夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

氏素性の解らぬ作品 富嶽 伝片岡球子筆 その2 古径額

2024-05-26 00:01:00 | 日本画
休日につき引き続き、普通は公表しにく作品が続きます。本ブログは当方の蒐集日記みたいなものですのでご容赦願います。

片岡球子の作品のように高価な作品は当方には無縁なものですが、といってリトグラフなどの複製画や版画にも満足できないものです。そこで当方の悪い癖で真実味のありそうな作品にちょっかいをだすことになります。



氏素性の解らぬ作品 富嶽 伝片岡球子筆 その2 古径額
左下落款・印章 紙本着色額装 共シール 
F6号程度 全体サイズ:横560*縦465 画サイズ:横390*縦295



素人ゆえに印章や落款は後回し・・・??? 「氏素性の解らぬ作品」は、ともかく感性で選び、地団駄を踏むような価格では手を出しません・・。



気に入ったのは単色の塗部分がうまいこと、構図が妙な点。



全体に勢いがあって、かつ丁寧な作品となっています。



表面の額の作りがいいこと・・・。



本作品の印章と落款、共シールは下記のとおりです。

 

一部布のタトウの雰囲気?がいいもの決め手のひとつ・・。



額の作りがいいと思ったら、「古径額」のようです。

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古径の額縁:明治27年、東京都の銀座に洋額縁店として創業しました。当時は、「八咫屋(ヤタヤ)」という店名で、額縁専門店として知られていました。その後に八咫屋から独立し、古径を立ち上げ、後に法人化して、株式会社 古径として数多くの額縁を制作します。銀座の額縁店「古径」は2021年7月31日をもって閉店しています。「古径」はその名のとおり、日本画家の
「小林古径」の名に因むものです。その額縁はデザインも材質も極めて上質で、そのお値段も廉価の額に比して十倍も違ったようです。その額には今でもファンが多いようで、閉店当時には「最近はうちの額に似合うような絵を描く方が少なくなった。」と嘆いておられたという・・。

「KOKEI額」や「YATAYA額装」については本ブログでも何点か掲載していますが、「YATAYA額装」については本ブログの下記の作品があります。

黄金鯉 松尾敏男筆 その3
1976年作 紙本金彩額装 誂黄袋+タトウ
額サイズ(YATAYA額装):横740*縦620 画サイズ:横530*縦409(P10号)





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本作品の額には下記のシールが貼られています。



いずれにしろ、飾っておくのに気兼ねしないお値段の作・・・。



考えによっては「複製画より面白く、勉強になる。」という負け惜しみみたいな気持ちで納得しています。



ちなみに「その1」(上記写真左)は下記の作品です。

氏素性の分からぬ作品 花咲く富士 片岡球子筆 その1
紙着色額装 共シール 
全体サイズ:横460*縦415 画サイズ:横560*縦320


球子の富士は「豪華絢爛」という表現が当てはまりますね。「その1」は赤富士という、いわゆるおめでたい図柄です。空をたなびく雲の流麗さや花の描き方、なにより富士山の絶対的な存在感、とてもエネルギッシュに描かれています。片岡球子が使う素材は日本画の顔料である岩絵具ですが、それをボンドで溶いて直接色付けしています。古典的な日本画の技法や概念は全く関係ない非常に独創的な表現で描いていますが、その結果、唯一無二の存在として今でも愛され続けている作品です。

ところで本作品と同様のサイズの作品がなんでも鑑定団に出品されていました。

参考作品                
なんでも鑑定団出品作2024年1月30日放送
日の出に赤富士 片岡球子筆



昭和44年、球子が64歳頃の作品とのことですが、評価金額は驚きの1500万円・・・。作品中の印章は本日紹介している「富嶽 片岡球子筆 その2」と同じ印章のようです。

母の実家で所蔵されていた「紅の富士 片岡球子筆」(12号程度)の買取り価格が当時(15年ほど前)で400万円とのこと。その後、1000万円との話もあったようですが、すでに子息らが手放したようです。いくらで売られたか知りませんが、片岡球子の人気はますます高くなるようです。当方も真作がいつかは欲しい・・・。

*本作品はあくまでも「氏素性の解らぬ作品」であり、「伝」ですのでご了解ください。休日につきお遊びとご理解願います。



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