
本日紹介する作品は金島桂華の作品です。緻密な自然観察をもとに、四季の彩りを作品に織り込んだ金島桂華はまた、その鋭い眼差しを感じさせる素描類も多く残しています。日本における花鳥画の第一人者として長い期間、活躍した画家です。

椿 金島桂華筆 色紙 その5
金泥紙本着色 色紙 タトウ+黄袋
額サイズ:横450*縦480 画サイズ:横240*縦270

金島 桂華の画歴は下記のとおりですが、いわゆる純然たる日本画を描き通した画家です。
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金島 桂華(かなしま けいか):1892年6月25日~1974年9月14日)。日本画家、日本芸術院会員。広島県生まれ、本名は政太。
平井直水、竹内栖鳳に師事。私塾の衣笠会を主催し、後進の育成に努め、四条派と院体風を取り入れた花鳥画を得意とした。
1925年帝展で「芥子」が特選、1927年「鳴子九皐」、1928年「牡丹」で特選、1930年から1939年まで京都市立美術工芸学校教諭、1934年帝展審査員、1950年日展運営会参事、1952年芸術選奨文部大臣賞受賞、1954年日本芸術院賞受賞、1959年日本芸術院会員、1960年日展理事、1966年勲三等瑞宝章受章、1969年日展顧問、京都市文化功労賞受賞。
四条派の写生に院体風を取り入れ、重厚な装飾性の強い花鳥画を得意とする。享年82歳。
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日本画界の最大派閥として有名な四条派を受け継いだ近代画家とされ、日本画古来の伝統に院体画を織り交ぜた「写実的な日本画」を得意とする作風です。

代表作である「画室の客」が切手になったことでも知られていますね。

竹内栖鳳主催の竹杖会では本ブログでお馴染みの西山翠嶂、西村五雲、橋本関雪、土田麦僊や小野竹喬、徳岡神泉、池田遙邨と同門です。とくに橋本関雪とは1917年、共に揚子江を旅しています。また万鉄五郎とは金島の妻が加わった参禅の会を介して知己を得ています。

印章には白文朱方印の「秀光」が押印されていますが、たびたび押印されている作品を見かけるこの「秀光」の印についての詳細は不明です。


かなり出来の良い色紙額の収められていますが、このような額はもはやなかなか見かけなくなりました。


日本画は表装も額装も愉しめるのが楽しいですね。また色紙用の額は古今東西、いろんな種類があって愉しいものです。