腐れゲー道

プレーしたゲームの感想文を、ダラダラと粘着質に綴ります。

NINJA GAIDEN DS(DRAGON SWORD)

2009年06月06日 01時46分48秒 | ニンテンドーDSゲーム感想文
あああやっと終わった。もう嫌だ。
「ニンジャガは難しいんじゃない。我慢比べだ」
誰かが言ってた。その通りかもしれない。


俺は毎日のようにゲームをやっているが、「やり込んだ」タイトルはあまりない。
一応触れたタイトルは全てクリアーしているし、バイオシリーズなどは
2周3周することもあるが、それでもやり込んだなどとはとても言えない。
自分で線を引いた「やった」ラインを越えれば、基本的にそのゲームを終える。
もちろんいずれ再プレーする可能性はあるが、取り敢えずは終了だ。
あ、対戦格闘ゲームは例外な。


そんな俺が、近年唯一、間違いなくやり込んだと言えるタイトルこそ
「NINJA GAIDEN」、及びリメイク版「NINJA GAIDENブラック」だ。
もう、やったやった、やりまくった。只管プレーした。
あれほど一本(半)のタイトルをやり込むことは、もうこの先ないかもしれない。
実際、あれからもう4年経ったが、ニンジャガほどやり込んだ作品はないもんな。

またそのやり込んだ理由も至極単純で、ただ「面白いから」だった。
俺はニンジャガをやるまでは3Dアクションに不慣れで、嫌悪感に近い苦手意識を持っていた。
それがニンジャガ以降は一変、平然と3Dアクションもプレーするように。
その意義は俺のゲーム道において極めて大きい。
ただただ「面白さ」だけで俺の3Dアクション観をぶっ飛ばしてくれたニンジャガは、
当然ながら俺にとって非常に思い入れ深いゲームである。


……が、残念ながら待望の続編「NINJA GAIDENⅡ」にはあまりハマれなかった。
悪い作品ではないし、いずれ再挑戦しようとは思っているが、初代ほどのめり込めなかった。
ニンジャガを生んだ板垣氏率いるチームニンジャが全身全霊を込めて作ったタイトルなんだから、
これはゲームが悪いんじゃなく俺には合わなかったと捉えるべきだろう。
残念だが仕方ない。PS3の「NINJA GAIDENⅡ Σ」はどうなんかね。


で。
少々残念なことになったⅡだが、実はもう一本こっそりと初代の続編が発売されていた。
「NINJA GAIDEN DRAGON SWORD」である。
もう本当にコッソリと、それこそ忍ぶように発売されたせいか、さっぱり売れなかった。
個人的にもあまりやる気はなかったが、幸か不幸か大きく値崩れしたので、サクッと購入。
取り敢えずプレーをしてみたのである。



むぅ。
「やりたい事はよく分かるが、それが面白いかと言えば……?」。
こんな感想に落ち着いた。
あと、めっちゃ疲れた。超忍モードはもう嫌。マジ嫌。


リュウ・ハヤブサの操る剣、その名も龍剣(まんまやん)。

龍剣を英訳してみようぜ

Dragon Sword

略したらDSだね

そういやDSのタッチスクリーン使えば、新感覚の剣アクションが作れるんじゃないか?

それいい! やろうぜ! タイトルはもちろん……

『『『「NINJA GAIDEN DS」な』』』!!!


数年前のテクモで、こんな会話が交わされたのではなかろうか。
もちろん妄想だが、話の流れは間違いじゃないと思う。
駄洒落交じりのタイトルはともかく、DSを使ったニンジャガは、アイデアとしてはアリだろう。
だがゲームは完成させてナンボだ。
で、完成品は? アイデアはキッチリと商品・作品の質にまで高められたのか?
……むぅうううう。

これは確かにDSを駆使した「NINJA GAIDEN」である。それは間違いない。
本家をよく知ってる俺だから、そこは断言できる。
つまり、アイデアは十分にアリだったのである。
……しかしそれはアイデアの話。
実際にゲームをやると、プレーを続けていると、タッチペンでの剣劇も、
ジャンプも、擦って出す絶技も、文字をなぞって出す忍術も、徐々に退屈、単調になってくる。
「一発ネタ」とすると言い過ぎだが、このネタだけでゲーム一本成り立たせるのは、
正直ちょっと無謀だったように思う。
残念ながら、このゲームの値崩れは市場の正しい評価と言えよう。


