腐れゲー道

プレーしたゲームの感想文を、ダラダラと粘着質に綴ります。

エクステトラ(VITA版)

2015年04月20日 23時07分24秒 | PS VITAゲーム感想文
あれは去年11月だったか。ゲーム屋にて「進め! キノピオ隊長」購入を決め、パッケを手に取った。
だがこのソフトは定価が安いので、俺は「これだけだと食い足りないなぁ~もう一本行っとくか~?」と惨めなブルジョワを気取り始めた。
そこで「最近VITA使ってないなぁ~やらなきゃなぁ~」という、ごくごく日常的な気持ち悪い義務感を抱き、VITAソフトも買おうと決意。
浅ましくもワゴンに直行し、飢えたハイエナのような目付きで値崩れソフトを漁っていると……新品1000円! 心ときめく値札を発見。
パッケ絵に見覚えがある。美少女が描かれている。ジャンルはRPGのようだ。発売は古くない。これだ、俺が求めていたのはこれなんだ!!
かくして至上の喜び、投売りに購入にて俺の元へやってきたゲームソフトが「エクステトラ」である。……業界貢献度、今回も皆無。
ゲームへの気持ちが薄れがちな今の俺が、昔と変わらず子供のような笑顔を見せる唯一の場所、それがゲーム屋のワゴン前。
嗚呼、ロクでもない。金を出さない奴に発言権などあるわけない。業界が俺の願いをちっとも聞いてくれないのは、ある意味当然なんだな……。

してエクステトラ、RPGである。ちなみに3DSとのマルチタイトルである。立体表示とかはあるかもしれんが、ゲーム内容に差はないと思われる。
性能的には下位マルチということで、グラフィックはあまり綺麗ではない。VITAらしくないレベルで、キャラのポリゴンがかなり荒い。
だが会話シーン等では2D一枚絵を使用し、マルチの欠点を一応カバーしている。2Dアニメ絵の品質は高く、良好。動かんから手抜きも感じるが。
キャラデザインは「TONY」氏。セガの「シャイニング~」シリーズで見たことある絵柄だな、そう言えば。エロ可愛い。
タイトルデモで流れる歌は、あの「ClariS」が担当している。実にClariSっぽい歌だった。知らんけど。交わした約束忘れちゃった。
メインテーマは「下村陽子」氏。メインのみのようだが。この曲は何か矢鱈重苦しくてちと違うんじゃないかなぁと思った。うーむ。
スタイルをオーソドックスなRPGにし、各担当に有名人を使う。結構分かり易いゲームである。では、中身は? やるがよい。やるしかない。

……うーむ。普通だな。これは褒め言葉になるんかな……? フィールド、ダンジョン、イベント、戦闘……奇をてらった要素は何もない。
エンカウントの戦闘は、花いちもんめのコマンド入力システム。確かに分かりやすいが、古いと感じてしまうのも事実。……贅沢だなぁ。
コマンドも戦う・魔法・必殺技・逃げるくらいで、誰にでも理解できる。成長は経験値制で、武器にスキルを付与する要素があったり。
取り敢えずゲームをやる上で「分からない」所がなく、安心感があった。その事自体は今作の長所としていいと思う。
最近のゲームは分かり難いからなぁ。尤も、俺の「理解しようという意欲」が薄れているのが一番大きいのだが。はぁ。

