環境法令ウオッチング

2006年7月から2007年12月までの環境法令情報・行政情報・判例情報を掲載。

3R推進月間特集 26 省エネ・リサイクル支援法 公的助成策

2007-10-26 07:37:41 | リデュース・リユース・リサイクル
2007年10月26日 
 3R推進月間特集第26回は、エネルギー等の使用の合理化及び資源の有効な利用に関する事業活動の促進に関する臨時措置法(省エネ・リサイクル支援法)です。省エネ・リサイクル支援法は、1993年、『資源の大半を輸入に頼る我が国の状況及び環境問題の国際的な高まりに鑑み、地球温暖化問題、廃棄物問題、オゾン層破壊問題に対応した事業者等の自主的な取り組みを支援すること』を目的として制定されました。
 2003年、エネルギー政策全般の見直しに際し、①政策支援の対象事業の追加(エネルギー起源の二酸化炭素の排出を抑制する事業であって海外で行うもの、使用済物品等及び副産物の発生の抑制(リデュース、再生部品の利用(リユース)の実施)、②支援機関の変更(政策支援のための業務(債務保証及び利子補給等)を行う機関を、産業基盤整備基金から独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構に変更)、③法律期限の延長(平成25年3月31日まで延長)、の改正がなされています。

【省エネ・リサイクル支援法の概要】
1.支援対象事業(第2条)
(1)省エネルギーの推進、海外での二酸化炭素排出抑制として、以下の5事業が支援対象とされています。
①工場・事業場における省エネ設備等の導入
②建築物における省エネ設備、建築材料の導入
③海外の工場又は事業場における二酸化炭素排出抑制
④省エネ技術の開発
 □分離膜精製技術、溶融還元炉銑鉄製鉄技術、連続鋳造による鋳片製造技術、二酸化炭素を原材料とするアルコール製造技術等
⑤省エネ廃熱有効利用設備の導入
 □大規模コージェネレーション地域熱供給施設、カスケード利用型工業団地熱供給施設、高効率廃棄物発電等施設(廃棄物エネルギー利用施設)、工場等余熱エネルギー周辺供給施設

(2)3R(リデュース・リユース・リサイクル)の促進として、4項目が支援対象とされています。
①3R設備の導入
 □紙製造業(脱墨装置等)、非鉄金属第二次製錬・精製業(選別機等)、プラスチック製品製造業(減容器、粉砕機等)、化学繊維製造業(解重合装置等)、複写機の製造業(分解装置等)等
②再生資源又は再生部品の分別回収
 □古紙、カレット、鉄くず、アルミニウムくず、廃プラスチック類等の分別回収、再生製品の市場拡大
③3R技術の開発
 □鉄くず再生資源化技術、石炭灰再生資源化技術、廃プラスチック類油化技術、スラッジ発生抑制技術等
④再生資源としての利用が容易な原材料(パルプモウルド)の製造設備の導入

(3)特定フロンの使用の合理化の推進として、以下の2項目が支援対象とされています。
①特定フロンの使用の合理化に資する技術の開発
 □代替フロン利用冷凍空調機製造技術、脱フロン等精密洗浄装置製造技術等
②特定フロンの使用の合理化に資する設備(代替品使用型洗浄装置等)の導入

(4)包装材料、容器の使用の合理化に資する技術の開発に関する支援対象
 □生分解性プラスチック製造技術

(5)リサイクルの推進、包装材料の簡素化等の共同事業活動

2.事業者による計画の策定(第4条、第6条、第20条)
 特定事業活動を行おうとする事業者等は、当該特定事業活動に関する計画(以下「事業計画」という。)を作成し、これを主務大臣に提出して、その事業計画が適当である旨の承認を受けることができます。
また、2以上の事業者であって、再生資源若しくは再生部品の分別回収その他再生資源若しくは再生部品の利用のために必要な措置又は特定物質の使用の合理化のために必要な措置を実施しようとするものは、共同して、実施しようとする当該措置に関する計画を作成し、これを事業所管大臣に提出して、その共同事業計画が適当である旨の承認を受けることができます。
 中小企業者はその事業計画を作成し、その主たる事務所の所在地を管轄する都道府県知事に提出して、その事業計画が適当である旨の承認を受けることができます。

