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夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

古伊万里色絵 楼閣山水文六稜輪花色絵皿

2019-05-21 00:01:00 | 陶磁器
これからは蔵から移動した作品の整理が帰郷の際のメインの仕事になります。置き場は確保したのですが、雨漏りが心配かな? 他の置き場所はすでに満杯。あまりいいものがなさそうなので、ともかく優先順位をつけて整理、整理・・。

本日の作品の紹介です。

当方では古伊万里は基本的に蒐集対象外ですが、ときおり気に入った作品があると財布が許す限りに範囲にて購入しています。ともかくあまり無理をしないで購入出来る範囲内での実用的な器に比重を置いています。



ちょっとこじゃれた作品を入手しましたので紹介します。上記の写真は遼三彩の作品と一緒に飾っている写真です。

古伊万里色絵 楼閣山水文六稜輪花色絵皿
1700年頃 合箱
口径147*高さ27~28*高台径



淡いブルーや緑、黄、黒、赤の釉薬で庭園のような楼閣と松などの文様が描かれ、全体が黒釉の輪郭線が明確に描かれているのが特徴的な作品です。



裏側には緑と赤のみを用いた文様が描きこまれています。これらはいずれも上絵付けで施されています。



口縁は六稜輪花形になっており、赤線で全体が引き締められています。素地はわずかに灰色調で、江戸時代の藍九谷や柿右衛門手の作品に通じるものがあります。なお銘や落款はなく、口縁から高台を通してニュウが一本あります。



江戸時代中期(1700年頃)の初期色絵に近い古伊万里かと思われますが、他には唯一、平戸の高浜焼などの可能性もあります。

他の所蔵作品には製作時期が近い古伊万里の色絵の作品では下記の作品があります。
                     
古伊万里色絵皿 寿字唐草花繋文六角皿
1700年~1730年 合箱
最大幅192*最小幅128*高さ31 高台径101



この作品はは、柴田コレクションⅣに掲載(P68 No100)されている作品です。盛岡の古陶庵の御主人が九州で、柴田コレクションを整理して資金調達するために放出したものを落札した作品だそうです。その品を当方で購入した作品で文献では1700年~30年代の作とのこと。



高台内の寿の字が面白く、縁起の良い品である。上品に絵柄もまとまっており、佳品といえるでしょう。

それより時代が遡ったいわゆる初期色絵と称される作例にはよく見かける下記の参考作品などがあります。

参考作品
初期色絵芙蓉手皿
口径 約14.1㎝  高さ 約2.4㎝
1655~1670年



明末呉須赤絵などの影響が見て取れる作品群ですね。



涼しそうな青と、ちょっと入った赤がお洒落な小ぶりの初期色絵の皿です。



よく昔は高かったと言われる皿ですが、近年は求めやすくなっています。

盛期の古伊万里、初期の古伊万里、柿右衛門手は中国で日本人が依頼して製作した精緻な贋作が横行している時代です。玄人でも見分けが難しいとのことです。インターネット上でのこれらの購入は手控えたほうがいいとのこと。
ともかくインターネットオークションは中国系統の出品、応札が多くなり、乱雑な市場になってきましたね

大皿など大きなものを除くと陶磁器は整理のしやすい作品群ですが・・・。




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