毎日,まるで悪夢のような大雨が降り続いている.ちょっと,気が病んでしまいそうなので,毎年恒例としている丸山千枚田へ行った時のことでも記しておこうと思う.そう,あの日も前日まで大雨が降っていたが,夜が明けると気持ちがいいほどの五月晴れだった.
朝早くに自宅を出て,道中わき目もふらず,丸山千枚田を目指してオートバイを走らせた.朝の9時前には,青々とした千枚田を前にしていた. 水の張られた田んぼに真っ青な稲が,きれいに並んで植えられていた.
いつもは数名ほどいる観光客もこの日は,朝が早いためか誰もいなかった.どこからともなく,草刈り機のエンジンが唸る音が聞こえてくるだけで,辺りは静まり返っていた.
田んぼの近くまで下りて行ってみると,田んぼの水は透きとおっていて,オタマジャクシが気持ちよさそうに泳いでいるのが見えた.そして,今まで気にしたこともなかったけれど,田んぼの土がとてもきれいなことに気付く.ベージュのような淡くやさしい色に,はっとさせられるのだった.
丸山千枚田の素晴らしい風景を前にして,しばらくの間,ゆっくりとしていると,ちらほらと人の姿も見え始めてきた.そして,明け方まで涼しかった陽気も,ここにきて急にじめじめと蒸し暑くなってきた.さあ,ここらでおいとますることにしよう.
丸山千枚田に別れを告げて,五月晴れの下,紀伊半島の青々とした山並みの中を駆け抜けていくのだった.
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