3.支援措置
(1)金融上の助成措置の対象事業
①産業部門省エネルギー対策推進事業
 年間原油換算100kl以上に相当するエネルギーの削減が可能となる事業で以下の要件を満たすもの
 □廃熱等の未利用エネルギーを改修するための付加設備又はエネルギーの使用効率を改善するための設備の接地を行う事業(ESCO事業を含む)で、エネルギー使用効率が20%以上向上するもの
 □省エネ・リサイクル支援法の承認を受けた事業で、工場において承認設備の設置を行うもの
②建築物省エネルギー推進事業
 □省エネ性能の向上に資する改修事業(ESCO事業に限る)
 □省エネ・リサイクル支援法の承認を受けた事業で、建築物の建築(増改築を含む)を行う際に承認設備等の設置を行うもの 
③民生部門省エネルギー推進事業
 □省エネ法の判断基準を満たす機械器具等の製造設備の設置又は改善を行う事業、及び□判断基準を早期に満たすための取り組みとして相当と認められる事業
④コ・ジェネレーションシステム整備
一次エネルギー利用効率が60%以上で、出力50kW以上のコ・ジェネレーションシステムを導入する事業
⑤風力発電施設(出力800kW以上)整備事業
⑥太陽光発電施設(出力150kW以上)整備事業
⑦燃料電池整備事業(出力100k以上で、廃熱を利用し、一次エネルギー利用効率が60%以上のもの)
⑧バイオマスエネルギー施設整備事業
⑨雪氷熱利用施設整備事業

(2)中小企業等を対象とした制度
①エネルギー有効利用促進
 省エネルギーに資する設備の取得(改造、更新を含む。)を行う事業(ESCO事業又は特定の設備についてはリース・レンタル事業による取得を含む。)
②特定高性能エネルギー消費設備導入等促進
 高性能な工業炉、ボイラー等を、導入する事業
③石油代替エネルギー
 石油代替エネルギーを使用するために必要な設備を設置する事業

 長く続いた3R推進月間特集は、次回で最終回となります。明日は、『未完の循環政策』として、今後の循環型社会形成のための法政策を展望してみたいと思います。

【官報ウオッチング】
〔省令〕
廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則の一部を改正する省令(環境省令第30号/昭和46年厚生省令第35号の一部改正)
1.再生利用認定制度の対象について【規則第6条の2、第12 条の12 の2、告示】
① 規則第6条の2第1号及び規則第12 条の12 の2第1号に規定している「ばいじん又は焼却灰であつて、一般廃棄物の焼却に伴つて生じたものその他の生活環境の保全上支障が生ずるおそれがあるもの」及び規則第6条の2第2号及び規則第12条の12 の2第2号に規定している「特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律(平成4年法律第108 号)第2条第1項第1号イに掲げるもの」から資源として利用することが可能な金属を原材料として使用することができる程度に十分に含む廃棄物を除く旨の改正。
② 具体的な廃棄物としては、金属を含む廃棄物(当該金属を原材料として使用することができる程度に十分に含むものが廃棄物になったものに限る。)とする。

2.再生利用認定制度の内容ついて
再生利用認定制度の内容に係る事項について、現在の規定に加えて以下の①~③の内容を新たに規定する。
① 処理残さの発生について【規則第6条の4第8項、第12 条の12 の4第8項】
内容の基準において、資源として利用することが可能な金属を原材料として使用することができる程度に十分に含む廃棄物を再生利用する場合は、廃棄物(処理残さ)の発生を認めることとする。
② マニフェストについて【規則第8条の19】
①にあるとおり、処理残さとしての廃棄物が発生することが考えられるため、再生利用に供される廃棄物の処理が最後まで確実に行われたことを把握する必要があることから、規則第8条の19 に規定されているマニフェストの交付を不要とする者から資源として利用することが可能な金属を原材料として使用することができる程度に十分に含む廃棄物について再生利用認定を受ける者を除く旨の改正を行う。
施行日:平成19年10月26日


