夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

水辺 長谷川昴作

2024-07-13 00:01:00 | 彫刻
本日紹介する彫刻家の長谷川昴の作品ですが、初めて作品を見たのは叔父の家で作品を拝見したときです。その作品は下記の写真の作品ですが、その作品以外に「施無畏」という作品もありました。「施無畏」という作品は撮影していなかったようで、どのような作品であったのかは記憶が定かでありませんが、見事な作品であったように思います。

参考作品解説   
水辺 長谷川昴作
「古幹洞主 昴」と刻印
木彫共箱 高さ320*幅180*奥行き320



上記写真の作品と同様な作品をインターネットオークションで見かけたので、入手してみました。全体に朱色が塗られているようですが、共箱はなく、汚れや日焼けがあったので、状態は良くありませんでしたが、当方で汚れを少しきれいにしておきました。



下記以降は汚れを落とす前の状態の写真です。

水辺 長谷川昴作
木彫 「古幹洞主 昴」と刻印 合ひとみ箱 
作品サイズ:高さ350*幅300*奥行き210




長谷川昂の略歴は下記のとおりです。

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長谷川昂:明治42年(1909年)に鴨川市で生まれる。青年時代に白樺派の作家、武者小路実篤の新しい村運動に感銘を受け、農業の傍ら文学や美術の感性を磨き、高村光雲にその才能が認められて彫刻家の道を志す。



木の持つ自然の美しさや愛を詠い上げる独自の鉈彫りの技法で、優雅さと荒々しさを兼ね備えた逸品を数多く生み出し、温もりあふれる造形が高く評価され、「現代の円空」と称されて日本の木彫史に確固たる地位を築きました。



1909年 千葉県鴨川市粟斗に生まれ、県立長狭中学校(現高校)卒業
1931年 高村光雲に認められ上京、日本木彫会に入会、佐々木大樹、内藤伸の指導       
1936年 文部省美術展入選、その後文展特選、無鑑査を経て日展審査委員
1962年 サイゴン国際美術展にて「浄池」(木彫作品)を出展、彫刻最高賞金メダル受賞
1964年 常陸宮様御婚礼に際し「啓明」太子像謹作
    東京湾観音(56メートル)体内仏(木彫24体)完成、記念展開催
1971年 釜石大観音(48.5メートル)体内仏(木彫44体)完成、記念展開催
1976年 釈尊と十大弟子完成、記念展開催



1977年 千葉県教育功労者受賞
1986年 千葉県文化功労者受賞
1988年 千葉県美術会会長、房総芸術文協会副会長、千葉県立美術館協議会委員、
千葉県文化振興財団理事、国民文化祭実行委員
1989年 文部大臣表彰受賞(地域文化功労)、小品を中心に鴨川市郷土資料館にて個展



1991年 鴨川市民ギャラリー完成記念展開催、鴨川市名誉市民となる
1994年 鴨川市民ギャラリーで長谷川昂特別展開催
1997年 米寿記念展を鴨川市民ギャラリーにて開催



2001年 鴨川市制30周年を記念して62点の木彫作品を鴨川市に寄贈
2002年 鴨川市制30周年記念長谷川昂彫刻展を鴨川市民ギャラリーにて開催   全国主要デパート個展30回
2012年 逝去



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インターネットオークションに入札したのは私だけでしたが、落札金額は5万円でした。高いのかお買い得なのかは知る由もありませんが、叔父との思い出にある作品なので大切にしたいと思います。



叔父のところで見せて頂いた作品より前の作でしょうか? おそらく共箱であったのでしょうが、長らく飾っていたか放置されていた痛んだのでしょう。



このような汚れは完全に落とすのは不可能なのでしょう。新たに着色すれば綺麗なるでしょうが、修復費用はかなりかかるでしょうね。



もとの色を落とさない程度に綿棒でそっと拭き取って少しきれいにするしかないでしょう。



焦らずじっくり行うのがコツらしい・・???



よく出来より良い作品だと思います。



ひとみ蓋の保存箱を誂えておこうと思います。



骨董蒐集は蒐集するのではなく、次世代の遺すための預かりのようなもので、決して粗末にしてはいけません。飾ったままの放置もよくなく、収納したまま飾らないのもいかがなものかと・・・。



台の背面に刻銘があります。「古幹洞主」という号を用いたようですが、資料が不足しており、その経緯は不明です。



下記の写真は最初に紹介した作品も同様な刻銘です。



下記の写真は最初の作品の共箱の題名や落款と印章です。

  

実際の見せて頂いた作品は、許されるなら写真データとして残すことが肝要です。いつ何時役に立つか分かりません・・・。

作品との出会いの機会を数多く増やすことですが、美術館などよりは実際に手に触れて見られる機会のほうが数倍感性に訴えらえれるものがあります。その思いが入手したいという思いとなり蒐集の原動力になるのでしょう。




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