夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

まくりから額装へ 美人図 伝島成園筆

2020-02-07 00:01:00 | 日本画
初釜には懐石の席に印籠にちなむ作品を飾りました。印籠入、印籠掛けに原羊斎、古満、梶川、また家内の実家にあった印籠(すべて真作)を掛けてみました。



左の印籠入れは鍵がかかり、持ち運びできる津軽塗のような質感のある優れもの。江戸期から明治期のかけての数寄者の旧蔵作品と思われます。



本日はまくりの状態で入手した作品があり、それを裏打ち、染み抜き処理後、あり合わせの額にて額装したので紹介します。

氏素性の解らぬ作品 美人図 伝島成園筆
絹本着色額装 タトウ+黄袋
全体サイズ:縦*横 画サイズ:縦470*横545

処置する前は下記の写真のような状態でした。



所謂まくりの状態ですが、シミもあり状態はよくありませんし、作品の真贋を含めた氏素性の解らない作品です。



美人画にシミは禁物です。



真贋の根拠は落款と印章と筆使いのみ・・・。



ただでさえ難しい美人画の真贋・・、打ち捨てるか迷った末、裏打ちと染み抜きはそれほど費用はかかりませんので
あり合わせの額に入れることにしました。額は伝伊東深水の作品の収められていた額ですが、贋作と判断して処分しました。



似たような島成園の作品として思文閣の作品を参考にしました。



ただ島成園の作品数は少なく、そうそうたやすくは島成園の作品は入手できないようです。



染み抜きして、裏打ちして、手元にあった額に入れてしばし真贋を含めて出来の判断・・。入手した作品を手間をかけてからじっくり判断することのみが鑑識眼向上への早道と信じています。この額にいつか真作の収まる時が来るのを祈るのみ・・・


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