腐れゲー道

プレーしたゲームの感想文を、ダラダラと粘着質に綴ります。

安藤ケンサク

2014年05月13日 21時25分39秒 | Wiiゲーム感想文
うーん、このゲーム、なぁ……。
あ、「うんこ のゲーム」じゃないよ。あっはっは。ガキみてーな糞ネタだな。……うんこじゃないよ。失礼なこと言うな。思うな。
取り敢えず、売れなかった。さっぱり。多分発売週ランキング圏外。任天堂タイトルだけに、ある程度の知名度は保証されてるのにね。
するとお約束、値崩れ。売れなさが凄かったので、こちらも破壊的だった。発売日に買った人は神か仏か。人の世に愛など存在していなかった。
俺はWii最強の値崩れソフトは「キャプテンレインボー」だと思っていた。キャプレイの感想にそう書いた記憶がある。
しかし後に、今作が上回った。俺の購入価格は、衝撃の、撃滅の、抹殺の、100円。込。新品。2年くらい前だった。
別にいかがわしい店じゃなく、家電のジョーシンだった。値段付けた人のことを思うと、レジに持っていくのが心苦しくて仕方なかった。
でもちゃっかりクラニンポイントはゲットしてな。あはは、投売りゲー最高。……俺は何も悪いことしちゃいない。ううう……。

「安藤ケンサク」である。4年前に発売されたWii専用ソフトである。売れなかったが、任天堂製だし、極端に無名というわけでもないだろう。
そしてタイトルを知っている人は、今作がどんなゲームかもおぼろげに把握していると思う。今作は「Google検索を使ったゲーム」である。

検索と言えば、インターネット使用法の代名詞的存在だ。黎明期から今までずっと、常に利用され続けている超重要サービスである。
言葉を入力するだけで、それに関連するページを羅列してくれる……「便利」としか言い様のないスーパーシステムだな。
また、単に古くから存在するだけでなく、検索エンジンは時代が進むにつれどんどん改良されていった。
その単語に頻繁に関連付けされる別単語を表示するサジェスト機能、入力が間違っていても「もしかして 〇〇」と提示してくれる機能……
追加機能だけでなく、精度や速さも異常なレベルで上がっており、1分前に更新されたサイトがもう検索で引っ掛かっていたりする。理解不能だ。
世に数多あるサイトから、一瞬で、高精度で、無料で。一体どうやってこれを実現しているのか、もう俺には皆目分からん。魔法である。
Google社は、そんな検索エンジン業界でトップを走り続ける大企業である。つーかGoogleあってこその現代検索エンジンと言っていいだろう。
日本では「ググる」が動詞になるほどそれは浸透し、愛されている。Google検索なくして最早人々の生活は成り立たない。俺もだ。
そりゃ広告が殺到し、G社がアホほど儲かるわけである。優れた仕事故の大儲けだから問題ない。ああ、見事だなぁ。
ちなみにこのブログへの閲覧元URLも、9割5分がGoogle検索結果である。ありがたや。……ちょっと情けない気もするが、しゃーない。はぁ。

で、今作は「Google検索を使ったゲーム」である。「検索エンジンを使って遊ぶ」は誰でも経験あるだろうが、この方向性は珍しいだろう。
多分ゲームソフトとしては今作が唯一無二である。スマホ系は知らんが。この点、非常に斬新なのは間違いない。
今作は当然G社の協力の元に作られているが、任天堂が話を持っていった時、G社側はかなり困惑したらしい。
G社は検索エンジンを軸に、とにかく「実用的な」ソフトの製作に全力を注いでいる。表現に遊び心はあっても、信念にそれはない。多分。
対して任天堂は、生粋の娯楽企業である。「人々を笑顔に」てな方針のもと、ゲームを軸に只管娯楽作品を追求している。……多分。
そんな、企業風土が全く異なる任天堂からのコラボレーション要請。協力すると言っても、一体何をどうすれば? まぁそらそうだわな。
それでも話を進めるうちに快諾したとの事だから、任天堂の着眼点は間違ってはいなかったということだろう。
まぁG社側のすることは検索データの提供とプログラムの手助けで、ゲーム内容には一切噛んでないと思うが……。