ゲームは、とにかく斬る、斬る、斬って斬って斬りまくる。
敵をタッチペンで横薙ぎすれば横斬り。、縦なら縦斬り。
下から上へ入れるとジャンプ。ジャンプ中横薙ぎで飛燕。
もちろん連続斬りもあり、それによりお馴染みの必殺技「イズナ落とし」も可能。
絶技はボタン溜めから擦り溜めに変わったものの、出し方の感覚は変わらない。
敵を突付けばそこに飛び道具を撃てる。
唯一、ガードのみボタン(何でもいい)を押すことで成立する。
そしてガード中に画面を突付くと、そこに回避行動「裏風」を出せる。

……と、DSでありながら、全くの別デバイスでありながら、見事な再現度だと思う。
取り敢えず、シリーズファンなら誰もがこの「再現度」にひとまず驚くと思う。
が、ゲームに慣れると、再現度だけでは満たされない「完成度」に不満が見えてくる。

正直、しんどい。面倒臭い。
敵はゲームが進むほど固くなり、また数もどんどん増える。
それに対し、龍剣の威力はさほど高くない。強力な絶技はそうそう出せる隙がない。
となると、先に進むにはとにかく敵を斬りまくるしかない。
とにかくタッチパネルを上下左右に動かしまくるしかない。
……いい加減しんどいっちゅーねん。いい加減飽きるっちゅーねん。

それでも一番簡単な難度「忍の道」ならまだいいが、高難度になると更に問題が発生する。
敵が固いと言う以前に、そもそも攻撃が全然当たらなくなるのだ。
雑魚までが異常なまでの回避性能を見せるので、幾ら擦っても攻撃が当たらない。
しかし倒さなければ進めないので、つまりは当てるまで擦るしかない。
いい加減しんどいっちゅーねん。マジ腕が痛くなるっちゅーねん。
このゲーム、タッチパネルの寿命をかなり縮めると思う。
そう思わざるを得ないほど、擦りまくらなくてはならない。

この「異様に攻撃が当たらない」現象にはゲーム中散々悩まされたので、
何か攻略法と言うか、上手く当てる方法があるんだろうと色々模索した。
だが、恐らく、攻略法はない。
死ぬ気で攻略したわけじゃないから断言はできないが、
元々攻撃パターンはさほど多くないので、これ以上の発見があるとは思えない。
結局腕が千切れるまでパネルを擦るのが攻略である。
これでは、もう。にんともかんとも。

せめて本家にあった投げ技「首切り投げ」があれば随分違っていただろうが、
これだけの再現度なのに、何故か首切り投げはザックリ削除されている。
ゲームバランス上省いたのか、良い操作法を思いつかなかったのかは知らんが。
となると、こちらの攻撃は打撃しかない。その打撃は悉く避けられる。
正直、どうしようもない。
高難度モードでは、難所はそこを越えるまでの「我慢比べ」でしかなかった。
メチャクチャ難しいし、よくやったと自分では思うが、攻略できたとは思えない。
ハッキリ言って難度の調整にセンスがない。
これがこのゲーム一番の不満点である。


また、再現度の高さは認めるが、それはあくまで「龍剣」に限ってのこと。
実はニンジャガシリーズは非常に武器が多彩なアクションゲームで、
物語上は龍剣だけに焦点が当たっているが、それ以外にも多数の武器が登場する。
特筆すべきは、それらの武器がどれも龍剣と同レベルで作り込まれていること。
技もコンボも絶技も全て各武器で全然違う。
よって当然、各武器ごとの攻略、楽しみ方があるのである。
NINJA GAIDENⅡでは明らかに龍剣より夢想新月コン(棒)の方が扱いやすいほどだ。
様々な武器で様々な攻略が楽しめるのは、ニンジャガの醍醐味なのである。

が、ニンジャガDSではそれを完全に削除。龍剣のみ。
まぁ、さすがにそこまで再現できるわけがないことは理解できるが、
NINJA GAIDENとしてはあまりに寂しいと言うしかない。
せめて3種類くらいは用意できなかったのか。
武器が龍剣しかないことも、ゲームの単調さに繋がっていると思う。

あ、ちなみに残虐表現はハッキリ言って皆無。
敵を斬りまくるが、血は全く出ない。まぁDSだから当然かな。
……これもちょっと寂しいと思う俺は、ゲームと現実の区別が以下略ってやつ?



