うちの芝生が一番青い

Tokyoに暮らす、ごくごく平凡で標準的な【ナイスサーティーズ】の奮闘記。

書評 ~ 現役力

2012年09月03日 | 書評
今週の書評です。

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「現役力」 ~工藤公康 著


西武ライオンズ、ダイエーホークス、巨人、横浜と29年間現役で投げていたプロ野球の工藤投手の著書である。

工藤投手と言えば私が小学生のころの西武黄金期のエースだった投手である。
驚異的なことについ最近までプロのしかも一軍で投げていた。


「10年いるのが難しい」 そんな世界で29年である。
そんな工藤投手の成功の秘訣はこの言葉に集約される。


~成功体験を捨てて、常に新しいことに挑戦しなければ、第一線では残れない。~
 


これほどのトップ選手でありながら、常に謙虚に、危機感を持ち続けてきた。
「肉体改造」「スポーツ理論」を追求しながら、あたしい自分を追い求め続ける。


この著書の中で氏が論ずるのは、「進化」することの大切さ。
自分が進化していかなければ、必ずおいていかれる。

そのために「考え」「努力」することを強く論じています。
ストイックにそこを追求することの大切さを強く感じました。



そんな工藤氏、「チームワーク」「プライド」 この二つに関する意見が興味深かったので紹介します。



「チームワーク」について・・


・「チームのために」 逃げ口上に使われていないか・・・。
  自分が何をすべきか自覚し、個々の仕事をしっかりこなせる集団であればチームプレーはいらない。

・本当にチームのことを考えているのであれば、自分が楽をすることが
 どれほどチームにとってマイナスかをシッカリ意識していなくてはならない。


最近「ワン・ピース」の影響か、そこらじゅうで【仲間】【助け合う】という言葉を耳にするようになりました。
でも僕はこの言葉に違和感を感じていて、【責任感の希薄さ】につながっているのではないかと思っています。

【仲間】【チームワーク】というのは、まず個人がしっかり自己の責任をきっちり果たした上に成立するものだと思う。




「プライド」について・・・


・持っていなければいけない「自尊心」は決して表に出さず、心の中にそっと隠しておけばよい。
 周りから丸見えのプライドが一番邪魔。それは深く根を張っていない、何の根拠もないもの。

・持っていなくてはいけない謙虚さとは
「自分は何ほどのものではないのだ」と自分をしっかり見つめなおすことである。





自分と工藤投手ではレベルが違いすぎるけど、なんだか考え方に同感できるところが多くて嬉しかった。
でも自分は工藤投手の10%も努力していないから、もっと精進したいと思います。



工藤さん カッコイイっす!!  
いっぺんにファンになりました。

書評 ~ 「レバレッジ時間術」

2012年08月13日 | 書評

実に久しぶりの書評です。
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「レバレッジ時間術」  本田直之 著       





