2007年12月28日
自動車排出ガス規制の仕組み、本日から2回にわたり、今年から施行されたオフロード法による規制を概観していきます。
特定特殊自動車排出ガスの規制等に関する法律(オフロード法)は、これまで未規制だったオフロード(公道を走行しない)特殊自動車からの排気ガスに規制をかけ、オンロード(公道を走行する)特殊自動車の排気ガス規制と足並みを揃えることを目的として制定されました。オフロード特殊自動車から排出される窒素酸化物(NOx)及び粒子状物質(PM)の割合は、自動車全体の排出量のそれぞれ25%及び12%を占めるとされており、移動発生源からの窒素酸化物(NOx)及び粒子状物質(PM)の発生抑制の実効性を上げるためにも、本法の制定は意義のあることといえます。本法は、平成17年5月に公布され、①エンジンメーカーによる排ガス性能基準の申請と大臣による適合指定(型式指定)、②車両メーカーによる型式指定エンジン搭載車両であることの届出、に関する事項が平成18年4月1日から、③特定原動機の型式指定に関する規定が、平成18年5月1日から、④特定特殊自動車の使用者に対する規制に係る規定及びそれに関する罰則等に係る規定についての規定が平成18年10月1日から、それぞれ施行されています。
【オフロード法による規制(移動発生源対策)】
1.制定経緯
オフロード法が制定された背景には、①大都市地域を中心とした厳しい大気環境の状況にあり、自動車NOx・PM法に基づく目標(平成22年度までに窒素酸化物、粒子状物質に係る環境基準を概ね達成する目標)の達成に向け、種々の対策を実施しなければならないこと、②建設機械・産業機械等の特殊自動車のうち、公道を走行しない特殊自動車については、その大気汚染物質の排出寄与率は無視できないものの(自動車全体の排出量に占める割合は、窒素酸化物で約25%、粒子状物質で約12%)、現在は未規制であること、③今後、さらなる大気環境改善のため、オン・オフで同一のエンジンを搭載することも十分可能であるので、この規制値強化に合わせて、オフロード特殊自動車の排出ガス規制を導入することが合理的。なお、排出ガス規制値については、オン・オフ共通のものとする予定であり、オフロード法の施行により、窒素酸化物、粒子状物質の排出量は、平成22年度までに、それぞれ約9万t、約2千t削減されると試算されること、があげられています。
2.規制対象
(1)特定特殊自動車(法第2条、令第1条、第2条)
オフロード法の規制対象となる自動車(特定特殊自動車)は、大型特殊自動車及び小型特殊自動車、連続式バケット掘削機やタワークレーン等の建設機器とされています。
(2)特定原動機(法第2条、則第1条)
特定原動機とは、特定特殊自動車に搭載される原動機及び特定特殊自動車排出ガスの発散防止装置をいいます。
(3)特定特殊自動車排出ガス(法第2条、令第3条)
規制の対象となる特定特殊自動車排出ガスは、一酸化炭素・炭化水素・鉛化合物・窒素酸化物・粒子状物質とされています。
3.特定原動機の型式指定
(1)特定原動機技術基準(法第5条、則第2条)
特定原動機について、特定特殊自動車排出ガスによる大気の汚染の防止を図るため主務大臣によって定められた必要な技術上の基準(特定原動機技術基準)が下記の通り定められています。
①特定原動機は、排気管から大気中に排出される排出物に含まれる一酸化炭素、炭化水素、窒素酸化物、粒子状物質及び黒煙を多量に発散しないものとして、燃料の種別等に応じ、性能に関し、『特定特殊自動車排出ガスの規制等に関して必要な事項を定める告示(平成18年経済産業省・国土交通省・環境省告示第1号)』に規定される基準に適合するものであること。
②①の規定に適合させるために特定原動機に備える特定特殊自動車排出ガスの発散防止装置は、当該装置の機能を損なわないものとして、構造、機能、性能に関し『特定特殊自動車排出ガスの規制等に関して必要な事項を定める告示(平成18年経済産業省・国土交通省・環境省告示第1号)』で定める基準に適合するものであること。
(2)特定原動機の型式指定(法第6条、則第3条、第4条)
特定原動機の製作者及び輸入者は、申請により、同一モデル(型式)の特定原動機の全てが排出ガス性能基準に適合することについて、主務大臣の指定(型式指定)を受けることができます。なお、オンロード特殊自動車のエンジン型式指定を受けたものは、特定原動機の型式指定を取得したものとみなす、とされています。また、オンロードのエンジン型式指定申請についても、特定原動機の型式指定取得エンジンについて簡易な運用が図られています。
【官報ウオッチング】
〔省令〕
