日常観察隊おにみみ君

「おにみみコーラ」いかがでしょう。
http://onimimicola.jimdofree.com

◎2023年10月17日(火)ABCテレビ(6ch) 「newsおかえり」(夕方3:40~7:00)

2023年10月16日 | ◎これまでの「OM君」
 2023年10月17日(火)ABCテレビ(6ch)
「newsおかえり」(夕方3:40~7:00)にて!
今井町より生中継!
どうぞよろしくお願いいたします!
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◎鬼吉とササ(その23)

2023年10月15日 | ◎本日の想像話
 鬼吉は別れる前にササに伝えていた。
「ササのタイミングで囲炉裏の鍋をひっくり返してくれ」
 二つ鬼は入り口に忍び寄る鬼吉の気配にすでに気付いているようだった。壁から背を離し、一歩、二歩と歩み出している。
 ササは音も無く、床に降り立つ。
 鬼吉がすぐそばにいるだろう入り口に二つ鬼が到達するまであと二歩。ササは床に転がっていた置物を、鍋めがけて蹴り込む。
 瞬間、ひっくり返った鍋から湯が囲炉裏にぶちまけられる。もうもうと煙があがった。二つ鬼が鬼の形相で振り返る。煙の中にいる自分の姿がばれているようにササは感じた。恐怖でその場から一歩も動けない。

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◎鬼吉とササ(その22)

2023年10月14日 | ◎本日の想像話
 ササは見る間に岩肌を登っていく。煙の出ている穴にするりと身を滑り込ませていった。鬼吉は祈るような視線を残して入り口に向かう。
 ササは頭を下にして慎重に煙り穴を下りる。目をしばしばさせながら、室内をそっとのぞき込む。いろりには鍋がさげられて、湯がわいているようだった。ぱちぱちと燃えている木がはぜる音が室内に響いている。
 二つ鬼は室内にいた。
 だが、不思議なことに壁に背をぴたりとつけて廊下から身を隠している。
(いつも何かに警戒している暮らしが普通なのかしら。恐ろしい奴だ) ササはそう思った。 

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◎鬼吉とササ(その21)

2023年10月13日 | ◎本日の想像話
 二つ鬼の洞窟に着く頃には夕暮れ近く、夜の闇が迫っていた。鬼吉は暗闇にまぎれて入り口に近づいた。今回は正面からではなく、裏に回る。ササも匍匐前進で鬼吉の後に続いている。
 洞窟の側面には煙出しの穴が開いていて煙が昇っていた。
「奴が何かを煮炊きしているな」
「私、あの穴から中に入ってみる」
 鬼吉はぎょっとする。
「中にはいってどうする?」
「いろりにかけてある物をひっくり返すわ。きっと煙が室内一面に立ち上って大変なことになると思う」
 ササの決意は固い。

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◎鬼吉とササ(その20)

2023年10月12日 | ◎本日の想像話
 鬼吉は子供達を眺める視線でササを見る。
「お前はここで待て」
「いやだ。きっとここに至るまでの間で鬼吉はひどいめに合っているに決まっている。力になりたい」
 ササは真剣なまなざしで鬼吉を見上げる。
「お前のことはよく知っている。こうなったら何も聞かない。好きにするさ」
 鬼吉はしゃがんでササの頭をなでる。
「本当に危なくなったら、逃げるのだぞ」
 鬼吉は一言つけくわえる。

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◎鬼吉とササ(その18.5)

2023年10月11日 | ◎本日の想像話
 扉のむこうに足を踏み入れた鬼吉の顔に風が当たる。懐かしいにおいがする。青空が広がっていた。その瞬間、足下の接地感はなくなり、体が落下する。木の枝が何度も体に当たる。大きなしなりとともに、木の葉で鬼吉の落下は止まった。
「鬼吉!無事だったのね」
鬼吉の帰りを木の側で待っていたササはもう泣きそうになっている。
「無事ではない。そして二つ鬼ではない二つ鬼を成敗しなきゃならない」
「どういう意味か分からないけど、とにかくよかった」
 いつもは登ってこないササは鬼吉のおなかに飛び乗ってきた。

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◎鬼吉とササ(その19)

2023年10月11日 | ◎これまでの「OM君」
「ササ、元気だったかい」
「私は元気だよ」
 ササがおどけてごろりと回転する。
「そうかい、それはなによりだ」
 鬼吉はササをひざから下ろすと、早速出かけようとする。
「どこに行くのさ。あの子達に会って行きなよ」
 ササは鬼吉の袴に爪をたてる。鬼吉はそんなササを見てしゃがみ込む。
「ササよ、今日は遠くから見ておくだけにする。まだやぼ用の真っ最中なんでな」
 鬼吉は立ち上がり走り出す。ササもついて行く。
 小屋を見下ろす丘の上で二人はしばし立ち止まる。大伍とメメの兄弟は外に出て、七輪で魚を二尾焼いている。二人は笑っている。
「大丈夫そうだ」
 鬼吉は一人うなずいた。
 ササもにゃーと鳴いた。

