夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

お気に入りの作品 婦人像 伊東深水筆

2020-11-04 00:01:00 | 日本画
週末の土曜日は息子はプログラミングの教室へ・・。そのためか日曜日は大津絵の展覧会に出かけるつもりが家でお休みの予定でしがが、教室は一時間で終了し、内容も思いのほか簡単だったようです。そこで家内の段取りで急遽近場へドライブ・・。



小生は日曜日は骨董品の整理のつもりでしたが、ブログの投稿記事を慌ててまとめる必要もなくなり、さらには義母も一緒に出かけるというので、一人で昼食も寂しいし、留守番は心細いと皆で出かけることにしました。もちろん運転は小生・・・



湖畔の公園の芝上でのんびり・・。「パパ、シーツの上では靴を脱いでよ。」、「今日は一緒に来てくれてありがとう。」などを会話・・

 

飾って鑑賞するためには作品の大きさが各種要るものです。小さ目の作品ばかりでも困るし、大きい作品ばかりでも困るものです。骨董品には質と量、そして大きさのバランスが大切ですね。

所蔵作品を整理していくなかで取捨選択していますが、当方する日にちは不定期になりますが、これからはお気に入りの作品を中心にして投稿しようと考えています。



婦人像 伊東深水筆
東京美術倶楽部鑑定書付 紙本水彩額装 共シール 誂タトウ+黄袋
P15号 全体サイズ:横680*縦820 画サイズ:横507*縦665



本作品は岩絵の具ではなく、伊東深水にしては珍しい水彩にて描かれた本格的な作品です。本妻の好子をモデルに大作を数多く発表していますので、本作品も「本妻の好子をモデル」にした作品ではないかと思われます。本妻の好子は相当に美人だったようですが、残念ながら若い頃の写真は見当たりません。

本人には色々な画題を描きたいという願望がありましたが、美人画への反響があまりにも大きく、他の作品の注文が全く来なかったといいます。これには深水自身も、画家として戸惑いを見せていたそうです。



*伊東深水は多くの女性たちと噂になったといいますが、伊東深水の娘さんである朝丘雪路は芸者であった亭「勝田」女将の勝田麻起子の娘です。妾腹(非嫡出子)ではありましたが父の伊東深水に溺愛され、モデルにもなっています。

朝丘雪路に対する愛情は他の者へのそれを遥かに超えており、周りから「このままでは娘さんがだめになる」と注意を受けたほどでした。例えば、小学校への通学に人力車を用意し、下校時間まで教養係と車屋を学校で待たせていたそう。さらには、傘を開くことさえ、指が怪我してはいけないからという理由でやらせてもらえなかったほどです。そのため、娘は一般常識すら分からぬまま育ち、女優・朝丘雪路として有名になった現在でも、切符の購入さえ一人では出来ないそうです。度を超えた愛情は時に狂気とも受け取られますが、朝丘雪路本人は「父親が間違ったことをするはずがない」と、特に疑問に思わなかったそうです。女性らに対する愛情が作品に溢れ出ているのでしょう。

そういう点では当方の息子へも接し方は、少なくても義母と家内はスパルタ的ですね。小生は怒ると怖いらしい・・

 

作品の裏には多聞堂の共シールが付いています。このようなシールは痛んできますので透明なフィルムで保護する必要があります。本作品はシールが剥げてきていますので、直そうと思っています。この仕事も専門家に頼んだ方がいいでしょう。

 

気が付くと東京美術倶楽部の鑑定書が付いていました。おっとこれは無くさないほうがいいでしょう。

 

本ブログにて紹介した同様な作品には下記の作品があります。両作品が同一人物のモデルのようの思われます。下記の作品は版画にもなっていますが、当方ではその原画という判断です。

爽涼 伊東深水筆
絹本着色額装 浜田台児鑑定シール タトウ+誂黄袋
全体サイズ:横830*縦735 画サイズ:横600*縦500



岩絵の具の作品に対しては過剰なまで神経質で、埃などから守るためにカバーに気を使ったようですが、この作品は水彩にて勢いよく描かれているある意味で特異な作品です。当方ではこのような作品は嫌いではありません。というか本作品は型通りの美人画とは違い小生のお気に入り・・、ところが家内は「わざわざ買うほどのものではない。」という感想・・ 見解の相違というやつ。



入手金額は30万ほど、高いのか安いのかは小生には皆目見当がつきません。安っぽい段ボールタトウは総布貼、黄袋付きにします。額の作品で黄袋は意外に重要ですね。作品を出し入れする際には必需品です。



本作品の手前は家内の実家の物置にあった江戸時代の机と訳の分からないお気に入りの壺・・・。

磁州窯? 白地鉄絵兎文壺
13世紀~14世紀? 誂箱
口径178*胴幅270*高さ270



壺の関しても家内いわく「なんだかわけのわからない作品が増えたわね~」だと・・。



わけがわかろうとわかるまいと、真作であろうとなかろうと、そして誰が何と言おうとお気に入りはお気に入り、そしてこれが今の小生の感性の実力、上記作品の鉄絵の人物がごとく頑固なり・・  


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