だがゲームを進めていくと……欠点が見えてくる。分かり易いのはいいんだが、ゲームの展開が非常に単調なのだ。
今作は物語面もオーソドックスな「勇者になって世界を救う」話である。そして世界を救うには、4つの「神託」が必要だという。
神託を入手する為にダンジョンへ潜り、最奥でボスを倒す。それと「仲間集め」もある。これもダンジョンに潜ってボスを倒せば達成できる。
ゲームの流れは 〇〇に神託があるぞ!→行ってダンジョン攻略して入手→村へ帰る→××に仲間がいるぞ!→××へ行ってダンジョン攻略
……となっている。そのまま最後までこうだった。ええ!? いや本当に。これじゃさすがに退屈だよ。あまりにも単調だもん。
これ以外のダンジョンやイベントが何もなく、サブクエストの類も殆ど無い。僅かにあるけど、その目的地のダンジョンは使い回しである。
各ボスもただの喋らぬモンスターで、何かしら物語が紡がれるわけでもない。今作で終えたダンジョンを詳細に覚えてる人はまずいないだろう。
幾らなんでもこの起伏の無さは辛い。シンプルにするのは分かるが、もうちょい肉付けできなかったのか。ダメだよ。はぁ。

「世界の狭さ」も問題だ。一応フィールドマップがあり、歩いて各ダンジョンや村へ移動するんだが、これがただの狭い円。マジで。
狭い円にポツポツ存在するダンジョンオブジェクトへただ歩くだけで、そこへ至るまでの道中もイベントも何にもない。全く何にもない。
フィールドマップを用意した意味が見当たらない。これなら世界地図を表示し、コマンド選択でオート移動する形の方がマシだったと思う。
村も拠点となる「セイバ村」ただ1つしか登場しない。世界を救えと言うけれど、その救う世界はどこにあるんですか。これだけですか。
また各ダンジョンの使い回しがこれまた酷く、大半が「森」「遺跡」のグラフィックで、場所が違っても同じような絵が延々続く。
更にダンジョンの構造も実に単調で、申し訳程度に「スイッチで上下する床」が存在するものの、仕掛け・謎解きはそれだけ。
単調なマップをえっちらおっちら進み、戦闘を重ね、奥のボスを目指す。階層は深いので矢鱈時間がかかり、ウンザリしてくる。
最近は要素の多さに疲れるゲームも多いが、今作は逆に少なすぎである。シンプルじゃなく手抜きだ。冒険感も何もあったもんじゃない。
キャラデザや主題歌に偉い人を呼んできても、ゲームは中身だぞ。RPGだったら、RPGを作らなきゃならんのだ。……はぁ。


戦闘もイマイチだった。こちらはネタは多いものの、それを使いこなせてないと言うか……。
序盤こそシンプルな戦闘が、先に進むにつれスキルや魔法の充実、仲間の増加などでやれることがどんどん増える。
当然それに応じて敵も強くなり、戦闘に歯応え出てきて時間がかかるようになる。……となると、非常に面倒臭いのだ。
【戦う】【魔法】といったコマンドを選択し、更に攻撃する敵を選択し、それをパーティ4人分繰り返し、次のターンではまた繰り返し。
RPGとはそういうもんだが、今作は全体的に敵が硬く、戦闘に時間がかかる。正直「コマンド選択」ではやってられない程に面倒臭い。
……が、制作側もそれは分かっていたのか、今作には「オートモード」がある。俺は結局9割をこの自動モードで戦った。
オートは「全力攻撃」「回復優先」「MP消費なし」の3種類があり、戦況に応じて使い分けられる。なかなか分かっている。
全力攻撃は本当に攻撃しか考えず、「自分にもダメージがある」大技を平然と使って死ぬこともある。まぁ頭の良いAIではない。
それでも手動入力の面倒臭さに比べればずっとマシなので、戦闘開始後即オートである。面倒なのは嫌いだ。……本当にゲームしたいのか?

