オートバイで旅して観たモノの記録

 Ôtobai de tabi site mita mono no kiroku.

海の見える県道

2020年03月22日 | 尾鷲


 池原ダム七色ダムと回って,その後は一旦,海に面した熊野市へと出てから,海岸線を北上した.すっかり,もういい時間で,辺りは夕闇に染まりつつあった.日帰りのつもりだったけれど,急遽,尾鷲港ちかくの宿に泊まることにした.



 三重県道の中井浦九鬼線で,九鬼町から尾鷲港を目指して,最後の峠越えだ.この道路は,しばらく通行止めであったけれど,この日は運よく通行することができた.リアス式海岸に沿って走るアップダウンのある峠道だった.ある人は,険道と呼ぶかもしれない.



 途中から展望が開けてきて,海岸線の断崖上を走ることになる.水平線の先が,ほのかに赤く染まった尾鷲の海を眺めることができた.ただし,ここは紀伊半島の東側なので,日没を見ることはできない.



 峠道を北上するにつれて,尾鷲湾が見てとれるようになってきた.海の真ん中にあるのは,佐波留島だそうだ.尾鷲市によると,"この島の特徴としては、西半分(尾鷲湾側)と東半分(太平洋側)とは、全く地質が異なることである。西半分(尾鷲湾側)は砂層・泥岩からなり、東半分(太平洋側)は花崗斑岩からなる。" とのことだ.これもまた,紀伊半島のミステリアスフェノメナのひとつかもしれない.



 そして,カメラをズームしてやれば,尾鷲湾の東端にあたる須賀利町の先っちょまで確認することができた.ちょうど,漁船が港に帰っていくところも一緒に映っていた様だ.



 そんなこんなで,夕景の海と峠道を楽しんでいると,あっと言う間に尾鷲港へと着いてしまった.辺りはすっかり暗くて,いつもは釣り人で一杯の波止場もがらんとしていた.そして,昼間の暖かさが嘘のように冷え込んできた.質素な晩御飯を急ぎ調達して,今宵の宿へと向かうのであった.


コメントを投稿