太田知子の いきいき!健康長寿

健康医療ライターで介護予防インストラクターの太田知子が介護されない体づくり、若さと元気をキープする方法について語ります。

おひとりさま女性の終の住処は・・・

2020年07月15日 | おひとりさま 終の住処 サ高住 ケアハウス シニア向け分譲マンション

4か月ぶりに開催した一人の老後を応援する団体・リリアンネットの定例会。12日午後、立川市女性総合センター・アイムにはマスク姿の会員16人が集まりました。3人掛けのテーブルに1人ずつと、間隔を空けて座りました。

この日のテーマは「終の住処」。おひとりさま女性にとって、どこを終の住処にするかは大きな問題です。「できれば自宅でずっと暮らしたい」というのが多くの会員の本音。でも、年をとって自由に動けなくなったり、認知症になったりしたら一人暮らしは難しい。では、どこに住み替えるか? 住み替え先として考えられる高齢者住宅について、これまでの取材経験をもとに、フェイスシールドを付けてお話しました。フェイスシールドはマスクよりも話しやすいけど、マイクとの距離感が微妙です。

さて、おひとりさまの住み替え先として比較的入居しやすいのがサ高住(サービス付き高齢者住宅)です。介護施設不足を補うため、2011年に国が設けた高齢者住宅の登録制度で、建設費の助成や固定資産税等の優遇策を講じて、民間による設置を推進しています。サ高住はバリアフリー構造で安否確認と生活相談サービスが義務付けられた賃貸住宅で、ほとんどが食事サービスも提供しています。その数は年々増えており、今年6月現在、日本全国に7619棟(約25万6000戸)あります。

サ高住は設備もサービス内容も様々で、元気な高齢者を対象にして入居者に仕事を提供しているサ高住もあれば、重度の要介護者を受け入れて看取りまで行うサ高住もあります。月額費用は家賃+共益費+サポート費。それに利用した分の食費と光熱費がプラスされます。月額費用は15万円~30万円くらい。

シニア向け分譲マンションも最近増えてきています。通常の分譲マンションと同様に買い取って所有権が持てる高齢者住宅で、食事サービスがあり、ケアスタッフが常駐していて見守りや緊急時対応をしてもらえます。食堂、大浴場、余暇施設などが充実しているため、毎月の管理費が高いのが特徴。重度の要介護になって病院や介護施設に移っても、管理費は払い続けなければならないので、購入する時は、将来のこともよく考えて決める必要がありそうです。

比較的安い費用で入居できるのが、ケアハウス(軽費老人ホームC型)。半公的な施設で、所得に応じて月額費用が異なるのが特徴です。年間所得が150万円以下なら、ケアスタッフによる見守りや緊急時対応の費用が月1万円ですむため、月額費用は食費も含めて10万円前後。これなら年金でも暮らせそうです。ただ、ケアハウスは数が少なく、どこも待機者が多いのが現状です。

定例会では、高齢者住宅について一通り説明した後、終の住処についてどう考えているか、参加者一人ひとりに話してもらいました。Kさんは横浜のマンションから犬吠埼のサ高住に住み替えたそうですが、次第に要介護の入居者ばかりになり、だんだん気分が暗くなってきて1年半後に退去。現在は立川市内のマンションで一人暮らしをしています。5階の部屋に住み、晴れた日には富士山が見えるのが気に入っているそうですが、将来のことを考えると不安もあるとか。ケア付きマンションへの住み替えを考えていて、情報収集を始めたそうです。

中には、すでにケアハウスへの入居申し込みを済ませた人も。ただ、そのケアハウスは80人も待機者がいるので、入居できるのはいつになるか分からないとのことでした。

自宅での一人暮らしは自由気ままでいいけれど、孤独死の不安もあります。それを考えると、「元気なうちに住み替えたほうがいいかも」と思いながら、でもなかなか踏み切れないというのが多くの会員の本音のようでした。