それだけオートでやれるってことは……つまり、戦闘バランスがそれだけテキトーということだ。今作に細やかさは、ない。
前述したように、ネタは色々揃っている。本来なら、スキルや魔法を適切に使いこなし、敵の弱点を突く戦略を考えてプレーするのだろう。
でも、そんなの別に要らないのだ。装備の充実とキャラ育成(戦闘から逃げない)は必要だが、戦略は別に要らない。オートで勝てるから。
せっかくの様々なネタも、調整がなけりゃ何の意味もない。残念ながら今作は完全にそういう空気に包まれている。
特にアレなのが魔法かな。回復魔法だけは重要だったが、攻撃や補助系は一つとて名前も効果も覚えなかった。オートで使うことはあるけど。
実際攻撃魔法より、必殺技を使った方がずっと効率が良いように思う。補助系は効果がいまいち実感できなかったし。
ゲームが進むにつれ、種類だけはどんどん増えていく使いもしない魔法の数々に「なんだかなぁ……」と思わずにはいられなかった。
まぁ探せば使い道はあるだろう。もしかしたらもっと戦闘が楽になったかもしれない。でも、俺はオートで通用してしまったのだ。
「バランス調整」は近代ゲームの大きな課題だと思う。どんなに規模が肥大化し、豪華になっても、結局調整は人間の勘と経験でやるしかない。
「ネタは色々用意しといたから、あとテキトーに遊んで」は、一つのやり方かもしれんが、俺は好かん。製作者の魂が見たいんだ。
比較的規模の小さな携帯ハード用RPGたる今作なら、そういう所を見せてほしかった。世界は異様にこじんまりとしてるのになぁ……。

戦闘は手動・オート関係なく、Rボタンを押すことで早送りが可能。これは快適だったが、逆に言うとノーマルだと遅すぎて話にならん。
今作の戦闘は、コマンド選択によるものだけでなく、「攻撃を受けたら反撃する」といったスキル効果からの行動が非常に多い。
中盤以降は1キャラが1ターン中に何度も何度も行動し、補助効果が発動したりする。早送りしなければとても見ていられない。
早送りは、多分頑張って手動入力を続けた人でも使わざるをえないだろう。この点にもバランス調整の悪さが見て取れる。
オートかつ早送りでこなす戦闘はもう完全に作業で、面白みは何もなかった。……まぁ、真摯にゲームに向き合わない俺が悪いんかな。
ちなみにオートだと回復アイテムも自動で使うが、枯渇して困ることは一切なかった。それだけ潤沢に手に入る。つまりバランス以下略。

戦闘に手を抜く一番の理由は、「負けても痛くない」から。主人公が死ねばゲームオーバーになるが、その際戦闘の直前まで時間を戻せるのだ。
これには回数制限もペナルティも一切ない。オートで早送りした戦闘で死んでも痛くも痒くもない。もう一回オートで早送りするだけだ。
そうすれば敵の攻撃ミスが出たりして、どさくさで勝てたりする。ここまで頭を使わない戦闘は初めてかもしれんな……。
この戦闘巻き戻しは、せめて回数制限を用意すべきだったと思う。そうすれば危機感が生まれ、俺ももう少し真面目に取り組んだだろうに。
ちなみに難度選択が「簡単」「普通」の二段階あり、俺は普通でプレーした。当然、簡単でなら一層楽であろう。……ゲームになってるのか?
難度選択はトロフィーにも関係ない。製作側としてはどっちでもいいようだ。……古式ゆかしいRPGなのに、こういうとこは近代的だね。
んー。虚しい戦闘だった。ボスを含め、どのモンスターも名前を覚えていない。形も来月には忘れているだろう。はぁ……。

戦闘に絡む育成要素は……武器防具にスキルを付与する「エンチャント」というシステムがある。ありがちだが分かりやすいシステムだ。
エンチャントトするにはスキルアイテムが必要で、その数次第でスキルレベルが上がる。Sまで上げれば非常に使えるスキルになる。
エンチャントすればアイテムは消えるが、面白いことに武器防具を売却するとそのアイテムが戻ってくる。だから消費を気にせず使える。
中盤以降は多くのスキルアイテムを持つようになり、武器防具にそれを付けるスロットの数も増える。当然、非常に多彩な組み合わせが可能。
……と言うことはつまり、面倒臭いのだ。こんなにたくさんのスキル、管理しきれるかっての。多すぎるわい。はぁ。

