古稀背包客放浪記

古稀バックパッカーの東南アジア見て歩る記

再び成都の空

2009-11-07 00:16:44 | 日記
その17 還暦背包族(bei bao zu)ベイバオズ

2009年11月1日(日)

久しぶりの太陽に吼えた。八日ぶりに太陽を見た。
成都の確率として、大体こんなモノなのかも知れない。40日で5日目だから、一週間で一度太陽に会えれば良しとする他ない。
天気に駆り出されて、黄龍渓に行こうとして宿を10時に出る。しかしながらBut If!蜀の住民も同じ考えなのか今日の人出は尋常ではない。その黄龍渓行きのバス乗り場には何とウン百人が行列を作っている。あの中国人が行列をして待っている。15分に一台くらいの割合で30人乗りのミニバスが来る。直ぐに客を乗せて出発するが、待っている客の数は一向に減らない。
少なくとも一時間は待っていなければならないようだ。直ぐに諦める。予定変更だ。ここら辺の決断の速さと、諦めのよさはさすが年季が入っている。また来れば良いのであって、如何しても今日でなければならない理由は無い。
さて如何する。何の当ても、予定もない。黄龍渓にしてもやっと重い腰を上げて出て来たのだから急な予定変更に対応するような所は無い。
高級デパートの伊勢丹で食料の買い物をして宿で沈殿だ。しかしこの天気がもったいない。
何処も込んでいるのなら、何処にも行けない。やはり沈殿だ。

太陽が出たら出たで問題だし、出なければ出ないで更に問題だ。蜀の都の天気は本当に困ったものだ。盆地の底に有るのでこんな天気なのだろうか。何時も霧が立ちこめて、気分的にも滅入ってしまう。すっきりした青空を見たことが無い。大して遠くも無いビルが霞んで見える。
季節風か強力な台風でこの霧を追い払ってもらいたい。蜀の人民に空は青いのだと教えてあげたい。きっとビックリするに違いない。あの空の青さを知らない蜀の人民は今日の薄ぼんやりした日を最高の晴天と思っている。

世界の正義を教えてあげたい。世界の青空を教えてあげたい。


2009年11月2日(月)

二日続けて蜀の犬が吼えた。初めての経験だ。
太陽が出たといってもほんの少し雲間から顔を出したにだけに過ぎないのだが、蜀の犬は吼えないわけには行かない。それ程珍しい。

それで、再び黄龍渓に行く事にした。

やはり期待に違わずにというか、予想通りというか見事にこれまでの他の観光地と同じく、街全体を古鎮風に改造した一大テーマパークの代物だった。本来の古鎮の風情は無い。歴史が滲み出るような重厚さは無い。張りぼてのセットのようだ。
それでも中国人の観光客は満足しているようだ。遊園地で無邪気に遊ぶ子供の如くうきうきして騒いでいる。そして何処でも同じなのだが、レンタルの民族衣装や古代の衣装、ウエデングドレスを着て古鎮のセットを背景に写真を撮っている。
我々に薦められても、日本人には中国の少数民族風情に関する知識も無ければその服装にそれほどの興味も無い。色鮮やかで派手派手しているのは余りにも恥ずかしすぎる。
そんな訳でテーマパークの見世物には感動しない。

観光地の古鎮では無く本物を見たかったら、手間隙かけて山奥に行くしかない。今の中国経済の現状では、まだまだ本物の古鎮が山奥にゴロゴロ有るに違いない。
自分の足で探すしかない。