「レバレッジシリーズ」でいくつかのビジネス書を出している本田氏。
タイムコントロールが現在のテーマとなっているので読んでみました。


内容は過去に読んだ本田氏の書籍に紹介されていた内容をほぼトレースするような内容でした。


・「俯瞰逆算スケジューリング」
・「時間割」
・「タスクリスト」

自分の達成すべきことと今の自分とのギャップを分析し、達成すべきリミットまでの時間で割り返し
それを黙々とこなしていく・・・ こんなイメージです。



なかでも時間割の有効性を強く説いています。

「一つ一つの行動に時間枠を設けることで、完結させようというモチベーションが強く働く。」


このことは自分自身が実践してきて有効性を感じています。
ただし時間内に終わらなかった時のストレスもあるので難しい一面もありますが・・・。



本田氏の一日のタイムスケジュールは以前にも読んだことがあるのですが
一日の業務時間が「2時がら7時までの5時間のみ!」

しかも一年の半分はハワイで生活している!
タイムコントロールの超人みたいな人です。


ただしこれは基本的能力が高い人がやってできることであって
私のような凡人には当てはまらないので気を付けなくてはなりません。

一時「年収3倍になる」みたいな本が流行りましたが、
自分は地道な努力なくして高いところへは行けないと思っています。


あまり新しい発見はなかったのですが、こんな著名人の言葉が書中にありましたので紹介します。

「時間はたっぷりあるのだ、うまく使いさえすれば」 ~ ゲーテ


1. 工夫すること
2. 地道にやること
3. 考えること


このことを[「粘り強く」やっていくしかないのだなぁ、最近思う次第です。


書評 ~ 「ガキの自叙伝」

2012年07月09日 | 書評
今週の書評です。

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「ガキの自叙伝」~稲盛和夫 著


このブログでは何冊か登場している、京セラ、KDDI創業者の稲盛和夫氏。
日経新聞の「私の履歴書」をまとめたものです。



稲盛氏については何度も紹介しているので、詳しい内容は省略しますが、
この自叙伝を読んで改めて感じたのが、「不屈の精神の持ち主」であるということ。


少年時代には結核を患い、受験には何度も失敗。
戦争の空襲で住まいを失う。
就職活動にもことごとく失敗、倒産寸前の会社で社会人生活をスタートさせる・・・。

普通の人ならへこたれてしまうところです。


成果主義が第一の時代になってしまい、古くからの日本式が通用しなくなってしまいました。
でも「稲盛式の昭和ガンバリズム」は何か違うのです。

人を大事にし、つながりを大事にする。
そのうえでとことんやりきる。

こんな時代だからこそ大切にしなくてはならないなぁ・・・
改めて感じさせられました。

新聞のコラム用に編集されているもので、非常に読みやすいです。
稲盛さんの入門書としてはお勧めですよ。



書評 ~ 残念な人の思考法

2012年06月25日 | 書評
今日は涼しかったですね。
とても過ごしやすく、ベストの気候でした。

先週は非常に過酷な一週間だったため、今日はひたすら休養することに専念。
その総仕上げとして、今夜も早く寝ます。

明日からがんばるぞ!



今週の書評です。
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「残念な人の思考法」       山崎将志著   






本屋にあっても手に取らないような題名ですが、事務所の書棚に置いてあり読んでみることにしました。

「残念な人」とは何ぞや・・・ 著者曰く


【残念な人】 =「もったいない人」  

 ちゃんと学校を出て、資格も持っている。
 やる気もあり遅くまで懸命に働いている。 のに・・・

 ・・・しかし結果が出ない人。



ちょっとドキッとしました。
結果が出てないわけじゃないけど、思い当たるフシが多少ある。

「つまらなかったら途中でやめようかな」と思っていましたが、
「残念な人」にならないために、大切なことは何なのかを探しながら読みました。


判ったことは非常にシンプルなこと



【大切なのはプライオリティ付けの「正否」と「適否」である】、ということ

【正否】 選択が正しいかどうか。段取りが良いか。 ~適切だと「効率的に物事を進められる」。
【適否】 選択が状況にマッチしていうかどうか。 ~適切だと「ベストな結果が出る」。


~段取りをいかに適切に行い、正しい選択を冷静に行っているかどうか・・・


そう、どんなビジネス本にだって書いてあるような単純な内容。
なかなか完璧には出来ないのだけど、いかにこのことを考えていられるかが大切なのでしょう。


わかっているのだけど、やっているつもりなのだけど
なかなか難しいんですよね、これって・・・・。




それほど唸るようなことは書いてありませんでしたが、面白いなと思ったことを2つほど紹介しておきます。


・ 仕事が早い と思ってもらうコツ。
 「仕事が早い」というのは大きなセルフブランドになるが、同じスピードでも相手に早いと感じさせるコツ。

1. 「15分単位で納期を伝える」 
2. 「その時に見てもらう約束を取り付ける」
3. 「ピタリとその時刻に納品」
4. 「最後までできなかったとしても、どこまでできて、残りはいつ完成するか 伝える」



・ 自分のスケジュールを自分でコントロールできるスキルを身に着けるべきである。
  時間の使い方を自分自身で決めていると、時間の使い方に無駄が生ぜず、仕事そのものが楽しくなる。
  反対に人に決められていると、無駄な時間が多く、楽しくなくなる。


最近「毎週書評」が困難になってきました。
これはまさしく「自分が自分の時間をコントロールできていない証拠」。

課題です。


書評 ~ 脳と気持ちの整理術

2012年06月11日 | 書評
ずいぶん更新をサボってしまいました。

気を取り直して!書評から再開していきたいと思います。
今週のチョイスはこちら。



  



