本日は書評です。
(一週間サボってしまいました・・・すいません)
今回のチョイスは 「決断力」 羽生善治 著
誰もが知っている「平成の最強棋士」である。
中学生の時にプロ棋士としてデビュー、若くして7冠達成。
データベース化が進み、進歩著しい将棋の世界で、今なおトップに君臨し続ける最強の棋士である。
私は将棋のことはほとんど知らないけど、メディアに出てくる彼の言葉や雰囲気が好きだ。
「ホワーっと」しているのだけど、【鋭い】そして【深い】。
彼の考え方にとても興味があったので、今回この本を手に取ってみました。
将棋というのは、私が想像している以上に過酷な勝負の世界だった。
技術や戦法は日進月歩、過去に使った戦局はほとんど分析され、2回と使えないという。
タイトル戦などトップクラスの対局後には、脳の血管がパンパンに腫れ、体重が数キロも減るという。
トップクラスに属するプロ棋士たちの実力差はほとんどなく、多くの対局が「相手のミス」によって決まるというのだ。
そんな世界でトップに居続ける彼の考え方をいくつか紹介します。
1.【才能とは継続できる情熱である】
・報われないかもしれないところで、モチベーションを継続するのは大変なこと。
しかしそれが後に大きなパワーとなる。
・長い期間、同じ姿勢で同じ情熱を傾けられるのが才能。これは努力すれば身につけられる。
・一つのことに打つこみ続けるには、「好きだ」ということが根幹。
・やってもやっても結果が出ないと諦めてしまうと、そこからの進歩は絶対ない。
・しんどい時はペースを落としてでも続けること。牛歩の歩みでも進歩が大切。
2.【空白を作る】
・勝負の前には、頭の中に空白のスペースを作ること。頭にスペースがないと集中できない。
・空白を作ることで、心や頭をリセットできる。
3.【逆境に打ち勝つには】
・勝負に一番の悪影響を及ぼすのは「怒り」の感情。様々な思考力を鈍らせてしまう。
・マイナス面に打ち勝つ理性、自分自身をコントロールできる力を成長させていく努力が必要。
4.【人間は必ずミスをする】
・人間は完ぺきでいることは不可能。「仕方ない」と開き直る潔さが大切。
・「これから先はミスしないといいな・・・」と楽観的に考えることも必要。
5.【常に新しいことに挑戦し続けること】
・勝負の世界では「これで良し」と消極的な姿勢になることが一番怖い。
・自分で考え、新しいルートを探し求める気迫こそが、未来を切り開く力になる。
非常に頭の中が整理整頓されている印象を受けました、読みやすいです。
ほとんどの話が「机上論」ではなく、彼の実践に基ずいたものなので、説得力がありました。
純粋に「いい本」ですよ。新しい発見や心に響くワードに出会うこと請け合い。
お勧めです。