環境法令ウオッチング

2006年7月から2007年12月までの環境法令情報・行政情報・判例情報を掲載。

3R推進月間特集 ⑪家電リサイクル法 その1 制度見直しの視点

2007-10-11 05:57:40 | リデュース・リユース・リサイクル
2007年10月11日 
 3R推進月間特集第11回は、特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)についてみていきます。
 施行後5年を経過した家電リサイクル法の見直しの議論は、中央環境審議会と産業構造審議会において、昨年6月以降、期間を延長しつつ、これまで14回の合同会合を開催し、制度改正に向けての議論が続けられています。審議が長引いている背景には、家電リサイクル法のルートに乗っていないいわゆる『見えないフロー』の問題があります。この点に関しては、大型家電量販店における不正問題が発覚するなど、社会的にも大きく取り上げられました。

【これまでの検討課題】
1.環境配慮設計の促進
 環境配慮設計の促進は、拡大生産者責任の考え方に基づき、現行制度下で製造業者等が物理的な処理責任を負うことの大きな理由となっていることから、これまでの製造業者等の取組状況を評価するとともに、今後、企業間の競争を通じて、環境配慮設計を一層促進する観点から、制度の在り方を検討すべきではないか。

2.3Rの推進
 現行制度を3R(リデュース、リユース、リサイクル)の推進の視点からどのような成果があったか評価し、今後、この取組を一層充実させていく方策を検討すべきではないか。

3.リサイクル料金の在り方
 家電リサイクル法の施行以来、同一料金のまま変更されていない主要な製造業者のリサイクル料金について、実際にこれを負担している消費者理解促進の観点から、コスト状況を明らかにするなど、料金の決定根拠等の透明性を確保しつつ、市場原理の下で、料金が低減していくような制度を検討すべきではないか。

4.対象品目の在り方
 現行法制定当時にはあまり普及していなかった液晶テレビの今後の普及状況等を踏まえた対応など、個別品目について、対象品目として追加すべきかどうか検討すべきではないか。その際、現行の特定家庭用機器の4つの要件(市町村による処理困難性、資源の有効利用性、環境配慮設計促進の可能性、配送品該当性)についての考え方を整理すべきではないか。

5.再商品化率の在り方
 現行の再商品化率の算定の考え方について、量的のみならず質的な観点から見直すべき点があるか。テレビのガラスカレットの海外における需給状況やブラウン管テレビの生産状況等の影響を十分勘案した上で検討すべきではないか。また、同じ処理内容でも再商品化率に算入されなくなるケースについてどう考えるか。

6.効率的な収集運搬システムの整備
 指定引取場所がA・B2グループに分かれている現在の引取体制、インターネット販売の増加等の販売形態の多様化の影響や義務外品への対応等について関係者の役割サービスの在り方等も含めシステムの効率化の観点から検討することが必要ではないか。

7.離島における収集運搬に係る負担軽減
 離島地域においては、合理的な運搬等により収集・運搬料金の軽減に努めているものの、海上輸送を伴うため、その分、収集運搬料金が本土と比べて高くなっており、その負担軽減のための措置が必要ではないか。

8.消費者等に対する普及啓発
 消費者小売業者製造業者等の関係者に対し家電リサイクル制度の趣旨仕組み、成果や、消費者による適正な排出等の各主体の責務等について、効果的に普及啓発を行うにはどのような手法があるか。

9.既存業者の取扱い
 既存業者の処理内容の透明性の確保や、環境配慮設計の促進という観点を踏、まえながら製造業者等が再商品化義務を負うことを前提とした仕組みの中で既存業者の取扱いについて検討すべきではないか。

【第14回会合における具体的対応策の方向性】
1.消費者にとっての利便性・受容性・透明性向上を通じた適正排出の促進
(1)消費者の小売業者等への排出利便性の向上
(2)再商品化等費用に係る透明性の確保及び再商品化等料金の低減化
・・・料金の低減化について、再商品化コストの高低に関わらず、メーカーは検討すべきではないか。
(3)小売業者の請求する収集運搬料金の消費者理解向上及び低減化

2.消費者が排出した廃家電のメーカーへの円滑かつ適正な引渡の確保
(1)小売業者が引取った廃家電の適正な引渡しの徹底
(2)小売業者等の収集運搬に関する負担や不公平性の改善

3.不法投棄対策の強化
(1)自治体による不法投棄対策の推進とメーカー等による協力・支援
(2)消費者の小売業者への排出利便性の向上
(3)再商品化等費用に係る透明性の確保及び再商品化料金の低減化

4.3R推進の観点から、適正なリユースの促進と、廃家電処理・資源輸出の適正性を確保
(1)適正なリユースの促進
(2)廃棄物処理法やバーゼル法の厳正な運用

5.その他
(1)品目拡大について
液晶テレビ・プラズマテレビ及び衣類乾燥機は、市町村における処理困難性や小売業者による高い配送率等の現行法の要件を満たすため、対象とすべき
(2)再商品化率のあり方について
・・・メーカーによるリサイクル技術向上競争促進につながるような、再商品化の法定義務率の設定が必要

 家電リサイクル法をめぐる改正の議論は、10月30日に第15回会合が予定されています。

【官報ウオッチング】
海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律施行規則等の一部を改正する省令(国土交通省令第86号/昭和46年運輸省令第38号の一部改正)
 鉱物資源の掘採に伴い発生する油等の海底下廃棄をする海域等に関する基準、海底下廃棄をすることのできるガスの基準、指定海域として指定する特定二酸化炭素ガスの海底下廃棄がされた海域について規定した海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律(平成19年法律第62号)及び海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律施行令の一部を改正する政令(平成19年政令第282号)の施行に伴う条ズレ改正。
施行日:海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律の施行の日

【行政情報ウオッチング】
環境省
レッドリストの修正について
3Rイニシアティブ高級事務レベル会合の結果について

経済産業省
平成18年工業統計速報の公表について

国土交通省
主要建設資材月別需要予測(平成19年11月分)
建設工事受注動態統計調査(平成19年8月分)

東京都
「東京スーパーエコタウン・シンポジウム」を開催

【判例情報ウオッチング】
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ISO14001
◆毎週更新中!「環境法令管理室」に「10月1日から10月7日までに公布された主な環境法令一覧」を更新しました/2007.10.7
◆毎週更新中!「環境法令管理室」に「10月1日から10月7日までに発表された改正予定法令一覧」を更新しました/2007.10.7