龍剣については良い意味での再現だったが、悪い意味での再現もある。
このゲーム、初代からの使い回しデータが異常に多い。
リュウのアクションはまぁ「再現」としても、敵のそれまで使い回すのはどうなのか。
本当に、驚くほど初代の敵が初代の動きで登場する。雑魚も、ボスも。
ゲーム中には当時未発売だったⅡの敵が先行登場する場面もあるが、
あまりに使い回しばかりなのでこれがファンサービスなのか手抜きなのか分からないほどだ。
開発費を抑えようとしたのだろうが、ちょっと品がなさ過ぎる。
せめて動きくらいは作り直せなかったのか。

また、敵キャラだけでなく、ステージも驚きの使い回しっぷり。
どうやら「初代のステージが幻影として再登場している」という設定のようだが、
只管流用ステージばかりが続くので失笑してしまった。音楽まで使い回してるし。
おいおい、これ新作だろ? リメイクじゃないんだぞ。
ステージ数はそれなりに多いが、これでは製作者が頑張って
ボリュームアップさせたとはとても言えない。
龍剣アクションの作り込みだけ全ての力を使い果たしたのだろうか。
初代をやり込んだ身としては、新鮮味が全然ない。
それがますます単調さを助長させている。
むぅう……。


難度は、最初に挑めるのが「忍の道」、これをクリアーすると「悟りの道」が登場、
悟りを越えると(開くと?)最後に「超忍への道」が登場する。
忍は攻撃はガンガン当たるが、反面退屈さも一番強い。
超忍は攻撃が全く当たらず、また当然ながら敵の攻撃力が桁違いに高い。
最早「我慢大会」の域に達しており、正直俺が楽しめる次元ではない。
結局、中間の悟りの道が一番楽しめたと思う。
つまり少なくとも2周やらないとこのゲームの真価は味わえないってことだな。
俺は3周やったけどな。超忍の道もクリアーしたけどな!!!!!!
……誰も褒めてくれないから、ここで威張らせてください。
これくらいの役得がなけりゃ、あんだけ画面擦った俺があまりに不憫だ……。
あ、でも最後の殲滅戦だけは諦めた。気力と腕力の限界が来たから。

ちなみに、ある条件を達成すると、ヒロイン・紅葉でプレーできるモード
が登場するらしいが、その条件達成がかなり面倒なので諦めた。
まぁ超忍までやったから別によかろう。畜生。



はぁ。
物語は、意外にも初代の完全続編。初代とⅡの間の話になっている。
が、別に面白くも何ともない。
今時「世界を支配する」「世界が闇に覆われる」はどうなのか。
元々ニンジャガはそんなとこに凝るゲームではないが、ちょっとセンスが古すぎる。
おかげで格好良いリュウ・ハヤブサがイマイチ活きていない。
せめてボスが新キャラだったらなぁ。

このゲームはニンジャガシリーズだが、DSでムービー多用は無理なので、
物語は一言ボイスとコマ割りした一枚絵で展開する。
手法としては偉大なる始祖「忍者龍剣伝」のデモシーンに近いと思う。
恐らく製作者も狙ってやったのだろう。これはちょっと嬉しかった。
前述のように物語に魅力はまるでないが、デモシーンはキッチリ作り込んである。
ゲーム本編の使い回しっぷりが嘘のようだ。
……ちょっと力の入れ所を間違えている気がしてならない。


