環境法令ウオッチング

2006年7月から2007年12月までの環境法令情報・行政情報・判例情報を掲載。

3R推進月間特集 21 建設リサイクル法 その2 廃棄物処理法との関係

2007-10-21 07:03:58 | リデュース・リユース・リサイクル
2007年10月21日 
 昨日に引き続き、建設リサイクル法と廃棄物処理法の関係について整理していきます。

3.廃棄物処理法との関係
 建設リサイクル法は、食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律(食品リサイクル法)とともに廃棄物処理法の下位法として制定されました。建設リサイクル法による再資源化等の実施は、廃棄物処理法が適用される特定建設資材について義務づけられています。
 両法の関係の整理については、①『建設工事等から生ずる廃棄物の適正処理について(平成11年3月23日/衛産20号)』、②『建設工事等から生ずる廃棄物の適正処理について(平成13年6月1日/環廃産276号)』、において詳細に規定されています。
(1)排出事業者は誰か
 廃棄物処理法においては、産業廃棄物の処理責任は排出事業者にある、とされているため、特定建設資材廃棄物の排出事業者は誰か、が重要なポイントとなります。上記通知においては、『建設工事等における排出事業者には、原則として元請業者が該当する』とされており、建設廃棄物については、実際の工事の施工は下請業者が行っている場合であっても、発注者から直接工事を請け負った元請業者を排出事業者とし、元請業者に処理責任を負わせること、とされています。
 なお、元請業者が当該工事の全部、又は建設工事のうち明確に区分される期間に施工される工事を下請業者に一括して請け負わせる場合において、元請業者が総合的に企画、調整及び指導を行っていないと認められるときは、下請業者が排出事業者になる場合もある、とされています。

(2)排出事業者の役割
 排出事業者は自らの責任において適正処理を行うとともに、廃棄物の発生抑制、再生利用等による減量化並びに再生資材の活用を積極的に図るほか、排出事業者として以下の役割を履行しなければなりません。
 □元請業者が中心となって、発注者―元請業者―下請業者―処理業者の間の協力体制を整備し、円滑に運営すること
 □仕様書等に廃棄物の処理方法が記載されていない場合は、発注者に申し出ること
 □元請業者は廃棄物の処理方法等を記載した廃棄物処理計画書を作業所ごとに作成し、発注者の要求に応じて提出すること
 □建設廃棄物を再生資源として利用することに努めること
 □廃棄物の取扱い方法を定め、教育、啓発等により従業員や関係者に周知徹底させること
 □建設廃棄物の運搬を委託する際には、引き渡す都度、種類ごとに必要事項を記入したマニフェストを交付するか、又は必要事項を電子マニフェストにより登録して廃棄物の流れの把握及び処理過程の事故防止に努めること
 □廃棄物の排出は分別排出を原則とし、分別物の回収方法、分別容器等について処理業者と打合せを行うこと
 □廃棄物の取扱いを下請業者任せにしてはならない。したがって、処理を委託する場合は、元請業者は直接処理業者を選定した上で委託契約を締結するとともに、マニフェスト又は電子マニフェストの使用等により適切な委託を行うこと
 □建設廃棄物の性状や処理方法を把握しておくこと
 □廃棄物処理の結果を発注者に報告すること
 □マニフェスト及び処理実績を整理して記録、保存すること
 □多量に産業廃棄物を発生する事業場を設置している事業者は、廃棄物の減量その他その処理に関する計画を作成し、都道府県知事等に提出すること
 □コンクリート、木材等の特定の建設資材を用いた建築物の解体工事等を受注する場合には、分別解体等を行うこと、分別解体等に伴って生じた特定の建設資材廃棄物について再資源化を行うことなど建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律に従うこと
 □元請業者は、下請業者が排出事業者に該当する場合でも、下請業者が行うマニフェストの交付又は電子マニフェストの登録等を含め廃棄物の適正処理について、元請業者として適切な指導を行うこと(が望ましい)

(3)発注者の責務と役割
 一方、発注者については、『建設工事等における発注者等の排出事業者以外の関係者は、発生抑制、再生利用等による減量化を含めた適正処理について、排出事業者が廃棄物処理の責任を果たせるよう、それぞれの立場に応じた責務を果たさなければならない。』として、次の項目が掲げられています。
 □建設工事等を行う以前からの廃棄物(例えば、解体予定建築物中に残置された家具等の廃棄物)を適正に処理すること
 □元請業者に行わせる事項については、設計図書に明示すること
 □企画、設計段階において、①建設廃棄物の発生抑制、②現場で発生した建設廃棄物の再生利用、③再生資材の活用、について積極的に推進すること
 □積算上の取扱いにおいて適正な建設廃棄物の処理費を計上すること
 □元請業者より、建設廃棄物の処理方法を記載した廃棄物処理計画書の提出をさせること
 □工事中は建設廃棄物の処理が適正に行われているか注意を払うこと
 □工事が終わった時は元請業者に報告させ、建設廃棄物が適正に処理されたことを確認する。また、建設廃棄物が放置されていないか注意を払うこと
 □コンクリート、木材等の特定の建設資材を用いた建築物の解体工事等を発注する場合には、分別解体の計画等を都道府県知事に届け出るなど建設リサイクル法に従うこと

 以上のように、建設資材廃棄物の排出事業者である元請業者は、その廃棄物の処理を委託処理する場合には、産業廃棄物処理業者と適正な契約を締結することが求められます。

(4)特定建設資材廃棄物以外のもの
 建設資材とは「土木建築に関する工事に使用する資材」と定義されており、伐採木、伐根材、梱包材等は建設資材ではないので、建設リサイクル法による分別解体等・再資源化等の義務付けの対象とはなりません。また、特定建設資材のリース材(例えば木製コンクリート型枠等)については、工事現場で使用している間は建設資材であるものの、使用後リース会社に引き取られる場合は、建設資材廃棄物として排出されるものではない、とされています。このため、対象建設工事となる工事現場から直接廃棄物として排出される場合は、分別解体等・再資源化等が必要ですが、リース会社から廃棄物として排出される場合は、分別解体等・再資源化等の義務付け対象とはなりません。しかし、分別解体等・再資源化等の義務付け対象とならないものについても、廃棄物処理法の規定に従った適正な処理が必要となります。

(5)埋め戻しによる再生利用
 特定建設資材廃棄物であるコンクリート等を、現場で破砕し、そのまま埋め戻しをすることの可否がよく問題となります。特定建設資材廃棄物は、廃棄物処理法上の廃棄物であるため、許可を受けた中間処理施設での処理(再生)が大前提となります。したがいまして、適正な処理を経た後でなければ埋め戻しはできないことに留意する必要があります。
 この場合、廃棄物の定義は、廃棄物処理法によることとなりますが、『行政処分の指針(平成17年8月12日環境省通知)』によると、廃棄物とは、『占有者が自ら利用し、又は他人に有償で譲渡することができないために不要となったものをいい、これらに該当するか否かは、その物の性状、排出の状況、通常の取扱い形態、取引価値の有無及び占有者の意思等を総合的に勘案して判断すべきものであること』とされています(総合判断説)。また、再生利用についても『再生後に自ら利用又は有償譲渡が予定される物であっても、再生前においてそれ自体は自ら利用又は有償譲渡がされない物であるから、廃棄物として規制する必要があり、当該物の再生は廃棄物の処理として扱うこと』と解釈されています。

【官報ウオッチング】
新しい情報はありません。

【行政情報ウオッチング】
新しい情報はありません。

【判例情報ウオッチング】
新しい情報はありません。

ISO14001
◆毎週更新中!「環境法令管理室」に「10月8日から10月14日までに公布された主な環境法令一覧」を更新しました/2007.10.14
◆毎週更新中!「環境法令管理室」に「10月8日から10月14日までに発表された改正予定法令一覧」を更新しました/2007.10.14

3R推進月間特集 ⑳建設リサイクル法 その1 制度の概要

2007-10-20 07:49:00 | リデュース・リユース・リサイクル
2007年10月20日 
 建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(建設リサイクル法)は、2000年5月に第3番目の個別リサイクル法として制定されました。
 建設工事に伴って廃棄されるコンクリート塊、アスファルト・コンクリート塊、建設発生木材の建設廃棄物は、産業廃棄物全体の排出量の約2割、最終処分量の約4割を占め、また不法投棄量の約9割を占めています。さらに、高度成長期の建築物が更新期を迎え、今後建設廃棄物の排出量の増大が予測されます。この解決策として、資源の有効な利用を確保する観点から、これらの廃棄物について再資源化を実施することは、循環型社会を構築していくに際し、重要な政策課題であったといえます。
 建設リサイクル法では、特定建設資材(コンクリート、コンクリート及び鉄から成る建設資材、木材、アスファルト・コンクリート)を用いた建築物等に係る解体工事又はその施工に特定建設資材を使用する新築工事等であって一定規模以上の建設工事(対象建設工事)について、その受注者等に対し、分別解体等及び再資源化等を行うことが義務付けられています。
 また、対象建設工事の実施に当たっては、工事着手の7日前までに発注者から都道府県知事に対して分別解体等の計画等を届け出ることを義務付けたほか、対象建設工事の請負契約の締結に当たっては、解体工事に要する費用や再資源化等に要する費用を明記することを義務付けるなどの手続関係も整備されています。
 さらに、適正な解体工事の実施を確保する観点から解体工事業者の都道府県知事への登録制度が創設された他、建設廃棄物のリサイクルを促進するため、主務大臣が基本方針を定めることが規定されていました。これに基づき2001年1月17日に基本方針が定められ、特定建設資材に係る分別解体等及び特定建設資材廃棄物の再資源化等の促進に当たっての基本理念、関係者の役割、基本的方向などを定めるとともに、特定建設資材廃棄物の2010年度の再資源化等率を95%とする等の目標が掲げられています。

