年が明けてからも暖かい日はなく,ここ数日は京都南部でも雪がちらついている.天気も何だか荒れ気味だ.ついこの前,久しぶりにすっきりと晴れた穏やかな日に,和束町撰原の茶畑へ行ってきた.
狭い民家の路地を抜けて,山の急斜面に広がる茶畑の中を駆け上がっていくと,山の稜線へ出る.この場所は,いつも腰越峠から眺めている東部クリーンセンターの前に広がる茶畑だ.正面の山の麓には,茶畑に囲まれた和束町石寺の町並みがよく見える.
そして,足元には,急斜面に茶畑が延々と広がっている.注意深く歩かないと,転んでしまいそうな斜度だ.お茶の栽培には条件の一つとして,水はけのいいことが欠かせないそうだ.雨が降ってもこの急斜面であれば,雨水はすぐに流れてしまうことだろう.
和束で生産されるお茶は,宇治茶の4割弱を占めるという.普段は,お茶ではなく,コーヒーばかりを飲んでいるけれど,和束町のコンビニに寄るときは,決まって和束茶を買うようにしている.和束茶はとてもまろやかで口当たりのいい,おいしいお茶だ.
そもそものところ,和束町のお茶は,鎌倉時代に鷲峰山の麓で栽培されたのが始まりだと言われている.そして,江戸時代には皇室領となり,京都御所へお茶が納められることになったという.和束町の風景は,お茶の歴史そのものかもしれない.
それにしても,静かな場所だ.日曜日と言うこともあって,農家の方の軽トラも走ってない.風は強いけれど,陽が当たっていれば寒くはない.オートバイを停めて,茶畑を散策してみることにした.
山の急斜面を歩くことになるので,茶畑散策はいい運動になる.体も少し暖まってきて,冷たい風が心地よい.そして,何よりも,茶畑の曲線美が素晴らしい.お茶の栽培は,緑の芸術でもあると思う.
写真もたくさん撮れたし,散策を切り上げてオートバイの元へ向かう.陽も傾き始めてきたので,寒くなる前に帰ることにしよう.オートバイのエンジンは,さすがに冷え切っていて,暖気してやる.暖まったエンジンで,颯爽と山を下りて,和束町を後にした.
年が明けて仕事も始まり,ちょっと悶々としていたところ,茶畑散策はとてもいい気分転換になった.和束町の茶畑とオートバイには,感謝しなきゃならない.購入してから13年が経ったオートバイだけれど,今年も大事に乗っていきたい.
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