著者は経済学者であるが、著者のブログで「ニートが立ち読みしていた」とあったことから、専門的で難しくないと判断し、買って読んでみた。半信半疑で読んでみたが、少し専門的でよく分からないところもあるが、経済新聞を読めるレベルであれば、十分理解できる内容だと思う。難しい事象を難しいく説明する経済学者は多々いるが、一般人に分かる言葉で説明できる学者はそうは居ない。著者は一般人に分かることばで説明できる数少ない経済学者だ。そして、このように分かりやすい言葉で説明できる人物こそが、正しいことを言っているように個人的には思う。
本書は、日本の経済/社会の問題点を明確に分析した良書であると思う。具体的な数字や例を挙げて、問題点を説明しているのでとても説得力があり、信頼に値する。
今の日本の現状に納得がいかない人は是非読んでみることをお勧めする。
そして、この本を読むと、日本の問題点が明らかになるが、私を含めて、殆どの読者が、今の日本の現状に絶望するだろう。本書が指摘する日本の問題点は、私のような一市民がどうこうできるレベルではなく、そのため、無力感につつまれる。そして、問題を解決するには、国民全体が多くの苦しみを覚悟しなければならないだろう。日本の問題は、もはや限界点に達しており、まさに本のタイトルどおり、「希望を捨てる勇気を」持たなければ、日本は未来に向かって前進することができないと思う。
読んで損はない本だと思う。興味がある人は是非読んでみて欲しい。