【建設リサイクル法の概要】
1.分別解体等及び再資源化等の義務付け
(1)分別解体等の実施義務
□特定建設資材:コンクリート、コンクリート及び鉄から成る建設資材、木材、アスファルト・コンクリート
□特定建設資材廃棄物:特定建設資材が廃棄物となったもの
 特定建設資材を用いた建築物等の解体工事又はその施工に特定建設資材を使用する新築工事等であって、その規模が一定基準以上のもの=対象建設工事の受注者又は自主施工者は、正当な理由がある場合を除き、特定建設資材廃棄物をその種類ごとに分別することを確保するための適切な施工方法に関する基準に従って、分別解体等をしなければならない、とされています(なお、都道府県が条例により、さらに厳しい基準を定めることができる)。
 このうち木材については、リサイクル率が低迷している現状にある上、再資源化施設も地域的に偏在しているなどの問題があるため、焼却・脱水等による縮減を行うことが認められています。

①対象建設工事の規模の基準
□建築物の解体工事では床面積80平方メートル以上
□建築物の新築又は増築の工事では床面積500平方メートル以上
□建築物の修繕・模様替え等の工事では請負代金が1億円以上
□建築物以外の工作物の解体工事又は新築工事等では請負代金が500万円以上
 上記の基準によると、工事件数(棟数)ベースで約65%が対象建設工事となり、9 1%程度の建設廃棄物が本法の義務付けによって再資源化等されることになります。

②分別解体等の施工方法に関する基準
□対象建設工事に係る建築物等に関する事前調査(作業場所、搬出経路の確認等)の実施
□分別解体等の計画の作成
□事前措置(作業場所、搬出経路の確保等)の実施
□工事施工
(解体工事(建築物)の作業手順)
□設備、内装材の取外し
□屋根ふき材の取外し
□外装材、本体の取壊し
□基礎の取壊し
(解体工事に係る分別解体等の方法)
□手作業
□手作業・機械作業の併用
のいずれか。機械作業のみによる解体は原則認めない。

(2)再資源化等の実施義務
 対象建設工事の受注者は、分別解体等に伴って生じた特定建設資材廃棄物について、再資源化をしなければなりません。ただし、指定建設資材廃棄物=廃木材については、工事現場から一定の距離(距離基準)内に再資源化施設がない場合や、再資源化をすることには相当程度に経済性の面での制約がある場合には、縮減で足りることとされています(分別解体等の規模に関する基準の場合と同様、都道府県は条例により、距離基準より厳しい基準を定めることができる)。
①距離に関する基準等
 再資源化施設までの距離基準については、できるだけ多くの建設廃棄物をリサイクルすること、再資源化施設の配置の現状等を考慮し、50kmをその基準とし、この範囲内に再資源化施設がない場合には、縮減で足りることとされました。また、工事現場付近から再資源化施設まで廃木材を運搬する道路が未整備のため、焼却施設までの運搬費用が再資源化施設までの費用より安価な場合も縮減で足ります。

2.分別解体等及び再資源化等の実施を確保するための措置
 建設工事における発注者の役割の重要性を考慮し、対象建設工事の発注者に、工事に着手する日の7日前までに分別解体等の計画等を都道府県知事に届け出ることを義務付けられています。また、都道府県知事は、その計画が、特定建設資材廃棄物をその種類ごとに分別することを適切に確保するための施工方法に関する基準に適合しないと認めるときは、発注者に対し分別解体等の計画の変更その他必要な措置を講ずることを命ずることができます。
(1)対象建設工事の届出に関する事項
 届出内容として建設リサイクル法に規定されている事項は、解体工事の場合は解体する建築物等の構造、新築工事の場合は使用する特定建設資材の種類、工事着手時期と工程の概要、分別解体計画、解体建築物等に用いられた建設資材の量の見込み、その他省令で定める事項となっており、届出内容の詳細は省令で定められています。
(主な具体的な届出事項)
□届出者に関する事項(氏名・住所等)
□元請業者に関する事項(名称、所在地、建設業許可又は解体工事業登録に関する情報、技術者に関する情報等)、
□対象建設工事に関する事項(施工場所、建築物・工作物の別、解体工事・新築工事等の別、工事規模等)
□工事の内容に関する事項(解体工事の場合は解体する建築物等の構造、新築工事等の場合は使用する特定建設資材の種類等)
□分別解体等の適正な実施に関する事項(事前調査の内容、分別解体等の計画、建設資材(廃棄物)の量の見込み、工事手順と手段等)

(2)受注者から発注者への説明等
□元請業者(受注者)から発注者への書面による分別解体等の計画等の必要事項の説明
□元請業者(受注者)から下請業者への発注者が届け出た事項の報告
□請負契約の当事者による契約書への解体工事・再資源化等に要する費用等の明記(契約締結時)
□再資源化等が完了後の元請業者による再資源化等が完了した年月日、再資源化等をした施設の名称・所在地等の発注者への書面による報告
□再資源化等が完了後の元請業者による再資源化等の実施状況に関する記録の作成・保存
□再資源化等が適正に行われなかったと認めるときの発注者による都道府県知事への申告

(3)解体工事業者の登録
 解体工事業を営もうとする者は、請け負おうとする解体工事の規模や額にかかわらず、当該業を行おうとする区域を管轄する都道府県知事の登録を受けなければならない、とされています(土木工事業、建築工事業、とび・土工工事業のうちいずれかの建設業許可を受けている建設業者は登録不要)。
 登録に当たっては、工事現場における解体工事の施工の技術上の管理をつかさどる技術管理者を選任しなければならないほか、解体工事を施工するときは、技術管理者にその工事の施工に従事する者の監督をさせなければなりません。また、営業所及び工事現場ごとに公衆の見やすい場所に標識を掲げなければならないほか、営業所ごとに帳簿を備え保存しなければならない、とされています。

明日は、廃棄物処理法との関係を整理します。

【官報ウオッチング】
新しい情報はありません。

【行政情報ウオッチング】
環境省
地球温暖化対策推進本部幹事会(第22回)の開催結果について
「平成19年度京都メカニズムクレジット取得事業」第1回公募の結果について
GEA国際会議2007における各セッションの取材について
地球温暖化影響・適応研究委員会の設置と第1回委員会の開催について

経済産業省
リデュース・リユース・リサイクル(3R)推進功労者等表彰について
全産業活動指数、全産業供給指数(平成19年8月分)

国土交通省
平成19年度 地域自立・活性化事業推進費(調査分)、景観形成事業推進費(調査分・二次)による調査の実施について
平成19年度景観形成事業推進費(事業分)の実施について
自動車の騒音規制改正案に関する今後の対応について~道路運送車両法施行規則等関係規則の一部改正案に関する今後の対応~

資源エネルギー庁
電力調査統計

東京都
大規模流出油事故対策等訓練を実施

【判例情報ウオッチング】
新しい情報はありません。

ISO14001
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3R月間特集 ⑲自動車リサイクル法 その4 制定外の課題、廃バッテリー、廃タイヤ

2007-10-19 06:05:50 | リデュース・リユース・リサイクル
2007年10月19日 

 自動車リサイクル法の最終回は、制度外の課題、として廃タイヤ、廃バッテリーを取り上げます。

【自動車リサイクル法制度外の課題】
 20世紀以降、自動車はまさに近代化産業の花形であり続けました。また、私たちの生活に欠かせないものであるともいえます。自動車は発明以降、次第に機能も強化され、今では1台の自動車から排出さえる廃棄物はかなりの量・書類となります。このうち、自動車リサイクル法の対象となるのは、シュレッダーダスト・エアバッグ・フロン類(カーエアコン)の3つです。それ以外のものは法制度の枠外にあり、預託金によるリサイクル費用は計上されていません。つまり、廃タイヤや廃バッテリーなど、環境負荷の可能性の高いものは、市場価格においてリサイクルするか適正処理をするか、ということになります。

1.廃タイヤ
 廃タイヤは、野積による不適正保管や自然発火による火災など、だいぶ以前から社会問題となっており、その行政対応について2000年7月24日に環境省から2本の通知が出されています(平成12年7月24日衛環65号及び衛産95号)。そのなかで、廃タイヤの定義及び占有意思等の判断基準が次のように明示されています。
(1)定義(平成12年7月24日衛環65号)
①廃棄物とは、占有者が自ら利用し、又は他人に有償で売却することができないために不要になった物をいい、これらに該当するか否かは、その物の性状、排出の状況、通常の取扱い形態、取引価値の有無及び占有者の意思等を総合的に勘案して判断すべきものであること
②占有者の意思とは、客観的要素からみて社会通念上合理的に認定し得る占有者の意思であること。
③占有者において自ら利用し、又は他人に有償で売却することができるものであると認識しているか否かは、廃棄物に該当するか否かを判断する際の決定的な要素になるものではないこと。
④占有者において自ら利用し、又は他人に有償で売却することができるものであるとの認識がなされている場合には、占有者にこれらの事情を客観的に明らかにさせるなどして、社会通念上合理的に認定し得る占有者の意思を判断すること。
⑤使用済みタイヤが廃棄物であると判断される場合において、長期間にわたりその放置が行われているときは、占有者に適正な保管であることを客観的に明らかにさせるなどして、客観的に放置の意思が認められるか否かを判断し、これが認められる場合には、その放置されている状態を処分として厳正に対処すべきこと

 本通知では、①の通り、いわゆる総合判断説を引用しつつも、③④にあきらかなように、有償に関する客観的証拠を求めています。そして、この証拠等は次のように記述されています。

(2)占有意思等の判断基準(平成12年7月24日衛衛産95号)
①前記通知((1)④)における占有者に明らかにさせる事情としては、次のいずれかを挙げることができること
 □溝切り等を行いタイヤとして利用する、土止め、セメント原料又は燃料として利用するなど使用済みタイヤを自ら利用するものであって、これらの目的に加工等を行うため速やかに引渡しを行うことを内容とし、かつ履行期限の確定した具体的な契約が締結されていること
 □上記のとおり利用するために、使用済みタイヤを他人に有償で売却するものであって、これらの目的のため速やかに引渡しを行うことを内容とし、かつ履行期限の確定した具体的な契約が締結されていること
②前記通知((1)⑤)における「長期間にわたりその放置が行われている」とは、概ね180日以上の長期にわたり乱雑に放置されている状態をいうものであること
③前記通知((1)⑤)における占有者に明らかにさせる事情としては、次のいずれかを挙げることができること
 □溝切り等を行いタイヤとして利用する、土止め、セメント原料又は燃料として利用するなど使用済みタイヤを再生利用するものであって、これらの目的に加工等を行うため速やかに引渡しを行うことを内容とし、かつ履行期限の確定した具体的な契約が締結されていること
 □上記のとおり再生利用するために、使用済みタイヤを他人に有償で売却するものであって、これらの目的のため速やかに引渡しを行うことを内容とし、かつ履行期限の確定した具体的な契約が締結されていること