環境大臣が定める一般廃棄物及び再生利用に係る特例の対象となる産業廃棄物の一部を改正する告示(環境省告示第八十八号)
1.環境大臣が定める一般廃棄物の一部改正(平成九年厚生省告示第二百五十八号の一部改正)
本則に次の一号を加える。
四 金属を含む廃棄物(当該金属を原材料として使用することができる程度に含むものが廃棄物になったものに限る。)
2.再生利用に係る特例の対象となる産業廃棄物の一部改正(平成9年厚生省告示第259号の一部改正)
本則に次の一号を加える。
五 金属を含む廃棄物(当該金属を原材料として使用することができる程度に含むものが廃棄物になったものに限る。)
施行日:平成19年10月26日

廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則第六条の四第十号、第六条の五第十一号、第十二条の十二の四第十号及び第十二条の十二の五第十一号の規定に基づき、金属を含む廃棄物に係る再生利用の内容等の基準を定める件(環境省告示第89号)
1.再生利用の内容の基準
①鉱物、鉱物の製錬又は精錬を行う工程で生ずる副生成物等を原材料として使用する非鉄金属の製錬若しくは精錬又は製鉄の用に供する施設において、金属を含む廃棄物から金属として用いるための再生品を得るためのものであること。
②廃棄物を原材料として使用するにあたり、前処理が必要な場合においては、当該前処理に伴い生じる廃棄物の適正な処理が行われるものであること。
2.再生利用を行い、又は行おうとする者の基準
① 金属として用いるための再生品とその他の処理物を区分して保管及び搬出することができる者であること。
② 金属の製造及び販売を主たる事業として行う者であって、再生品である金属の販売を円滑に行うことができることが事業の実績等に照らして明らかである者であること。
③ 再生利用の用に供する施設が溶融炉である場合には、次の基準に従い維持管理をすることができる者であること。
ア)溶融炉内への金属を含む廃棄物又は金属を含む廃棄物を焼結若しくはばい焼したもの(以下「金属を含む廃棄物等」という。)の投入は、定量ずつ行うこと。
イ)溶融炉内に投入された金属を含む廃棄物等の温度を金属を得るために必要な温度以上とし、これを保つこと。
ウ)溶融炉内に投入された金属を含む廃棄物等の数量及び性状に応じ、金属を得るために必要な滞留時間を調節すること。
エ)溶融炉内の温度を間接的に把握することができる位置の温度を連続的に測定し、かつ、当該温度及び当該温度から推定される溶融炉内の温度を記録すること。ただし、溶融炉内の温度を直接的、かつ、連続的に測定し、記録する場合はこの限りでない。
オ)溶融炉が適正に稼働していることを確認するため、溶融処理に伴い生ずる物(ばいじんを除く。)の流動状態が適正であることを定期的に確認すること。
カ)集じん器に流入する燃焼ガスの温度をおおむね摂氏二百度以下に冷却すること。ただし、集じん器内で燃焼ガスの温度を速やかにおおむね摂氏二百度以下に冷却することができる場合にあっては、この限りでない。
キ)集じん器に流入する燃焼ガスの温度(前号ただし書の場合にあっては、集じん器内で冷却された燃焼ガスの温度)を連続的に測定し、かつ、記録すること。
ク)冷却設備及び排ガス処理設備にたい積したばいじんを除去すること。
ケ)排ガスによる生活環境の保全上の支障を生じないようにすること。
コ)火災の発生を防止するために必要な措置を講ずるとともに、消火器その他の消火設備を備えること。
サ)溶融炉内に金属を含む廃棄物を投入するために必要な焼結又はばい焼を行う場合にあっては、次によること。
□ 金属を含む廃棄物の焼結又はばい焼を行う場合にあっては、焼結炉又はばい焼炉内のガスの温度を焼結又はばい焼を行うために必要な温度に保つとともに、焼結炉又はばい焼炉内の出口のガスの温度を連続的に測定し、かつ、記録すること。
□ 排ガスによる生活環境保全上の支障が生じないようにすること。
