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我が先人らの蒐集には恐れ入る。未整理の器を整理したら同じような箱から10客揃いの器が7種あることに気が付きました。我が先人らの蒐集した作品で日常使うお膳、漆器、皿類の陶磁器などの揃いの器までいったい今までどれだけ整理したことか・・、それでもまだまだあるようです。しかもすべて上手のものばかり・・。今回の帰省ではこの作品の写真を撮影してきました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/26/41/2ff8788c2eba3929c85ab469d8771921.jpg)
京焼の白磁の食器の揃いものです。
陰刻花文白磁膳器七種 全10客揃
その1 大きめの皿(牡丹文)
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白磁の食器というと西洋の洋皿などを思い浮かべますが、あの無機質感と香水臭いような色合いには当方はどうも馴染めません。いつもフランス料理を食する時にもう少し何とかならないものかといつも感じます。
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このお皿はその無機質感を牡丹を陰刻することで解消しています。
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お見事というしかない・・・。
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陰刻花文白磁膳器七種 全10客揃
その2 中皿(菊文)
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次は菊の文様です。
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陰刻花文白磁膳器七種 全10客揃
その3 蓋付飯茶碗(松文)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/0e/5c96793eee8df9baa712806154ebae5f.jpg)
蓋物は松かな?
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磁器の薄手に陰刻はかなりの技術を要しますね。西洋皿のプリントや絵付けとは次元が違う・・。
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陰刻花文白磁膳器七種 全10客揃
その4 向付(水仙文)
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こちらは長手の皿に水仙を描いています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/12/43/535d1ffc0015275856891dfd41076838.jpg)
淡い絵が実に品格高い。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/fe/6fc260ba89d7894436eb8fa6f3a24dce.jpg)
技法的にしっかりしていますが、現代では電気窯やガス窯で焼成が簡単にできてしまうのだろう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/fc/3f4635beed60faa1c6f335cb5c019aab.jpg)
陰刻花文白磁膳器七種 全10客揃
その5 小鉢(?文)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/ab/3b86a3d65e616c522556b2e0c83095a3.jpg)
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この小鉢な捻じりの形で、形が花を表現しているようです。
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陰刻花文白磁膳器七種 全10客揃
その6 小皿(撫子文)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/ab/3b86a3d65e616c522556b2e0c83095a3.jpg)
これは撫子・・・???
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白磁尽くしの器となっていますね。
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陰刻花文白磁膳器七種 全10客揃
その7 舟形醤油皿(?文)
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これは醤油皿のようなもの・・・。
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なんの花でしょう・・・??
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製作元は不明ですが、京都の焼き物らしい。
萬珠堂:天明元年(1781)五条坂に萬珠堂の前身である平岡陶器店を初代、平岡利兵衞が創業。この地で、若き陶工たちを育成するとともに、京焼の普及発展に多大な力を注ぐ。明治の中頃、平岡萬珠堂と改称。以来、東京大阪へと出店し、大正末期(1925)にはパリ国際博覧会への出品受賞など国内はもとより京焼の国際的な名声を高めるのに大きく貢献、高い評価を受けている。平成7年本店を洛北八瀬に移転。現在も続いているようですが、白磁専門ではないらしい。
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おそらく特注で10客揃いを作ったのでしょう。これほどのものを戦前に揃えたのだからたいしたもの・・・。今ではこのような薄手の白磁に陰刻した揃いの作品は作れるのだろうか?
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冒頭の写真のように真塗の膳にすべて白磁の揃いの食器・・、これは豪勢であったでしょうね。ただしこのような膳はある意味で覚悟のある膳のように思われます。
小生の記憶にあるのは実家の事業をたたまざる得ず、抵当になっていた自宅を出ていく直前に出された揃いの膳。まっさらな状態からのやり直し、人生にはいろんな局面があるもので、あらゆる状況に覚悟をもって臨むのが人生と知りました。骨董とはある意味でそのような覚悟を過去に秘めているものでしょう。