 つまり、有償売買契約の具体的な締結が証拠であり、保管の期間は180日がリミットということになります。しかし、現実には、有価物か廃棄物かの判断は行政にとっても困難であるといえるでしょう。
 なお、現在は、石油・石炭の値上がりが影響して、ボイラーの燃料として廃タイヤチップはまずまずの価格で取引されている状況です。受け入れ先もセメント会社主流から製紙会社も含めた幅広くなりつつあることから、当面は需要が続くものと思われます。

2.廃バッテリー
 自動車、二輪車、農業機械、建設機械、小型船舶等のエンジン式の機器の始動・点灯・点火などに使用される鉛蓄電池(自動車用バッテリー)は、年間2,500万個程度が国内市場に投入されています。一方、自動車用バッテリーが使用済みになった場合には、鉛や硫酸を含むことから他の廃棄物と比べ処理が困難であり、従来から市町村での処理が行われてきませんでした。
 現在の自動車用バッテリーリサイクルシステムは、厚生省及び通商産業省(当時)の要請に基づき、1994年10月から国内バッテリー製造事業者が自主的に再生鉛を購入することで、回収・リサイクルする仕組みとして構築されてきました。しかしながら、近年における輸入製品の増大、鉛相場下落時における不法投棄の懸念の増大から、現在の仕組みを将来にわたり維持していくことが困難となりつつあり、回収・リサイクルシステムの再構築が必要な状況となってきました。
 このような背景から、持続可能な社会の形成や環境の保全に資する継続的・安定的な自動車用バッテリーの回収・リサイクルシステムを構築し、関係主体が果たすべき役割や実効性を確保するための方策等について検討を行うため、産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会電気・電子機器リサイクルワーキンググループの下に自動車用バッテリーリサイクル検討会が、また、中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会の下に自動車用鉛蓄電池リサイクル専門委員会が設置され、2005年5月から両審議会合同による検討が重ねられ、2005年8月11日に『自動車用バッテリーの回収・リサイクル推進のための方策について(報告書案)』がとりまとめられ、パブリックコメントを経て、12月、報告書として公表されています。

(1)見直しの方向性
 同報告書においては、国内バッテリー製造事業者による自主的な回収・リサイクルの取組は、これまで一定の実効性・機能性を有してきたものの、以下の課題があると整理しています。
①輸入バッテリーの販売比率の増大(四輪車補修用バッテリーの輸入販売比率、1994年度約8.3%、2003年度約13.2%)等により、現在の自主的な回収・リサイクルシステムでは再資源化が担保されていない自動車用バッテリーが増加してきていること
②鉛相場の下落時などには、一部の地域で使用済バッテリーの逆有償化が進み、回収が停滞する事態が発生するなど、路上放置や不法投棄の懸念が増大してきていること

 上記の課題整理から、国内バッテリー製造事業者の自主的な取組による回収・リサイクルシステムの実効性の確保が困難となりつつあるため、回収・リサイクルの停滞による使用済バッテリーの不法投棄等の問題が顕在化する前に見直しを行う必要がある、とし、新たな制度設計を(2)のように提言しています。

(2)システム再構築の制度設計
 自動車用バッテリーを取り巻く現状や流通実態等を踏まえ、回収・リサイクルシステムの再構築に当たっては、以下のような視点や措置が必要
①システム再構築に当たっての基本的考え方
□新しいシステムの基本的在り方:自動車用バッテリーの回収・リサイクルシステムの再構築に当たっては、現在の国内バッテリー製造事業者による自主的な回収・リサイクルシステムの維持が困難となりつつある要因を踏まえ、鉛や硫酸による環境汚染の防止や鉛という有害・有用物質を含むものの適切な回収・リサイクルを目的として、以下の要素を備えたシステムを構築する必要がある。
□輸入バッテリーを含む国内に投入される自動車用バッテリーの回収・リサイクルの実効性が確保されるシステム
□鉛相場の影響を受けない継続的・安定的なシステム

②不法投棄等の防止
□自動車用バッテリーは小型で比較的持ち運び易い製品であることから、排出時に費用を徴収する方法は不法投棄につながるおそれがあり、また、自治体の一般廃棄物と一緒に排出される可能性もあることなどから、自動車用バッテリーの関係者に対しては使用済バッテリーを無償で回収する取組を求めていくべき
□新しいシステムの開始後数年間において回収対象の多くを占めると考えられる既販の自動車用バッテリーについても、不法投棄防止のため、無償で回収することにより、実効性が確保できる仕組みを構築することが必要
 
 新たな制度設計については、現在、関連する各業界のすり合わせが行われている段階であり、今後の議論の進展に期待したいと思います。

(3)現状の問題点 鉛価格の国際的高騰
 近年、鉛の国際価格高騰に伴い、使用済鉛バッテリーが中古利用名目でベトナムや香港等に大量に輸出されています。しかし、これまでに環境省が行った調査では、我が国から輸出された使用済鉛バッテリーがベトナムや香港で中古利用されている実態はほとんど確認されておらず、それらはリサイクルされているおそれがある、とされています。
 リサイクル又は最終処分の目的で輸出入される使用済鉛バッテリーは、有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分に関するバーゼル条約(バーゼル条約)及び特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律(バーゼル法)によって輸出入が規制されています。バーゼル条約では、輸出国は、輸入国等に規制対象物を輸出する旨を通告し、輸入国等からの同意回答がない限り、輸出を許可することができないとされています。このため、バーゼル法では、規制対象物を輸出する場合には、輸出者は経済産業大臣の輸出承認を受けることが義務づけられています。
 環境省の調査結果通り、使用済鉛バッテリーが中古利用名目で輸出された後に輸出先国等でリサイクルされた場合には、経済産業大臣の輸出承認を有していないためバーゼル法等の違反として輸出者等が罰せられるほか、バーゼル条約で認められていない不法輸出に当たるため、国際問題に発展するおそれがあります。また、使用済鉛バッテリーは鉛や硫酸の有害物を含有するため、途上国において未熟な技術によりリサイクルされた場合、環境汚染等を引き起こすことも懸念されます。
 このため、経済産業省及び環境省では、リサイクル目的の使用済鉛バッテリーが中古利用名目で輸出されることのないよう、事前相談時に使用済み鉛バッテリーが輸出先国において確実に中古利用されることの詳細確認を行うこととされ、以下の書類の提出が義務づけられています。
①中古利用が可能なものを収集・選別していること(収集及び選別方法の説明)
②外観に破損がないこと(写真)
③輸出前に全量の通電検査を行っていること及び通電しないものは除去されていること(通電検査方法及び検査結果の説明(メーカー、型式、製造年及び測定結果等)及び写真)
④屋内で適切に保管がなされていること(保管方法の説明及び写真)
⑤適切に梱包・積載されていること(梱包・積載方法の説明及び写真)
⑥輸出先国の販売店等の名称、住所及び写真

【官報ウオッチング】
新しい情報はありません。

【行政情報ウオッチング】
環境省
「1人1日1kgのCO2削減」応援キャンペーンの協賛企業について
女性のためのエコロジーイベント「エコリュクス2007」への大臣視察等について
クリーン開発と気候に関するアジア太平洋パートナーシップ(APP)第二回閣僚会合の結果及びインド森林環境省との協力強化について
中央環境審議会大気環境部会健康リスク総合専門委員会(第8回)の開催について
第9回 化学物質の内分泌かく乱作用に関する日英共同研究ワークショップの開催について
環境技術実証モデル事業 小規模事業場向け有機性排水処理技術分野における実証対象技術の選定について(大阪府)
平成19年度「食品リサイクル推進環境大臣賞」の決定について
薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会PRTR対象物質調査会、化学物質審議会管理部会、中央環境審議会環境保健部会PRTR対象物質等専門委員会 合同会合(第1回)の開催について
「第三次環境基本計画の進捗状況・今後の展望について(案)」に関する意見の募集について
ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法に基づくポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基本計画の変更に係る意見募集の結果について
中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会家電リサイクル制度評価検討小委員会、産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会電気・電子機器リサイクルWG合同会合(第15回)の開催について

経済産業省
省エネ家電普及促進フォーラムの設立及び今後の活動内容について
リチウムイオン電池の安全確保策について(携帯機器用リチウムイオン電池自主回収促進協議会の設立等)
CDMプロジェクト政府承認審査結果について(申請者:中国電力株式会社、エコバンク株式会社、住友商事株式会社、丸紅株式会社)
「平成19年度京都メカニズムクレジット取得事業」の結果について
石油等消費動態統計(平成19年8月分)

国土交通省
気候変動に適応した治水対策検討小委員会(第3回)の開催について(お知らせ)

【判例情報ウオッチング】
新しい情報はありません。

ISO14001
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3R月間特集 ⑱自動車リサイクル法 その3 制定の概要 費用負担・電子マニフェスト

2007-10-18 06:19:36 | リデュース・リユース・リサイクル
2007年10月18日 
 本日は、自動車リサイクル法その3 費用負担、電子マニフェストです。
 
3.リサイクルに必要な費用について
(1)費用負担方法
①使用済自動車のリサイクル(フロン類の回収・破壊並びにエアバッグ類及びシュレッダーダストのリサイクル)に要する費用に関し、自動車の所有者(自動車を所有する法人も含まれる)にリサイクル料金の負担を求める。各事業者や最終所有者間での使用済自動車の引取・引渡の際の対価の額については、当事者間で決定される。

②リサイクル料金の負担の時点は、自動車が不法投棄された場合の環境負荷の大きさや、徴収コスト、負担感等を勘案して次のとおり。
□制度施行後販売される自動車については、新車販売時
□制度施行時の既販車については、最初の車検時まで(当初3年間)
□登録・車検を受けることのない構内車等は、使用済となって引取業者に引き渡すときまで
自動車登録ファイルへの登録又は自動車検査証の交付・返付を受けようとする者は、国土交通大臣等に対して、リサイクル料金が預託されていることを証する預託証明書を提示しなければならない。国土交通大臣等は、預託証明書の提示がないときは、自動車登録ファイルへの登録又は自動車検査証の交付・返付をしないものとする。

