のファイアストーン(Firestone)は、ドイツ語で「フォイエルシャタイン(Feuerstein)」だった。「火の石」という意味である。
「一個の石」の意味の「アインシュタイン」も、もちろんユダヤ人だった。
ファイアストーン家は、米国に移住して、その名前を英語風に改めた。これを社名としたファイアストーン社は世界的な大企業となった。
創業者ハーベイ・ファイアストーンがまだ生きていたころ、ファイアストーン社は、日本のブリジストン社を、社名をまねしたとして訴えたことがあったら。裁判では、社長の名「石橋」を英訳したにすぎないとしてファイアストーン側の訴えは退けられた。
ファイアストーン社は、創業者ハーベイの死後、事業を広げてゆき、アメリカ軍のミサイルを受注するまでになったが、やがて自社のタイヤ製品が原因となった事故で、多くの訴訟を抱え、しだいに業績がかたむき、ついに1988年、日本の後発のタイヤ会社ブリジストン社に買収されるという羽目におちいった。盛者必衰、長くやっていると人生も会社もいろいろなことがある。
(2016年12月20日)
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