環境法令ウオッチング

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大気汚染防止推進月間特集23 自動車排出ガス規制の仕組み その4 自動車NOx・PM法による規制④

2007-12-23 07:23:34 | 大気汚染
2007年12月23日 
 自動車NOx・PM法による規制第4回は、埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県の1都3県及び兵庫県が制定する条例の内容と自動車NOx・PM法との違いを概観します。

5.条例による規制
 自動車NOx・PM法の対策地域を抱える埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県の1都3県では、平成15年10月1日から、条例により、粒子状物質(PM)のみを対象としつつ、域外からの流入車をも含め排出基準に適合しない自動車の走行を禁止する独自の制度を設けています。また、同様に兵庫県も、条例によりNOx・PMの両方を対象とし、一部の地域(神戸市灘区、東灘区、尼崎市、西宮市(北部地域を除く)、芦屋市、伊丹市)において、域外からの流入車をも含め排出基準に適合しないトラック(車両総重量8t以上)・バス(定員30人以上)の走行を禁止する独自の制度を設けています。
(1)対策地域の拡大
 自動車NOx・PM法では、8都府県(埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県・愛知県・三重県・大阪府及び兵庫県)の一部の地域、とされていますが、1都3県の条例では、埼玉県・千葉県・東京都(島部を除く)・神奈川県の全域に拡大されています。また、兵庫県条例では、阪神東南部地域(神戸市灘区、東灘区、尼崎市、西宮市(北部地域を除く)、芦屋市、伊丹市)が対象とされています。

(2)排出規制物質
 自動車NOx・PM法では、窒素酸化物(NOx)及び粒子状物質(PM)が対象とされていますが、1都3県の条例による規制対象は、粒子状物質(PM)のみです。したがって、1都3県においては、各都県が指定するPM除去装置を装着することにより規制適合車とみなされますが、これらの装置ではNOxを低減することができないため、国の自動車NOx・PM法の車種規制に適合することはできません。一方、兵庫県条例は、窒素酸化物(NOx)及び粒子状物質(PM)ともに規制対象とされています。

(3)対象自動車
 自動車NOx・PM法では、対策地域内に使用の本拠の位置がある自動車が指定自動車とされていますが、1都3県及び兵庫県条例では、対象地域内を運行する自動車すべてが対象とされています。つまり、対策地域に指定されていない地域に使用の本拠の位置がある自動車が、1都3県及び兵庫県の対象地域を運行する場合には、規制の対象となることになります。

(4)対象となる種別
 自動車NOx・PM法では、トラック・バス・特種(乗用車ベースはディーゼル車のみ)・、ディーゼル乗用車が車種規制対象とされていますが、1都3県条例では、ディーゼルのトラック・バス・特種自動車が、兵庫県条例では、車両総重量8t以上の普通貨物自動車及び特種自動車・定員30人以上の大型バスが、車種規制の対象とされています。

(5)規制値
 自動車NOx・PM法では、①NOxにつき長期規制値並、②PMにつき3.5トン超の場合は長期規制並、3.5トン以下の場合は新短期規制の1/2、とされています。これに対し、1都3県条例では、条例の規制対象であるPMにつき長期規制値並(ただし、東京・埼玉は平成18年4月から新短期規制並)、となっています。一方、兵庫県条例は自動車NOx・PM法と同一の規制値を規定しています。

(6)規制担保手段
 自動車NOx・PM法では、道路車両法の保安基準と連動して、自動車車検証の交付時による規制と連動して、施策の実効性を担保していますが、1都3県条例では、自動車Gメンによる立入検査や路上検査によって、兵庫県条例では、路上検査やカメラ検査によって実効性を担保する規定が置かれています。

(7)条例名
埼玉県:埼玉県生活環境保全条例
千葉県:千葉県ディーゼル自動車から排出される粒子状物質の排出の抑制に関する条例
東京都:都民の健康と安全を確保する環境に関する条例
神奈川県:神奈川県生活環境の保全等に関する条例
兵庫県:環境の保全と創造に関する条例

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【行政情報ウオッチング】
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【判例ウオッチング】
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