□ 火災の発生を防止するために必要な措置を講ずるとともに、消火器その他の消火設備を備えること。
④ 再生利用の用に供する施設が浸出槽である場合には、次の基準に従い維持管理をすることができる者であること。
ア)浸出液が地下に浸透しないように必要な措置を講ずること。
イ)浸出槽内の水素イオン濃度指数を測定し、金属を含む廃棄物等及び浸出液の供給量を適度に調整すること。
ウ)金属を含む廃棄物等と浸出液との混合を十分に行うこと。
エ)電解槽から生じる排水による生活環境の保全上の支障を生じないようにすること。
オ)浸出槽内に金属を含む廃棄物を投入するために必要な焼結又はばい焼を行う場合にあっては、③のサ)の例によること。
⑤ 再生利用の用に供する施設が回転炉床型の還元炉である場合には、次の基準に従い維持管理をすることができる者であること。
ア)還元炉内への金属を含む廃棄物の投入は、定量ずつ連続的に行うこと。
イ)還元炉内の温度を金属を得るために必要な温度以上に保つこと。
ウ)還元炉内の温度を連続的に測定し、かつ、記録すること。
エ)還元炉の回転速度に伴い、還元炉内に投入された金属を含む廃棄物等の数量及び性状に応じ、金属を得るために必要な滞留時間を調節すること。
オ)還元炉床にたい積した物を定期的に除去すること。
カ)金属として用いるための再生品の回収の用に供する集じん器に流入する金属を含有した燃焼ガスの温度をおおむね摂氏二百度度以下に冷却すること。
キ)金属として用いるための再生品の回収の用に供する集じん器に流入する金属を含有した燃焼ガスの温度を連続的に測定し、かつ、記録すること。
ク)冷却設備及び排ガス処理設備にたい積したばいじんを除去すること。
ケ)排ガスによる生活環境の保全上の支障が生じないようにすること。
コ)火災の発生を防止するために必要な措置を講ずるとともに、消火器その他の消火設備を備えること。
サ)還元炉内に金属を含む廃棄物を投入するために必要な造粒(金属を含む廃棄物を破砕し、水を均一に混合して混練し、押し出しにより成形し、かつ乾燥することをいう。)を行う場合にあっては、次によること。
□ 定期的に保管設備を点検し、金属を含む廃棄物が流出し、又は地下に浸透するおそれがあると認められる場合には、速やかにこれを防止するために必要な措置を講ずることとする。
□ 破砕設備にあっては次によること。
(1) 破砕設備に投入する金属を含む廃棄物に破砕に適さないものが含まれていないことを連続的に監視すること。
(2) 破砕によって生ずる粉じんの周囲への飛散を防止するために必要な措置を講ずること。
□ 乾燥設備にあっては次によること。
(1) 乾燥室の出口におけるガスの温度を連続的に測定し、かつ、記録すること。
(2) 排ガスに係る管路を定期的に清掃すること
施行日:平成19年10月26日

【行政情報ウオッチング】
環境省
中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会(第45回)の開催について
「国及び独立行政法人等における温室効果ガス等の排出の削減に配慮した契約の推進に関する基本方針(案)」に対する意見の募集について
平成19年度第3回「国内における毒ガス弾等に関する総合調査検討会」の開催について
大気汚染防止法に係る担当者会議の開催について
平成20年度京都議定書目標達成計画関係予算概算要求について

国土交通省
「オフィスビルの地球温暖化防止対策検討会」について~オフィスビルのCO2排出量削減について業界横断的な検討を開始~

【判例情報ウオッチング】
新しい情報はありません。

ISO14001
◆毎週更新中!「環境法令管理室」に「10月15日から10月21日までに公布された主な環境法令一覧」を更新しました/2007.10.21
◆毎週更新中!「環境法令管理室」に「10月15日から10月21日までに発表された改正予定法令一覧」を更新しました/2007.10.21