今後も高齢者住宅の情報収集を続けて、引き続き意見交換をしていきたいと思います。

 

 


多彩な文化の国・スペインの旅 その5(最終回)

2019年12月19日 | スペイン バルセロナ サグラダファミリア バル

スペイン旅の最後はマドリッドに次ぐ第2の都市、バルセロナへ。

バルセロナは地中海に面していて、マドリッドやグラナダに比べると暖かく、開放的な雰囲気のある街だった。

 

バルセロナにはカタルーニャ出身の建築家、アントニ・ガウディが手掛けた建築物がたくさんあり、その作品群がユネスコの世界遺産に登録されている。

それを見るのもこの旅の大きな目的だった。

8時半にホテルを出発し、まず訪れたのがグエル公園。

ガウディのパトロンだったグエル伯爵の依頼で田園住宅街として60戸を造る計画だったが、2戸しか造れず、計画は失敗に。1922年に公園として開放され、人気の観光地になっている。

              グエル公園のベンチで


バルセロナの街を一望できるテラスには、カラフルな破砕タイルで装飾されたユニークな形のベンチがある。

ベンチがうねっているのは、ここに座った人々が自然にコミュニケーションできるように考えたからだそうだ。

 

続いて、ガウディがミラ夫妻の依頼で設計した邸宅「カサ・ミラ」へ。

1階が店舗で26階が住居や事務所、7階が20世紀前半のバルセロナのブルジョア階級の家を再現したギャラリー、そして屋上はガウディの建築を紹介する博物館になっている。

この建物は山がテーマで、屋上の煙突は、尾根から突き出た峰々を表しているとか。

不思議な世界に迷い込んだような気分だった。

 

そしていよいよ旅のクライマックス、サグラダ・ファミリア(聖家族教会)へ。

1882年に着工され、137年たってもまだ建設中の教会だ。

写真などでよく見る「生誕のファサード」(東側)は、ガウディ存命中にほぼ完成されたといわれている。

キリストの誕生から幼少期までが彫刻で表現されており、素晴らしい!の一言だった。

             生誕のファサードにきざまれた彫刻

 

入場には事前に購入したチケットが必要で、残念ながら中を見ることはできなかったが、周囲を一周するだけでも見応えがあった。

       

西側にある「受難のファサード」では最後の晩餐から十字架での処刑、昇天までが彫刻で表現されている。

           受難のファサード

「生誕のファサード」に比べるとだいぶシンプルだ。

 

南側の栄光のファサード等は現在建設中で、ガウディ没後100年に当たる2026年の完成を目指しているそうだが、果たしてあと7年で完成できるのだろうか?

 

この日の午後はバルセロナの街を自由散策。まず、地下鉄に乗ってカタルーニャ広場へ行き、その周辺を散策した。

             カタルーニャ広場


大聖堂はゴシック建築で、サグラダ・ファミリアに比べると小さかったが、堂々としていた。


                 大聖堂


カサ・バトリョは、ガウディがリフォームを請け負った実業家・バトリョ氏の邸宅だ。

そのユニークな形はとてもインパクトがある。

外観を飾る破砕タイルやガラスは、地元の廃棄物を再利用したものだとか。

 

 

その後、友人と一緒にお目当てのバルへ。バルとはスペイン式の居酒屋で小皿料理を出す店。

私たちが入った店は日本語のメニューがあり、マグロやトマトを使った料理を注文した。

ホール係のお姉さんがとても明るく、愛らしい女性で、楽しい時間を過ごすことができた。

 

8日間の短い旅だったが、スペインの魅力を十分満喫できた。

また、いつかバルセロナを訪れ、サグラダ・ファミリアの完成した姿を見に、訪れてみたい。

 