建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行規則の一部改正(厚生労働省令第153号/昭和46年1月21日厚生省令第2号の一部改正)
飲料水の水質検査項目に塩素酸を追加する。検査の回数は、これまでの総トリハロメタン等の消毒副生成物に係る項目と同様に、1年に1回の測定を義務付けることとする(施行規則第4条関係)。
施行日:平成20年4月1日
号外289号
〔省令〕
特定化学物質障害予防規則の一部改正(厚生労働省令第155号/昭和47年労働省令第39号の一部改正)
1.特化則第2条第3号に規定する特定第2類物質に、ホルムアルデヒド及びホルムアルデヒドをその重量の1%を超えて含有する物(以下「ホルムアルデヒド等」という。)を追加すること。
2.ホルムアルデヒドに係る作業環境測定の記録及び作業環境測定の結果の評価の記録については、30年間保存すること。
3.特定化学物質障害予防規則第38条の3に規定する特別管理物質に、ホルムアルデヒド等を追加すること。
4.事業者が、①1,3―ブタジエン若しくは1,3―ブタジエンをその重量の1%を超えて含有する製剤その他の物(以下「1,3―ブタジエン等」という。)を製造し、若しくは取り扱う設備から試料を採取し、又は当該設備の保守点検を行う作業、②硫酸ジエチル又は硫酸ジエチルをその重量の1%を超えて含有する製剤その他の物(以下「硫酸ジエチル等」という。)を触媒として取り扱う作業、に労働者を従事させるときに講ずべき措置を定めること。
施行日:平成20年3月1日
特定化学物質障害予防規則の規定に基づく厚生労働大臣が定める性能の一部を改正する件(厚生労働省告示第434号/昭和50年労働省告示第75号の一部改正)
1.ホルムアルデヒドのガス、蒸気又は粉じんが発散する作業場に設ける局所排気装置にあっては、そのフードの外側におけるホルムアルデヒドの濃度が0.1ppm を超えないものとすること。
2.1,3-ブタジエン又は硫酸ジエチルのガス、蒸気又は粉じんが発散する作業場に設ける局所排気装置について、制御風速を規定すること(ガス状の状態において、0.5m/sec)とすること。
※ 局所排気装置の性能を定めるにあたり、専門家からなる「管理濃度等検討会」を設置して検討を行い、結論を得たもの。
施行日:平成20年3月1日
【行政情報ウオッチング】
環境省
外来生物法に基づき特定外来生物に指定されたナイトアノール等12種に係る特定飼養等施設の基準の細目等について
「特定特殊自動車排出ガスの規制等に関して必要な事項を定める告示の一部を改正する告示(案)」に関する意見の募集の実施結果と再度の意見の募集について
薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会PRTR対象物質調査会、化学物質審議会管理部会、中央環境審議会環境保健部会PRTR対象物質等専門委員会 合同会合(第2回)の開催について
平成19年度省CO2型都市づくりのための面的対策モデル事業の採択について(お知らせ)
平成20年春の花粉総飛散量の予測(速報)について(お知らせ)
中央環境審議会循環型社会計画部会(第42回)の開催について
光化学オキシダント・対流圏オゾン検討会報告書(中間報告)について(お知らせ)
平成19年度自主参加型国内排出量取引制度 取引参加者の募集について(お知らせ)
「自主参加型国内排出量取引制度検討会(第1回)」の開催について(お知らせ)
平成17年度自主参加型国内排出量取引制度(第1期)評価報告書の公表について(お知らせ)
経済産業省
CDMプロジェクト政府承認審査結果について(申請者:三菱商事株式会社、丸紅株式会社、日本テピア株式会社、三井物産株式会社、住友林業株式会社、日本カーボンファイナンス株式会社、関西電力株式会社、大和証券SMBCプリンシパルインベストメンツ株式会社、新日本製鐵株式会社)
厚生労働省
薬事・食品衛生審議会化学物質安全対策部会PRTR対象物質調査会、化学物質審議会管理部会、中央環境審議会環境保健部会PRTR対象物質等専門委員会 合同会合(第2回)の開催について
平成19年度第5回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会における検討の結果について
【判例情報ウオッチング】
新しい情報はありません。
【ISO14001】
◆毎週更新中!「環境法令管理室」に「12月17日から12月24日までに公布された主な環境法令一覧」を更新しました/2007.12.24
◆毎週更新中!「環境法令管理室」に「12月17日から12月24日までに発表された改正予定法令一覧」を更新しました/2007.12.24