今作には様々なモードがあるが、基本は「検索のヒット数」である。ヒット数が多い言葉を当てる……というのがゲームの核だ。
「猫」と「犬」ならどちらが多いか? 或いは、「猫」に「餌」or「寝床」、どちらをアンド検索した方がヒット数が多いか?
それを予想し、多いと思った方を選択する。結果が表示される。もちろん実際のGoogle検索結果だ。多ければ勝ち、少なければ負け。
こんな感じだ。変則的クイズゲームと言ってもいいかな。モードは多数用意されているが、やる事はほぼこれである。
で。これ。面白いよ、うん。ここハッキリ言っておこう。安藤ケンサクの骨子は、面白いのである。
なんせ、こんな事誰も意識して見たことないだろう。例に挙げた犬と猫、どっちが多いかパッと言える人いるか?
分かり易い例でこうなんだから、他の言葉だともっと分からん。分からんなりに「この組み合わせが多いかな?」と試行錯誤することになる。
そしたら、バッチリと思ってた組み合わせのヒット数が随分少なかったり、逆に全然関係無さそうなコンビが大ヒットだったりする。
そんな意外性を楽しみ、笑うゲームである。面白いよ。他にはない体験だ。

……けど、な。概要で分かるが、今作はどう考えても「ガチ」なゲームではない。攻略、クリアーといったゲーム性と縁遠い。
真面目にやってズッコケたり、デタラメにやっての大成果に爆笑したりするゲームだ。更に言えば、それを多人数でやるべきものである。
対して俺は、ゲームを攻略したがる質である。製作者の挑戦状に打ち勝ち、ドヤ顔する事に至上の喜びを感じるのである。キモ。うるさい。
しかもそれを一人孤独にやる。ダセ。うるさい!! ……まぁそんなわけで、今作のコンセプトとは非常に相性が悪かった。はぁ。
出だしこそは斬新な体験に「おお!」と思った。やりもせず失敗ゲー扱いする世間は死ねと思った。……が、数時間もすると、うーん。
とにかく結果に納得できないし、しっくり来ないんだよな。「これバッチリだろ」と思った組み合わせが、さっぱりだったりする。
理由は? 単にGoogle検索結果に出た数字というだけだ。ここが根拠のハッキリしているクイズゲームとの違いだ。
やり続けているうちにゲームの骨子に違和感を抱き、実際ちっとも勝てなくなり、いつしかしんどくなっていた。はぁ……。

まぁ今作は、明らかにパーティゲームである。複数人でプレーし、そのカオスさをワイワイと騒いで楽しむ為のゲームだ。
実際そう使えばかなり盛り上がると思う。攻略の指針がないから、ゲームの腕前も関係ない。非常に平等である。素晴らしい。
そういう意味では実にWiiらしく、近年の任天堂らしいタイトルだ。……なれば当然、俺のようなオタには相性が悪いのだな。はぁ。
つっても、一人用への配慮はキッチリしてある。今作はWiiでも後期の作品だから、さすがにこの弱点にも気配りに余念がない。
ゲームモードの中には一人用特化のものある。無論メインは多人数になっちまうが、やれる範囲のことはやっていると思う。
あ、もちろん多人数モードを一人でプレーするのも可能だ。その場合はコンピが相手をしてくれる。……普通だろ。はぁ。
また「賑やかしメッセージ」なるものもある。ゲームをしていると、場面場面で「Sランクなんて初めて見た」「ここでこう来るか」といった
メッセージが音声付きで画面に出るのである。開発中にそういうのが上手い人がいたらしく、その人の発言がモデルになっているらしい。
機械的なメッセージではあるが、まぁ賑やかしにはなっていた。そのうち飽きて音声オフにしちまったが。すみません。むぅ。

そもそも、俺らはGoogle検索を愛用していても、ヒット数に関しては殆ど気にしない。極端に少なければ「少ないな」と思うくらいか。
「社長が訊く」でG社幹部の人も言っていたが、検索で重要なのは「最初の1ページの最上部」に表示される検索結果である。9割それである。
大抵はそれだけ見て事足りるし、以降を眺めるにしても大体100まで、せいぜい500までだろう。それでも多いか。
何万何億の検索結果を尻まで確認する人がどれだけいるのか。G社はそんなとこ重視してないとハッキリ言っている。それで何の問題もない。
俺らはGoogle検索に馴染んでるが、検索ヒット数は「いつも見てるけど不慣れなもの」という変な存在なのである。
だからこそカオスなゲームの題材に相応しいとも言えるが……どこか「期待に応えていない」ようにも感じてしまう。
慣れ親しんだツールを使ってるはずなのに、よう分からん題材。いい着眼点なはずなのに、どっかずれてるように感じる。
新鮮さと意外な面白さが一段落すれば、ゲームに燃える事はできなくなっていた。もうちょい付き合いたいとは思うだが……うーん。
一人用充実対策には「ケンサク経験値」というのもあって、何かする度にこれが溜まり、4級や初段等の称号が貰える。
だが漫然と溜まっていくので、イマイチ達成感がない。そもそもケンサク経験値って意味分からんしな。そんなの増えてないし。
俺は二段まで行ったが、無論それで「検索が上手くなった!」とは思わん。まぁネタ数字だからマジレスする気はないが。

