オートバイで旅して観たモノの記録

 Ôtobai de tabi site mita mono no kiroku.

横川線 (2)

2022年02月15日 | くねくね道


 童仙房高原にある總神寺(そうしんじ)から,横川線で深い谷間に沿って山を下っていく.幅員狭小で路面状態もいいものではないが,辺りは背丈の高い常緑樹林の青々とした緑に包まれ,太陽の光による明と暗のうつくしい世界が広がっていた.



 そして,もうひとつ特筆すべきは,道路と並行してきれいな渓流,横川がまるで滑り落ちるように流れていることだ.とにかく美しい景色の連続で,シャッターチャンスが多くなかなか距離を進めることができない.



 それと同時に,水の透明度がかなり高いことに驚かされる.これだけ水がきれいだと,渓流魚であるイワナやヤマメがいてもおかしくないような気がした.必死になって魚影を探してみたが,あまりに薄暗いのでよくわからなかった.



 道路は横川と並行して走っているが,橋を介して何度も川の上を通過することになる.そのため,橋の上が川のビューポイントになる.同時に,川は道路の東側にあることもあれば,西側にあることもあるので,飽きることのない変化に富んだ景観が続く.



 そして,時折,何度か現れる大きな砂防堰堤が何とも印象的だ.それもそのはずで,土砂流出防備保安林の看板が至る所に立っている.雨量の少ないこの時期でさえこの水量だ.この辺りは地形的に水害の難所だったのかもしれない.



 童仙房高原からかなり距離を下ってきたはずだけど,まだ一向に人里に近づている雰囲気はない.未走の道は,この先がどうなっているのか,色々と空想できるのがとても楽しいと思う.例えこの先が,土砂崩れで通行止めであっても・・・.



 ところが,予想はいい意味で裏切られることになる.總神寺(そうしんじ)から小一時間ほど経ったころだろうか,道路脇に突如として,祭神が現れる.ようやく人里まで下りて来たことを実感する.この先は地理的におそらく笠置町だろう.



 寒い冬に突如として訪れた小春日和の午後,身近な場所で素晴らしい道を発見できたことに感謝しつつ,家路へと向かうのだった.次回は水量の多い日を狙って,三脚を持って再訪したいと思っている.

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