うちの芝生が一番青い

Tokyoに暮らす、ごくごく平凡で標準的な【ナイスサーティーズ】の奮闘記。

書評  ~ 「決断力」

2010年07月17日 | 書評



本日は書評です。

(一週間サボってしまいました・・・すいません)



今回のチョイスは  「決断力」  羽生善治 著







誰もが知っている「平成の最強棋士」である。

中学生の時にプロ棋士としてデビュー、若くして7冠達成。
データベース化が進み、進歩著しい将棋の世界で、今なおトップに君臨し続ける最強の棋士である。

私は将棋のことはほとんど知らないけど、メディアに出てくる彼の言葉や雰囲気が好きだ。
「ホワーっと」しているのだけど、【鋭い】そして【深い】。

彼の考え方にとても興味があったので、今回この本を手に取ってみました。


将棋というのは、私が想像している以上に過酷な勝負の世界だった。

技術や戦法は日進月歩、過去に使った戦局はほとんど分析され、2回と使えないという。
タイトル戦などトップクラスの対局後には、脳の血管がパンパンに腫れ、体重が数キロも減るという。

トップクラスに属するプロ棋士たちの実力差はほとんどなく、多くの対局が「相手のミス」によって決まるというのだ。


そんな世界でトップに居続ける彼の考え方をいくつか紹介します。


 

1.【才能とは継続できる情熱である】

 ・報われないかもしれないところで、モチベーションを継続するのは大変なこと。
  しかしそれが後に大きなパワーとなる。
 
 ・長い期間、同じ姿勢で同じ情熱を傾けられるのが才能。これは努力すれば身につけられる。
 ・一つのことに打つこみ続けるには、「好きだ」ということが根幹。

 ・やってもやっても結果が出ないと諦めてしまうと、そこからの進歩は絶対ない。
 ・しんどい時はペースを落としてでも続けること。牛歩の歩みでも進歩が大切。


2.【空白を作る】

 ・勝負の前には、頭の中に空白のスペースを作ること。頭にスペースがないと集中できない。
 ・空白を作ることで、心や頭をリセットできる。


3.【逆境に打ち勝つには】

 ・勝負に一番の悪影響を及ぼすのは「怒り」の感情。様々な思考力を鈍らせてしまう。
 ・マイナス面に打ち勝つ理性、自分自身をコントロールできる力を成長させていく努力が必要。


4.【人間は必ずミスをする】

 ・人間は完ぺきでいることは不可能。「仕方ない」と開き直る潔さが大切。
 ・「これから先はミスしないといいな・・・」と楽観的に考えることも必要。


5.【常に新しいことに挑戦し続けること】

 ・勝負の世界では「これで良し」と消極的な姿勢になることが一番怖い。
 ・自分で考え、新しいルートを探し求める気迫こそが、未来を切り開く力になる。




非常に頭の中が整理整頓されている印象を受けました、読みやすいです。

ほとんどの話が「机上論」ではなく、彼の実践に基ずいたものなので、説得力がありました。

純粋に「いい本」ですよ。新しい発見や心に響くワードに出会うこと請け合い。
お勧めです。