多彩な文化の国・スペインの旅 その4

2019年12月11日 | スペイン バレンシア タラゴナ

スペイン5日目はグラナダからバレンシアへ。

地中海に面したバレンシアはオレンジの産地だけあって、マドリッドやグラナダに比べると暖かい。

 バレンシアは1516世紀に地中海貿易で栄えた街で、世界遺産の「ラ・ロンハ」がある。

これはイスラムの王宮跡に商品取引所として建てられた建物で、19世紀まで交易所として使われていたそうだ。

「ラ・ロンハ」の近くに大きな市場があり、ショッピングを楽しんだ。


果物もキノコも卵も、パック売りでなく量り売りで売られている。

発砲スチロールのトレーに盛られたものはほとんどない。レジ袋はもちろん有料。

ヨーロッパの国は皆そうだが、環境保護の意識が高く、ドリンク類の自動販売機もほとんど見かけなかった。


          バレンシア大聖堂

バレンシアにはローマ・カトリックのカテドラル(大聖堂)がある。

キリストが最後の晩餐で用いたとされる聖杯があることで有名だ。

 

さて、バレンシアはスペイン料理・パエリアの発祥の地でもある。

昼食には本場のパエリアをいただいた。

大きな鍋で炊かれたパエリアは、何と30人分。

エビやムール貝のダシが出ていておいしかった。

 

午後はタラゴナへ。

タラゴナはイベリア半島で最初にローマ帝国の植民地になった街で、ローマ時代の遺跡が残っている。

世界遺産の「ラス・ファレラス水道橋」は紀元2世紀のローマ時代に建設されたもの。

山の中にあり、橋の上には幅1mほどの水路があり、歩いて渡ることができる。

 

タラゴナには紀元1世紀に建設された円形競技場もあり、ここで見世物として猛獣と剣闘士同士あるいは剣闘士同士が戦わされたそうだ。

それがやがて、闘牛に発展していったのだろう。

この円形競技場は「地中海のバルコニー」と呼ばれ、青く輝く海をバックにした素晴らしいロケーションだった。

 

 


多彩な文化の国・スペインの旅 その3

2019年12月05日 | スペイン フラメンコ アルハンブラ宮殿 グラナダ

 コルドバから約3時間、バスに揺られグラナダへ。

この日の夜、フラメンコショーを見に行った。

グラナダのアルハンブラ宮殿の向かいの丘に白壁の家が建ち並ぶアルバイシン地区がある。

     アルバイシン地区の高台からアルハンブラ宮殿を望む

 

イスラム教徒の居住区だった場所で、その一角にあるタブラオ(フラメンコを行うショーレストラン)で観賞した。 

タブラオはまるで洞窟のようで、奥に白い舞台があった。

ギターが弦を阿かき鳴らし、2人の歌い手(男性)が迫力のある声で歌い始めると、2人の女性による情熱的な踊りが始まった。

靴音がリズムを刻む。しなやかで切れのある動き。時にはもの哀しく、時には激しく。

ギター奏者の隣に座っている長髪の男性がいた。この人もダンサー。指を打ち鳴らしながら一人で踊り出した。

すらりとした長身で、長い手足が激しく動く。時には腿を激しく打ち、切れのある踊り。

かっこいい。思わず目が釘付けになった。

 

ショーは1時間。このタブラオは写真撮影も動画撮影もOK。

一番前の席で見ることができ、見応え十分だった。

 

 

翌日は世界遺産のアルハンブラ宮殿へ。

今回の旅で、最も見たかった場所だ。

タレガのギター曲「アルハンブラの思い出」が大好きで、いつか行きたいと夢見ていた。

現在、アルハンブラ宮殿の入場には事前予約が必要で、ツアーでも予約が取れずに中に入れないことがあるという。

心配していたが、無事入場でき、華麗で幻想的なイスラム芸術の最高傑作を満喫できた。

                 ヘネラリフェ

個人名の入ったチケットをもらい、厳重なセキュリティチェックを経て、まずナスル王の夏の離宮・ヘネラリフェへ。

シエラ・ネバダ山脈の雪解け水を利用した水路や噴水が至る所に設けられていた。

 