スキルの多さだけならともかく、「武器防具の更新が頻繁にある」のが困る。ダンジョンの宝箱から、しょっちゅう新装備が手に入るのだ。
それ自体は嬉しい。パラメータ大幅アップする。……しかし、その度にエンチャントのやり直しが必要になるのはあまりにも面倒だ。
何故「エンチャントスキルを新装備に移行」させることができないのか。それくらい自動でやってくれてもいいだろう。ああ面倒臭い。
これのせいで、本来嬉し恥ずかしであるはずの新装備ゲットが、「ああ、またエンチャントやり直しか」と嫌な気分をもって迎えられる。
新装備の強さはいつもかなりのもので、数字だけ見れば非常に嬉しく、ワクワクするはずなんだが……勿体無い話だ。

スキルはどれもなかなか使えるが、「ご加護」と「ほどこし」が強力過ぎてバランスブレイカーだった。
ご加護は「死んでも確率で復活する」という出鱈目スキルで、エンチャント数を増やせばかなりの高確率で復活する。回数制限多分なし。
ほどこしは、今作ではMP不足状態で必殺技や魔法を放つ(放てるのだ)とペナルティとしてHPダメージを受けるのだが、これを軽減できるのだ。
この為強力な必殺技が撃ち放題に近くなる。ほどこし無しだとオートで自爆死することも多かったが、それもなくなった。
この2つのスキルが充実してからは、ますますオート戦闘が捗った。早送りするRボタンを押す指が痛くなったね。あはは。
……本来なら、もっと組み合わせをウダウダ考えるもので、それが「ゲームを楽しむ」てことなんだろうけどな。まぁ、何だ。はぁ。


RPGと言えば、戦闘と物語だ。ではこのジャンルを支えるもう一方の柱はどうだろうか。
舞台は「アメイジア」というファンタジー的異世界。ここで主人公「リョウマ」は目覚めるが、自分のことを何も覚えていなかった。
モンスターに襲われるリョウマを助けに来た女「セレネー」は、この世界の住人。彼女曰く、リョウマは「プリズマ」であるらしい。
プリズマ、それはアメイジアにおける勇者。プリズマはこれまで何度も世界の危機にアメイジアに現れた。つまり今も世界の危機なのだ。
各ダンジョンの一部には、日本の東京の建物が朽ち果てて組み込まれている。これは「融解」なる現象で、世界の危機の象徴であるらしい。
この辺よう分からんが、未来の東京がアメイジアと融解し、その結果両方の世界が滅んでしまう……ってことかな。
とにかくこのままでは、アメイジアだけでなく東京も壊滅してしまう。多分。恐らく東京から来たであろうリョウマに選択の余地はない。
こうしてリョウマはよく分からないままプリズマとされ、世界を救うべく単調な冒険に旅立つのであった。……まぁ、出だしはいいか。

出だしはいいとしても、前述のように展開に起伏がないのが問題だった。これと言ったイベントが起きない。
仲間が増えて賑やかになっていくが、神託を入手してもそれで何が起こるわけでもない。だから「世界の危機」もピンと来ない。
神託が手に入る度に、アメイジアと東京の繋がりについての謎が解けていくとか、そういう流れを用意すべきだったと思う。
終盤になるとようやく少し話が盛り上がってくるが、遅すぎると言うしかない。中盤までの弛みっぷりはどう考えてもまずい。
戦闘を作業的にこなせるからプレーを継続できたが、これがかったるかったら途中で放り出したかもしれない。娯楽が、刺激が、足りない。
テイルズ的な「料理」のシステムがあるんだから、スキットもパクればよかったのに。ネタ考えるの面倒臭かったんかね。はぁ。


