日々是迷走中

まったく同じ名前のブログがあるけど、gooのがあたしの。
自称永遠の八歳。
ただし他称、宇宙人。

亡くてぞ人の。。。

2008-12-30 13:54:48 | 日常
明け方に、寒さで目を覚ました。
ふと、ほの明るいことに気づいて顔を上げたら、障子越しに早朝の光が漏れてきている。
どうやら廊下のカーテンをきっちり閉め忘れたのが、この寒さの原因らしかった。

起きあがって、雨だれの音に耳を傾けていたら、古~い昔を思い出した。

あれは、七~八年も前のことだっただろうか。
母親が、一から十まであたしのことに口を挟むのがうっとうしくて、母の部屋から見える窓のカーテンを
四六時中閉めっぱなしにした時期があった。
いわゆる(ささやかながら)「引きこもり」の、まねっこ。
朝何時に起きたとか、何時までも灯りが点いていた、とか、子どもじゃないんだから
放っておいて欲しいぞ、と思ったが、口には出せなくて、しかたなくの意思表示だった。
理由もなく反抗する、とは言うが、そんなとき、いつでも、理由は存在した。
ただ、そんな些細なことは理由にはならない、というのが、親側の言い分だった。
こちら側のれっきとした理由が、「認めない」と一言いうだけで否定される。
そんな理不尽なこと、あるもんかっ。

その時は、母のことが嫌いだった。同じ家に居たくなかった。
軽い憎しみさえ覚えた。母の笑顔が信じられなかった。
気配を感じる度に、いらついていた。
でも、口には出せなかった。シャットアウトすることが、唯一の表現方法だった。

あたしのささやかな抵抗は、それでも二ヶ月ほど続いた。
暗い部屋のうっとうしさに、あたし自身がうんざりしたから、止めたのだった。
光の差し込む部屋で、ゆったりしてコーヒーを淹れていたら、母が入ってきて、言った。
「今回は、けっこう続いたね。
 アンタにも、根性があった、ってことだわねぇ(*´∇`*) 」
わたしは、苦笑するしか無かった。
黙って、母の分のコーヒーをカップに注いだ。

母もわたしも、体育会系。
明朗快活を絵に描いたような母子だもの。
それでも、そのくらいの軋轢はあった。
今思えば、本当に「些細で問題にはならない」ようなことばかりが「あたしの理由」だった。
親の言い分が正しかった、のだったろう。

いま、その母は、もう居ない。
あのとき、二ヶ月も母との交流を遮断する必要性が、はたして本当にあったのだろうか?
もう二度と戻ってこない二ヶ月という長い時間を、もったいなかった、と後悔する。

ぼんやりしていると、母と喧嘩したことも怒ったことも、すっかり忘れて、ただひたすら
母のことを恋しいと思った記憶しか浮上してこない。
あんなに腹を立てていたのに、「あたしの本当の理由」が、記憶の底から出て来ない。
居なくなった、ということは、人間を「完全無欠の善人」にしてしまうんだろうか。

生前の母の教えに「在るときは在りのすさびに憎かりき 亡くてぞ人の恋しかりけり」
というのが、あったような。
いやいやながらにでも、その言葉を「実感」している、このごろ。

4 コメント

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Unknown (まきぼう)
2008-12-30 15:16:35
後妻としてヨメに行くのなら、
ダンナの先妻との別れ方が問題。
「生き別れなら(ヨメに行っても)よいけれど、
死に別れは、やめておけ」
てな言葉を聞いたことがある。
どうがんばっても死んだ人には勝てないから。
先妻と死に別れてる家へヨメに入るのは、
菩薩と戦うことになる。
虚しすぎるから止めておけ、という意味。

もし可能なら、前回の記事から消されてしまった、
子犬のような爺ちゃまのエピソード、
そのうち復活させておくれよ。
彩ちゃんが書くと、悲惨なはずの話がふしぎと透明で、
個人的に、好きだす(笑)
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復活、っすか?(;・∀・) (otikomi)
2008-12-30 17:53:33
生き別れと死に別れ、うん、あたしらも、そう聞いたこと、あるよ。
死ねば、悪かったことは雲散霧消して、良かったこと「だけ」が残る、って。
生身の人間同士、どんなに頑張っても、小競り合いのひとつやふたつ
無いわけは無い、って。だけど、神様や仏様への思いには
小競り合いなんかできないから、今生きて丁々発止の相手の方が
どうやったって不利だすわなぁ(´へ`)

おじいちゃんの記事の修正について。
亡くなった人を、もしかしたら冒涜することになっちゃうかな?と
案じての消去でしただよ。(*´∇`*)
あたしらは、毎日のことだったで、悲惨とは思っていなかったけど
もしか見た人がいやな感情をおじいちゃんに抱いたりしたら
困るな、と思った。‐△‐;
死んでからまで、悪口言われたくないわい、って思われてもなぁ、って。
素直で、ありのままで、でも家族はけっこう困って
だけどね、おじいちゃんが「やりたい」ことには、ちゃんと理由があったんだろう、って
わたしらには解るから。
本当に、悪口に見えなかったですか?
もし本心でそう願ってくれたなら、あたしも
思い出として残す(アップする)ことができるかな、と感じ始めています。(;´▽`lllA``)
返信する
Unknown (まきぼう)
2008-12-31 01:09:26
あたしなら耐えられないスゴい目に遭っているのに、
なぜ彩ちゃんは爺ちゃまを愛してられたんだろう。
悪口には見えなかったよ。
それでも爺ちゃんを尊敬して慈しんでるように見えた。

いいとこだけ抜き書きして美談に仕上げよう、なんて下心のなさが、
かえって好きだね。
何も求めず、ただ包もうとして見える。
雪国の愛って、みんなこうなのかい?
まぶしい雪景色の匂いがする。

まだまだ思い出にするには生々しいだろけど、
いつか手が空いたときにでも、
リバイバルしてもらえたら、いいなぁ。
子供たちの話、お母さんの話、爺ちゃまの話。
随想集を作れるものなら、ぜひ読みたいなw

今年も、あとわずか。
来年もよろしくね♪
返信する
ありがとう(*´∇`*) (otikomi)
2008-12-31 02:19:37
何も求めず・・・・
いや、もう生まれて以来、たくさんのものをいただいているから。
愛情、たっぷり、本気で可愛がってもらってたから。
自転車も乗れるようになったし、大工仕事も教えてもらったし、
いろんなこと、教わったよ。
叱られたこともあるし。
いただいた半分もお返しできないまま逝かれてしもうて
それが哀しい。(T^T)
いや、マジで「哀しい」なんて書いたら泣けてしもうて
今、ディスプレイの前で鼻水すすって困ってるとこ。
続き、あとでまた書くね。
今年も、ほんとうにありがとう。
来年も、どうぞよろしくね(*´∇`*)
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