続いて、訪れるものを千夜一夜の幻想的な世界へ誘うといわれるナスル朝の王宮「アルハンブラ宮殿」へ。

行政と司法が執り行われていた「メスアール宮」、宮殿の中心部である「コマレス宮」と進む。

中庭には青い池があり、池の水にコマレスの塔がきれいに映って見えた。

コマレス宮を過ぎると、王族のプライベートな空間であるライオン宮がある。

12頭のライオンの噴水がある中庭に面して3つの部屋がある。

 

二姉妹の間の天井は鍾乳石の精緻な彫刻が施され、ため息の出る美しさだった。

 

アルハンブラ宮殿はとにかく広く、歩数計を見ると1万8000歩を示していた。

海外旅行を続けるには足腰を鍛えておくのが必至だと改めて思う。

 


多彩な文化の国・スペイン その2

2019年12月04日 | スペイン ラマンチャ ドン・キホーテ コルドバ

スペイン3日目はセルバンテスの小説「ドン・キホーテ」の舞台、ラマンチャ地方へ。

丘の上に白い円筒形の建物に黒い三角屋根の風車が建ち並び、独特の風景を見せてくれた。

風車は今も使用されており、内部も見学させてもらう。

風車が回って粉をひく様子が分かった。

 

ラ・マンチャにはセルバンテスが泊まった旅籠が残っていて、現在はレストラン兼土産物屋になっている。

2階にはミニギャラリーがあり、セルバンテスの写真や「ドン・キホーテ」に関する資料が展示されていた。

 

その後、アンダルシア地方にあるコルドバへ。

8世紀半ば~11世紀初めまでイスラム王朝の都として栄えた古都だ。

世界遺産に登録されている「メスキータ」がある。

          ローマ橋の奥に見えるメスキータ

 

このメスキータは785年に建てられ、その後4回も増築されて数万人を収容できる巨大なモスクになった。

しかし、13世紀になるとキリスト教徒が征服し、メスキータの内部にカテドラル(大聖堂)を造った。

このため、イスラム教のモスクとキリスト教の聖堂が共存する珍しい建物になっている。

850本もの円柱が立つ円柱の森は、イスラム教徒の祈りの空間。

            中央礼拝堂

それに対し、キリスト教王が建てた中央礼拝堂はゴシック様式の楕円形のドームで、豪華で荘厳な雰囲気が感じられた。

  オレンジの木が植えられた中庭の向こうに見えるのはルミナールの塔

 

 メスキータの北西には8世紀頃、ユダヤ人によって造られた旧ユダヤ人街がある。

白壁の家が建ち並ぶ「花の小径」はメルヘンチックで、女性に人気のスポットだ。


陽気な国・スペインの旅 その1

2019年12月02日 | 海外旅行 スペイン マドリッド トレド

 11月中旬から下旬にかけ、陽気なラテンの国・スペインを旅してきた。

 成田からマドリッドまで、イベリア航空直行便で14時間10分。

長い空の旅を終え、ようやく着いたマドリッドの天気は雨で気温6度と寒かった。

スペインは太陽きらめく温暖な国と思っていたが、実際は夏暑く冬は寒い寒暖の差が大きい国らしい。

スペイン2日日はスペイン王国の輝きをとどめる王宮を見学した。

フランスのベルサイユ宮殿で生まれ育ち、スペインの国王になったフェリペ5世の命で造られたという王宮は、2700もの部屋がある壮麗な建物で、今も公式行事で使われているそうだ。

その後、スペイン王室の絵画コレクションを展示したプラド美術館へ。

世界三大美術館の一つというだけあって収蔵品が膨大で、とにかく広い。

ベラスケスの「マルガリータ王女」、ゴヤの「裸のマハ」「着衣のマハ」、エル・グレゴの「聖三位一体」などを鑑賞した。

館内は撮影禁止で、写真が撮れなかったのが残念!