さて。ここまで色々不満を書いてきたが、それらは今作の本質ではない。メインとなる要素は他にある。
キスだ。そのままの意味だ。接吻だ。今作はキスのゲームだ。ふざけて言ってるんじゃない。冗談みたいだが本当だ。俺だって嫌だけど事実だ。
リョウマが「プリズマ」で、遅れてアメイジアに飛ばされてくる仲間たちは「プリズマの騎士」と呼ばれる。そうであるらしい。
だが来た時点でプリズマだったリョウマと違い、騎士たる仲間たちはそのままではただの東京人で、もちろんモンスターとは戦えない。
じゃあどうやって騎士に目覚めるのか? ……それが、プリズマとのキスなのだ。リョウマとキスすることにより、仲間は騎士となるのだ。
全くもって理解不能だが、現地人にしてプリズマの導き手となる巫女・セレネーがそう言ってる。だからリョウマは仲間にキスをする。
すると……本当に謎の光が仲間を包み、コスチュームが戦闘的になり、どこからか武器まで出現する。当然、その武器を扱えるようになる。
全体的に(実力はともかく)優等生的な雰囲気のゲームだが、この点だけは非常に強い狂気を感じる。一体何を考えているんだろう。
美少女とのキスシーンはまぁ確かにいいものだが、設定が設定なので甘酸っぱさがなく、妙に居心地が悪い。なんでキス? 嗚呼。

……で。狂気は終わらない。今作に登場する仲間は、女3人に男2人だ。そして時代は男女平等、差別は許されないのである。
……もちろんあるよ、男キャラとのキスシーン。女と変わりない品質と声優の演技で、迫真の接吻を繰り広げてくれる。
もう、なぁ……。何がやりたかったと言えば「腐層に媚びたかった」のだろうが、腐層はこういう変化球も好きなのか? 知るか。
俺は言うまでもなく、気持ち悪いと思った。心底気持ち悪いと思った。同性愛をどうこう言う気はないが、こんな場面で見せられちゃたまらん。
いや、同性愛ではないか。リョウマと仲間の間に友情と絆は感じられたが、ホモッ気まではない。多分。ある意味非常に中途半端である。
これならいっそガチのホモもんにし、キッチリと腐層に向き合った方がよかったと思う。現状じゃ「普通のユーザー」に引かれるだけだろう。
今作の販促がどういうもんだったのかは知らんが、この男同士のキスシーンもプロモーションに使ったんだろうか。売上減らす覚悟で。
「男女どちらも訴求対象にする」のはこういう形じゃないだろう。残念ながら、ネタに走って大スベりしたとしか思えない。
せめてキス行為の必然性をもうちょい説明してくれればなぁ。一応「エクス」というエネルギーを注入するという意味があるらしいが……。

今作のキスは、プリズマの騎士覚醒時だけに止まらない。それは御挨拶みたいなもんで、本番は戦闘中に存在する。
何と、今作には「キス必殺技」が各キャラに用意されているのだ。これは非常に強力で、手動でもオートでも必須の技になっている。
使用に必要なエクスが溜まった状態でコマンドを選ぶと、リョウマとそのキャラのキスシーンが再び挿入される。無論、男とも。
この時のキスはミニゲームになっていて、タイミングよくボタンを押せば威力が増大。舌使いでも違うんか糞が。
エクスゲージさえ溜まっていれば複数回のキスも可能で、そうすれば必殺技レベルがどんどん上がる。わんこキスこそ今作の攻略の肝。
異形の化け物と刃物を使った殺し合いをしてる最中、突然二人が何度もキスをし始め、終わったら片方が強大な必殺技を放つのだ。
一体何なのか。頭がおかしくなりそう。さっきも書いたが、ネタとしてもスベってると思う。面白くなくエロくなく、気持ち悪い。
男キャラとわんこキス……うあああ。いや俺何度もやったけどよ。思い出させるな。しゃーないだろ、クリアーの為だったんだ。はぁ。