③リサイクル料金は予め各自動車製造業者等(輸入業者も対象であることに留意)が定め、公表(リサイクル料金の額は、自動車の大きさや素材の違い等により車種によって変わり得るもの)。これにより自動車製造業者等間の競争が生じ、リサイクル容易な自動車の設計・製造やリサイクル料金の低減が図られることを想定。不適切な料金設定に対しては国が是正を勧告・命令。
 あらかじめ支払われたリサイクル料金は、中古車として転売する際には、中古車の本体価格に上乗せされ、次の所有者に引き継がれる実務を想定。このため、国内でリサイクルを行う蓋然性のない中古車輸出の場合には、最終所有者(輸出業者を想定)の申請に応じてリサイクル料金を返還する(確実に中古車輸出されたことを明らかにする証拠が必要)。
 中古車輸出の場合には、併せて改正道路運送車両法の輸出抹消手続が必要であることにも留意。

(2)費用管理方法
①自動車製造業者等の倒産・解散による滅失等を防ぐため、リサイクル料金は資金管理法人(第三者機関として指定:財団法人自動車リサイクルセンター)が管理。自動車製造業者等はシュレッダーダスト等のリサイクルにあたり料金の払渡しを請求できることとする。
 自動車製造業者等は、解体業者又は破砕前処理業者(精緻な解体等を行うことを前提)に委託して国内の解体自動車全部利用者(電炉事業者等を想定)に引き渡して解体自動車の全部再資源化を行う場合(自動車製造業者等、解体業者、破砕前処理業者、電炉業者等の協同を想定)には、経済産業・環境両大臣の認定を受けることができる。この場合シュレッダーダストを発生させないことになるため、自動車製造業者等は直接シュレッダーダストの処理自体は行わないにもかかわらず、シュレッダーダストに係るリサイクル料金の払渡しを請求することができる(全部再資源化認定スキーム)。
②資金管理法人の裁量権は最小限に抑え、高い透明性・公開性を確保することが大前提。
□資金運用方法の制限、区分経理、消費者代表・学識経験者から成る「資金管理業務諮問委員会」の設置を法定
□監査法人による外部監査を義務付け
□情報公開として事業報告、決算等の公表を法定することに加え、定期的(1年に複数回)に財務状況を公表

(3)余金の扱い
 リサイクル料金のうち、輸出中古車につき返還請求がない場合、廃車ガラ輸出によりシュレッダーダストの処理が不要となった場合等に剰余金の発生が見込まれる。この剰余金の使途については、不法投棄対策、離島対策及びユーザー負担の軽減に活用すべく法律で以下のとおり限定。
①不法投棄、野積み対応
 廃棄物処理法の措置命令により原因者等の責任を追求の上、自治体が代執行を行った場合、当該自治体に対し資金協力。
 路上放棄車については、市町村が代執行によらず処理している事案もあることから、自動車工業会をはじめとした自動車関係業界で構成する「路上放棄車処理協力会」による市町村への資金協力のシステムは存続。

②離島対応
 市町村が実施する共同搬出等の取組に対する資金協力。

③リサイクル料金の安全確実な管理等に必要なコストに充当(自動車の所有者に広く薄く求める負担の軽減)

④なお一定金額以上の剰余金がある場合、将来ユーザーのリサイクル料金を割引。

4.電子マニフェスト制度(情報管理システム)の導入
①電子マニフェスト(移動報告)制度を導入し、使用済自動車が各段階の事業者間で適切に引取り・引渡しされていることを確認できる情報管理システムを構築。

②具体的には、登録・許可を得ている各関係業者が使用済自動車等の引取り・引渡しを行った際、一定期間内にその旨を情報管理センター(第三者機関として指定:既存の公益法人の活用を想定。)に報告する制度(車台番号がキー概念)とし、情報管理センターがマニフェスト情報を一元的に管理。

③情報管理センターへの関係事業者からの報告は、可能な限り簡便なものとしつつ、原則パソコン等による電子情報で対応することとする。
例外的に電子情報化対応できない業者について、代行入力に必要な費用にあてる。料金負担を前提に紙での報告も可能とするものの、各事業者の事務の効率性に鑑みれば電子情報での対応に利便性があると考えられる。

④情報管理センターへの報告が一定期間内に行われなかった場合、情報管理センターは最後の報告を行った業者に通知し、状況確認を求める。さらに一定期間内に報告がない場合、その旨を登録・許可権者である都道府県知事又は保健所設置市の市長に報告することにより、適正な引取り・引渡しを担保。また、マニフェスト報告の情報は、自動車製造業者等へのリサイクル料金の払渡しを行うための確認としても必須のもの。

5.2006年施行規則の改正(経済産業省・環境省令第9号/平成14年経済産業省環境省令第7号の一部改正)
(1) 自動車製造事業者等の再資源化の認定の申請、引取業者及びフロン類回収業者(引取業者等」)の登録の申請並びに解体業者及び破砕業者の許可の申請等に係る提出書類について、下記の2点が加えられました。

①標記の申請(変更の許可又は届出の場合を含む。)を受けた都道府県等が、使用済自動車の再資源化等に関する法律第127条に基づき、申請者の本籍がある市町村に対し、当該申請者の欠格要件に該当する事由の有無の照会を行うことができるよう、申請時の提出書類の一つである住民票の写しについて、本籍の記載を要することを明確化すること

②上記①と同様の理由から、引取業者等が行う登録の申請又は変更の届出の際に、引取業者等が法人である場合において、関係する役員の住民票の写しの提出を新たに求めることとすること
 

(2) 「再資源化預託金等の取戻し(則第76条)」に際しての添付書類について  
再資源化預託金等の取戻し(法第78条第1項)について、省令第76条第2項で規定する添付書類として、これまで規定していた船荷証券の写しに代わるものとして、当該自動車の船舶による運送契約に関する書類(当該自動車の車台番号の記載のあるものに限る。)も認めることとされました。

(3)公布・施行
 本改正は、2006年9月29日に公布され、2006年10月1日から施行されています。

※明日は、自動車リサイクル法の枠外の課題-廃タイヤ、廃バッテリーをお届けします。

【官報ウオッチング】
〔告示〕
ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基本計画の一部を変更した件(環境省告示第87号/平成15年環境省告示第65号の一部改正)
 拠点的広域処理施設における処理対象物を、高圧トランス等及び汚染物等、とするなどの改正(第2章第2節)。
施行日:平成19年10月18日

【行政情報ウオッチング】
環境省
東京モーターショーシンポジウムの開催について

経済産業省
クリーン開発と気候に関するアジア太平洋パートナーシップ第2回閣僚会合 結果について

厚生労働省
石綿に係る疾病の業務上外に関する検討会 第28回開催について
石綿に係る疾病の業務上外に関する検討会 第27回議事概要
化学物質に関する個別症例検討会 第3回議事概要

【判例情報ウオッチング】
新しい情報はありません。

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3R月間特集 ⑰自動車リサイクル法 その2 制定の概要 関係者の役割

2007-10-17 05:58:56 | リデュース・リユース・リサイクル
2007年10月17日 
 昨日に引き続き、自動車リサイクル法の概要を概観します。

【自動車リサイクル法の概要】
1.対象車種
 自動車リサイクル法の対象となる自動車は、次に掲げるものを除く全ての自動車(トラック・バスなどの大型車や、ナンバープレートの付いていない構内車も含む。)とされています。
□被けん引車
□二輪車(原動機付自転車、側車付のものを含む)
□大型特殊自動車、小型特殊自動車
□その他政令で定めるもの
 対象となる自動車であっても、保冷貨物自動車の冷蔵装置など取り外して再度使用する装置(商用車の架装物を想定。詳細は政令で規定。)は対象外とされています。
 なお、自動車リサイクル法によって使用済となった自動車は、その金銭的価値の有無に関わらずすべて廃棄物として扱われることとされています。

2.関係者の役割分担(関係者への義務付け)
 既存の静脈インフラを最大限に活用することを前提に関係者の役割分担は、以下のように提示されています(複数の機能を有する事業者は、それぞれの登録・許可が必要であることに留意)。
(1)自動車製造業者、輸入業者(自動車製造業者等)
 「拡大生産者責任」の考え方に基づき、自らが製造又は輸入した自動車が使用済となった場合、その自動車から発生するフロン類、エアバッグ類及びシュレッダーダストを引き取り、リサイクル(フロン類については破壊)を適正に行う(ここでいう「輸入業者」とは、いわゆる「並行輸入業者」も含む。)。
①認定制度等
□自動車製造業者等は、リサイクルの実施にあたり経済産業・環境両大臣の認定が必要。(大臣認定を受けた自動車製造業者又はその委託を受けてリサイクルを実施する事業者は、廃棄物処理法の業の許可は不要)
□リサイクル義務者が存在しない場合の代行やリサイクル義務履行が難しい小規模業者(その規模は主務省令で規定)からの確実な受託主体として、指定再資源化機関をセイフティーネットとして設置

②行為義務等
□シュレッダーダスト等の再資源化基準に従ってリサイクルを実施(フロン類についてはフロン類破壊業者に委託して破壊)し、実績を公表
□製造・輸入した者の名称等を表示
□電子マニフェスト制度(後述)を利用して、情報管理センターにシュレッダーダスト等の引取報告
□その他再資源化義務の他に以下の責務を規定
□自動車の設計上の工夫によるリサイクル容易な自動車の開発
□円滑なリサイクルのため、自動車の構造・部材に関する情報を提供

(2)引取業者(都道府県知事等の登録制:新車・中古車販売業者、整備業者、直接引取りを行う解体業者等を想定)
 自動車所有者から使用済自動車を引き取りフロン類回収業者又は解体業者に引き渡す(リサイクルルートに乗せる入口の役割)。
①登録制
□引取業を行う事業所所在地を管轄する都道府県知事又は保健所設置市の市長の登録制。使用済自動車を業として引き取るには、事業者ごと自治体ごとに登録を受けていることが必要。5年毎の更新
□登録要件は、エアコンにフロン類が含まれているか否かを確認する体制などフロン類回収破壊法に準ずるものとする。(フロン類回収破壊法又は廃棄物処理法上の違反による罰金刑や登録取消後2年を経過していないこと等の欠格要件に該当しないことも必要)
□フロン類回収破壊法で第二種特定製品引取業者の登録を受けている事業者は、自動車リサイクル法の引取業者に自動的に移行(フロン類回収破壊法では、事業所ごとの登録であったが、事業者ごとの登録となる)
□自動車リサイクル法上の登録があれば、自動車リサイクル法対象自動車に関しては廃棄物処理法の業の許可は不要
□事業所毎に、事業者名等の事項を記載した標識を掲げる必要あり