 

午後は世界遺産の古都・トレドへ。

古代ローマ時代から要塞都市として栄え、16世紀のマドリッド遷都まで、都として栄えた街だ。

スペイン・カトリックの総本山でもある大聖堂(カテドラル)。

ゴシック様式の大聖堂の内部は荘厳で、彫刻や770枚もあるというステンドグラスが見事だった。

 


憧れの北欧旅(フィンランド編)

2019年06月25日 | 北欧 海外旅行 フィンランド  ヘルシンキ サウナ

スウェーデンからフィンランドへは船で移動。

ストックホルムを夕刻に出港し、ヘルシンキに翌朝着く大型客船タリンクシリアラインに乗船し、バルト海をクルーズした。

夕食はブッフェレストランで食べ放題、飲み放題。

サーモン、キャビア、エビなどバルト海の幸をたくさんいただいた。


船はほとんど揺れず、静かなクルーズだったが、甲板は寒く、人の気配は少なかった。

 

ヘルシンキはよく晴れていた。

コペンハーゲンやストックホルムとはちょっと違った雰囲気。

何となくロシアに似ているような・・・

(といっても私が訪れたことがあるのはウラジオストックだけだが)

 

ヘルシンキの港近くで大きな観覧車が回っていた。

青い窓のゴンドラに交じって、茶色いゴンドラが見える。

これはサウナ観覧車だそうだ。

空飛ぶサウナに入って汗をかきながら、バルト海やヘルシンキの街並みを堪能。

気持ちいいだろうなあ。

さすが、サウナ発祥の国だけあると感心する。

 

丘の上に建つウスペンスキー寺院は、北欧最大のロシア正教会。

赤レンガ造りで、荘厳な雰囲気が漂っている。

訪れた日は月曜日で、残念ながら内部は見学できなかった。

 

次に訪れたのがヘルシンキのシンボルでもあるヘルシンキ大聖堂。

深緑色のドームと白壁のコントラストが美しい。

手前には広大な元老院広場があり、多くの市民や観光客の姿が見られた。

 

シベリウス公園はフィンランドの代表的な作曲家、シベリウスの業績を記念してつくられた公園だ。

パイプオルガンをイメージしたモニュメントと、シベリウスの顔面オブジェが印象的だった。

 

郊外へ出ると、緑の森が果てしなく広がっている。

ヘルシンキから約50キロ。

中世の佇まいを残す古都・ポルヴォーを訪れた。

ポルヴォー川沿いに木製倉庫が建ち並び、絵のような景観を見せている。


丘の上に建つポルヴォー大聖堂。

白壁と木の屋根という組み合わせがメルヘンチックな雰囲気を醸し出していた。

何度も放火に合っているそうだが、そのたびに修復されて現在に至っているそうだ。

 

フィンランドは2018年と19年、2年連続で国連の世界幸福度ランキングで156か国中1位に輝いている。

2位以下はデンマーク、ノルウェー、アイスランド、オランダ、スイス、スウェーデンと続き、北欧諸国が上位を占めている。

ちなみに、日本は2018年が54位、2019年は58位だった。

フィンランドをはじめとする北欧の人々はなぜ、幸福度が高いのだろう?

日本のような長時間労働とは無縁の、ゆとりのある暮らし。

有給休暇が最低でも5週間あって、福祉が充実していて、人生選択の自由がある。

 

北欧では早くから男女平等が根づき、国会議員の半数は女性だ。

医師も弁護士も裁判官も女性が半数を占めているという。

    EU議会議員選挙のポスター、女性候補者の多さが目を引く

 

男女格差の度合いを示す「ジェンダーギャップ指数2018」では、格差が少ない順に1位がアイスランド、2位ノルウェー、3位スウェーデン、4位フィンランドと、こちらも北欧が上位を占めている。

ちなみに日本は110位だとか。

 

どうも、男女格差が少ない国は、人々の幸福度が高いとも言えそうだ。

     道路は車道と自転車専用道路、歩行車専用道路に分かれている(ヘルシンキ市内で)


