1月27日から31日までインドを旅してきた。
といっても、訪れたのはデリー、ジャイプール、アグラの3都市のみ。
短期間だったが、強烈な印象が残るエキサイティングな旅だった。
驚いたのはセキュリティが厳しいこと。
空港の荷物チェックやボディチェックはもちろん、タージ・マハル入場時には厳格なセキュリティチェックがあった。
持って入れるのはパスポート、財布とカメラ、ハンカチ、ティッシュのみ。
それ以外は全部だめで、ペンも没収される。
ペットボトル入りの水と靴にかぶせるカバーを渡されて入場した。
タージ・マハルはムガール帝国の第5代皇帝シャー・ジャハーンの2番目の妃、ムムタズのお墓だ。
ムムタズは身重の体で皇帝の遠征に付き従い、14人目の子どもを産んだが、産褥熱で38歳の若さで亡くなったという。
溺愛していた妃を失って、皇帝は嘆き悲しみ、世界一美しいお墓をつくった。
それがタージ・マハルだ。
白大理石の壁面には、さまざまな宝石をはめ込んだ象嵌細工が施され、それは美しい。
タージ・マハルは写真等でさんざん見ているけれど、実際に見るとやはり感動する。
ただ、残念なことに、右側の塔にメンテナンス用の足場が組まれ、景観を損ねていた。
その傍らには、大理石の壁面を手で磨く多くの人の姿が。
タージ・マハルの美しさはこうした努力によって守られているのである。
タージ・マハルから3kmほど西にあるアグラ城も見応えがあった。
アグラ城はムガール帝国第3代皇帝アクバルによって築かれた赤砂岩の城で、いくもの宮殿が並ぶ。
この中に、シャー・ジャハーンが息子、アウラングゼーブ(第6代皇帝)によって幽閉された「囚われの塔」がある。
アウラングゼーブは自分が皇帝の座に就くために他の兄弟を殺し、父親のシャー・ジャハーンを幽閉したそうだ。
晩年のシャー・ジャハーンはこの塔から一歩も出られず、終日、愛妃が眠るタージ・マハルを眺めて暮らしたという。
シャー・ジャハーンはタージ・マハル完成後、自分用の墓(廟)を黒大理石で作ろうと計画していたそうだが、その願いは叶わず、シャー・ジャハーンの棺はタージ・マハルの愛妃の棺の隣に置かれている。