大きなかぶ農園だより

北海道マオイの丘にある大きなかぶ農園からのお便り・・
※写真はsatosi  

まだまだ死ぬ気なし

2012-01-22 | 日記
「私さ、今度生まれてくるとき 絶対女には生まれない。っていつも思う」と89歳の静さん。
そういえば和ちゃんのお母さん(87)も男に生まれて総理大臣になるって言ってたような・・・
「何でそんな風に思うんだろう?って自分に問いかけてみたんだけどね・・・」
遠くを見るように、穏やかに、すごく自然に、どこまでも自由な感じで
「男になって何がしたいって言うのは特に無かったんだけど、女は損だなって思うこと
いっぱいあって、そのことが自分にそう思わせているのか、ってのがわかった」
そうなんだ。。。静さんひとりでサトシ育てるの頑張ってきたものね・・・
それにしても、よくまあ『自分に問いかけてみよう』なんて思いついたものだ、、、、、
いつも物事を自分の思い込みのみの色に決め付けて素早く結論付けるのが
得意中の得意だった静さんがこんなふうに自分を客観視してまだまだ変化進化するのを目の当たりにすると
人類の普遍性を感じ、自分の未来に果てしない希望を感じる。
そうだ、ついこのあいだ97歳の笹本恒子さんの『好奇心ガール、いま97歳』の本を読んでたな。
その前は100歳の柴田トヨさんの詩集も読んで窓辺に立てかけていつも見えるようになっている。
「静さん、やってみたいことあったら紙に書き出してみてよ。ひとつずつ叶えていこうよ」と嫁が思いつく。
「あれ、そうだね、何かな、、、、、、」
「あ、やっぱり止めた。全部叶ったら死ぬような気がするし」「それもそうだね。しなくていいや」
(まだまだ死ぬ気しないんだ。。。。)ふたりで腹の皮がよじれるだけ笑った。


雪の中に咲く バラの花













新年のご挨拶

2012-01-16 | 日記
今頃、今更、それでもやっぱり、あけましておめでとうございます
正月には、それなりに新しい決意や抱負やそういう気持ちを自分の中に着火させてスタートさせていたのは
若いころのお話で、それなりの年になった今は やりたいことはただひとつ。
”大きなかぶ”という自分たちの夢を託した母体を通して巡り合う ひとやたんぼや生き物たちとの「縁」を
ぞんぶんに楽しんで毎日を生きること。平凡な日常の尊さをようやく腰をすえて味わえるこの頃となりました。
田んぼや畑・稲や野菜から、生産者仲間の姿勢から、そして毎週皆さんとの交流から紡ぎだされる
「食生活」という生きていく当たり前の行為のなかに 隠れている本質に気づかされる喜び。
『美味しかったー』の一言に 風が、陽の光が、鳥が、木々が、虫が・・・えへへと笑っているのが見える。
これ”大かぶ冥利”っていうんですかね。  ことしもどうぞよろしくおねがいいたします

「人の生命のゆきつくところは 愛し愛され、一つになることを願い それをあらわさずにはおられぬ仕組みを 
生きるところにあるとおもいます」  辰巳芳子著”あなたのために いのちを支えるスープ”より抜粋

「心身ともに中庸になってくると自他一体の感覚が強くなってきます。言葉や表情のそれがまさによく伝わり
わかるようになる。身土不二に基づき、本来の自然から生まれた食べ物を、長年同じように食してきた
人々の間では言葉を通さずとも伝わる。それが以心伝心。家族とはそのような生命の寄り合いです。
民族とは同じ食で育まれた生命の集合体に違いないのです。
長年連れ添った老夫婦が同じような顔つきになってくるのは、同じ食べ物を同じように食べてきた証拠です。
絶対に夫婦が離婚しない秘訣は、「同じものを食べる」に尽きるのではないでしょうか
  磯貝昌寛(自然食品店こくさいや代表) 宇宙法則研究会NO95食育コラムより抜粋

先日テレビで佐藤初女さんが 心の病に苦しむ女性にかけた言葉が印象的でした
初女さんの人参の白和えを美味しい!とよろこんで食べる彼女に     「薬ってまずいものね」