たった9日間の短い北欧旅行だったが、北欧の素晴らしさが実感できた旅だった。


憧れの北欧旅(スウェーデン編)

2019年06月22日 | 北欧 海外旅行 スウェーデン ストックホルム 市庁舎

ノルウェーのオスロから飛行機に乗り、約1時間でスウェーデンの首都、ストックホルムに着いた。

ストックホルムは森と湖に囲まれた美しい都である。

 

まず訪れたのが、メーラレン湖のほとりに建つ市庁舎。

800万個の赤煉瓦が使われている、宮殿を思わせるような壮麗な建物だ。

あいにく外壁を修理中で、その美しい外観全体を写真に収めることができなかった。

 

市庁舎大広間「青の間」はノーベル賞受賞式後の晩餐会が行われる場所として有名だ。

              青の間


訪れた日は日曜日だったが、多くの観光客で賑わっていた。

「青の間」から大理石の階段を上ると、舞踏会が開かれる「黄金の間」がある。

        舞踏会が開かれる黄金の間、正面の壁画が「メーラレン湖の女王」

        

黄金の間は金箔をはったモザイクタイルで壁面がおおわれ、キラキラ輝いていた。

多くの壁画に目を奪われる。

 

日本人ガイドの案内で、市議会の議場も見学した。

木組みの天井は壮麗だったが、議場自体は思ったよりこじんまりしていた。

            木組みのデザインに特徴がある議場の天井


議員の半数は女性で、議員報酬はごくわずか。

議員は別に職業を持っているので、議会は夜間に開かれることが多いという。

お金や名誉が目的でなく、国民や市民の暮らしをよくしたいと本気で思っている人がボランティアで行っているのがスウェーデンの政治だ。

だからこそ、スウェーデンの福祉は発展したのだろう。

日本も議員報酬をぐっと低くすれば、政治はもっとよくなると思うのだが。

 

ガムラ・スタン(旧市街)には王宮、大聖堂、ノーベル博物館など、観光スポットが集中している。

                      ノーベル博物館 


大広場を中心に石畳の道が張り巡らされ、カフェやアンティークショップがひしめいていた。



旧市街を抜け、橋を渡ると王立公園がある。

花と緑が美しい市民の憩いの場だ。


              花が咲き乱れる王立公園

           公園の両側にはカフェが並ぶ

           初夏の日差しを浴びながら、カフェでひと息

 

今回の旅で、スウェーデンに滞在したのはわずか1日。

夕刻には大型客船に乗り込み、ヘルシンキに向かってバルト海クルーズに出発した。

次はもっとゆっくり訪れたい。

                 (次回はフィンランド編)

 


憧れの北欧旅(ノルウェー編)

2019年06月20日 | 北欧 海外旅行 ノルウェー フィヨルド

コペンハーゲンから飛行機でフィヨルド観光の玄関口・ノルウェーのベルゲンへ。

あいにくの雨。

しかし添乗員さんの話では、ベルゲンは1年のうち360日は雨が降る “雨の街”なので、普通のことなのだとか。

傘を差しながら、世界遺産のブリッゲン地区や魚市場を見学した。

ブリッゲンは木造の三角屋根が建ち並ぶベルゲン湾に面した都市で、中世にハンザ同盟の拠点都市として栄えた場所だという。

 

その後、グトヴァンゲンからクルーズ船に乗り、2時間ほどソグネフィヨルドを観光した。

          クルーズ船の甲板は凍える寒さ


さらにフロム駅から山岳鉄道に乗り、ミュールダールからベルゲン鉄道でヴォスへ。

雄大な景色を眺めながらのフィヨルド観光。

船も鉄道も快適だったが、5月末というのにとても寒い。

フロム山岳鉄道で山間部を走っている時は、みぞれが降っていた。

 

