青梅市の滝ノ上自治会館で今日、老人会「滝和会」主催の「介護されない体づくりと歌の会」が開かれ、講師を務めた。
昨年8月に行った会が好評だったらしく、また今年も依頼されたのである。
参加者は60代~80代の男女30人ほど。車いすで来てくれた人もいる。
滝和会の会長さんがとても若々しくてびっくりした。
まず話したのは高齢者をめぐる医療や介護事情。近年、高齢者の医療費が急増して国民健康保険(国保)財政が危機に瀕している。きのうもNHKの特報首都圏でこの問題を取り扱っていた。
国保の運営者である市町村は国保の赤字分を補うため、教育費や子育て支援など住民サービスを削らなければならない状況に陥っているという。
介護費用も年々増加している。介護保険が始まった2000年の要介護者数は218万人だったが、2010年には500万人を超え、2013年には580.7万人になった。2025年には720万人になる見込みで、介護費用は21兆円にのぼるという試算もある。
日本は今後、医療費用と介護費用が増え続け、沈没してしまうかもしれない。そうならないためには、「健康長寿」を実践することだ。
今、日本人の平均寿命は男が79.94歳、女が86.41歳。
ところが健康寿命は男が70.42歳、女が73.62歳。
医療や介護が必要な期間が男は約9年、女は約13年もある。
この期間をいかに短くするかが大きな課題である。
現在介護されている人はどんな原因で介護が必要になったのだろうか。
国民生活基礎調査によると、介護が必要になった原因の第1位は脳血管疾患、2位は認知症、3位は高齢による衰弱、4位は関節疾患、5位は骨折・転倒と続く。
そこでまず、参加者に脳梗塞の兆候がないか、簡単なチェックをしてもらった。3位~5位は運動器に関することで、ロコモティブシンドロームに関係する。
そこで、片足立ちテストをしてもらい、ロコモになりかけていないかをチェック。皆さん、真剣な表情で取り組んでくれた。
後半は健康長寿のための腹式呼吸法を指導。
発声練習をした後、「七つの子」「茶つみ」「ふるさと」「知床旅情」の4曲を皆で歌った。
その際、驚いたことがあった。
「ふるさと」の歌の出だしは「ウサギ追いし・・・」で始まる。
すると参加者から「小学生の時、ウサギ狩りをしたことがある」との声。昭和10年代後半、青梅第1小学校では学校行事でウサギ狩りをしていたそうだ。
明治天皇が聖蹟桜ヶ丘にウサギ狩りに来たという話は聞いていたけれど、昭和に入って青梅でウサギ狩りが行われていたというのは初耳だった。
会場はしばし、ウサギ狩りの話で盛り上がった。
最後に、認知症予防をテーマにした「お座敷小唄」の替え歌を皆で歌ってお開きに。
あるお寺の和尚さんが作った歌だそうで、「なるほど」とうなずける内容である。
6番まであるが、ここでは1番と3番を紹介したい。
1.何もしないでボンヤリと
テレビばかりを見ていると
のんきなようでも年を取る
いつか知らずにボケますよ
3.お酒も旅行も嫌いです
歌も踊りも大嫌い
お金とストレスためる人
人の2倍もボケますよ
帰宅後、役員の一人からメールがあった。
参加者の一人がわざわざ役員の家にやってきて、「今日はとっても楽しかった」と言ってくれたそうである。
よかった!
今日を機に、楽しく介護予防に取り組んでくれたら、こんなうれしいことはない。