虚空漂浪日記

魂の開放を求めて、右往左往。嫌われものの”宗教”の根本を捜し求める日記です。

核実験のフォールアウトはガンを増加させなかったのか?-その4

2011-11-16 10:34:08 | 社会
今日はですが、うっすらと雪が残っているところがあったりします。
ところで、我が家の正式な飼い猫ファルコン君が2日ほど帰宅せず、昨日の早朝にひょっこり帰ってきました。なんと、血だらけ
革の首輪が口にはさまって-何故、そうなる?-もがいていたようです。早速、病院へ・・・化膿止めと痛み止めの注射を打って、2週間自宅で様子見ということになりました。口を閉じても舌がちょろっとでて、情けない顔になってます。何はともあれ、帰ってきてくれて良かったです。

さて、このシリーズは紆余曲折して、なかなか本題に入れません
そろそろ、核心に迫ろうか!と思いますが・・・w。

核実験によるフォールアウトとがんとの関係では、このような報告書の一部があります。この報告書は、内容から判断すると欧州放射線リスク委員会(ECRR)の報告書の一部でしょう。ECRRとは、反原子力の立場にたつ研究者の民間団体のようで、ICRP(国際放射線防護委員会)と意見を異にしています。
ICRPはECRR同様に民間団体ですが、「ある限度の放射線被曝を正当化しようとする勢力の介入」したことや、原子力団体からの資金援助などもあって、放射線の危険性に対しては”ゆるい”といって良いでしょう。(下記、ウィキペディア参照のこと)

http://www.jca.apc.org/mihama/ecrr/ecrr2010_chap10.pdf(「被ばくに伴うガンのリスク、第1部:初期の証拠」)

「その効果は驚くべきものであった(Busby 1994, 1995, 2006)。年齢で規格化されたガンの発生率の傾向は二つの地方で似通っていた。その傾向は1979 年からウェールズでの発生率がイングランドの率に比べてあがり始めるまでは、傾向は平行していた。
1984 年までにイングランドの率が上がり始めたが、ウェールズのガン発生はそれまでに30%増加していた。ウェールズにおける傾向のその奇妙な形は、厳密に放射性降下物による初期の被ばくをなぞる形のものであった。1959 年からの部分的核実験禁止条約によって放射能の降下量は急激に減少したが、その不連続性までも一致していた。
ガンの傾向と放射性降下物による被ばくの初期の傾向との時間的な相関は(ストロンチウム90(Sr-90)でモデル化されたものであるが)統計的に高い精度で有意であった。」

このようにECRRは主張しており、核実験によるフォールアウトとがんの増加は関連性があるとしています。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AC%A7%E5%B7%9E%E6%94%BE%E5%B0%84%E7%B7%9A%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%82%AF%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A(欧州放射線リスク委員会:ECRR)

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E6%94%BE%E5%B0%84%E7%B7%9A%E9%98%B2%E8%AD%B7%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A(国際放射線防護委員会:ICRP)

また、広島の原爆被害に関する意見も述べられているので、紹介しておきましょう。最後の( )書きの中に日本人の名前がありますから、「ガン以外の疾病や遺伝性疾患について」の報告書があるようです。

「合衆国が主導したヒロシマ生存者に対する諸々の研究が、原子爆弾が空中で爆発したことを理由にして、その研究集団が受けた被ばくにはどのような内部被ばくの要素も存在しないと一貫して否認してきたことは興味深いと言えよう。しかしながら、それ以降に行われた測定では、ヒロシマ近辺の土壌にプルトニウムやセシウムの存在が示されており、そして最近になって、ヒロシマ原爆による同位体元素の降下物が、北極からのアイス・コア内に同定されている。
これらの発見は、初期の研究において、その参照集団の中での白血病が日本全体の記録と比較して増加しているという謎を説明することになるだろう。ABCC(原爆障害調査委員会)が、爆撃された町のLSS(寿命調査)の中に初期の白血病を含めることを怠り、その町における放射性降下物の存在と一般的疾病率についても報告することを怠り、最終的な結論をねじ曲げることになってしまったという証拠が明らかになっている:このことは、とりわけガン以外の疾病や遺伝性疾患について事実である(Kusano 1953, Sawada 2007)。」

いよいよ本題に入っていきましょう。

まず、核実験などによるフォールアウトで摂取したCs137の調査した概要があるので、全文載せておきます。
この報告をみるとフォールアウトが多量に生じていた時期に生活していた人は”しっかりと”Cs137を体内に取り込んでいたということです。このことは当然、当時降下したストロンチム90ほかも摂取したということを意味しています。
これらの核種が人体に与える影響については、このHP(放射能による健康障害)が公平だと思います。

