大きなかぶ農園だより

北海道マオイの丘にある大きなかぶ農園からのお便り・・
※写真はsatosi  

”遊び”ながら働く

2012-09-30 | 日記
天候不順の合間をかいくぐりながら 稲の刈り入れが終る。
先週の日曜は たくさんの子供たちが おとうさんおかあさんに連れられて田んぼに来た。
田んぼの中で動く子供の姿を遠くで見ていたら不思議な気分になった。
鎌を巧みに使ってサクサク刈っていく子 刈った稲を畦に運ぶ子 より沢山運ぼうと
一輪車を見つけて使い出す子 そして 稲の迷路を作り出し 自分の場所づくり。
 
 働きながら遊び 遊びながら働き その表情は真剣で芯から愉しげだ。
 (ああ この子達なら この稲を 自分で乾かし ひと粒ひと粒しごいて
試行錯誤しながら 籾を剥き 鍋に入れて炊いて食べて生きていく・・・・)と ふと思う。 
大昔の人たちが そうしてここまで繋げてくれた。 
 「生きよう」という いのちからの伝令を すなおに ただしく受け止めて  愉快に楽しく生きていく。
それがしたくて 生まれてきた。 わたしも あなたも 犬猫も 鳥も魚もキリンもカバも きっとそうにちがいない・・・
  それを 自分に知らせるために この子たちがやって来た。
親に連れられてきたんじゃない。 子供たちが おとうさんおかあさんを 連れてきたのか。
 ゆかいだ 本当に愉快だ!!


子供は 自然の中で無心で”遊び”ながら働く喜びを知るのか?

      
野菊に 友達ほ蜂が蜜を吸いに

               
コンバイン(機械刈取り機)で収穫した後、トラックにバラ積みし、これを荷卸しして 右の乾燥機に送り込む。

      
稲刈りが終わった田んぼ。 稲架掛けの稲”ゆめぴりか”

     
草に混じる稲を拾い出す作業・・・・ 

生まれた町に根付く!

2012-09-21 | 日記
いくちゃんが本当に野菜売りになった。
「大きなかぶみたいな仕事がしたい」と言って訪ねて来たのが一昨年。
その年夏の間、毎月の産直のイベントを手伝ってくれ そして去年は春から半年、
田畑に忙しい夫に代わって配達を わずかなバイト代で引き受けてくれた。
岩見沢から朝早く来て 夜7時8時まで配達して、最後お金の計算までして帰る。
いくちゃんの配達は評判が良く このまま大きなかぶを引き継いでくれるかな?と思ったら 
秋で辞めるとなり、(この商売 これじゃとても無理って心底分ったんだろうな・・)
と 残念な気持ちとホッとする気持ちにゆれた。
後継者を育て、引き継ごう と思い始めていた夫は 内心もっとがっかりしただろう。
よっぽど好きじゃなきゃ出来ないよ。と夫を励ましながら自分に言い聞かせた。
走れなくなるまでやって 大きなかぶは私たちが最初で最後でいいっしょや。じゅうぶん楽しんだもの。
 これからは いよいよ米や野菜つくりに本腰入れよう となったとき、又いくちゃんがやって来た。 
車を 軽のワゴンに買い替え 「やおやのVEGGE」って赤い字のロゴまで入り 本気のやる気が伝わってくる。
後ろを開けると 大きなかぶとおんなじ 手作りの木の棚が設置されている。
「自分の生まれて育った街に どんな人が暮らしているんだろう?って思ったらこういう形になった」
そうか~~~ いいないいな 生まれた町に根付いていこうとする気持ち まぶしいな うらやましいな。 
ふるさとすてて40年、自分には出来なかったことを いくちゃんが実現してくれるってことか。
岩見沢の町のあちこちに車を停めて店開き。あちこちから奥さんたち出てきて野菜を買ってくれる。
何持ってきたの?毎週来るの?何時に来るの?・・・・おしゃべりに花が咲く。
手が足りなくなれば 世話好きな人が手伝ってくれてたりする。
 大きなかぶの創成期そのものだ。 その一日一日の楽しさ面白さで 気付いたら14年だ。
経営は相変わらず自転車操業だけど ココロはいつだってぼろ儲け。ワーハッハッハーー!!
大きなかぶでの半年で、いくちゃんが垣間見た世界がそこだとしたら それこそが引き継ぎたかったこと。
「結婚もまだだけど なんか子供産んだ感じ」 って いくちゃん嬉しそう。
ってことは 大きなかぶは爺さん婆さんか。  


 家族でイモ堀 楽しいなァ

    
 変わったトマト       大きなきゅうりが!!

わたしも現役

2012-09-18 | 日記
倉庫の片づけをしていたら ダンボールの中からレースのカーテンが5-6枚も出てきた。
自然素材じゃないから 夏にはかえって暑苦しいと いつの間にか使わなくなった。
一枚一枚広げて風を通して 捨てようか また箱に仕舞おうか と迷う。
いつの間にか集まって来る食器や衣類も 捨てられずにいる。
 50を半ばも過ぎ しかも 大災害を目の当たりにしたりしてみると、
飽きたとか 好みじゃないとか 使い勝手が悪いとかで捨てるのか・・と自問。 
若いときなら さっさと捨てていた。
今なら 若くなくなった自分が捨てられるような 意固地な心境にもなってくる。
で、 ナイロンレースのカーテンで たわしを作ってみた。
これまた捨てられなくて たわしに編んでいたアクリルの糸で周りを模様編みして
使ってみたら グーだ。 やったぞ。 役立たずなんて言わせない。
まだまだ減役 あ 現役。 いくらでも潰しが利く。 たわしは死ぬまで買わなくてよさそうだ。
国上げて 安い安い消費消費 とさんざん喜んで使っていたナイロンやアクリルや プラスチック諸々だ。
じぶんも含めて どれにもこれにも 長所あり短所あり。当たり前のこと。
今あるものは 工夫して使っていく。 
自分が脇役のスポットライト浴びるこころもちだ、と照れる。

