日常観察隊おにみみ君

「おにみみコーラ」いかがでしょう。
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◎鬼吉とササ(その18.5)

2023年10月11日 | ◎本日の想像話
 扉のむこうに足を踏み入れた鬼吉の顔に風が当たる。懐かしいにおいがする。青空が広がっていた。その瞬間、足下の接地感はなくなり、体が落下する。木の枝が何度も体に当たる。大きなしなりとともに、木の葉で鬼吉の落下は止まった。
「鬼吉!無事だったのね」
鬼吉の帰りを木の側で待っていたササはもう泣きそうになっている。
「無事ではない。そして二つ鬼ではない二つ鬼を成敗しなきゃならない」
「どういう意味か分からないけど、とにかくよかった」
 いつもは登ってこないササは鬼吉のおなかに飛び乗ってきた。

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◎鬼吉とササ(その19)

2023年10月11日 | ◎これまでの「OM君」
「ササ、元気だったかい」
「私は元気だよ」
 ササがおどけてごろりと回転する。
「そうかい、それはなによりだ」
 鬼吉はササをひざから下ろすと、早速出かけようとする。
「どこに行くのさ。あの子達に会って行きなよ」
 ササは鬼吉の袴に爪をたてる。鬼吉はそんなササを見てしゃがみ込む。
「ササよ、今日は遠くから見ておくだけにする。まだやぼ用の真っ最中なんでな」
 鬼吉は立ち上がり走り出す。ササもついて行く。
 小屋を見下ろす丘の上で二人はしばし立ち止まる。大伍とメメの兄弟は外に出て、七輪で魚を二尾焼いている。二人は笑っている。
「大丈夫そうだ」
 鬼吉は一人うなずいた。
 ササもにゃーと鳴いた。

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