まぁそんなわけで、今作はキスゲーである。相手は男女ともに。これに抵抗が無ければ問題ないが、拒否反応があるなら絶対止めた方がいい。
マジで頻繁に発生するからな。戦闘メンバーに入れなければ一応大丈夫だが、オートだと死んで交代することもあるし……。
ちなみに今作のキャラにはリョウマへの好感度設定があり、戦闘メンバーに入れたりキスしまくると当然のようにガンガン上がる。
逆に2軍放置でキスしないとどんどん下がるが、一軍入りして数回キスすりゃすぐ元に戻る。どいつもこいつもチョロすぎて。はぁ。
好感度が最高状態だとステータス画面のキャラ絵の頬が赤くなるが、男キャラは笑顔に留まっていた。製作者の最後の良心が見られた。ホッ。
あー……ホント、あかんよ。トロフィー条件に「全キャラとキス50回」てのがあって、俺は達成しましたけどね。うああぁぁあ……。


仲間キャラは皆東京から飛んできていて、リョウマと違って記憶が残っている。それどころか、リアルでの知り合い同士もいる。
またゲームを進めると、「数人がかつてMMORPGにて同じギルドで遊んでいた」「共通の行きつけの店があった」といった繋がりが判明する。
これは明らかにリョウマの秘密やアメイジアとの関わりについての伏線だ! やっと起伏のない物語が面白くなってきた! と俺は喜んだ。
……が、結局何もなかった。今作で一番不満なのはここかもしれない。アメイジアと東京の関係、少なくともゲーム内では何も明かされず。
更に呆れたことに、リョウマのことも何も明らかにされなかった。EDを見ても謎の少年。そんなアホな。俺一体何のために世界救ったんだよ。
EDは仲間キャラ毎に6種類あり、俺はそれを律儀に全部見た。……けど、何も分からなかった。謎のプリズマ・リョウマ。完。はぁ。
せっかく終盤になって面白い要素が見えたのに、纏められなかったのか纏める気がなかったのか。こんな終わりで納得できっかよ。
裏切りもんの恋路とかどうでもええんじゃい。キャラ別EDも全て別離で、ハッピー要素ないしなぁ。物悲しさは一応感じられたけど。
単調な展開にも作業な戦闘にも負けずにプレーを続けた結果、スカスカEDで終わり。J・RPGの現実か。今作は、そういうゲームだった。はぁ。

今作は各種トロフィーの条件が緩めで、一覧を眺めたところ俺でもコンプリート出来そうだったので、やってみた。
ED全種と全員とキス50回はしんどかったが、まぁ何とか達成。……男とのキスも「これは絵だ」「本当は付いてないだ」と思って頑張ったさ。
最後に残ったのは「プレー時間30時間経過」で、これはVITA放置により達成した。VITAは30分で強制スリープに入るんだぜ。知らんかった。
まぁトロコン厨には向いてるゲームかもしれん。ちなみに二周目要素はない。難度ハードもない。再プレーの価値は非常に微妙。
あとDLCとして課金アイテムを買えるんだが、この中にはさっき挙げた強力スキル「ご加護」「ほどこし」も入っている。
これらを買えばより楽にクリアーできるだろう。安価で気楽に1タイトルのトロコン可能! そんなキャッチフレーズで、ひとつ。
……ごめんな、かなり冒涜してるな。でもやっぱあの終わり方はないよ。リョウマどうなったんだよ。エレナとよろしくやってたり……?


