説明文書、保存状態の見直しなどで、再整理した作品の中に以前に投稿した下記の作品があり、再度写真撮影などをして資料を整理したので投稿します。
美人図 中村貞以筆 その1(真作整理NO)
絹本着色絹装軸箱入
画サイズ:横470*縦380
「中村貞以はコケティッシュな独特な雰囲気をもつ美人画を描きます。中村貞以の作品を美人画という表現は語弊があるかも知れません・・。」という説明が以前の投稿でなされていました。さらに前回の記事では「情緒豊で優美な美人画から、戦後は現代的風俗を内面性豊に捉えた人物画を描いた。」という説明がありますでの詳しくはそちらの記事を参考にしてください。
改めて本作品を観てみると他の中村貞以の作品と比べてみて、確かに「優美な美人画」の世界ではない別の世界の人物画と言えます。
幼児の時、両手に火傷を負い、指の自由を失ったため、絵筆を両手に挟む「合掌執筆」によって絵を描いていますが、作品自体からはそのハンデを全く感じません。
身体的なこれほどのハンデを負いながら、これほどの作品を遺した画家は他に類を見ない。こういう画家をなぜもっと評価しないのだろうか?
改めの本作品を眺めた時に、人生はハンデを負っても決して夢をあきらめないものとつくづく思う。
共箱などない作品で、シミが入りかけていて保存状態がよくない作品ですが、近代美人画の佳作と思いますので、こちらの手元で大切に保管しておきます。
中村貞以はもっと評価されるべき画家でしょうね。
ところでこのような美人画は顔の部分が肝要です。シミなどが顔に部分に発生したら致命的なことになります。
そこで収納時には絵の部分に和紙を置いてから掛け軸を巻きます。
また軸部分の裏表には埃などが付きますので、収納時には必ず埃を払います。掛けてままやるのは間違いですので、必ず掛け軸を下ろしてからの作業としてください。
最後に和紙にて全体を包んで収納箱に入れますが、この和紙はそっと掛け軸を取り出さないと破られますので要注意です。必ず和紙の予備を持っている必要があります。
掛け軸を直接布で包むのは大きな間違いです。逆に湿気やカビを呼び込むことになります。
以上は収納に際しての基本事項ですが、間違えて覚えている人がたくさんいます。このような基本事項を実践しない人には蒐集する資格はありません。身体的なハンデを負いながら、必死で描いた画家への尊敬の念が扱いを丁寧にさせるものです。
巷には基本事項をわきまえず真贋だけを論じる蒐集家ばかり・・、実に嘆かわしい!
美人図 中村貞以筆 その1(真作整理NO)
絹本着色絹装軸箱入
画サイズ:横470*縦380
「中村貞以はコケティッシュな独特な雰囲気をもつ美人画を描きます。中村貞以の作品を美人画という表現は語弊があるかも知れません・・。」という説明が以前の投稿でなされていました。さらに前回の記事では「情緒豊で優美な美人画から、戦後は現代的風俗を内面性豊に捉えた人物画を描いた。」という説明がありますでの詳しくはそちらの記事を参考にしてください。
改めて本作品を観てみると他の中村貞以の作品と比べてみて、確かに「優美な美人画」の世界ではない別の世界の人物画と言えます。
幼児の時、両手に火傷を負い、指の自由を失ったため、絵筆を両手に挟む「合掌執筆」によって絵を描いていますが、作品自体からはそのハンデを全く感じません。
身体的なこれほどのハンデを負いながら、これほどの作品を遺した画家は他に類を見ない。こういう画家をなぜもっと評価しないのだろうか?
改めの本作品を眺めた時に、人生はハンデを負っても決して夢をあきらめないものとつくづく思う。
共箱などない作品で、シミが入りかけていて保存状態がよくない作品ですが、近代美人画の佳作と思いますので、こちらの手元で大切に保管しておきます。
中村貞以はもっと評価されるべき画家でしょうね。
ところでこのような美人画は顔の部分が肝要です。シミなどが顔に部分に発生したら致命的なことになります。
そこで収納時には絵の部分に和紙を置いてから掛け軸を巻きます。
また軸部分の裏表には埃などが付きますので、収納時には必ず埃を払います。掛けてままやるのは間違いですので、必ず掛け軸を下ろしてからの作業としてください。
最後に和紙にて全体を包んで収納箱に入れますが、この和紙はそっと掛け軸を取り出さないと破られますので要注意です。必ず和紙の予備を持っている必要があります。
掛け軸を直接布で包むのは大きな間違いです。逆に湿気やカビを呼び込むことになります。
以上は収納に際しての基本事項ですが、間違えて覚えている人がたくさんいます。このような基本事項を実践しない人には蒐集する資格はありません。身体的なハンデを負いながら、必死で描いた画家への尊敬の念が扱いを丁寧にさせるものです。
巷には基本事項をわきまえず真贋だけを論じる蒐集家ばかり・・、実に嘆かわしい!
再表具や、保管のことなど、表具の世界に身を置く立場から色々と参考にさせていただいております。
さて保管に関しまして、ご存知だったら申し訳ないのですが、掛軸のシミに関しまして、カビや虫の糞、体液をのぞきまして、本紙から来るものが1割、表具に使った裏打ち、総裏から来るものが3割、残りの5割は包み紙、防虫香等から来る外部的要因のものが体感の割合でございます。
表具を受ける際に、原因を聞かれ、紙の漉き元との対話で得た答えなのですが、和紙を含め、紙の生成時にどうしても、含有してしまうリスクがあるようです。
特に、大量生産化が進んだ明治後半〜平成までは、消費も多く品質より流通を優先した経緯もあり、表具の素材もそのリスクを多く持っていたようです。
特に、オレンジ色のシミはそれが原因です。
万が一包み紙や、紐下、風帯下にそれが見られましたら、早めに保護に使うものは箱から出し、新しいものに交換することをお勧めいたします。
シミが感染る、広がる可能性が非常に高いですので。
特に、本体の保護に、本紙と密着する物はお気をつけ下さい。
長文、乱文失礼しました。
当方の経験ではやはり保管場所の湿気が一番の大敵のようです。湿気を防いだ上で上記の記述が正しいことと思います。
湿気の高いところに置かなければかなりの確率で状態の良い作品を維持できるようです。
上村松園の作品を思文閣に見ていただいた時には表具師さんからは額装を勧められました。もちろん顔の部分には返却時にも和紙の保護紙がありましたが、それでもというのが理由でしょう。
巻き止めの紐の下、風袋の下には保護紙はつきものです。これがないと巻皺などになってしまいます。
刀剣と同じようなタイミングで(年に一回くらい)は掛け軸を見て、コメントのように保護紙を交換するのがいいのでしょう。基本的に取り出したたびに交換するのが良いと思います。