自動車排出ガス規制の仕組み、本日から2回にわたり、今年から施行されたオフロード法による規制を概観していきます。
特定特殊自動車排出ガスの規制等に関する法律(オフロード法)は、これまで未規制だったオフロード(公道を走行しない)特殊自動車からの排気ガスに規制をかけ、オンロード(公道を走行する)特殊自動車の排気ガス規制と足並みを揃えることを目的として制定されました。オフロード特殊自動車から排出される窒素酸化物(NOx)及び粒子状物質(PM)の割合は、自動車全体の排出量のそれぞれ25%及び12%を占めるとされており、移動発生源からの窒素酸化物(NOx)及び粒子状物質(PM)の発生抑制の実効性を上げるためにも、本法の制定は意義のあることといえます。本法は、平成17年5月に公布され、①エンジンメーカーによる排ガス性能基準の申請と大臣による適合指定(型式指定)、②車両メーカーによる型式指定エンジン搭載車両であることの届出、に関する事項が平成18年4月1日から、③特定原動機の型式指定に関する規定が、平成18年5月1日から、④特定特殊自動車の使用者に対する規制に係る規定及びそれに関する罰則等に係る規定についての規定が平成18年10月1日から、それぞれ施行されています。
【オフロード法による規制(移動発生源対策)】
1.制定経緯
オフロード法が制定された背景には、①大都市地域を中心とした厳しい大気環境の状況にあり、自動車NOx・PM法に基づく目標(平成22年度までに窒素酸化物、粒子状物質に係る環境基準を概ね達成する目標)の達成に向け、種々の対策を実施しなければならないこと、②建設機械・産業機械等の特殊自動車のうち、公道を走行しない特殊自動車については、その大気汚染物質の排出寄与率は無視できないものの(自動車全体の排出量に占める割合は、窒素酸化物で約25%、粒子状物質で約12%)、現在は未規制であること、③今後、さらなる大気環境改善のため、オン・オフで同一のエンジンを搭載することも十分可能であるので、この規制値強化に合わせて、オフロード特殊自動車の排出ガス規制を導入することが合理的。なお、排出ガス規制値については、オン・オフ共通のものとする予定であり、オフロード法の施行により、窒素酸化物、粒子状物質の排出量は、平成22年度までに、それぞれ約9万t、約2千t削減されると試算されること、があげられています。
2.規制対象
(1)特定特殊自動車(法第2条、令第1条、第2条)
オフロード法の規制対象となる自動車(特定特殊自動車)は、大型特殊自動車及び小型特殊自動車、連続式バケット掘削機やタワークレーン等の建設機器とされています。
(2)特定原動機(法第2条、則第1条)
特定原動機とは、特定特殊自動車に搭載される原動機及び特定特殊自動車排出ガスの発散防止装置をいいます。
(3)特定特殊自動車排出ガス(法第2条、令第3条)
規制の対象となる特定特殊自動車排出ガスは、一酸化炭素・炭化水素・鉛化合物・窒素酸化物・粒子状物質とされています。
3.特定原動機の型式指定
(1)特定原動機技術基準(法第5条、則第2条)
特定原動機について、特定特殊自動車排出ガスによる大気の汚染の防止を図るため主務大臣によって定められた必要な技術上の基準(特定原動機技術基準)が下記の通り定められています。
①特定原動機は、排気管から大気中に排出される排出物に含まれる一酸化炭素、炭化水素、窒素酸化物、粒子状物質及び黒煙を多量に発散しないものとして、燃料の種別等に応じ、性能に関し、『特定特殊自動車排出ガスの規制等に関して必要な事項を定める告示(平成18年経済産業省・国土交通省・環境省告示第1号)』に規定される基準に適合するものであること。
②①の規定に適合させるために特定原動機に備える特定特殊自動車排出ガスの発散防止装置は、当該装置の機能を損なわないものとして、構造、機能、性能に関し『特定特殊自動車排出ガスの規制等に関して必要な事項を定める告示(平成18年経済産業省・国土交通省・環境省告示第1号)』で定める基準に適合するものであること。
(2)特定原動機の型式指定(法第6条、則第3条、第4条)
特定原動機の製作者及び輸入者は、申請により、同一モデル(型式)の特定原動機の全てが排出ガス性能基準に適合することについて、主務大臣の指定(型式指定)を受けることができます。なお、オンロード特殊自動車のエンジン型式指定を受けたものは、特定原動機の型式指定を取得したものとみなす、とされています。また、オンロードのエンジン型式指定申請についても、特定原動機の型式指定取得エンジンについて簡易な運用が図られています。
【官報ウオッチング】
〔省令〕
