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もんく [とある南端港街の住人になった人]

スペインかポルトガルの港町に住みたい
日本→インドネシア→台湾→マレーシア→日本
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チャイナ・リスクで利を被るのは

2011-02-22 22:53:13 | 2年目のマレーシア
マレーシアで仕事をしていると、少しづつ、チャイナ・リスクの拡大を感じます。

去年、世界が不況から回復しつつあるときにマレーシアやその他東南アジアの国の真のライバルは中国なのだろうなと思っていた。東南アジアの方が産業振興の面では先行しており、こうして以前の"東南アジア"のイメージを180度変えてしまうような都市が多く出来ているけれども、同じ事を中国はその数倍の速さでやっている。そしてマレーシアもその速度を速めてきているにしても国が直接損得勘定無しでバリバリやってしまう中国とはやはり比べ物にならない。

高速鉄道を通すぞ、と言って地図に定規で直線を引きその通りに線路ができてしまうであろう国になどかないっこないだろうと思ったのだ。ただ、昨今のニュースで取り上げられることもあるように、全てがそれで上手くはいかないらしい。隣のタイも反対の隣のインドネシアも製造業は活況を呈しているそうだ。マレーシアもその流れで良くなってきたところもあるような状況である。この部分はあまり詳しくは書かないけれども、確かにそうであるようだ。


ただ、だからと言ってこの流れが日本に向かないのは確かだ。

今のところこれは断言できる。一度出て行ったものが簡単に戻る事は無いのだ。それは日本企業だってそうで、もしタイやマレーシアで生産が軌道に乗ってしまえば、またはそのスキルが企業にあるのならば、どう考えてもこちらで作った物を日本に輸出して日本円を稼ごうとするのが道理だろう。

もう一つは日本向けになると品質レベルが格段に厳しいのでそれに付き合っていると、要は儲からないから、世界の景気拡大に乗って日本以外に拡販した方が利口なやり方と言うこともある。日本ブランドが付いていてある程度以上の品質であれば(それが日本向け品質より多少下だったとしても)、どこで生産しようとある程度は売れる。それも多少高くても。

ガラパゴスの中でウジウジしていた日本の大企業が世界へ出て行こうとするならば今は日本には戻らない方が断然お得なはずだ。

だから、世界の景気が拡大して中国のリスクがクローズアップされて、そして日本企業に儲けが出るようになったとしても肝心の日本人にはほとんどメリットが無いと考えるべきだろう。


よく、Yahooニュースなどの書き込みで中国や韓国製品より日本製品の方が格段に良いように自画自賛、そして相手を揶揄する内容の発言が書き込まれる。ただ、残念ながらもうその書き込みをしている日本人の我々はもうその品質向上にほとんど部分的にしか貢献していない可能性が高い。それが現実だ。

こう言うことは政治家にどう訴えて何を政策にしてもらってもどうにもできないことではないだろうか。


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