一応俺が気に入ったモードを挙げると、まず「連想! 検索クロスワード」。一人用のモードだ。
穴が開いたマスをヒントを元に埋めていくのは一般のクロスワードと同じだが、このモードではヒントが「サジェスト用語」なのである。
例えば「ラブテスター」「ウルトラハンド」「花札」といったヒントが並び、文字数は5文字。正解は? もちろん「にんてんどう」である。
こんな感じだ。普段の検索とは逆の視点からで、これはヒット数とも無関係。アイデアが面白く、結構ハマってしまった。
問題数も膨大に用意されており、やる気さえあればたっぷり楽しめる。まぁそこまでどっぷりハマるもんでもないと思うが。
残念なのは、クロスワードなのに「特定のマスの文字を当てる」ではないこと。このモードは全マスを埋めないとクリアーにならないのだ。
二重枠で囲われた5文字だけを当てる、という形がクロスワードのあるべき姿だと思うが……常に全問解かされるのはちょっとしんどかった。
あと当然、分からない問題は徹底的に分からない。この点はクイズゲームと同様である。攻略のしようがない。分からんもんは分からん。
ボタンを押すことでヒント(音声付き)を聞けるんだが、これを使うと貰える経験値が減るので、出来れば使いたくない。
しかし分からん問題はヒント使っても分からんのだな。そうなると完全に手詰まり。中途セーブはできないし、全部諦めるしかない。
これはかなりストレスがあった。ガチじゃないのに、優しさはあまりないんだよな、このゲーム。

もう一つ「アンドケンサク!パネル9」。9つのパネルを使ったビンゴゲームである。4人で対戦することになる。
各パネルには単語が設定されている。「先生」「赤い」等だ。これに手持ちの「白い」「先輩」「漫画」といった単語を合わせるのだ。
いい組み合わせだとヒット数が多く、悪いと少ない。少ないと別の人に別単語でパネルを奪われてしまうので、多い単語で守りたい。
これにチャンスタイム等のルールが色々と絡み、コンピが相手でもなかなか勝負が白熱する。今作で一番よく出来ていると感じた。
このモードは、試作として最初に作られ、スタッフの間で大いに盛り上がったらしい。そこで手応えを感じて本制作に入ったんだな。
確かに完成度が高い。他モードじゃ気になる「納得のいかなさ」が、他のルールを合わせることで上手く緩和されてる。
一人でやって楽しいんだから、複数でやれば相当盛り上がるだろう。……まぁそれはどんなゲームでも同じとも言えるが。
上位の人間(コンピでも)には露骨に不利ルールが襲ってくるので、ここでもガチ勝負向けに作られていないことがわかる。
うーん、本来の「皆の遊び」とはこういうものなのかね。勝敗・順位を付けるなんて、寧ろ邪道。言い過ぎか。よう分からん。はぁ……。

モードは全部で14あるが、他にはこの二つほどハマれなかった。「納得のいかなさ」がどうしても引っ掛かってしまう。うーむ。
それでもネタ出しは感心するほど多彩に出来ている。パーティゲームとしてのボリュームは十分あると言っていい。一人用なら? まぁ。
正直世間的には完全に「笑われる」タイトルになっちまってるが、そこまで酷くはないよ。クソゲーではない。断言してもいいな。
ただ、訴求対象が……な。「検索をゲームにする」は、何だかんだで分かり辛い。当然用語の説明はあるが、その時点でハードルが高い。
良い題材ではあるものの、宿命的な取っ付きにくさがあった。加えてWiiの「よくある」パーティゲーな見た目、売れそうに見えないゆるキャラ達。
うーん、「分かり難さ」が販売不振に繋がったという点でもキャプテン★レインボーを彷彿させるな。不名誉な値崩れコンビになっちまった。
俺だって、今作を定価で買うかと言われれば、ノーだ。「意外と楽しめた」であり、絶賛ではない。同情的な目線になっているの所もある。
売れなかったことより、こんな目線で見られる事の方が製作者には屈辱かもな。全く嫌な現実だ。