②行為義務
□引き取りの際にはリサイクル料金が払い込まれている旨の確認が必要
□自動車所有者から使用済自動車の引取りを求められた場合は、正当な理由がある場合を除き、使用済自動車を引き取る
□引取りを行ったときは、自動車の所有者に引取りの書面を交付
□フロン類が充填されたカーエアコンの搭載の有無を確認し、搭載されている場合はフロン類回収業者へ、搭載されていない場合は解体業者へ引き渡す
□電子マニフェスト制度を利用して、情報管理センターに引取・引渡報告
□使用済自動車の運搬にあたっては、廃棄物処理法の業の許可は不要だが、廃棄物処理基準に従う必要あり。

(3)フロン類回収業者(都道府県知事等の登録制:引取業者や解体業者が兼業することを主として想定)
 フロン類を適正に回収し、自動車製造業者等に引き渡す(自動車製造業者等にフロン類の回収費用を請求可能)。
①登録制
□フロン類回収業を行う事業所所在地を管轄する都道府県知事又は保健所設置市の市長の登録制。使用済自動車からのフロン類の回収を業として行うには、事業者ごと自治体ごとに登録を受けていることが必要。5年毎の更新
□登録要件は、適切なフロン類回収設備を有するなどフロン類回収破壊法に準ずるものとする予定(フロン類回収破壊法又は廃棄物処理法上の違反による罰金刑や登録取消後2年を経過していないこと等の欠格要件に該当しないことも必要)
□フロン類回収破壊法で第二種フロン類回収業者の登録を受けている事業者は、自動車リサイクル法のフロン類回収業者に自動的に移行(フロン類回収破壊法では、事業所ごとの登録であったが、事業者ごとの登録となる。)
□自動車リサイクル法上の登録があれば、自動車リサイクル法対象自動車に関しては廃棄物処理法の業の許可は不要
□事業所毎に、事業者名等の事項を記載した標識を掲げる必要あり

②行為義務
□引取業者から使用済自動車の引取を求められたときは、正当な理由がある場合を除き、引き取る
□使用済自動車を引き取ったときは、フロン類回収基準に従ってフロン類を回収し、自ら再利用する場合を除き自動車製造業者等に(指定引取場所において引取基準に従って)引き渡す。自動車製造業者等にフロン類の回収費用を請求可能(フロン類回収破壊法と同様)
□フロン類を回収した使用済自動車は、解体業者へ引き渡す
□電子マニフェスト制度を利用して、情報管理センターに引取・引渡報告(一定期間毎にフロン類の再利用量についても報告)
□使用済自動車の運搬にあたっては、廃棄物処理法の業の許可は不要だが、廃棄物処理基準に従う必要あり

(4)解体業者(都道府県知事等の許可制)
 使用済自動車のリサイクル・処理を適正に行い、エアバッグ類を自動車製造業者等に引き渡す(エアバッグ類について、自動車製造業者等に回収費用を請求可能)。
①許可制
□解体業を行う事業所所在地を管轄する都道府県知事又は保健所設置市の市長の許可制。使用済自動車の解体を業として行うには、事業者ごと自治体ごとに許可を受けていることが必要。5年以上の政令で定める期間毎の更新
□許可基準は、生活環境の保全及びリサイクルを適切に実施する能力を担保する観点から設定(廃棄物処理法その他の生活環境保全法令の違反による罰金刑や許可取消後5年を経過していないこと等の欠格要件に該当しないことも必要)
□許可基準の具体的内容は、来春までに審議会で検討を行い、その後速やかに主務省令で決定するが、使用済自動車の流通・処理実態を十分に踏まえ、配慮したものとする予定
□自動車リサイクル法上の許可があれば、自動車リサイクル法対象自動車に関しては廃棄物処理法の業の許可は不要
□事業所毎に、事業者名等の事項を記載した標識を掲げる必要あり

②行為義務
□引取業者又はフロン類回収業者から使用済自動車の引取りを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、引き取る
□使用済自動車を引き取ったときは、
□エアバッグ類を回収し、自動車製造業者等に(指定引取場所において引取基準に従って)引き渡す。自動車製造業者等に回収費用を請求可能
□ 再資源化基準に従って適切な解体を実施
□引き取った使用済自動車又は解体自動車(いわゆる廃車ガラ)は、他の解体業者、破砕業者又は解体自動車全部利用者(電炉に投入してリサイクルを行う電炉業者、スクラップ源として輸出を行う廃車ガラ輸出業者等を想定:確実性を担保するための書類保存義務あり)へ引き渡す
□電子マニフェスト制度を利用して、情報管理センターに引取・引渡報告
□使用済自動車の解体・運搬にあたっては、廃棄物処理法の業の許可は不要だが、廃棄物処理基準に従う必要あり

(5)破砕業者(都道府県知事等の許可制:シュレッダーによる破砕処理、プレス等の破砕前処理を行う業者)
 解体自動車(いわゆる廃車ガラ)のリサイクル・処理を適正に行い、シュレッダーダストを自動車製造業者等に引き渡す。
①許可制
□破砕業を行う事業所所在地を管轄する都道府県知事又は保健所設置市の市長の許可制。使用済自動車の破砕又は破砕前処理(プレス及びその他省令で定める行為)を業として行うには、事業者ごと自治体ごとに許可を受けていることが必要。5年以上の政令で定める期間毎の更新
□許可基準は、生活環境の保全及びリサイクルを適切に実施する能力を担保する観点から設定(廃棄物処理法その他の生活環境保全法令の違反による罰金刑や許可取消後5年を経過していないこと等の欠格要件に該当しないことも必要)
□許可基準の具体的内容は、来春までに審議会で検討を行い、その後速やかに主務省令で決定するが、使用済自動車の流通・処理実態を十分に踏まえ、配慮したものとする予定
□自動車リサイクル法上の許可があれば、自動車リサイクル法対象自動車に関しては廃棄物処理法上の業の許可は不要
□事業所毎に、事業者名等の事項を記載した標識を掲げる必要あり

②行為義務
□解体業者又は破砕前処理のみを行う破砕業者から解体自動車の引取りを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、引き取る
□解体自動車を引き取ったときは、再資源化基準に従い適切な破砕又は破砕前処理を実施
□破砕前処理のみを行う破砕業者にあっては、前処理を行った解体自動車は、他の破砕業者(破砕処理を行う者)又は解体自動車全部利用者(電炉に投入してリサイクルを行う電炉業者、廃車ガラ輸出業者等を想定。確実性を担保するための書類保存義務あり)へ引き渡す
□破砕業者は、シュレッダーダストを自動車製造業者等に(指定引取場所において引取基準に従って)引き渡す
□電子マニフェスト制度を利用して、情報管理センターに引取・引渡報告
□使用済自動車の破砕・破砕前処理・運搬にあたっては、廃棄物処理法の業の許可は不要だが、廃棄物処理基準に従う必要あり

(6)自動車所有者
 使用済となった自動車を引取業者に引き渡す。(中古自動車として引き取り、販売する場合には、使用済自動車にはあたらない。)
自動車の所有者から引取業者への円滑な引渡しを促すため自動車重量税の還付制度を自動車リサイクル法施行時にあわせて導入(電子マニフェスト制度の情報で解体が確認され、改正道路運送車両法上の適切な解体抹消手続がなされた場合、請求に応じて最終所有者に対して車検残存期間に応じた還付を行う)

(7)関係業者の義務違反等に対する担保措置
①登録・許可を有する適正な事業者への引取り・引渡しやリサイクル等の義務を行わない関係事業者については、都道府県知事等の指導、勧告、命令により是正。悪質な事業者は登録/許可取消、罰則
②無登録/無許可業者には罰則

【官報ウオッチング】
新しい情報はありません。

【行政情報ウオッチング】
環境省
クマ類による人身事故の防止等について
微小粒子状物質健康影響評価検討会(第4回)の開催について
「容器包装廃棄物排出抑制推進員」(3R推進マイスター)の委嘱について
こどもエコクラブ「エコロジカルあくしょん大作戦!」を実施します
効果的な公害防止取組促進方策検討会(第3回)の開催について
平成19年度化学物質の環境リスクに関する国際シンポジウム(第10回化学物質の内分泌かく乱作用に関する国際シンポジウム、第6回小児等の環境保健に関する国際シンポジウム)の参加者募集について
第3回光化学オキシダント・対流圏オゾン検討会の開催について
家電リサイクル法対象機器の不適正処理に係る勧告及び報告徴収並びに地方環境事務所による一斉立入検査について

経済産業省
家電リサイクル法対象機器の不適正処理に係る勧告及び報告徴収について
平成19年度下半期における自動車リサイクル法の理解促進活動について
「1人1日1㎏のCO2削減」応援キャンペーンの協賛企業について

国土交通省
トラック輸送情報(平成19年7月分)
「1人1日1kgのCO2削減」応援キャンペーンの協賛企業について(お知らせ)

【判例情報ウオッチング】
新しい情報はありません。

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3R月間特集 ⑯自動車リサイクル法 その1 制定の背景 市況に左右されてきた自動車リサイクル

2007-10-16 06:06:33 | リデュース・リユース・リサイクル
2007年10月16日 
 3R月間特集第16回からは、自動車リサイクル法についてみていきます。
使用済自動車の再資源化等に関する法律(自動車リサイクル法)は、2002年月に制定され、2005年1月から本格施行されています。