「脳と気持ちの整理術」 築山 節 著


以前この書評で紹介した「脳が冴える15の習慣」の続編です。
著者の築山氏は脳神経外科の医師。

非常に解りやすい言い回しで「脳のしくみ」「脳の正しい使い方」を教えてくれます。



今回のテーマは「意欲・実行・解決力を高める」。

そのための効果的な脳の使い方を解説しています。


まず築山氏の持論から・・・



・「脳はやる気を失いやすいもの」であり
・「見聞きした情報を失いやすいもの」であり
・「思考を混乱させやすいもの」である。



大切なのは脳の機能的な制約を理解し、それを補う使い方を心がけること。


・「やる気を失いやすい脳」にやる気を持たせるために、意識的に良い刺激を与えていく。
・「忘れやすい脳」にしっかり情報を覚えさせるために、少しだけ工夫する。
・「脳に冷静さを維持させる」ために、問題を物理的に整理する技術を身に着ける。



そういったことが出来て初めて、【無限の可能性を秘めた脳の力】をよりダイナミックに生かしていくこともできる。
それが私が考える正しい脳の使い方である。


と述べています。
「15の習慣」でも言っていましたが、それくらい脳というのは不完全な、万能でないモノ。

よほどの天才、秀才でない限り、いかにその仕組み、性質を理解し、上手に使っていくかで
アウトプットには雲泥の差が出来てくる。

すなわち世の中で言う「できる人」というのは「脳の使い方が上手な人」と言えるのでしょう。



それではこの著書で【拾った、使えそうなこと】いくつか紹介します。


1.意欲を高めるために・・・


・ 興奮状態は意欲につながる。
  自分の意思で脳に刺激を与え、ほどよい興奮状態を作り出すことが理想。


・ 「テキパキと行動している状態」が脳にほどよい興奮状態をもたらす。

・ 短時間の集中 × 多数 で脳は活性化される。


・ 前向きな自分をつくるためには「目標を脳にはっきり意識させることが大事」


・ 人からの感謝や評価というのは、意欲を高めるうえで最もわかりやすいエネルギー源。
  それを得ることを目標として、自分の行動目標を考えるようにする。



2. 脳の疲れについて・・・


・ 脳も筋肉と同じように、使うと疲労する。

・ 同じことを続けると 脳が早く疲れやすい。 → 仕事のやり方に変化を持たせる。
  場所を変える、方法を変える  → 脳の使う場所が変化する。

・ 目を休める → 日中に脳を休める良い方法。目を閉じて情報の入力を止める。

・「明日の私」を戦力ダウンさせないために、できるだけ睡眠時間を確保する。



3. 思考を整理するために・・・



・ まず現状を正確に把握することが大事。
 「なんとなく不安だ」「気になる」といった【感情系の動き】に、【思考系の分析】を加えてバランスを保っていく。

・ 感情的な「問題の過大評価」が冷静に思考する力を奪う。
  たくさんの問題に対処するときは【徹底的に見える化】、脳の中だけで処理できるとは思ってはいけない。

・ 一つ一つの問題に深く集中するためには、他のことが気になるという感情をうまくコントロールすることが大事。


4. 時間的整理術


・ 1か月分の仕事は、「30日分の私」で対処すればよい。【時間の流れ】を見失うとパニックになりやすい。

・ 今考えなくてよい資料は目につかない場所に保管する。いらなくなったものは早く処分する。

・ 【まとまった時間】など出来ない。 → 大きな問題は細切れにしてコツコツ対処。


5. 気持ちのコントロール、


・ 感情のコントロールは 【楽なこと6】、【少し面倒なこと3】、【すごく面倒なこと1】
   ~ 6.3.1のバランスがちょうどよい。このバランスが脳の健康を保ち、意欲、実行力を高めることにつながる。

・ 少しくらい「嫌なこと、面倒なこと」はあって当然だと考え、受け入れることにする。 

・ 解釈を変え、不快を和らげる → 「相手の脳で考える」「第三者の脳で考える」。


・ 自分本位に生きようと思えば、いくらでもそうできるが、そういう生き方は脳にとって決して楽ではない。
  人間はどこかで、誰かに動かされていた方が楽なものである。





ちょっとまとめるのに失敗しましたが、非常に解りやすく良い本です。
「目からウロコ」もたくさんあります。

なかなか日常的にこのように考えることは難しいもの。
こういった本を読むたびに読書の大切さを改めて思い知ります。


ここのところサボり気味ですので、頑張って続けていきたいと思います。