快適生活とワクワク生活

2012-01-16 | 日本を考える
年が明け 早、三分の一ヶ月経過・・・早すぎる・・・
年末町内会の忘年会の〆に、「新年会も繰り上げて今するべ。」とシンさんが言って
みんなで「ぶーーっ」と反対してからあっという間にその新年会も昨日終わった。
いつもは農協か近所のセーコーマートのオードブルとだいたい決まっているが、
今年は長沼温泉で宴会だった。10年前は一品持ち寄りですごく面白かったな。
会場も小さなプレハブで、トイレは外で、灯油ストーブがひとつあるだけの集会場に、
各々漬物やらなにやら得意料理を持ち寄ってワイワイやった。
わたしは何も作らず干物魚を持ち込んでストーブの上で焼いたりして呆れられていた。
数年前、班の寄り合い場所のプレハブは撤去され、新築の17区の会館を使うようになる。
台所はピカピカでいつでもお湯が出て、大型冷蔵庫があって、お皿も調味料も揃っていて、トイレも水洗で、、、、、
なのに、年々、だれも一品持ち寄りはしたがらなくなった。すべて整ったら、更に楽がしたくなるのか・・・
たいして箸をつけるわけでもない出来合いのオードブルを肴に半日酒を飲む。
皆ここで生まれて育って家族を持って、60年70年・・たわいもない冗談言い合ってゆるゆるすごす。

母屋の暮らしは実に快適だ。トイレが家の中に有る。いつでも床にころころ寝転べる。
隙間風が入らず、室温は常に18度~20度と安定し、清潔で明るい。これが人の住む家かと感慨も深い・・
朝、ぱちっと目覚めるともう編みたくなる。うきうきして寝ていられないのは相変わらずだ・・いつまで続く・・・・
ゆったりと足を投げ出して編んでいると幸福感極まる。「お茶ー」と夫が言ってくるまで編む。
こんな日がこの身に訪れるなんて・・・・・あーーーーーふつーの家はいいなーと 大袈裟でなく思う。 
 しかし、これはこれで十二分に満足なはずだが、なにか物足りないように思うのはなぜか・・・・・
じつは、、、台所がキレイ過ぎて思い切り料理ができない・・・・・ままごとみたいに、ちまちまちまちま食事作り。
がまんできず長靴と防寒着で倉庫の台所に立ち、たっぷりの油でレンコン・ごぼう・かぼちゃ・人参を揚げ、
そばもたっぷり茹でて、いつものように天ぷらそば2人前食べたら野生の自分が戻った。
倉庫の空間は、生きているっていう原始的な緊張感のようなものが自分の身体に漲ってくる・・・・
どんな傷口も土間にうずくまってぺろぺろ舐めているうちに治っていくような感覚を再確認する。
狼に育てられた子供の話は有名だが、ねずみと10年暮らしたおばばのことは茶飲み話にもならず・・・





北湯沢温泉 一泊旅行




食事はアンコウ鍋、活きの良いホッケの煮物、等々

元は 割烹旅館だった





この屋根の下に 川原の露天風呂への廊下があり
雪見をしながら ビール片手に・・・・・!! 

新家族紹介

2012-01-12 | 日記
明けましておめでとうございます


お初にお目にかかります
僕は シュン(春)と申します
年は一才半 
次に僕のお嫁さんを紹介します



顔の色は黒いですが
脚は細く なかなかの美人(羊)でしょう
名前を メリーと言います
お腹に 僕の子供がいるようです?

私たちの羊毛で 帽子などを作ってね





新ボス紹介も・・・・・

僕はサトルスです。 昨年末より
大きなかぶの山羊・羊家族のボスとなりました
父親である”おどう”ボスから ボスの席を奪ったのですよ!!
どうぞ よろしく





この子は”メンコ”と言って 僕の彼女です
とても 可愛い女の子ですよ
僕の子供が欲しいと やって来ました。
一夜妻ではなく 1ヶ月妻かな?
でも もう帰るのですが・・・



秘密の小部屋

2012-01-12 | 日記
助手席から、ふと外に目をやると 横の車線を走る車の中で若いお父さんが
右手でハンドルを持ち、左手で助手席に座っている5才くらいの男の子の頭を
ぐりぐりぐりぐり撫でている。「可愛くて可愛くて仕方がない!!」って顔が言っている。
その光景を目にした瞬間、目頭がううっと熱くなり、喉の奥から思わず嗚咽のような
ものが込み上げてきた。(なんだ、なんだ、、この感情はなんなのだ・・・・)

 一応母屋が完成したが、いつまでたっても引っ越す気配のない夫を尻目に
妻は倉庫の天井裏で巣作りをする母ねずみのごとく、ちろちろとなべ釜、塩、みそ
などを運び込み、自炊を試みる。なかなか快適だ。
給水工事がまだなので20Lのタンクを置いて母屋でキャンプ生活。
そして、いつの間にか居間は妻の帽子工房と化し、「夫の仕事部屋」の予定だった場所は
近い将来の「静さんの看取り部屋」と称してベットを置き、ちょっとビジネスホテル風に調えたら
ますます妻の秘密の小部屋となる。

2012年元旦の大きなかぶの家まわりです