【自動車リサイクル法制定の背景】
 自動車リサイクル法が制定される以前から、使用済自動車は中古部品や金属回収の観点から価値が高く、国内の自動車解体業者等によって80%程度(重量ベース)がリサイクルされ、残りは主にシュレッダーダストと呼ばれる破砕残さとして埋立処分されてきました。
 しかし、自動車リサイクル法が制定された2002年前後は、産業廃棄物の最終処分場の逼迫によるシュレッダーダストの処分費の高騰(廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)の1994年改正により、翌1995年から安定型最終処分場にシュレッダーダストを捨てられなくなったことが原因)や、鉄スクラップ価格の低迷により、従来のリサイクル・処理システムがうまく機能しなくなり、費用を支払って使用済自動車を引き取ってもらう逆有償化の現象が生まれ、負担を嫌った業者等による不法投棄が多発し、大きな社会問題となっていました。
 そこで、自動車製造業者を中心とした関係者に適切な役割分担を義務づけることにより、使用済自動車のリサイクル・適正処理を図るため、新たなリサイクル制度を構築することを目的として自動車リサイクル法が制定される運びとなりました。
 自動車リサイクル法は、以下の5項目を基本的な考え方として設計されています。
①これまで静脈インフラを担ってきた現在の関係事業者の役割分担を前提としつつ、従来のリサイクルシステムが機能不全となる主要因であるシュレッダーダスト、及び新たな環境課題であるフロン類、エアバッグ類への対応を行う。これにより、市場原理に基づいた使用済自動車のリサイクル・適正処理の持続的な取組みの環境整備を図るとともに、自動車製造業者等における適正な競争原理が働く仕組みとする。
②使用済自動車から生じる最終埋立処分量の極小化を図る。
③不法投棄の防止に資する仕組みとする。
④既存制度との円滑な接合を図る(特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律(フロン類回収破壊法)(カーエアコン部分)はその枠組みを基本的に引き継ぎつつ、自動車リサイクル法の中で一体的に扱うこと等)。
 また、リサイクル費用は購入時に負担する(施行後の新車)こととされましたが、施行前に販売されたものについては、車検時や廃車時に最終所有者が負担することとされています。原則として特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)と異なり、前払い方式が採用されていますが、当面は市場に出回っている後払い方式の中古車のリサイクルが進められることとなります。自動車の商品特性をみてみると、新車の販売が年600万台程度、使用済自動車となるものが年300万台~500万台程度、商品寿命は約10年程度とされています。このため、自動車リサイクル制度開始から当面の間は、現在進行中の家電リサイクル法の見直し議論のなかでも問題となっているリサイクル費用後払い方式が不適正処理や不法投棄にどれほどの影響を与えるか、気になるところでもあります。現に、2006年7月の産業構造審議会・中央環境審議会の合同部会では、当初経済産業省が見積もっていた年間使用済自動車数(約500万台)が、実績値と大きく異なったため、一部の委員からこの件に関する疑義がだされた経緯もあります。
 また、使用済自動車となったかどうかの判断の困難性も当面の課題であるといえます。国土交通省が所管する道路運送車両法に基づく永久抹消をされれば、間違いなく使用済自動車であるといえますが、いわゆる一次抹消の場合は、中古車として復活する可能性も残されており、市況をみながら使用済自動車とおぼしき車が放置されたり、あるいは不適正処理されたりする可能性がないとは言い切れません。
 自動車リサイクル法の本格施行にあわせた道路運送車両法の改正では、不法投棄等の抑制を図るため自動車の解体や中古車輸出といった状況についても国土交通省等が把握することとされました。具体的には、永久抹消登録制度と一時抹消登録制度及び自動車検査証の返納制度を存続させつつ、登録自動車または軽自動車が一時抹消または自動車検査証の返納(使用中止)後に解体されたあるいは中古車輸出がされる場合にその旨の届出を必要とする制度となっており、また、一時抹消登録または自動車検査証の返納を行わずに中古車輸出がされる場合に輸出抹消登録またはその旨の届出を必要とする制度となっています。また、一次抹消のまま1年以上経過し解体報告も輸出報告も出されていないなどのものについては、『届出をなすべき旨の催告その他の当該自動車に係る自動車登録ファイルの正確な記録を確保するために必要と認められる措置を講ずることができる』とされています。しかし、一次抹消中の自動車数は膨大な数に上るため、効率的な該当車の見つけ方が議論されているのが現状です。

 現在では、鉄の市況が好転、新車の売れ行きの不振、自動車使用年数の微増などの要素が重なり、法制定当事とは異なる危惧―①自動車リサイクル法から逸脱した不適正処理の可能性、②輸出をめぐる問題、が今後の重要課題となっていくことは間違いないでしょう。また、自動車リサイクル制度の枠外にある廃タイヤ・廃バッテリー・ガラスなどの3Rの推進も、今後の重要な政策課題であるといえます。
 本稿では、まず、自動車リサイクル法の概要を概観し、それから今後の課題及び制度外の部品等のリサイクルについて数回にわたりふれていきたいと思います。

【官報ウオッチング】
新しい情報はありません。

【行政情報ウオッチング】
環境省
第6回ASEAN+3(日、中、韓)環境大臣会合の結果について
GEA国際会議2007の開催について
我が家の環境大臣 第2回 我が家の「eco宣言☆」募集について
環境技術実証モデル事業検討会 山岳トイレし尿処理技術ワーキンググループ会合(平成19年度 第4回)の開催について
第1回日中韓における化学物質管理に関する政策ダイアローグの開催について
「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の運用について」の改正案に対する意見募集の結果について
「持続可能なアジアに向けた大学における環境人材育成ビジョン」論点整理(案)に対する意見募集について
「自動車型式指定規則」及び「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示」等の一部改正に係るパブリックコメントの募集について

資源エネルギー庁
レアメタル生産動態統計
我が国の主要非鉄金属の国別・形態別輸入状況
非鉄金属等需給動態統計
石油備蓄の現況
LPガス備蓄の現況
電力調査統計

【判例情報ウオッチング】
新しい情報はありません。

ISO14001
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3R推進月間特集 ⑮食品リサイクル法 その3 制度概要

2007-10-15 05:53:36 | リデュース・リユース・リサイクル
2007年10月15日 
 3R推進月間特集第15回は、食品リサイクル法改正の概要です。

【食品リサイクル法の概要】
1.基本方針の策定等
 主務大臣は、食品循環資源の再生利用等を総合的かつ計画的に推進するため、基本方針を定める、とされています。また、『食品に係る資源の有効な利用の確保及び食品に係る廃棄物の排出の抑制を図るためには、食品の製造、流通、消費、廃棄等の各段階において、食品循環資源の再生利用並びに食品廃棄物等の発生の抑制及び減量を推進し、環境への負荷の少ない循環を基調とする循環型社会を構築していくことが必要である』としたうえで、循環型社会形成推進基本法(循環基本法)に定める循環型社会の形成についての基本原則(リデユース、リユース、リサイクル、適正処理の順)に即して食品廃棄物等の特性を踏まえた対応の実施をすることが規定されています。
 なお、『食品循環資源』とは、食品廃棄物であって、飼料・肥料等の原材料となるなど有用なもの、を、『再生利用』とは、食品循環資源を飼料・肥料・油脂及び油脂製品・メタンとして利用し、又は利用する者に譲渡すること、を、『再生利用等』とは、再生利用、発生抑制、減量(乾燥・脱水・発酵・炭化)のこと、を言います。

2.食品関連事業者による再生利用等の実施
 食品リサイクル法では、食品関連事業者(製造、流通、販売、外食など約100万業者)の再生利用等の実施について、下記のように定められています。
① 食品関連事業者は、主務大臣が定める判断の基準となるべき事項に従い、再生利用等に取り組むものとする。判断の基準となるべき事項では再生利用等の実施の原則、発生抑制の方法、特定肥飼料等の製造基準等について定める。
② 主務大臣は、食品関連事業者に対し、必要があると認めるときは、指導、助言を行うことができるものとする。
③ 主務大臣は、再生利用等が基準に照らして著しく不十分であると認めるときは、食品関連事業者(年間の食品廃棄物等の発生量が100トン以上のもの)に対し、勧告、公表及び命令を行うことができるものとする。

3.再生利用を実施するための措置
 食品関連事業者が再生利用を実施するための措置としては、①委託による再生促進を目指す登録制、②循環過程の一体化により再生促進を目指す認定制、の二つの措置が定められています。
① 食品循環資源の肥飼料化等を行う事業者についての登録制度を設け、委託による再生利用を促進。この場合、廃棄物処理法の特例等(運搬先の許可不要、料金の上限規制をやめ事前の届出制を採用、差別的取扱の禁止)及び肥料取締法・飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律(飼料安全法)の特例(製造・販売の届出不要)を講ずる。
② 食品関連事業者が、農林漁業者等の利用者や肥飼料化等を行う者と共同して再生利用事業計画を作成、認定を受ける仕組みを設け、三者一体となった再生利用を促進。この場合、廃棄物処理法の特例等及び肥料取締法・飼料安全法の特例を講ずる。

4.他法令における特例
(1)廃棄物処理法(法第20条)
 廃棄物処理法においては、廃棄物の収集運搬に際し、運搬元と運搬先の許可権限自治体が異なる場合は、それぞれの許可が必要とされていますが、上記の登録または認定を受けている場合は、運搬元の許可だけでよい、とされています。これにより、広域での再生利用促進が可能となります。

(2)肥料取締法・飼料安全法(法第21条、第22条)
 肥料取締法及び飼料安全法においては、製造・販売の届出が必要とされていますが、上記の登録または認定を受けている場合は不要とされています。

【官報ウオッチング】
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3R推進月間特集 ⑭食品リサイクル法 その2 2007年改正

2007-10-14 07:54:22 | リデュース・リユース・リサイクル
2007年10月14日 
3R推進月間特集第14回は、2007年食品リサイクル法改正の概要です。

【2007年改正法の概要】
1.再生利用等の実施目標のあり方
 業種特性を考慮し、業種別に達成目標を定める。具体的には、食品関連事業者は、個々の事業者ごとに、毎年度、基準となる食品循環資源の再生利用等の実施率目標を設定して計画的かつ効果的に食品循環資源の再生利用等に取り組むとともに、目標値を算出するための式を定める。食品関連事業者の再生利用等実施率が、毎年度、食品関連事業者ごとに設定された当年度の基準実施率を上回ること。