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◎カメオ

2023年10月10日 | ◎これまでの「OM君」
カメオ「小さいのはどっち?大きいのはどっち?」
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◎思い出す望郷

2023年10月09日 | ◎これまでの「OM君」
哀愁・望郷・ノスタルジック・美味!
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◎ならめがね

2023年10月08日 | ◎これまでの「OM君」
ゆるい、まったり、懐かしいコト始め〼「ならめがね」
奈良、フィルムカメラの似合う町

プロカメラマン西村仁見(にしむら・ひとみ)さん×トイカメラの王様「ホルガ」
「迷い込みたい大人の今井町」

タイムスリップ「おにみみ」なショットをぜひ!
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◎鬼吉とササ(その18)

2023年10月07日 | ◎本日の想像話
「さあ、下界へと続く扉です。行かれるとよいでしょう」
 閻魔は優雅な仕草で後方を指し示す。巨大な扉が音も無くゆっくりと開いていく。
「待て、俺の目的は本当に知っているのか」
「ええ、不遇の死をとげた両親の復活でしょう」
「できるのか?」
 鬼吉は開いた扉へと足をすすめる。「まずは二つ鬼の要望を叶えることが先決です」
 閻魔はあいかわらず右手でお腹をさすっている。
 すれ違いざま、閻魔の口元が笑っている気がして、鬼吉は一抹の不安を覚える。だが、行くしか無い。

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◎鬼吉とササ(その17)

2023年10月06日 | ◎本日の想像話
 目の前の男は細長い男だった。肩幅は狭く、なで肩。手足が異様に長い。着衣は、ぴったりとした鮮やかな青色のスーツを身にまとっている。きょろきょろと辺りを見回す鬼吉に、その男が話しかける。
「待ってましたよ。鬼吉さん。あなたが探している閻魔は私です」
 鬼吉はいぶかしがりながらも敬意を表して口を開く。
「あなたが閻魔大王ですか。想像とは少し違いました」
 閻魔大王を名のるその男は右手をみぞおちの辺りに差し込み、しきりにさすって答えた。
「ええ、よく言われます」

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◎鬼吉とササ(その16)

2023年10月05日 | ◎本日の想像話
 指を鳴らした直後、二つ鬼の指先から青い煙が立ちこめる。
 煙は見る間に全身を包み込み、鬼吉まで煙に飲まれる。
 視界はすべて青一色になった。
「ここで俺は一度姿を消すが、この煙が無くなれば、下界へと続く門の前にお前は立っている。そこに閻魔もいる」
 二つ鬼は、そう言い残して消えた。
 青色の煙は徐々に薄れていく。視界がはれるにつれて、世界は一変していることに気づく。
 空は赤色。
 絶え間なく雷鳴が轟いている。
 巨木と同じくらいの大きさがある重厚なドアだけが目の前にある。
 ドアの前にはスーツを着た貧相な男が立っている。

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◎鬼吉とササ(その15)

2023年10月04日 | ◎本日の想像話
 鬼吉は二つ鬼の背中に向けて話す。
「そのためにここに来た俺が、申し出を断る訳がない。あいつの討伐か?」
 二つ鬼は鬼吉に向き直って、我が意を得たりと口を開いた。
「そうだ。あいつの行いのせいで俺の立場が危うくなっている。俺ではないと言っても誰も聞く耳を持たない」
「それはそうだろう。俺はどうすればいい」
 鬼吉は思案しながら二つ鬼に聞く。
「閻魔の所に案内する。下界へいくには誰もが必ずあいつの門を通る必要がある」
 二つ鬼は指をパチンと鳴らした。

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◎鬼吉とササ(その14)

2023年10月03日 | ◎本日の想像話
「あいつは一体誰なんだ」
 目の前の二つ鬼に鬼吉は聞いた。
「分からない。自ら下界に降りて討伐に向かっても、あいつは姿を消す。俺はうわさでしか聞いたことがない。見たことがない。そしてあいつを見たものが俺を見ると、同一人物だと言うのだ」
 二つ鬼は自分の爪を見つめながら、鬼吉に背中を見せた。
「ひとつ相談だが、お前の望みをかなえてやろうか。そのかわりこちらの望みも聞いてもらうがどうだ」

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