貴重な晴天に恵まれたある日.どこへ行こうかと考えたとき,浮かんできたのは藤坂峠だった.前回訪れた3月の時,天気はよかったが峠からの景色は霞んでしまっていた.今回は,南伊勢町から三重r46で藤坂峠を目指すことにした.
幅員狭小の道は健在だった.前回来た時よりも,草木が鬱蒼と茂っており,太陽の陽射しが遮断されていて,日中でも薄暗かった.道の中央には,きれいな苔のセンターラインが描かれていた.
路面には相変わらず,大小さまざまな石ころが散らばっていた.幅員が狭く,視界も悪いので,大きな石だけを避けながら進んで行くと,小石を踏む度に乾いた音や鈍い音がタイヤから聞こえてきた.石を踏んで怖いのは,タイヤがとられて路肩に転落する可能性があることだ.とにかく低速で進んで行くことにした.
そして,やっとの思いで登りの険道区間を走り切って,藤坂峠へと到着した.峠では強風が吹き荒れていた.それでも今回はしっかりと熊野灘とリアス式海岸とを望むことができた.
地図や景色から分かる様に,断崖絶壁の海岸線に道はないようだ.そして,その先には海と空とが果てしなく続いている.ただし,このきれいな海の下では,フィリピン海プレートがひずみを蓄積しながら,大陸プレートの下に沈んで行っていることを忘れてはならない.
峠でしばらくのあいだ絶景を堪能した後は,大台町を目指して下りの険道区間を進んでいく.今回も一台の車両とも出くわすことはなかった.そして,無事に三重r46を走り終えるのだった.束の間の貴重な梅雨晴れの日であった.
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