2.発生抑制の推進施策のあり方
 発生抑制を現行制度の再生量等の目標から切り出して個別の目標として、業種。業態ごとに原単位を設定する。具体的には、食品関連事業者は、食品廃棄物等の発生の抑制を促進するため、目標年度までに、食品廃棄物等の発生原単位(仮称)が基準値以下になるよう努めることとする。なお、主務大臣が定める目標年度及び基準値は一律とせず、一定の事業区分ごとに、それぞれ定めることとし、具体的な事業区分等については、平成21 年度から行われる定期報告の結果(平成20 年度分定期報告)等を踏まえ検討する。また、食品廃棄物等の発生の抑制を実施するに当たって講ずる措置について、調理くず、売れ残りその他の食品廃棄物等の種類ごとに定期的に発生量を計測し、その変動状況を把握するとともに、必要に応じ、売れ残りの量に関する目標など細分化した目標を定め、計画的な発生の抑制に努めることを追加する。

3・再生利用等の取組内容の報告・公表のあり方
 多量排出事業者から食品廃棄物発生量と再生利用等の実施状況についての報告を求め、情報公開する。具体的には、食品リサイクル法第9条第1項の規定に基づき、以下の内容となる。
(1)定期報告の方法
食品廃棄物等多量発生事業者は、毎年度6月末日までに前年度の(2)の事項について、原則として、電子申請により報告を行う旨規定する。
(2)定期報告事項
① 食品廃棄物等の発生量
② 売上高、製造数量等の食品廃棄物等の発生量と密接な関係を有する数値
③ 食品廃棄物等の発生原単位(①を②で除したもの)
④ 食品廃棄物等の発生抑制の実施量(基準となる年度の③から当該年度の③を減じた値に当該年度の②の数値を乗じたもの)
⑤ 食品循環資源の再生利用の実施量
⑥ 食品循環資源の熱回収の実施量
⑦ 食品廃棄物等の減量の実施量
⑧ 食品循環資源の再生利用等の実施率
⑨ 判断の基準となるべき事項の遵守状況(適又は不適を記載)その他の食品循環資源の再生利用等の推進のために実施した措置
⑩ 再生利用により得られた特定肥飼料等の製造量又は熱回収により得られた熱量等
⑪ フランチャイズチェーンにあっては、2の約款の定めのうちいずれかの有無等

4.再生利用及びエネルギー利用の促進施策のあり方
 循環型社会基本法に定められている循環型社会の形成についての基本原則を踏まえ、食品循環資源の再生利用等の手法の優先順位を次のとおり定める。また、このうち「再生利用」については、飼料の原材料としての利用を優先させる旨を規定する。
① 発生抑制、② 再生利用、③ 熱回収、④ 減量、⑤ 適正処分
 また、食品リサイクル法の改正により、食品循環資源の再生利用等の一環として熱回収が加えられるとともに、その基準を規定する省令が定められることに伴い、熱回収を行うに当たっての判断基準を定めることとする。具体的には、以下を把握し記録する体制の整備を行う旨を規定する。
(1)食品循環資源の再生利用施設の立地状況
(2)食品循環資源の再生利用施設の受け入れ状況
(3)食品循環資源の性状
(4)食品循環資源の熱回収を行う施設の名称・所在地

5.広域的・効率的な再生利用の促進のあり方
 食品関連事業者、リサイクル業者、農林漁業業者が連携して構築するリサイクル・ループを設定する制度を儲け、計画内における食品循環資源の広域的な一括収集が可能となるよう、廃棄物処理法の特定の措置を拡充する。

6.チェーン方式により事業展開する食品関連事業者のあり方
 本部機能を有する部署が、チェーン全体を把握できる食品関連事業者は、全体で1の事業者とみなし、実施効率産地等の対象とする。また、フランチャイズ事業を展開する事業者における食品循環資源の再生利用等の取組を促す観点から、本部及び加盟者における食品循環資源の再生利用等の促進のための留意事項について定めることとする。具体的な内容は以下の通り。
(1)本部事業者は、加盟者の事業活動に伴い生ずる食品廃棄物等について、加盟者に対し必要な指導を行い、再生利用等を促進するよう努めること。
(2)加盟者は、本部事業者が実施する再生利用等の促進のための措置に協力するよう努めること。

7.地方公共団体における食品リサイクル制度への関与のあり方
 食品リサイクル法における地方公共団体の地域における役割についt検討

8.食品リサイクル制度における学校教育等の役割のあり方
 食品リサイクル制度において、学校教育に期待される役割を明確に位置づける

9.食品リサイクル制度における消費者の理解の増進に向けた方策のあり方
 食品廃棄物の発生抑制等における消費書の取り組むべき事項を、基本方針において明確化するとともに、様々な情報伝達・広報手段を通じ、国と地方公共団体が食育を含め、消費者向けの普及啓発活動を図る


【官報ウオッチング】
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【行政情報ウオッチング】
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【判例情報ウオッチング】
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3R推進月間特集 ⑬食品リサイクル法 その1 法制定の背景

2007-10-13 07:55:57 | リデュース・リユース・リサイクル
2007年10月13日 
 3R推進月間特集第13回は、食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律(食品リサイクル法)です。食品リサイクル法は、建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(建設リサイクル法)と同様、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)の下位法との位置づけを有する法律として、2000年6月に制定されました。
 食品廃棄物は、①製造・加工段階で出される動植物性残渣、②流通過程で出される売れ残り食品、③消費段階で出される食べ残し、に分けられます。このうち①は産業廃棄物、②③は事業系一般廃棄物(食品流通業及び外食産業)と一般廃棄物(家庭)、に該当します。
 近年、コンビニエンスストアや外食チェーン店の増大など、食を取り巻く環境は大きく変貌を遂げました。たとえば、食生活の多様化・高度化に伴う消費者の過度の鮮度志向は、食品の大量廃棄の要因となっています。また、経済的なゆとりは大量の食べ残しの発生や多くの食品の浪費へと繋がっています。
 一方で、土地利用の高度化、住民の環境への意識への高まり等を背景として廃棄物の処理施設の確保はこれまでにも増して困難なものとなってきており、最終処分場の残余容量のひっ迫等廃棄物処理をめぐる問題の深刻化も、食品リサイクル法制定当時の大きな政策課題でもありました。
 このような状況の中で、健全な食料生産及び食料消費並びに食品廃棄物等の減量を実現するためには、関係者の適切な役割分担の下、食品に係る資源の有効な利用と食品に係る廃棄物の排出の抑制を一体的に推進していくことが求められます。特に、食の外部化の進展、加工食品の増大等を背景として、食品関連事業者の事業活動に伴い生ずる食品廃棄物等の増大が見込まれていたことから、食品産業の健全な発展、食品関連事業者による食品循環資源の再生利用等の取組の促進を目的として、食品リサイクル法が制定されました。
 前述の通り、食品リサイクル法は、2001年の法施行後、食品循環資源の肥料・飼料等への再生利用並びに食品廃棄物等の発生抑制及び減量の実施すべき量に関する目標として、2006年度における実施率を20%と定めていますが、その実施率の目標を達成していない食品関連事業者が相当数あり、また、再生利用よりも優先されるべき発生抑制が十分に進んでいるとは言えない状況にありました。
 そこで、2006年8月26日、食品リサイクル法附則第2条の「政府は、この法律の施行後5年を経過した場合において、この法律の施行状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。」という規定に基づき専門委員会が設置されました。同委員会では、①食品関連事業者等が行う食品廃棄物の発生抑制の促進策に関すること、②食品関連事業者等が行う食品循環資源の再生利用の促進策に関すること、③食品循環資源のエネルギー利用の取扱いに関すること、④その他食品リサイクル制度の運営に関する検討、について毎月1回の議論を重ね、2007年2月2日に開催された第43回中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会において、『食品リサイクル制度の見直しについて』が承認され、第166回通常国会において改正法が成立しています。

【官報ウオッチング】
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【行政情報ウオッチング】
環境省
平成20年度地球環境研究総合推進費の新規課題公募開始について
シャトゥーシュ(チベットアンテロープの毛で作られた毛織物)の売買禁止リーフレットの作成について
「温泉法の一部を改正する法律案」の閣議決定について
平成20年度環境保全経費概算要求額について
「平成19年度わたしがつくったマイバッグ環境大臣賞」の決定について
「国等における温室効果ガス等の排出の削減に配慮した契約の推進に関する法律第二条第三項の法人を定める政令案」等に対する意見の募集について
廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則の一部改正案に関する意見募集について
「一般廃棄物収集運搬業の許可を要しない者に関する廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則の特例を定める省令等の一部改正案」に対する意見の募集(パブリックコメント)の実施結果について
「省エネ家電普及促進フォーラム」設立総会の開催について

国土交通省
第1回 土壌汚染地における土地の有効利用等に関する研究会の開催について
第2回河川環境の整備・保全に関する政策レビュー委員会の開催について
「(仮称)建築・まちなみ景観形成ガイドライン」検討委員会(第2回)の開催について
社会資本整備審議会建築分科会第2回住宅・建築物省エネルギー部会議事概要
社会資本整備審議会環境部会・交通政策審議会交通体系分科会環境部会第5回合同会議議事録

資源エネルギー庁
平成20年度「原子力人材育成プログラム」実施方針

【判例情報ウオッチング】
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3R推進月間特集 ⑫家電リサイクル法 その2 制度概要

2007-10-12 05:57:15 | リデュース・リユース・リサイクル
2007年10月12日  
 3R推進月間特集第12回は、家電リサイクル法の制度概要についてみていきます。家電リサイクル法は、1998年6月、容器包装リサイクル法に続く二つ目の個別リサイクル法として制定されました。家電リサイクル法が制定された当時は、一般家庭から排出される使用済みの廃家電製品は、破砕処理の後に鉄などの一部の金属のみ回収が行われている場合があるものの、約半分はそのまま埋め立てられているのが実状でした。廃家電製品には鉄以外にも、銅・鉛・アルミ・ガラスなどの有用な資源が多く含まれていること、また、廃棄物最終処分場の残余容量がひっ迫しており、廃棄物の減量化は喫緊の課題となっていることが制定の背景にあります。
 このような状況を踏まえ、廃棄物の減量と再生資源の十分な利用等を通じて廃棄物の適正な処理と資源の有効な利用を図り、循環型社会を実現していくため、使用済み廃家電製品の製造業者等及び小売業者に新たに義務を課すことを基本とする新しい再商品化の仕組みを定めた家電リサイクル法が制定され、2001年4月から施行されました。
 家電リサイクル法では、家庭用エアコン、テレビ、冷蔵庫及び洗濯機の家電4品目について、小売業者による引取り及び製造業者等(製造業者、輸入業者)による再商品化等(リサイクル)が義務付けられ、消費者(排出者)には、家電4品目を廃棄する際、収集運搬料金とリサイクル料金を支払うことなどをそれぞれの役割分担として定めています。
 また、製造業者等は引き取った廃家電製品の再商品化等(リサイクル)を行う場合、定められているリサイクル率(50~60%)を達成しなければならないとともに、家庭用エアコンと冷蔵庫においては、含まれるフロンを回収することが義務付けられています。
 国の役割としては、リサイクルに関する必要な情報提供や不当な請求をしている事業者等に対する是正勧告・命令・罰則の措置を定めています。
 そのほか、消費者から特定家庭用機器廃棄物が小売業者から製造業者等に適切に引き渡されることを確保するために管理票(マニフェスト)制度が設けられており、これによりリサイクルが確実に行われているかどうかを消費者からも確認することができるシステムとなっています。

