日々是迷走中

まったく同じ名前のブログがあるけど、gooのがあたしの。
自称永遠の八歳。
ただし他称、宇宙人。

一年がたった 震災のあとだから、判ること

2012-03-28 14:27:24 | 非日常
書き留めておかなければいけない、と思うこと。
震災の後になって、あぁ、そういえば、と、みんなで言っていたこと。
「伝え聞き」なので、そこはよろしく。


前の年、山のものが、やたらに豊作だったと、聞いた。
岩手の松茸の産地では、あまりにも大豊作で、もう売れないからと捨てた人まで居たそうだ。
山のクルミも、例年の六倍もの収穫量で、山に住む姉の庭のぎんなんも、ものすごく実がついたのだそうだ。
全般に、「なりもの(実のつくもの)」と呼ばれるものは、大豊作だったようだ。
被害に遭う合わないは無関係に、そこら辺りではどこでもそうだった、と聞いた。

あたしが、当日に雀が来なかった話をしたら、岩手の方でも、カラスも雀も前日からまったく姿が見えなかったそうだ

「いったい、どこに行ったんだべね。」
と話したが、ほんとに、野生の生き物は何かを感じ取っていたのだろう、と思うしかない。

宮古市で、鮭が遡上するので有名な津軽石川。
そこに、おおきな水門を作ったのだそうだが。

津波の連絡を受けて水門を閉めたところ、波が二つに割れて、まともに「津波」となって町を襲い、そこの近くが全滅したそうだ。
もし川の水門を閉めなかったら、川を使って海水が遡上して吸収されて、もう少し被害が少なかったのではないか、と話しているそうだ。

自宅が流された人、家族が死亡した人、には、助成金が出たそうだが、貸店舗で営業している人には、店が流されたといっても
何もなかったのだそうだ。
壊滅したのは同じなのに、どうしようもなく切ない、と。

家を流された人たちの若い方は、仮設に入ることができて、一時に大金が入って、職もなく、家族もいなくて、パチンコにおぼれているとかも
けっこうに多いようだ。
数万もの大金をパチンコですっている人を見ると、腹立たしいやら哀れやら。と。

年寄りの方は、抽選で当たった順番で入居するから、隣近所に知り合いも居なくて、話し相手もなく、孤独死に追い込まれている人が出ているとか。
今までだったら、「おかず、作ったけど、食べる?」とか、お互いの家に寄ったり寄られたりしていたものを。
そうでなくても、孤独は人間を壊す。
寄り集まって、支え合ってこそ、人間、なのだから。

寄付金、寄付金、って言うけれど、あれって、いったい「どこにいってるのだろう?」
中小企業に助成金をもっと出して、町を活性化させないと、と、強く思う。
企業が元気になれば、就職口もできる。「自分」を取り戻すことが、できるかもしれない。
それで、やっと人間が、人間として生きることができるのに。

どだい、阪神淡路の時は素早い対応だったようだが、東北は、範囲が広いこともあるんだろうが、対応がなまくらでないか?
偉い人たちの知り合いが少ないから、って、放っておいてる訳でも無いんだろうけどもさ。
「東北の人は我慢強い、辛抱強い」って、思い込んでない?


あたしのいとこは、保育所に子供を迎えに行ってて、あの津波に遭った。
たまたま車から降りていたから、幸いにして母子ともに命は助かった。
園庭に置いてあった車は、流されてしまったし、旦那様も亡くなった。

「亡くなった」と書けば、一行の文字だが、そのあとの苦労は、言葉にできない。
周りのみんながそうだったから。

探して、探して、探して。
がれきを踏み越え、砂に足を取られ。
青いシートをはがして顔を確認したり、避難所に張り出された手書きの名前を確認したり。
あっちの避難所、こっちの避難所、隣町、そのまた向こう、と、ひたすら探して。
水も食料も無くて、でも、探して。

もう、永遠のようだった、あの時間たち。

探索の方々は、青いシートにくるまれた人たちは、そこに「置いた」まま。
いま、息をして居る人を、ともかく、一人でも多く、見つける。
それだけを念じて。

あの頃、救助に関わった人たちをテレビで放映していたが。ひんしゅくもの。
テレビに出したいがために、救助隊の手を止めた人たちをマジ恨んでいる人も居るよ。
そういうのは観光客気分でやってる、って、丸わかりだからさ。
カメラ向けてる時間に、一人でも捜し出したら?って。

一年経って、まだご遺体が発見されない方々も多数おいでだというのに。
消費税やらガソリンの値上げやら、もう、どうしろというのだ、という昨今の状況。

テレビでは、お笑いまっさかりで、楽しそうでおもしろそうで、もう震災は「どっか遠い場所のお話」になってるみたいだ。
何もできていない、というのに。
こっちの人はみんな、苦しくても頑張っているというのに。

甘ったれんじゃぁねぇ。

地の底から、声が響いてくるようだ。

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