ふぅ。
どのくらい売れたのか、4gamerの売り上げランキング過去ログで調べてみたら……VITA版初週1万1千、3DS版ランク外。次週では消滅。
まぁ、惨敗であろう。値崩れもしゃーないか。プレーしてみても、正直売れる内容とは思えなかった。投げ売り購入が偉そうに……。
メーカーの「フリュー」は聞き慣れない名前だったので調べたら、今年3DSで「レジェンド・オブ・レガシー」を発売したとこだった。
あのゲーム、有名スタッフを集めた携帯機向けRPGということで、今作と微妙に似てると思う。……あんまし売れなかったことも?
よう分からんが、フリューは今もRPGに意欲的なメーカーではあるんだろうか。それなら、応援したい。RPGは正義だ。RPGよ永遠なれ。
……つっても、もちろん内容は大事である。ただRPGだからってだけじゃダメだ。今作はそこだな。魂が足りないゲームだった。
他のジャンルと同様、RPGも単純にネタ切れなのかねぇ。昔はハッタリでも「新システム〇〇!!」みたいな売り文句があったもんだが。
アイデアは枯渇し、しかし規模は肥大化し、調整が行き届かず、出来上がったのは魂のまばらな微妙作。うーん。うーん。
正直、何とも言えん。出たところで買うと断言できない俺に発言権はない。こっそりと卑屈な希望を発しておくだけだ。
面白いRPGを作って下さい、と。それが何なのかは知らん。自分がどんなRPGを望んでるのかも知らん。そもそも望んでるのかどうかも知らん。
地獄のように贅沢な願望を身勝手に撒いて、終わり。剣と魔法と冒険と。いつまでも続くと思っていたこのジャンル。
エンディングまで、なくんじゃない。そう、まだまだエンディングじゃない。冒険は続くんだ。経験値と金を稼ぎ、次の戦いに備えよう。
……もしかしたら、とっくにレベル99に達し、やる事がなくなってるかもしれんけどね。それでもこの世界に拘る。この世界にいたいんだ。

はぁ……。










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6 コメント

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Unknown (mizz)
2015-04-21 16:41:00
otaさんお久しぶりです(`・ω・´)ノ
ソフトの買い方がオレに似ててちょと笑ったw

先週、ダンガンロンパ1&2を買いに行ったんですが
『これだけだと足りないなぁ。やりこみできそうなRPG系欲しいなぁ』とRPG探してたんですよ。

ついでに買うからということで値段は安いのをと思ってたんですが、エクステトラはとりあえず候補から外しましたね。

tonyさんの絵って、ホントに綺麗で大好きなんですけど
tonyさんの絵のゲームって微妙なのが多くてですね…。

決してクソゲーではないんですが、良くて『う、うん…まあまあかな…?』レベルのものが多くて、一度たりともハマったことが無いんですよね。
なんとなくですが今回も嫌な予感がしたんです。

ということで、マインド≒0ってのを買ってみました。
今のところダンガンロンパにドハマリしててまだそちらには触ってませんが、良ゲーであることを祈ってます。
こちらはこちらでなんとなく嫌な予感がしますが…w



ちなみに、シャイニングシリーズなんかははキャラとの恋愛要素がひっじょーにあっさりしてましたけど、エクステトラはどうでした?

そこがガッツリあるtony絵のゲームなら、多少RPG部分が残念でも、個人的には許容できるかもしれない。
返信する
Unknown (ota)
2015-04-22 01:04:38
mizzさん、どもです。

>tonyさんの絵って、ホントに綺麗で大好きなんですけど
>tonyさんの絵のゲームって微妙なのが多くてですね…。
この人の絵は艶っぽくていいですね。ゲームは微妙なのが多いんですかw 今作は、まぁそうでしたが……。

>ということで、マインド≒0ってのを買ってみました。
お、これも何度も投げ売りで手に取りかけた作品ですw あまり惹かれないのでスルーしてますが。
ダンガンロンパは非常に評判が良いですね。1&2のDL版のセールやってる時に買えばよかったな……。

>ちなみに、シャイニングシリーズなんかははキャラとの恋愛要素がひっじょーにあっさりしてましたけど、エクステトラはどうでした?
キスは全員と幾らでも出来るから置いておいて……一応仲間キャラとの好感度を上げるとそれっぽいイベントはあります。
ただそんなに濃くないし、そのイベントをこなしても恋人同士になるわけじゃないですね。戦闘メンバーに入れないとすぐ好感度下がりますw
仲間キャラの個性はよく描かれてましたが、ED含めイベントが不足してたかなぁ。惜しいです。キスだけじゃアカンのや……。
返信する
Unknown (mizz)
2015-04-22 14:55:43
ふむふむなるほど。ありがとうございますm(_ _)m
では、スルーでw

ダンガンロンパは、ミステリ好きな自分としてはかなり楽しいゲームだと思います。
チャプターが終わるまで気になって眠れず、最近は毎日夜3時就寝とかになってます…。
返信する
Unknown (ota)
2015-04-23 18:18:07
はうあ、mizzさんすみません! 掲載が遅れてしまいました!