「2.日本人の体内量の推移
(1)米国・ソ連邦による核実験の影響
 南太平洋で米、英、仏が、北極圏で旧ソ連が行った大気圏内核実験のフォールアウトは日本へも到達し、その影響調査が1956年から組織的に始められた。1959年には中学生の尿中の137Cs濃度測定が放射化学分析を用いて開始された。1962年に日本にもWBCが導入された結果、体内量測定が可能になり、1963年からはこの手法が影響調査に取り入れられて、中学生尿中の137Cs濃度の測定は1964年で中止された。尿中の137Cs濃度(年平均値と標準誤差)は1961、62年に最低値となり、以後1964年まで急激に上昇した(図2参照)。1963年から開始された成人男子群の1日尿への137Cs排泄量は1964年に最大値となり、1965年の2度目のピーク値以後、1967年まで減少した(図3参照)。尿中の137Cs濃度は1961年から増加し続けて1964年に最大に達したことが示唆されている。中学生と成人男子との生物学的パラメータの数値について年齢による違いを考慮して、1959年から1962年の成人男子群の体内量が推定された。1963年から1994年までWBCによって測定された体内量にこの期間の推定値を加えると、日本人成人男子群の年平均体内量と標準誤差は1959年から1994年まで図4のように推移した。最大の年平均体内量は1964年に出現し531Bqに達した(図4参照)。これは米国・旧ソ連により1961,62年に行われた大気圏内核実験の影響である。この影響は1.5年の半減期で減少した。累積内部被ばく線量は105μSvと推定された。
(2)中国による核実験の影響
 中国による大気圏内核実験は1964年10月に始まる。その影響は相対的には少なく、米国・旧ソ連による影響が減少した1960年代末から体内量の減少速度の低下によって顕在化し始めた。1971年に最大年平均体内量、86Bqが出現した。1980年以降1985年までの年平均体内量値は20Bq未満で推移した(図4参照)。
(3)チェルノブイリ原子力発電所事故の影響
 1986年5月1日から体内量の上昇が始まり、この事故の日本人への影響が検出され始めた。1986年は前年の約2倍の年平均体内量、事故影響の最大は1987年に出現した54Bqであった。その体内量は1960年初期の核実験による体内量の減少速度と同じく、1.8年の半減期で推移した(図4参照)。」

http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=09-01-04-11(「フォールアウトからの人体内セシウム(40年の歴史) (09-01-04-11)」ATOMICA)

http://www.ebm.jp/topics/radiation.html(「放射能による健康障害」標準医療情報センター)

この「放射能による健康障害」で挙げられている核種関連のあるがんなどの疾病は、次のように述べられています。

●セシウム-137
現在環境中に存在しているセシウム-134とセシウム-137などの多くは、1940年代~1960年代の核実験や核事故で放出されたと考えられています。ウランやプルトニウム燃料の核分裂時に生じます。核爆弾の実験(特に空中実験)によって世界中の空気中に存在します。また、物質の厚さを測定する工業用機器や医学的診断や治療の目的などに用いられています。この物質は水に溶けやすいので身体の中の水分として溶解しており腎臓から尿によって速やかに排泄されます。半減期(放射線の放出量が半分になるまでの期間)は30.1年です。取り込むと白血病などを生じるリスクが高くなります。

●ヨード-131
核実験や原子炉による核分裂で生じる主な物質です。ヨード-132、ヨード-129もあります。空気中に放散されると雨によって降下し、土壌や水、植物、したがって食物を汚染します。半減期は5.05日でベータ線やガンマ線を放出します。主として呼吸器から進入しますが、食物としては最初にミルクや野菜などから進入します。ヨードは甲状腺に集まる特性があり、核実験や原発事故被害の後遺症として甲状腺をはじめ他の部位の癌のリスクが増えます。被爆時の年齢が若いほどリスクは増えます。

○プルトニウム-239
プルトニウムは人工的にウランから生成された物質で、原子炉のモックス燃料や核爆弾の燃料として使用されています。比重19.4で高エネルギーのアルファ粒子を放出し、半減期は24390年ときわめて長く時間による減衰には長期間を要します。呼吸器や創から身体に進入します。吸入部位の肺では肺癌のリスクが高くなり、リンパ、血液を介して身体のどの部位にも移行し、骨の癌(白血病)、肝臓癌、などのリスクを高め、また細胞の染色体(遺伝子)損傷のリスクを高めます。

○ラドン-222
天然にも存在し、ラジウムの放射性崩壊によって生じます。ラジウムは鉱石や土に含まれているウランの減衰によって出来ます。したがって、ビルの中には特に新しいビルの空気中に含まれており、アルファ粒子を放出します。主として肺癌のリスクを高めます。

●ストロンチウム-90
化学的にはカルシウムと似た性質を持つ。イットリウム-90に変換されながら高エネルギーのベータ粒子を放出します。半減期は約29年です。同位元素であるストロンチウム-89は半減期約50日と短いので、骨癌の治療に使用します。ストロンチウム-90は体内に入ると主として骨に蓄積され骨髄の癌、すなわち白血病リスクを高め、免疫系の脆弱化を招きます。

○ウラン-235
自然界にあるウラン(比重19.05)はウラン-238が主で(99.27%)、ほかにウラン-235(0.72%)とウラン-234(0.0054%)があります。ウラン-235は自然界のウランから生成し原子爆弾や原子炉の燃料となります。環境の放射性汚染は主としてウラン-235であると言われています。身体の中にいろいろなルートから進入して骨や腎臓に蓄積されます。また慢性の呼吸器疾患や肺癌の原因にもなります。

○テルル-129、-132
テルルの同位体は天然にも8種類存在します。2011年3月15日、16日に東海村原子力研究所で採集された空気中にはテルル-129とテルル-132が存在しました。テルル-129とテルル-132の半減期はそれぞれ約1.2時間、3.3日で、α波を放出します。これらの物質も発癌性が疑われています。

なるべく、詳しいデータを紹介しようとしたら、またまた、長くなりました。
ということで、またまた次回へ!

ではまた、お会いしましょう


一刀斎は、全ての原子力発電所の即時停止と全廃を支持します!
TPP交渉参加を阻止し、TPPに賛成する売国奴・国会議員は次回選挙で落選させましょう!




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