建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行規則の一部改正(厚生労働省令第153号/昭和46年1月21日厚生省令第2号の一部改正)
飲料水の水質検査項目に塩素酸を追加する。検査の回数は、これまでの総トリハロメタン等の消毒副生成物に係る項目と同様に、1年に1回の測定を義務付けることとする(施行規則第4条関係)。
施行日:平成20年4月1日
号外289号
〔省令〕
特定化学物質障害予防規則の一部改正(厚生労働省令第155号/昭和47年労働省令第39号の一部改正)
1.特化則第2条第3号に規定する特定第2類物質に、ホルムアルデヒド及びホルムアルデヒドをその重量の1%を超えて含有する物(以下「ホルムアルデヒド等」という。)を追加すること。
2.ホルムアルデヒドに係る作業環境測定の記録及び作業環境測定の結果の評価の記録については、30年間保存すること。
3.特定化学物質障害予防規則第38条の3に規定する特別管理物質に、ホルムアルデヒド等を追加すること。
4.事業者が、①1,3―ブタジエン若しくは1,3―ブタジエンをその重量の1%を超えて含有する製剤その他の物(以下「1,3―ブタジエン等」という。)を製造し、若しくは取り扱う設備から試料を採取し、又は当該設備の保守点検を行う作業、②硫酸ジエチル又は硫酸ジエチルをその重量の1%を超えて含有する製剤その他の物(以下「硫酸ジエチル等」という。)を触媒として取り扱う作業、に労働者を従事させるときに講ずべき措置を定めること。
施行日:平成20年3月1日
特定化学物質障害予防規則の規定に基づく厚生労働大臣が定める性能の一部を改正する件(厚生労働省告示第434号/昭和50年労働省告示第75号の一部改正)
1.ホルムアルデヒドのガス、蒸気又は粉じんが発散する作業場に設ける局所排気装置にあっては、そのフードの外側におけるホルムアルデヒドの濃度が0.1ppm を超えないものとすること。
2.1,3-ブタジエン又は硫酸ジエチルのガス、蒸気又は粉じんが発散する作業場に設ける局所排気装置について、制御風速を規定すること(ガス状の状態において、0.5m/sec)とすること。
※ 局所排気装置の性能を定めるにあたり、専門家からなる「管理濃度等検討会」を設置して検討を行い、結論を得たもの。
施行日:平成20年3月1日
【行政情報ウオッチング】
環境省
外来生物法に基づき特定外来生物に指定されたナイトアノール等12種に係る特定飼養等施設の基準の細目等について
「特定特殊自動車排出ガスの規制等に関して必要な事項を定める告示の一部を改正する告示(案)」に関する意見の募集の実施結果と再度の意見の募集について
薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会PRTR対象物質調査会、化学物質審議会管理部会、中央環境審議会環境保健部会PRTR対象物質等専門委員会 合同会合(第2回)の開催について
平成19年度省CO2型都市づくりのための面的対策モデル事業の採択について(お知らせ)
平成20年春の花粉総飛散量の予測(速報)について(お知らせ)
中央環境審議会循環型社会計画部会(第42回)の開催について
光化学オキシダント・対流圏オゾン検討会報告書(中間報告)について(お知らせ)
平成19年度自主参加型国内排出量取引制度 取引参加者の募集について(お知らせ)
「自主参加型国内排出量取引制度検討会(第1回)」の開催について(お知らせ)
平成17年度自主参加型国内排出量取引制度(第1期)評価報告書の公表について(お知らせ)
経済産業省
CDMプロジェクト政府承認審査結果について(申請者:三菱商事株式会社、丸紅株式会社、日本テピア株式会社、三井物産株式会社、住友林業株式会社、日本カーボンファイナンス株式会社、関西電力株式会社、大和証券SMBCプリンシパルインベストメンツ株式会社、新日本製鐵株式会社)
厚生労働省
薬事・食品衛生審議会化学物質安全対策部会PRTR対象物質調査会、化学物質審議会管理部会、中央環境審議会環境保健部会PRTR対象物質等専門委員会 合同会合(第2回)の開催について
平成19年度第5回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会における検討の結果について
【判例情報ウオッチング】
新しい情報はありません。
【ISO14001】
◆毎週更新中!「環境法令管理室」に「12月17日から12月24日までに公布された主な環境法令一覧」を更新しました/2007.12.24
◆毎週更新中!「環境法令管理室」に「12月17日から12月24日までに発表された改正予定法令一覧」を更新しました/2007.12.24