誕生日旅行

2012-09-11 | 日記
八月の終わりに静さんの誕生日を祝し 毎年恒例一泊温泉旅行。
食事に行っても 誰かが運転手なら 手放しでビールが飲めないから と
静さんの提案で いつの頃からかそうなった。
初めのころは 「あんたたちが行きたいところについて行くよ」と言っていた。
ホントにそうしていたら (何かちがうぞ・・)  と思ったらしく
「海が見たい。旨い魚食べたい。軽のポンコツで遠出はやだ。」 と具体的提案が来た。
さらに今年は 「今回は誰が来てくれるんだろうね?」 ゲストを要求してきた。
ここ数年 さあ出発 と言うときに誰かが偶然来て そのまま一緒に温泉旅行となり、
 すっかり それが気に入って 家族水入らずでは刺激不足の89歳。
夫は 母の提案を最大限考慮しつつ 最終的には じゃらんの格安ツアー、山の中のカルルス温泉で手を打つ。
今年は果たして 他人ちの一泊旅行に付き合ってくれる人物が 当日運よく現れるか?
「誰も来なかった」で済ませても良いが、89歳 もしかすると最後の望みに なるかならぬか なんとか応えたい。
数人に緊急要請電話掛け。ちょうど仕事を辞めたよねちゃんから快諾を取り付けた。ほっ・・・
当日は国道36号線に乗り 苫小牧 白老 虎杖浜 カモメ群れ飛ぶ海岸線をポンコツエブリぶひぶひ突っ走る。
「ほら、母さん海だ。海だぞ。喋ってないで よく見とけ~!」 よねちゃんとお喋りに夢中の静さんに夫が叫ぶ。
「去年もよねちゃんと来たね。いついつは○○ちゃん、そのまえは□△夫婦が来てくれた・・」 全然聞いてない。
はじめて来たカルルス温泉、平日の為か 静かで年寄りチームには心地がよい。
ぬる湯派のよねちゃんと静さんは室内の広い浴槽で 女盛りのトドと老いたメス虎が瞑想状態。
蚊が飛び交う露天風呂の温度が熱くてうれしい。蚊に刺されてもドクダミ植えてあってサービス満点だ。ははは
料理も よけいなものが無く、丁寧に手作りされていて、ちょうどいい量だった。まずまず満足 としていたら、
「刺身は冷凍だね」 静さんがニヤリ一言。あら、そー?海育ちアナドレヌ。格安ツアーではここ止まりか・・
 翌日は日和(ヒヨリ)山の噴煙と 煮えたぎる鍋のような大湯沼を見物する。
静さん、駐車場係りのおじさんに なにやら質問攻めしてる。
 60年前に新婚旅行で訪れたときとアレが違うコレがどうした・・・と疲れ知らずだ。
ちょうど昼過ぎに家に着いて、「ああーーーーー楽しかったーー」と女3人お茶飲みながらまた喋る。
なにわともあれ 今年の 最大イベント終了。

ズボラ百姓?!

2012-09-03 | 日記
 3年間米を作った田を今年は休ませるため 肥料用にひまわりを蒔いた。 
ひょろひょろと頼りなげに伸び はたして どんなふうになるのかと思っていたら
ある日突然 緑の田畑の真ん中に 大きな黄色の絨毯が敷かれた。 圧巻。
しばらくの間 目も心も 十二分に味わって 土曜の夕方夫が トラクターで砕いた。
それが 畑にすき込まれて土になり 作物の養分となって ひとのいのちに繋がる。
 国道のすぐ横の休ませているもう一枚の田には 去年そばを作った。
今年は そこに 大豆 じゃがいも かぼちゃ 人参 大根 かぶ・・・いろいろ蒔いた。
はっ・・と気がつくと草ぼーぼー。  あわてて取るが どうにも追いつかず。
そのうち 去年のそばが こぼれ種でそこらじゅうに生えてきて 白い花を咲かせた。
これで 草が目立たなくなり 隣近所を気にしてそわそわしなくても良くなった。 (ここはそば畑)と人目を欺く。
しかし、そばの花が落ちると同時に ヒエがぐんぐん勢いを増し 国道に向かって猫のシッポを風にゆらせて人目を引く。。。。
 ズボラ百姓お恥ずかし~~~~ 
母屋の穴掘りに追われていたが、日曜早朝 枝豆畑のヒエ取りにでかける。
畝と畝の間にうずくまって 豆を刈らないように ヒエを刈る。
7月の日照りの時には草も生えない。 そのあとのひと雨ひと雨が 豆にも草にも いのちを吹き込んだ。
畝の合間にもぐりこむと ヒエは上に長く長く伸びて目立つが 豆の株の周りはスギナに覆われ守られている様に見える。 
大雨の後 草も豆も 土に根を張り 共に育って来たことが胸に来る。 その土の中にも 無数のいのちが存在する。
豆に風が通るよう そこそこに刈る。 
 そうだ、 「草が絶えないように 実をつけてから刈る」 と赤峰さんは言っていた。
それくらい大事な草なのだ。人目を気にした自分を恥じる。

サトイモが生るでしょうか


今週(9月4~7日)は 配達時にひまわりをプレゼントします お声掛けください