分かり難さに加え、既にWiiにはパーティゲームが飽和状態だったという原因もあるかもしれない。同系統の、それも名作がゴロゴロあった。
この手のジャンルはやり込みクリアーする一般的なゲームとはかなり違うと思う。ハッキリ言えば大事なのはゲームより集まる人数なのだ。
だから古いゲームでも、人さえいれば楽しめる。つまり既存のWiiパーティゲームで十分、得体の知れない安藤ケンサクに手を出す理由はない。
当たれば大きいけど、外れると目も当てられない。安易なようで厳しいジャンルだよな。それがモロに出たのが今作だった。はぁ。
Wii Uの不調にもこれは絡んでいるかもしれない。「新作パーティゲーム」がそもそも求められているのか、ということだ。
まぁ全ては俺の推測だが……またそのうち、任天堂のパーティゲームが大ヒットする事を願っていますよ。はぁ。

今作は、Wi-Fiコネクション対応である。そしてこのサービスは平成26年5月20日をもって終了する。もうすぐじゃねーか! 
実は今作をプレーした最大の理由がこれである。今を逃せばもう二度とこのゲームをプレーできないかもしれない。危機感に迫られた。アホか。
……しかし、そうでもなかった。確かにWi-Fiに対応しているが、殆どオマケレベル。オフラインでも十分遊べる内容だったのである。
俺はプレー前、ゲーム中に出てくる検索結果はその都度Googleで実際に検索して表示されるのかと思っていたのだが、そんなことはなかった。
検索結果は全てディスクに収められており、問題はそれを使って作られている。現時点での結果が違ったものでも関係ないのである。
まぁ考えてみれば当然だな。そんなリアルタイムな処理でゲームを作れるわけがない。……でも、やっちまいがちな勘違いだよね? はぁ。
じゃあWi-Fiを何に使ってるかと言えば、単なる問題の追加である。ユーザーから募集したオマケ問題を定期的に配信していたらしい。
もちろん今はとっくに更新終了している。発売から1年くらいやってたみたいだから、十分だろう。何人が楽しんだのかは知らんが。
安藤ケンサク、Wi-Fiコネクションサービス終了後も問題なく遊べます。是非購入してプレー…………うーむ。
ま、その前にGoogleで評判を検索してみるといいかもね。基本っスよね。サジェストにロクな言葉が出てこなくても気にしないように。
はぁ。

今作は残念ながら「失敗した一発ネタ」という非常に悪い形で終わってしまった。が、任天堂とG社の関係は割と良好なようである。
ゲームではないが、Googleマップを利用したWii Uのアプリ「WiiストリートU」は、ハードのコンセプトを生かした見事な出来だったと思う。
社長が訊くによると、あれはG社内部でも評判が良かったらしい。お世辞かもしれないが、何となくG社は任天堂に好意を持っていると感じる。
今後、任天堂から新たにG社のサービスと連動したゲームが出てくる可能性は十分ある。せめて今作がその礎になることを祈ろう。
そう言えば、テーマソングがあるんだよな。「かーちこちかち、かーちこちかち、かーちこちかち、あーんどうケンサクっ!」てやつ。
オープニングで流れる。なかなか愉快な歌なので、プレー前にボーっと聴くこともあった。……売れたら、CD化とかしてたかもね。
あと、キャラは安藤ケンサク以外にも色々登場するんだぜ。「土目院データ」とか「新着キラリ」とかな。性格付けもされてるんだぜ。
……誰にも知られず、誰にも省みられない。厳しいなぁ。俺だっていつまで覚えているか。売れないゲームの現実をこれでもかと思い知る。

どうすればいいんだろう。そうだ、Googleさんに訊いてみよう。
「ゲーム 売り方」「売れるゲーム 作り方」「任天堂 復活への道」……色々検索してみたけど、良いホームページが見つかりません。
これではどうすればいいか分かりません。こんな事では比類なきIT社会のトップとして失格だと思います。
Google社はもっと検索精度を上げて下さい。俺の求める答えを。「生きる 前向き」「ゲーム 楽しく」「お金 余裕」「人生 ゴール」
……はぁ……。







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2 コメント

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Unknown (ああ)
2014-08-06 12:04:51
最初やりたかっただけだろww
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Unknown (ota)
2014-08-07 01:25:00
そ、そんなことないぞ!
……まぁ最初のネタをやりたかったことは否定しないが。
そこまで悪くないって、このゲーム。生まれた時代が悪かったんや……。
返信する

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