【家電リサイクル法の概要】
1.対象機器(法第2条第4項、令第1条)
 家電製品を中心とする家庭用機器から、①市町村等による再商品化等が困難であり、②再商品化等をする必要性が特に高く、③設計、部品等の選択が再商品化等に重要な影響があり、④配送品であることから小売業者による収集が合理的であるものを対象機器として政令で指定する、こととされ、テレビ・冷蔵庫・洗濯機・エアコンの4品目が対象機器として指定されています。

2.再商品化等の定義(法第2条第1項~第3項)
 対象機器の廃棄物から部品及び材料を分離し、これを製品の原材料又は部品として利用すること、とするマテリアル・リサイクル及び対象機器の廃棄物から部品及び材料を分離し、これを燃料として利用すること、とするサーマル・リサイクルが含まれています。特定家庭用機器廃棄物の収集及び運搬並びに再商品化等に関する基本方針(1999年6月23日環境庁・厚生省・通商産業省告示第1号)においては、『特定家庭用機器廃棄物の再商品化等の実施に当たっては、まず、製品の部品又は原材料としての利用である再商品化を進めることが必要である。その上で、再商品化が技術的に困難な場合又は環境への負荷の程度等の観点から適切でない場合に、熱回収を行う際には、生活環境の保全上支障が生じないよう万全を期しつつ行うことが必要である』として、サーマル・リサイクル優先の方針が掲げられています。

3.関係者の役割
(1) 製造業者及び輸入業者(製造業者等)
① 引取り義務(法第29条)
 製造業者等は、予め指定した引取場所において、自らが製造等した対象機器の廃棄物の引取りを求められたときは、それを引き取らなければなりません。引取場所については、対象機器の廃棄物の再商品化等が能率的に行われ、小売業者・市町村からの円滑な引渡しが確保されるよう適正に配置する、とされています。
 
② 再商品化等実施義務(法第18条)
 製造業者等は、引き取った対象機器の廃棄物について、再商品化等基準(法第22条)に従って、対象機器の再商品化等を実施することとされています。また、エアコン・冷蔵庫については、フロンの回収・破壊もあわせて実施する必要があります。
 ■再商品化等基準(リサイクル率=総重量に占める重量の割合)
  □エアコン 60%
  □テレビ  55%
  □冷蔵庫  50%
  □洗濯機  50%

(2)小売業者
① 引取り義務(法第9条)
 小売業者は、次に掲げる場合において、対象機器の廃棄物を引き取ることとされています。
 □自らが過去に小売販売をした対象機器の廃棄物の引取りを求められたとき
 □対象機器の小売販売に際し、同種の対象機器の廃棄物の引取りを求められたとき
② 引渡し義務(法第10条)
 小売業者は、対象機器の廃棄物を引き取ったときは、中古品として再利用する場合を除き、その対象機器の製造業者等(それが明らかでない時は指定法人)に引き渡すこと、とされています。

(3) 消費者(法第6条)
 消費者は、対象機器の廃棄物の再商品化等が確実に実施されるよう小売業者等に適切に引き渡し、収集・再商品化等に関する料金の支払いに応ずる等本法に定める措置に協力すること、とされています。
 
(4) 市町村(法第54条)
 市町村は、その収集した対象機器の廃棄物を製造業者等(又は指定法人)に引き渡すことができる、とされています(但し、自ら再商品化等を行うことも可能)。

4. 費用請求
(1)製造業者等(法第19条)
 対象機器の廃棄物を引き取るときは、引取りを求めた者に対し、その対象機器の廃棄物の再商品化等に関する料金を請求することができます。その料金の額は、再商品化等を能率的に実施した場合の適正原価を上回るものであってはならず、また、料金の設定に当たっては、排出者の対象機器の廃棄物の適正な排出を妨げることのないよう配慮しなければならない、とされています。

(2)小売業者(法第11条、第12条)
 対象機器の廃棄物を引き取るときは、中古品として再利用する場合を除き、排出者に対しその対象機器の廃棄物の収集及び製造業者等による再商品化等に関する料金を請求することができる、とされています。

(3)勧告・命令・罰則(法第14条、第21条、第58条)
 事業者による料金の公表及び国による適切な情報提供、不当な請求をしている事業者に対しては、是正勧告・命令・罰則の措置がとられます。

5.管理票(マニフェスト)制度(法第43条、第44条)
 管理票を発行し、製造業者等までの対象機器の廃棄物の確実な運搬を確保するための措置を講ずることとされています。原則として管理票は小売業者が交付することとされていますが、対象機器の引渡しに支障が生じている地域については、指定法人が交付することとなります。

6.その他
(1)指定法人(法第33条)
 指定法人は、①製造業者等の倒産等により義務者が明らかでない場合、または、②中小規模の製造業者及び輸入業者の委託による場合に、対象機器の廃棄物の再商品化等を実施し、③対象機器の廃棄物の製造業者等への引渡しに支障が生じている地域の市町村またはその住民からの求めに応じて、対象機器の廃棄物を製造業者等に引き渡す等の業務を実施する、こととされています。
 
(2)製造業者等及び小売業者への監督(法第16条、第28条、第52条、第52条、第58条)
 製造業者等及び小売業者による業務履行を確保するため、対象機器の廃棄物の引取り、再商品化等の義務に違反する場合の勧告・命令・罰則、報告徴収・立入検査等所要の監督を行う、こととされています。

【官報ウオッチング】
〔省令〕
一般廃棄物収集運搬業の許可を要しない者に関する廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則の特例を定める省令の一部を改正する省令(環境省令第29号/(平成13年環境省令第34号の一部改正)
 廃肉骨粉の処理については、一定の期間に限り、一般廃棄物である廃肉骨粉の収集又は運搬について一般廃棄物収集運搬業の許可を要しないこととされているほか、一般廃棄物又は産業廃棄物である廃肉骨粉のセメント工場における再生利用を再生利用認定制度の対象とする特例措置が講じられているところであるが、引き続き、これらの特例措置を講じて、その適正処理を確保する必要があることから、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)第7条第1項ただし書の規定等に基づき、その期限を2年延長することとする(附則中6年を8年に改める)。
施行日:平成19年10月12日

〔告示〕
環境大臣が定める一般廃棄物の一部を改正する件の一部を改正する件(環境省告示第84号/平成13年環境省告示第55号の一部改正)
 廃肉骨粉の処理については、一定の期間に限り、一般廃棄物である廃肉骨粉の収集又は運搬について一般廃棄物収集運搬業の許可を要しないこととされているほか、一般廃棄物又は産業廃棄物である廃肉骨粉のセメント工場における再生利用を再生利用認定制度の対象とする特例措置が講じられているところであるが、引き続き、これらの特例措置を講じて、その適正処理を確保する必要があることから、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)第7条第1項ただし書の規定等に基づき、その期限を2年延長することとする(附則中6年を8年に改める)。
施行日:平成19年10月12日

廃肉骨粉に係る再生利用の認定の申請書に添付する書類及び図面並びに再生利用の内容等の基準の一部を改正する件(環境省告示第85号/平成13年環境省告示第56号の一部改正)
 廃肉骨粉の処理については、一定の期間に限り、一般廃棄物である廃肉骨粉の収集又は運搬について一般廃棄物収集運搬業の許可を要しないこととされているほか、一般廃棄物又は産業廃棄物である廃肉骨粉のセメント工場における再生利用を再生利用認定制度の対象とする特例措置が講じられているところであるが、引き続き、これらの特例措置を講じて、その適正処理を確保する必要があることから、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)第7条第1項ただし書の規定等に基づき、その期限を2年延長することとする(附則中6年を8年に改める)。
施行日:平成19年10月12日

環境大臣が定める産業廃棄物の一部を改正する件の一部を改正する件(環境省告示第86号/平成16年環境省告示第42号の一部改正)
廃肉骨粉の処理については、一定の期間に限り、一般廃棄物である廃肉骨粉の収集又は運搬について一般廃棄物収集運搬業の許可を要しないこととされているほか、一般廃棄物又は産業廃棄物である廃肉骨粉のセメント工場における再生利用を再生利用認定制度の対象とする特例措置が講じられているところであるが、引き続き、これらの特例措置を講じて、その適正処理を確保する必要があることから、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)第7条第1項ただし書の規定等に基づき、その期限を2年延長することとする(附則中3年6月を5年6月に改める)。
施行日:平成19年10月12日

【行政情報ウオッチング】
環境省
中央環境審議会地球環境部会・産業構造審議会環境部会地球環境小委員会合同会合(第24回)、産業構造審議会・総合資源エネルギー調査会自主行動計画フォローアップ合同小委員会関係WG合同会議の開催について
中央環境審議会地球環境部会(第5回懇談会)の開催について
中央環境審議会第10回総会の開催について
平成19年度第6回薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会化学物質調査会 化学物質審議会第68回審査部会 第72回中央環境審議会環境保健部会化学物質審査小委員会の合同開催について
国別登録簿システムの運用一時停止について
自然環境保全基礎調査浅海域生態系調査(干潟調査)の結果について
廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則の一部改正案に関する意見募集について

経済産業省
国別登録簿システムにおける口座開設の一時停止について

国土交通省
第6回これからの土地利用を考える懇談会の開催について

資源エネルギー庁
ガス事業制度改革について 

【判例情報ウオッチング】
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