高校サッカー選手権で、毎年のようにトレンドワードにあがるのが
「ロングスロー」。(あるいは「超ロングスロー」)
ボールがエリアの外に出たときに
スローインでプレイを再開するわけですが
普通は「ちょん」っと入れるだけです。
しかし、高校サッカーでは
ゴール前まで「びゅーーーん!!」って放り投げて
攻撃の1つの手段として扱っていますし
実際、かなりの得点がこの「ロングスロー」から生まれています。
そのトリッキーな光景に、サッカーファン(?)からは
「すげー!」とか「おもしろい!」という声もあれば
「姑息」とか「下品」とか言う声もあり、
毎年物議をかもしています。
そこで1つ、素朴な疑問。
「じゃ何故プロは、ロングスローを使わないのか」
これ、ずっと疑問に思ってました。
そしたら今日、高校サッカー選手権の決勝(青森山田×山梨学院)の試合で
元代表の城さんが、
城「なんで代表はロングスロー使わないの?」と質問し、
同じく元代表の内田さんは
内田「いや、正直ここまで飛ばない(からやらない)」とぶっちゃけてました。
実際、内田さんもJリーグに入ったばかりの時はロングスローを練習したそうです。
多少飛ぶようにはなりますがここまで「武器」として通用するレベルには難しいようでした。
実際、プロでも全然やってないかって言われたら、「たまに」見ますよね、ロングスロー。
ただまあ、プロは「足の技術」も「戦術」も豊富にあるから、そういうトリッキーなことにこだわらなくてもいいのでしょう。
(キックの精度を鍛えるのとは、何もかも勝手が違いますからね。ましてサッカーは「手をつかわない」競技なので、プロが「手を使ったトリックプレー」に固執するという概念がそもそも無いんだと思う。)
逆に高校生は、まだまだ技術や体力が未熟だから「多少トリッキーな技術も磨く」ために
そういうロングスローという知恵と文化が発達したのかもしれません。
(高校生なら、「ロングスロー」要因のプレイヤーを一人育てるのも面白いかもしれませんが、プロの選手に「お前明日からロングスロー要因な」つって、ロングスローの練習ばっかさせられたら、多分チーム辞めるだろうし。まして代表合宿でそれは・・・さすがにナイよね。www)
余談ですが、
バレーボールの「クイック(速攻)」、今では世界中で利用されていますが
もともとは日本人が開発したトリックプレーでした。
身長が低いため、身体能力が大きく影響するバレーボールでは海外の選手にまともに戦っても勝てないのです。
そこで編み出したのが、相手のタイミングをずらして攻撃する「クイック」です。
もしかしたらやり始めた当初は、物議をかもしたのかもしれませんが
今ではそれがスタンダードになっています。
高校サッカーから根付いた「ロングスロー」が
海外サッカーのスタンダードになる日も来る「かも」しれませんね。