大きなかぶ農園だより

北海道マオイの丘にある大きなかぶ農園からのお便り・・
※写真はsatosi  

農法の選択は生き方の選択

2011-11-24 | 食生活
秋はめっきり深くなり、家の周りの木々は茶色の葉を地面に還した。
金曜の朝に初霜が降り、白のキャンバスに犬たちの足跡が散りばめられた。
前日の木曜は小春日和の中 小豆を落とす。
刈り取って積み上げ、サヤがカリカリになるまで乾燥させた小豆を2枚のブルーシートの
間に並べて広げ、その上を山崎さんが2tダンプで轢く。更に小豆をひっくり返して再度轢く。
上のシートをはずし、唐竿でパッタンバッタンと更に叩く。手で枝をパンパンとシバく。
こうして小豆の粒はブルーシートの中に落とされた。土やサヤのかけらもかなり混じっている。
それを網にかけて篩(フル)った後に唐箕(トウミ)にかけて風でゴミを飛ばしやっと袋詰めした。
国道沿いの畑では大型コンバインでガガガガーーーっと一気に豆を刈ってあっという間に
自動的に豆だけ袋に落ちていく。す、すごーーーーーい!!目ぱちくり 大きな畑には大きな機械が不可欠なのだ。
そういえば、黒米の脱穀は70年も前 山崎さんが子供の頃に家で使っていた足踏み脱穀機(倉庫で眠っていた)
を使わせてもらって行った。錆びていた脱穀機がガラス質の籾に磨かれピカピカになった。無い胸が熱くなる。
唐竿といい、唐箕といい、足踏み脱穀機といい、よくぞ今日までわたしたちを待っていてくれました。涙出そう・・・・
大型機械の魅力も今年は充分実感したけれど、ニッポン中の野菜を任されているならいざ知らず、
夫婦で切り盛りする大かぶファミリーの分なら機械より道具が似合う。ふたりでシコシコやっていく。
とはいえ、次々と風のように助っ人が現れては時々の作業が大型機械の勢いで進んでいくのを心に深く刻んだ。
「無農薬で米作るって?!俺の知る奴みんな奥さん出て行った」 春先、知り合いが大真面目に忠告してくれたっけ。
全くその通りだろう。それは過酷な作業と経済的なことが原因のように推測されがちだが、案外ちがうと思う。
そんなことで壊れるのなら、さっさと壊して次に進む。♪壊れてうれしいハナイチモンメ♪出て行った奥さんに拍手だ。
無農薬で米や野菜を作るってことは、「観察に尽きる」米や野菜や天や地を、そして夫婦がお互いを観合っていく。
相手の些細な変化や揺れを感じて対応していく。その一瞬一瞬の連続をお互いの喜びに活かしあう世界。。。。。
その面白みを体感したいという強い欲求がなければ、やる意味の無い農法かもしれない。