キャラ。
ハードが変わったということで、濃過ぎるほど濃い本家ファン以外の客を狙いたかったのか、
今作は絵柄をアニメ調にし、本家のクールで冷たい雰囲気を払拭している。
脇キャラはもちろん、主人公にしてミスター殺害のリュウ・ハヤブサさんすらも
かなり柔らかいタッチで描かれており、ファンはイメージの違いに驚くことだろう。
特にEDでは、ニンジャガになって初めて覆面を取ったリュウさんの顔が見られるのだが、
これがごくごく普通のにいちゃんにしか見えず、今作で一番驚かされた。
こ、これが剣一本で軽く4ケタ殺すあのハヤブっサンですか!?
含み笑いとかもするし! 幼女にモテてるし! 少年に対しても優しいし!
いやぁ、板さん、いいんスかこれ。
リュウさんが幸せそうにするのはいいけど、あの「寄らばKILL」オーラが
吹っ飛んでしまったことは正直残念である。
脇キャラは明るいが、その空気からちょっと浮いてるリュウって構図なら
ファンもニヤニヤできたと思うんだが。俺だけ?

ヒロイン・紅葉。
本家は2作とも化け乳持ちの外人ねーちゃんがヒロイン張ってたが、
今作は待望の大和女子。ただ乳路線は踏襲。
初代で殺された呉葉の双子の妹で、同じく龍の巫女なので敵に狙われることになる。
ただ呉葉と違い戦闘訓練もしているようで、実は最初は紅葉を操作することになる。
うーん。良いキャラだと思うが、登場は今作限定だろうな。
リュウの相手を考える時は、どうしても龍剣伝シリーズのアイリーンの存在が邪魔になってしまう。
いっそ龍剣伝とは別世界だったらいいんだが、どうやら龍剣伝はニンジャガの後の話らしいし。
スミスさーん

子供達。
今作は4人の子供キャラが矢鱈と目立っており、敵に拉致されたり爆裂矢を発明したりで大活躍。
中でも幼女さくらタンは「リュウさま大好き~」と言ってくれるのでとてもかわゆし。
いやぁ、これ本当にNINJA GAIDENですかね。面白いわ。
少年達も知恵役・ボケ役・未来の大器役と上手くキャラが分けられており、好感度は高い。
紅葉同様、これ一作で終わるであろうことが惜しいのう。
いっそアニメ化とかどうかな。
絵はDSで残虐表現は本家。観たいなぁ。



はぁ。
ま何というか、疲れたけどやり遂げたからよしとする。
もう少し作り込めばゲームの質は上がったと思うが、
仮にそうしても本家並の完成度まで高めることは難しいだろうな。
やっぱ、一発ネタとして終わっておくべきだったのかね。酷いことを言うなおい。
全然売れずに大値崩れして、正直惨めだよなぁ。
はぁ。

NINJA GAIDENシリーズは今後どうなるんだろう。
周知の通り、製作の要だった板垣氏は1年前にテクモを退職した。
それも同時に社長相手に裁判を起こすという、完全無欠の喧嘩別れ。
今後、フリーの立場でニンジャガ製作に携わる可能性はゼロだ。
となると、シリーズを続けることなどできるのか。
続けても、高い完成度を維持できるのか。
PS3の「NINJA GAIDENⅡ Σ」の調整が見物だな。
比類なきニンジャガシリーズの更なる発展を願う。
……DSで続けて欲しいかと言うと微妙だが。
はぁ。


ちなみに、たまに「ニンジャガって忍者なのにステルスアクションじゃないのかよ」と
突っ込む方がいらっしゃるが、これは筋違いと言うものだ。
リュウ・ハヤブサは忍者ではあるが、ただの忍者ではない。「超忍」なのだ。
そもそも忍者が忍ぶのは、その存在を知られたくないからだ。
だが超忍にそんな気配りは必要ない。何故なら、目撃した敵は残らず斬るからだ。
「スーパーニンジャは忍ばない」、これニンジャガファンの合言葉。
いやマジで。

そんな世界最強の超忍も、世界最強の敵・「現実」にはやっぱ梃子摺ってるようで。
彼が現実に勝って再び俺の前にその美尻を現してくれる日はくるのだろうか。
俺は俺で現実と戦いながら、のんびり待つとしよう。
はぁやれやれ……。






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