>ダンガンロンパは、ミステリ好きな自分としてはかなり楽しいゲームだと思います。
アニメ版から入ろうとしたことはあったんですが、大山のぶ代氏の声が当然のように青狸にしか聴こえず、違和感で見られませんでした。
ノリの違う逆転裁判って感じで面白そうですな……ふーむ……。
返信する
Unknown (tanaka)
2015-05-02 22:36:28
こんばんわー。連休を満喫されていることと存じます。
この作品、相当ニッチな作風みたいですねw
キスゲーですか・・・。男子2名込みですか・・・ww

狂気に満ちていて良いですね~。

こういうバカゲー要素といいますか、ケレン味のある作品は個人的には好きなんですが、まあそれはあくまでネタとしてであって、本気でのめりこむにはゲームとしてちゃんとしてないと駄目ですよね。

いまのゲームらしくOPの歌まであって、キャラはかわいい萌え絵で、しかも安いとくれば、私もワゴンで遭遇したらたぶん反射的に買うと思います。

主人公がキスをすると、謎の光に包まれてコスチューム
が変わりどこからか武器も現れるとか、必殺技が撃てるとか、本当に素敵にお馬鹿でいいですね。

このゲームの企画会議のやりとりを想像するだけで頬が緩んでしまいます。

しかし、RPGとしてはイマイチみたいですね。まず村が1つしかないって・・w 必殺技が有効すぎて攻撃魔法の影が薄いとか、エンチャントとやらを毎回付け直すとか、萎え要素が多いみたいで。

オートでほとんど何とかなってしまう戦闘バランスというのはもう致命的ですね。負けてもペナルティーなしとか。
最近のRPGはバランスがなってないのが多いのかなぁ。
そこがセンスの見せ所だと思うんですがねぇ。

展開も単調に過ぎるということなので、これはRPGとして期待しないほうがいいですね。

でも、1つの経験として1度はやってみたくなりました。恐いものみたさに近いですがw 適度な値段で出会えたら買うことにします。

otaさんも良い休暇をお過ごし下さい!



返信する
Unknown (ota)
2015-05-03 20:59:31
>キスゲーですか・・・。男子2名込みですか・・・ww
いやぁ、キレたゲームでした。
……と言いたいとこですが、どこかハッチャケが足りてない気もするんですよね。
「大人しい奴が自分を変えようと一念発起して学校でギャグを披露。それなりに面白いから笑いは取れたけど、なんか空気が……」
て感じです。もっと突き抜けて、男とホモ関係までなっていれば。まぁそんな展開俺は死ぬほど嫌ですけどねw

>しかし、RPGとしてはイマイチみたいですね。まず村が1つしかないって・・w
>必殺技が有効すぎて攻撃魔法の影が薄いとか、エンチャントとやらを毎回付け直すとか、萎え要素が多いみたいで。
必ずしも旧来のRPG文法をなぞるべきとは言いませんが、今作は世界の広さを全然感じられず、失敗してると思いましたね。
エンチャントは弄り甲斐のあるシステムではあるんですが、ゲーム的にそれを必要とされないのが何ともw 惜しいですな。

>でも、1つの経験として1度はやってみたくなりました。恐いものみたさに近いですがw
>適度な値段で出会えたら買うことにします。
VITAと3DSで出ていて、VITA版はどこでもかなり安く買えるはずです。よろしければ頭の片隅に置いておいて下さい。

>otaさんも良い休暇をお過ごし下さい!
あざます。tanakaさんもー。
返信する

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