翌日は、ハロゲンフィヨルド地区からノルウェーの首都・オスロまでの約365㎞をバスで移動した。

途中、ノルウェーが観光振興のための国家プロジェクトとして推進する「ナショナルツーリストルート」を通った。

ノルウェーは観光を主要産業と位置付け、全長1600㎞の「ナショナルツーリストルート」を設定。

道路や受け入れ施設を整備するなど、観光インフラに力を入れている。

観光立国を目指す日本は、このノルウェーの事業を参考にしているという。

 

バスはフィヨルドの海岸線、真っ白い雪原、滝、吊り橋、木造の教会が点在する村などを通り抜けていった。

          ツヴァイデの滝

窓の外には絵のように美しい景観が次々と流れていく。

 

途中、ヴォーディングの滝で下車した。

高さ182mの絶壁から流れ落ちる豪快な滝だ。

遊歩道が整備され、様々な角度から滝が眺められるようになっている。

寒さに震えながら、その雄大な自然美に圧倒された。

 

オスロでは国立オペラ&バレエ劇場、フログネル公園、市庁舎などを観光した。

         オスロの市庁舎前で

            国立オペラ&バレエ劇場


フログネル公園はノルウェーの彫刻家、ダスタフ・ヴィーゲランが企画設計した公園で、212点の彫刻は全てヴィーゲランが40年の歳月をかけて制作したもの。

「人間の環」をテーマに、600体以上の裸の老若男女が生まれてから死ぬまでの様々な姿を見せている。

 

一番人気は「おこりんぼう」。

駄々をこねて地団駄を踏む男の子の表情がとてもかわいい。

左手がピカピカ光っているのは、人々に触られまくったからとか。

 

圧巻は、空に向かって伸びる「モノリッテン」。


「人間の塔」とも呼ばれ、天を目指してよじ登る121人の男女の姿が花崗岩に刻まれている。

聖なるものにより近づこうとする人間の欲望が表現されているそうだ。

 

ノルウェーでは、フィヨルドと氷河が生み出した雄大な自然と芸術が堪能できた。

                         (次回はスウェーデン編)


憧れの北欧旅(デンマーク編)

2019年06月18日 | 北欧 海外旅行 デンマーク

 雄大な自然と美しい街並み、そこに息づく人々の豊かな暮らしを見たくて先月下旬から今月上旬にかけて北欧を旅してきた。

9日間で4か国を回るという駆け足旅だったが、北欧の魅力の一端を知ることができたと思う。


                  カラフルな木造建築が立ち並ぶニューハウン地区(コペンハーゲン)

 

 まず訪れたのはデンマーク。童話作家、アンデルセンを生んだおとぎの国だ。

                 アンデルセンの像


 フィンランドと並んで、国連の世界幸福度ランキングで何度も1位を獲得している羨ましい国でもある。

労働時間が短い上、医療も介護も教育費もタダ。

学費がタダなのに加え、大学生は奨学金(生活費)がもらえるというのだから驚く。

なぜそれができるかというと、税金が高いからだ。

消費税は25%、所得税は4060%も持っていかれるという。

いくら税金が高くても、困ったときは国が助けてくれるから、国民は納得して払えるのだろう。

       人魚姫の像の近くでくつろぐ老夫婦


 北欧1泊目はコペンハーゲン郊外のホテルに宿泊した。

翌朝、ホテルの外へ出ると、自転車で出勤する市民の姿が目立った。

その姿がさっそうとしていて、とてもかっこいい。

人魚姫の像の対岸では、風力発電の風車が回っていた。

              人魚姫の像


デンマーク人は自分たちの幸せだけでなく、環境にも優しい暮らしを追求しているようだ。


       ニューハウン地区にて

       王室の居城・アマリエンボー宮殿

       王宮を守る、熊の毛皮の帽子をかぶった衛兵たち

 

コペンハーゲンではカラフルな木造建築が立ち並ぶ港・ニューハウン地区や、アマリエンボー宮殿、市庁舎、人魚姫の像などを見学した。

                                                                                                                             (次回はノルウェー編)